【信じようと、信じまいと】『幽霊に足』など全50話【39】ロア – 噂話集 – 嘘のような本当の話

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【信じようと、信じまいと】『幽霊に足』など全50話【39】ロア - 噂話集 - 嘘のような本当の話 信じようと信じまいと
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信じようと、信じまいと【39】全50話  ロア – 噂話

 

江戸時代中期に活躍した絵師・円山応挙は幽霊画家としても著名であり、肉筆では初めて
「足を描かない」幽霊画の画法を考案した人物とされる。彼が幽霊に足を描かなかった理由は
その演出的効果以上に、無名時代に描いたある幽霊画に一生悩まされ続けたからだという。
足を与えられたその幽霊は、夜な夜な掛軸を抜け出ては彼の元に訪れるようになったのだ。

 

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1960年、アメリカでアーガス・フライデーという結婚式場のオーナーが「13日の金曜日」の迷信を
払拭するキャンペーンとして、フライデー号と名付けた自身の船に自分を含め13人の乗客を乗せ、
その年の13日の金曜日(ちなみに5月であった)の13時13分に処女航海に出航した。
その後、フライデー号の消息を知る者は居ない。

 

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最近では1986年、カナダの動物園で、客の会話を学習してほぼ完璧な英語を話す猿が出現した。
実際に客と簡単な会話をし、何人もの人がこれを目撃している。
その猿はその日のうちに動物園から姿を消し、
動物園側はそれをアトラクションの類であったと説明している。

 

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ある古本屋に、男が一冊の本を売りに来た。
店主が知らない本であったが、見事な装丁だったので買い取る事にした。
数日後、店の本は一冊を残して消えてしまった。
後に残されたのは、男から買い取った「世界の図書目録」という本だけであった。

 

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アメリカのある町で、青年が一人夕焼けの海岸線を歩いていた。
青年は砂浜に貝殻を見つけ、それを耳に当てて漣の音を聞こうとした。
しかし貝殻から聞こえてきたのは両親が喧嘩をしている様子だった。
家に戻った青年は、警官から両親が心中を図った事を聞かされた。

 

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ある男が、天使が降臨する絵を書いていた。
しかし何度書いても上手く行かず、男は苦悩の末自殺してしまった。
友人が駆け付けた時は既に手遅れで、死後数日が経過していた。
しかし、完成された彼の絵はまだ乾いていなかったという。

 

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筑波大学のホームページには数年前まで、同大学の学生課で運営する「質問掲示板」があった。
どんなふざけた質問にも丁寧かつユーモラスに答えてくれるとネット上で人気を博していたが、
ある時一人の学生がふざけて「筑波大学って有事の時には合体して巨大ロボになるんですよね?」
と書き込んだ際には、解答がなかったばかりか書き込み自体が削除されてしまったという。

 

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中国地方のある村では毎年、人が亡くなると畑に新しい案山子を立てるという風習がある。
既に案山子が立っている畑には新たに立てず、案山子が立てられた畑は手入れをしない。
そのうち荒れた畑ばかりになりそうだが、毎年一体ずつ案山子が畑から消えるのだそうだ。
ある村人は「新しいのが立てられそうになると、古い案山子から山へ歩いて行く」と語った。

 

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第二次世界大戦末期、チェコのプラハ攻防戦に参加した兵士の証言に次のようなものがある。
「その敵兵は石の剣や鎧で武装しており、銃で頭を砕かれても動きを止める事は無かった」
その証言を裏付けるように、戦闘後の市内には石の剣や鎧が埋まった砂山が各所で見られたが、
公式には「戦闘によって彫刻等が多数破壊された」とするのみで、兵士の証言は黙殺された。

 

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1994年アメリカ、スーパーで深夜の見廻りをしていた男がレジ付近へライトを向けると、
レジに立っているマネキンを別のマネキンが銃で脅しているという奇妙な光景が目に入った。
驚いた男は制止の声を上げ銃を構え、相手も構えたのを見て発砲、マネキンの右腕を粉砕した。
その直後にマネキン達は動きを止めたが、破損したマネキンの足元には大量の血痕が残された。

 

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「ロードス島の青銅巨人」これは紀元前305年に建造された有名な世界七不思議の一つである。
太陽神ヘリオスの姿を模して作られたと言われるが、実際は別の姿であった事は知られていない。
その像は女性の姿であり、右手に書物を小脇に抱え、左手には松明を持ち高く掲げている。
現在良く知られている自由の女神像と鏡に映し、冠を取り去ったのと全く同じ姿であったという。

 

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1743年、フランスのある村へ来た旅芸人の一団に、精巧な人形を持つ一人の腹話術師がいた。
人形があまりに精巧だったので、ある男が人形を盗んで金にしてやろうと友人に持ちかけた。
友人は反対したが、男は早速今夜にも盗んでやると豪語して旅芸人一座のテントへと向った。
しかし翌朝、旅芸人達は何事も無く村を出て行き、後には男によく似た人形が残されていたという。

 

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「私が作りました」。それは、農産物の生産者と消費者を繋ごうとする試みである。
長野の山本氏は、東京のスーパーで信じがたいものを見た。キャベツに微笑むのは、
10年前に死んだはずの叔父なのである。あわてて出荷元の農協に問い合わせたが、
確かに叔父と名乗る人物から集荷したという。一体、キャベツはどこから来たのか。

 

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10年あまり前、当時大学生の仲村さんは、神戸の学生マンションに暮らしていた。
現代の若者とて近隣との交際もせず、時折聞こえる隣室の騒音にも干渉しなかった。
マンションに住んで3年目、震災で建物は倒壊して仲村さんは九死に一生を得たが、
それよりも恐ろしかったのは、隣室が何もない空き部屋であったとわかったことだ。

 

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「真夜中に電気冷蔵庫から出る音が、中年男の唸り声のように聞こえて眠れない」。
1960年代、このような苦情がさる家電メーカーの苦情係に相次いで寄せられた。
担当者たちが青くなったのは、苦情が栃木の某工場で生産した製品に集中しており、
その工場内で中年の男性労働者が何者かに殺される事件が発生していたためである。

 

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「ヅカ」の名で広く知られる宝塚少女歌劇。
創立者は当地の私鉄の創立者である小林一三氏であるが、なぜ女性のみの劇団を作ったのか。
一説には巫女舞に見られるように、女性による歌舞音曲には荒ぶる魂を鎮める効果があるとされる。
ちなみに「宝塚」とは、多数の古墳があったことから付いた地名であるという。

 

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徳島在住の田村氏は1975年頃、三波春男のコンサートで不思議な人物に会った。
それは和服の老爺で見事な白い髭を蓄え、射るような眼光は今も記憶に残るほどだ。
「お客様は神様です」。この有名な文句は三波独特の宗教観に裏打ちされたもので、
彼の意識で芸の披露は神々への奉納だったという。三波には神が見えたのだろうか。

 

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電子レンジの原理は、第二次世界大戦中に米国の軍需企業で偶然発見されたものだ。
開発チームはホムンクルスを作っているという噂も立てられた。火災・放電・爆発、
物体の消失や出現などといった開発の苦難は、たしかにオカルトじみたものである。
死者11人、発狂6人、行方不明5人の犠牲を払って、電子レンジは製品化された。

 

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とある夫人が洗った飼い猫を乾かそうとして電子レンジに放り込み、加熱してそのまま焼き殺してしまった…
ポピュラーな都市伝説だが、これを再現するような事件が1982年、米フロリダ州の田舎町で発生している。
ペットを死なせた宅配業者の男は、これも噂話をなぞるように「不良品を売ったメーカーが悪い」と訴訟を起こした。
「実家の猫は風呂好きで、毎日これで体を乾かしていた」との事だが、男の訴えが通らなかった点は噂と異なる。

 

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「電子レンジに猫を入れると爆発する」。人気バラエティ番組に視聴者から送られた「雑学」は
当然プロデューサーに却下されたが、ある下請け制作会社が不謹慎な好奇心から「実際にやってみた」。
番組関係者は社会の非難を恐れると同時に、下請け会社の4人を変死させた「祟り」の波及を恐れた。
これが人気番組でありながらレギュラー放送を打ち切った理由である。

 

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ある男は毎朝自分で淹れた茶を飲むのが習慣で、毎日茶柱が立つのを自慢していた。
実際男は運が良く、事故も遭わず大怪我もせずに平穏で幸福な日々を過ごしていた。
ある朝、男の淹れた茶に茶柱が立たなかった。男は多少不安を感じつつも仕事へ出た。
1923年9月1日、その日発生した関東大震災によって男はきっかり正午に命を落とした。

 

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ある町で、男の刺殺体が二つ見つかった。二つは顔貌からから死に方まで同じだった。
二つの死体のDNAは完全に一致し、また凶器から死体以外の指紋は検出されなかった。
しかし、検案が終わり解剖へ回されようとした死体の一つが忽然と消えてしまった。
男の素性は全く分からず、解剖を終えた死体は単に自殺した無縁仏として処理された。

 

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フランス西部のある村には、1400年代に巨人が住んでいたという伝承が残されている。
巨人が住んでいたと言われる遺跡もあるのだが、どう見ても普通の人間サイズである。
では何故巨人と言われるようになったのか?この村の伝承には次の様な描写がある。
「見上げれば牛より高いであろうか、巨大なる人が不思議そうに見下ろしていたのだ」

 

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元来UFOとは未確認飛行物体の略であり、異星人の宇宙船=UFOというのは間違いである。
例えば、1944年4月2日に台北市内で目撃されたものが宇宙船でないUFOとして挙げられる。
その飛行物体は明確に人型であり、体長は約1m、燐光に包まれ10m程上空を飛行していた。
数人がそれを目撃し、空中へ染み入るように消えたこの物体の正体は未だ判明していない。

 

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ある男が、ここ数日扉を開ける夢ばかり見るんだと知人に漏らした。知人は機転を利かせ、
新しい進展がある暗示じゃないかと言ったが、どうも扉を開けた先にまだ扉があるらしい。
翌日、男は知人にもう夢は見ないかも言った。開けた先の扉が無い夢を見たというのだ。
さらに翌日、男は深夜に心臓発作で死亡した。彼が開けていた扉は何だったのだろうか?

 

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砂丘は、風によって運ばれた砂が地表に堆積して出来るものであるため、砂漠と違い
徐々に移動する。しかしデンマークのある田舎町をおそった「砂丘」は砂丘としても
少々異質で、わずか一日で街ひとつが大量の砂に埋もれ「消失」し、その翌日には
砂は跡形もなく無くなっていた。三千人近い街の住人達と共に。

 

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1978年。北海道、根室沖で起こった定期連絡船・福富丸沈没事故。
乗員乗客867人全員死亡という惨事になったこの事故の翌年、根室管内の
漁場で軒並みカニなどの甲殻類の卸値が下落した。茹でたカニの甲羅から
人間の頭髪や歯が出てきたという話が相次いだためである。

 

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ハリガネムシという寄生虫がいる。成虫になるまでカマキリなどの昆虫の体内で過ごし、
特殊な神経伝達物質を出して宿主を水辺まで誘い、その身体を食い破って出てくると
いう珍しい生体を持つ生物だが、最近、ブラジルで川に飛び込んで自殺した男性の
体内から、一メートル近くまで育ったハリガネムシが見つかったという。

 

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1997年、メキシコで珍しい肉食恐竜の化石が見つかった。殆ど炭化しているものの
遺伝子配列まで固定された皮膚の化石で、これにより発見された恐竜にはカメレオンのように
皮膚の色を変え、外敵から身を守る能力があったことが解った。ただ、体長30メートルの
肉食恐竜に一体どんな天敵がいたのかは定かではない。

 

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広島県と島根県の県境に、1m程度と短い「真っ黒なガードレール」が設置されている。
そこは特に事故が起こりやすい箇所でもなく、その色もあって見ればかなりの違和感を覚えるはずだ。
黒く塗られている理由は伝わっておらず、道路を管理している土木事務所も「そんなガードレールは知らない」という。
ただ、目撃されるたびにガードレールの位置が違っており、どうも山道をさまよっているらしい。

 

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人間や動物の幽霊の話はよく聞くが、時には生き物以外の幽霊話を耳にする事がある。
第2次大戦中に目撃された幽霊戦闘機(フー・ファイター)や、怪談でも登場する幽霊列車などがそれだ。
海にも「幽霊船」などがおり、山口県周防灘では「煙を吹く戦艦『陸奥』」の姿が昼夜を問わず度々目撃されている。
不思議なのは、それを目撃した人が証言するとき、まず「煙は緑色だった」と先に述べる事だ。

 

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1987年5月ごろ、鳥取県の海岸に無人の古いボートが漂着しているのが発見された。
脱北者が乗っていたボートだったらしいが、中に残されていた食料はすべて腐敗していた。
ボートからは手帳も発見されており、ハングル文字で「途中で遭難した」事が記されていたらしい。
日付は1980年になっておリ、最後のページには「天までそびえる巨大な灯台が見えた。助かった」とだけ書かれていたという。

 

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アメリカ中西部のある町では、西部開拓時代に掘られた井戸が未だ現役で使われている。
20年程前に上水道を整備しようとした際には、町の住民による強硬な反対で白紙となった。
住民達の主張はこうである。「この井戸は聖別された物であり、住民の拠り所であるし、
井戸から汲んだ聖水によって、毎年数名が悪魔憑きから開放されているという実績がある」

 

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シエネの井戸の話を聞き、エラトステネスが地球の大きさを概算で出したのは有名な逸話だ。
しかし、彼が旅人から聞いた井戸についての逸話は他にもあった。例えばスーサの町である。
この町の中心にある井戸はスフィンクスが守っており、来る人に問いかけをするというのだ。
正しく答えた者には桶一杯の蜜を与え、答えられなかった者は桶一杯の血を奪われたという。

 

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後の世にして鎌倉時代と呼ばれる動乱の時期、出雲の国多伎村の井戸に一匹の鯉が放たれた。
数年後の神在月に入った頃、一人の老人が村を訪ねて喉の渇きを訴え、村人に水を求めた。
村人が快く水を与えると老人は水神となり、井戸の鯉を龍に変え大社へと飛び去ったという。
井戸は現在まで涸れずに残っているが、近年の調査でも元となる水脈は発見されなかった。

 

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ある村に住む新婚の嫁が、井戸での水仕事中に大切な結婚指輪を井戸に落としてしまった。
その所為で姑に苛められた嫁は、姑の好物である鮎を翌日の夕食に供し機嫌を取ろうとした。
姑はそれでも嫁を苛めたが、鮎を食べている途中で急に喉を詰まらせ窒息死してしまった。
姑の喉を詰まらせていたのは鮎の腸と、嫁が無くした真新しい結婚指輪であったという。

 

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井戸を無闇に覗き込んではならない。この話は「月夜の井戸」という逸話が元となっている。
ある時井戸を覗いた男が、間近にある水面とそこに映る月を見た。男は急に水が欲しくなり、
水面へと手を伸ばした。すると水面より小さく白い二本の手が伸びて男の手を掴もうとした。
遠くに聞こえた寺の鐘に男が我に帰ると、井戸の水面は遠い底に見えるだけであったという。

 

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みんな創作だと思ってたけど、ロアの手紙のチェンメって本当にあんだね。
昨日パソコンに知らないアドレスから「こんな話をお聞きになったことは?」っていう
タイトルのメールが届いてさ。ぴったり100個ロアが書いてあった。
半分以上ここの過去ログから拾ったっぽいヤツだったけど、新作らしいのも
けっこうあったんで、じわじわ貼ってきますわ。

 

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歴史は常に勝者によって改竄されている。例えば、日本では明治時代より、天皇の神格化と国民教育のため、
当初は天皇を守り立てていたため天下統一目前まで迫ったが、その後朝廷をないがしろにしたゆえ部下に撃たれた
「織田信長」という武将や、勤勉に働き天皇を敬って天下人に至った「木下藤吉郎」という農民を作り上げた。
こうした実在しない人物の多くは今でも、堂々と教科書に載り続けている。

 

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ドイツに、「夕暮れの塔」と呼ばれる高い塔があった。その塔の最上階から見える景色はいつも夕焼けだという。それを聞いた
ある作家が、「そんなはずはない」と朝早くから塔に登った。しかし塔は高く階段も急で、やっと最上階に着いたときには
もう夕方だった。「夕暮れの塔とはそういうカラクリか」と合点した作家は、今度は夕方に塔に登ることにした。最上階に
たどり着く頃にはもう夜中のはずだ。そう思い塔に入った瞬間、彼は絶句した。夕陽の差し込むそこは、紛れもなく最上階だった。

 

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アイルランドである男が、何週間も続けて顔も見たことのない女の子の夢を見た。相談した占い師に
「お前はその少女に殺されるであろう」と予言され、ノイローゼになったその男はある日、バス停で
夢に出てきたそのままの少女に「わたし、おじさんと夢で会ったよね?」と声をかけられた。
半狂乱になった男は、名前も知らない少女をその場で絞め殺した。その咎で、男は縛り首になった。

 

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ワシントンにあったガーティ橋は、とかく13につきまとわれた橋だった。いつの頃からか、
毎月13日に必ず事故が起こるようになり、死者もたびたび出た。そして完成から13年後に
ご丁寧に13人の通行者を巻き込んでガーティ橋は崩壊した。その日も13日だった。
崩れた橋梁の中からは、人柱にされた13人分の遺骨が発見された。

 

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北海道で、ある女性が左目の角膜移植手術を受けた。手術は成功したが、退院直後から彼女は妙な症状を
訴えるようになる。時々、誰かに見られているような…いや、まるで自分の内側を見透かされているような、
落ち着かない気分になるというのだ。それを聞いた友人は彼女に告げた。「自分では気付いてないかも
知れないけど、あなた最近よく左目だけ白目剥いてるわよ」彼女の内側を睨んでいたのは、自身の左目だった。

 

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栃木県のある中学校で、タイムカプセルを掘り出すために当時の卒業生が集まった。みな再会を懐かしんだが
十年前、卒業式にも来ずにそのまま失踪した男子生徒について言及する者はいなかった。そして掘り起こした
カプセルを開封した瞬間、悲鳴が上がった。中には明らかに人間の物と思われる白骨が入っていたのだ。
卒業生達は、かつての同級生の失踪の真相と、当時の彼の交際相手が今日欠席した理由を知った。

 

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ある冬の朝。デンマークの片田舎で身元不明の死体が発見された。
その太った老人は、検死の結果数百メートル以上の高さから「墜落死」していることが判明した。
死体は周りに高い建物など何一つない村の広場の真ん中で見つかったというのに。
1996年、12月25日のことである。

 

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イギリスの昆虫学者ピーター・マイルストンは、ある日樹海へフィールドワークに出かけ、そのまま失踪した。
彼のテントから見つかった日記によると、彼はまず両手ほどの大きさのアリを発見し、その翌日にはレトリバー犬
くらいの大きさのカブトムシを見たという。「テントがどんどん広くなっていく」などと意味不明な言葉も残されていて、
誰もが彼は錯乱して樹海で遭難したと思い、日記の文字がだんだん小さくなっているのを気にとめた者はいなかった。

 

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とある音系同人サークルは猫の声に悩まされていた。
というのもマスター音源をいくらチェックしても聴こえないのに、
プレスし製品化されたCDを聞くと必ずどこかのトラックに猫の声が聞こえたのだ。
そこで、ためしに犬の声を混ぜたトラックを入れたところ、それ以来猫の声は入らなくなったという。

 

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キャットフードを食べる変わり者は意外と多い。
実際キャットフードを食べ、レビューするHPもちらほら存在する。
以前開設されていたキャットフードレビューのブログには、
とある製品のレビューで一言「うちのタマとおなじ味がする…」とだけ書かれていたという。

 

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自殺の名所として知られる富士の樹海こと青木ヶ原樹海にて一人の男性の首吊り死体が発見された。
遺体の第一発見者の証言によると、彼は故人が書いていたと見られるブログの読者で、
タイトルの頭文字を順に読んでいくとこの場所で首を吊って死ぬと読めたのだとのこと。
警察関係者が実際に確認したところ、その日投稿されていた最新の記事を除けば確かに読めたという。

 

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警察官の仕事の一つに自転車の取り締まりがある。
青森県のとある警察官が深夜、イヤホンをしていた自転車乗りを取り締まった。
彼は嘆く。「聴きながらだと集中力が低下して危険なんですよ。音漏れがするほどの大音量でしたし。それに、イヤホン端子が前輪付近まで垂れていたので下手すれば大事故になりかねませんでした。」

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