【信じようと、信じまいと】『鉄製の箱』など全50話【28】ロア – 噂話集 – 嘘のような本当の話

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【信じようと、信じまいと】『鉄製の箱』など全50話【28】ロア - 噂話集 - 嘘のような本当の話 信じようと信じまいと
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信じようと、信じまいと【28】全50話  ロア – 噂話

 

1983年、イギリスの片田舎にある農場で、一辺60cmほどの鉄製の箱が掘り出された。
不審に思った農場の持ち主が箱を開けると、干からびた右手と古いノートが入っており、
ノートには「私はここに閉じ込められた」という一文の下に名前と住所が書かれていた。
調べを進めると、ちょうど50年ほど前、書かれていた住所に住んでいたある人物が行方不明になっていた。

 

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1972年、大西洋上を走る大型タンカー船よりSOSが入った。
近くを航行中の船がSOS信号を受信し、タンカー船に乗り込んだが、1名の乗員を残し、全員が姿を消していた。
生き残った船員は「次々と乗組員が石油の貯蔵槽に飛び込んだ」と話したが、貯蔵槽からは一人の死体も見つからなかった。
後日、その船を調査したところ、予定されている積載量より1tほど多い石油が積まれていた。

 

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アメリカのあるTV局が、南米にある密林の奥にいるという「叫び続ける男」を取材しに行った。
その男は「昼夜を問わず、寝ている時ですら寝言で叫ぶ」と言われていたが、会ってみると、普通の男だった。
落胆したスタッフが村を後にし、出口まで差し掛かった時、密林の奥から男の叫ぶ声が聞こえてきた。
後に分かった話だが、男はひどい人見知りだったらしい。

 

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1886年、中国のタクラマカン砂漠にて。
「オアシスのない場所に緑が茂っている」という噂が流れ、真偽を確かめるべく探検隊が出発した。
探検隊はその場所に到着したが緑はなく、干からびた旅人の屍骸が一つ転がっているだけだった。
しかし、何故かその屍骸は青々とした緑の草をその手に握り締めていたらしい。

 

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1968年、牧畜が盛んに行われているブルガリアのある町に、「首吊りの木」と呼ばれている木があった。
ある時、その木を切り倒そうと計画が立ったが、翌日からの強風で計画は延期された。
風が止んでから木を見に行くと、木は強風に飛ばされ、近くの崖にぶら下がっていた。
ツタが木に絡みつき、まるで「首を吊っているようだった」と村人は後に語っている。

 

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1986年、旧ソ連のチェルノブイリ原子力発電所が暴走した。
事故後、ソ連が発電所近辺の村や森林で独自に調査を行った所、
避難が完了したはずの村から、損傷の激しい12体の人間の死体が回収された。
記録上、村の住民は全員避難・生存している。この12人はどこから来たのか。

 

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ミクロネシアに点在する珊瑚礁の島々のひとつに「リーフオブヘブン」という小さな無人島がある。
此処には『この島で夜を迎えると死ぬ』という言い伝えがあり、周辺住民は陽が落ちた後の島には決して近づこうとしない。
80年代にこの伝説を解明しようと島に泊まった大学教授が翌朝遺体で発見されて以来現在至るまで、彼が最後の犠牲者のままだ。

 

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江戸時代、高名な人形師がいた。
彼の作る人形は、精巧で、まるで人間のように動いたと言われている。
ところがある時、将軍に献上した人形が壊れていたため、人形師は斬首されてしまった。
切り落とされた人形師の首から、いくつかの歯車が出てきたらしい。

 

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1983年、オーストラリアの南東部で大規模な山火事が発生した。
火は燃え広がり、地元で「悪魔の住む森」と呼ばれている森まで類焼した。
数日後、火は消し止められ、政府が焼け跡を調査したが、
「悪魔の住む森」のあった場所からは一匹の動物の屍骸も見つからなかったそうである。

 

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1960年代後半、ドイツのとある町に、吸血鬼を自称する男がいた。
吸血鬼を自称するだけの無害な男だったため、町人達は男を放っておいた。
ある日、道路を横断中の男に車が突っ込み、男は死んでしまう。
轢死した男からは、成人男性6人分もの血液が流れ出たらしい。

 

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魔女裁判が最盛期の中世欧州に、人語を解する猫がいた。
当時は、猫を魔女の手先として虐殺していたため、その猫も火あぶりにかけられた。
猫は「お前達にもこの苦しみを味わわせてやる」と言い残し、絶命した。
その数年後、欧州ではペストが大流行することとなる。

 

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ポーランドのとある古城には「吸血鬼がいる」という噂があった。
1993年のある日、その城の城壁から観光客が落下し死亡するという事故が起こる。
しかし、墜死した観光客の周囲にはあるべきはずの血痕がなかった。
「飛び散った血が地面に吸い込まれるように消えていった」と目撃者は証言している。

 

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1975年。アラスカ、フォートユーコン。迷路の様な水辺で有名なこの町の外れで
全身が銃創、切り傷だらけのワニのような動物の死骸が発見された。
死骸を調査したところ、身体の構造、毛皮らしきものを被っていた事から
人間であると推測されたが、死骸には太い尾や背びれ等も生えていたという。

 

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1987年に行われたあるピラミッドの調査で、一枚の石版が発見された。
その石版にはピラミッドを建てる計算式らしきものが記されていたが、
計算上の些細な間違いがあり、理論上、ピラミッドは建築できないと判明した。
しかし、そのピラミッドは、2000年以上経った現在も壊れることなく存在している。

 

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アメリカのネブラスカ州で突如、竜巻接近による避難警報が流れた。何故か事前に州軍も出撃しており、
まるで最初から予測していたかのような手際の良さで避難が完了した。住民には全く被害がなかったが
幅500m距離12kmに及ぶベルト状のエリアの住宅が、まるで最初から存在していなかったかのように瓦礫
もおろか無くなっていた。なお後日判明したのは、その地域には竜巻など発生していなかったという

 

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大阪のある小さな寺の中に不思議な地蔵が立っている。
寺の門を通して見ると並んだ数体の一番奥の地蔵は大きな男ほどの背丈があるように見えるが、
実際に地蔵のそばまで近付くとその地蔵は子供ほどの背丈しかない。
なぜそう見えるかはまだわかっていないということだ。

 

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大正時代、東北の山中の村で「谷から経を読む声がする」と噂が立った。
一人の猟師が真相を確かめるべく谷に下りたが、そこには谷から落ちた者の骸骨が転がっているだけだった。
猟師が諦めて帰ろうすると、背後から読経が聞こえてきた。
驚いた猟師が振り向くと、骸骨の舌だけが腐らずに経を唱え続けていたそうだ。

 

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2006年の11月のある日、新潟県のある中規模都市で起こったこと。
早朝目が覚めたA氏は驚きの声を上げた。不審に思い、新聞を取りにいくついでに
周りの家も確認すると、やはり同じだった。A氏は気味の悪さに慄然としたという。
昨日はそんなものはなかった。窓という窓に、びっしりと小さな子供の手形がついていたのだ。

 

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鎌倉時代、中国地方に金の鉱脈が発見され、鉱山が開かれた。
順調な産出量を誇っていたその鉱脈は、一月足らずで閉鎖されることになる。
その鉱脈から取れた金は、山から持ち出すとただの石に変わってしまったからである。
奇しくも、その山は平氏の残党が虐殺された場所であった。

 

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1989年、冬のベーリング海で漁獲中のトロール漁船の日誌にこう記されていた。
「12/18 早朝、船員が甲板に出ると一歩先も見えないほどの霧がこの船を覆っていた。
少しずつ霧が晴れて始めたので周囲を見渡すと、曇天だが海は驚く程穏やかな様子であった。
と、次の瞬間雲の合間から巨大な眼が覗き、海が荒れ始めた。目は雲の奥へ消えた。あれは一体?」

 

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1998年、アメリカを襲ったハリケーンの後、全身に奇妙な刺青をした真新しい死体が発見された。
水害で墓から出てきたものと考えられたが、どれだけ調べても死体の身元は分からなかった。
後に、その刺青はあるインディアンの部族にのみ口伝で伝わる「不滅の刺青」と判明したが、
部族の長の話によると、ここ200年近く、その刺青を施された人間はいないという。

 

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インドを旅行中の男が「身代わりの石」という不思議な模様の石を見つけて、購入した。
旅行中、男は暴漢に襲われ重体に陥るが、奇跡的に回復し、帰国した。
数十年後、男は老衰で死に、荼毘に付された。
しかし、棺の中には骨はなく、不思議な模様をした石が一つ、転がっていたという。

 

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1918年の夏、ロシアのある町の噴水で男の溺死体が見つかった。
酒好きの男が酔って噴水に転落、そのまま溺れ死んだらしい。
その後の調査で、噴水の水に微量なアルコールが含まれていることが判明した。
男は生前「死ぬ時は酒に溺れて死にたい」と語っていたそうだ。

 

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1968年、京都府に住むある未婚の女性が奇妙な子供を出産した。
嬰児の頭蓋の額部分には二本の小さな突起が生えていたという。
それから数日後、女性は生まれた子を連れ、突如姿を消したが、
子供の父親については終ぞ頑として語らなかったそうだ。

 

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19世紀末。メキシコの密林を探索していたある考古学調査団が、偶然辿り着いた集落で、
そこよりさらに奥まった場所に倒壊した石碑があるという話を耳にした。
何代も前から口承されてきたという僅かな情報を頼りに、彼らが進んでいった先には確かに石碑があった。
話とは裏腹に完全な形で残っていた石碑は、彼らが驚きの声を上げた途端、慌てたように崩れ去ったという。

 

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アメリカのマーシーズ・フリー博物館に「ワニ男のミイラ」がある。
頭は人間、腰から下はワニという奇妙な生き物のミイラである。
数多くの伝説上の生き物のミイラがそうであるように、このミイラも作り物である可能性が高い。
しかし、1880年代にニューオリンズの見世物小屋でジェイクと呼ばれるワニ男が働いているのが目撃されている。

 

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1991年、ニュージーランドの農場で作物がなにかに食い荒らされる事件があった。
ある日、リーフトンに住むバリー・ギスラーは作物を食い荒らす生物に偶然遭遇。
2日間この生物を追いかけまわし、やっとのことでライフルで射殺した。
死体を確認してみると、体長1.2メートル、体重10キロの巨大なバッタだったという。

 

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寛文10年の出来事。
ある男が船に乗って海上にいると突然黒雲が現れた。
何事かと思っていると、中から人の声がして雲から足が出てきた。
男がそれを引きずりおろしてみると、自分の母の死体だったという。

 

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イタリアのパレルモのカプチン会地下納骨堂に“20世紀の奇跡”と呼ばれるミイラが眠っている。
それは1920年に2歳でこの世を去ったロザリア・ロンバルドという少女のミイラで、サラフィアという医師によりミイラ化保存された。
不思議なことに、彼女のミイラは死後80年たった今でもなぜかまったく腐敗せず、死んだ時とまったく変わらない姿をしている。
しかし、サラフィアはその処置の内容を明かすことなくこの世を去ってしまっため、この死体の保存方法は現在でも謎のままである。

 

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ネパールに住むある男性が、足に小さな火傷を負ったために病院に訪れた。
男は足首を温めるためにお湯の張った桶に左足を入れたところ、チクリと刺されたような痛みを感じたた
めに足を取りだした所、蚊に刺されたような跡が残ったという。それから3年後のある日ニューオリンズ
の郊外で空中から突如現れた足のようなものに警官が発砲したという騒動はあまり知られていない。

 

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1995年、イギリスのシュロプシャーにある公会堂が、火災により燃え上がった。
その様を撮影した写真には、誰もいなかったのに、燃えさかるバルコニーに一人の少女が写っていた。
実は300年、この公会堂の場所には農家があったのだが、やはり火災で消失しており
その際に一人の少女が焼死しているといわれている。

 

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ニュージャージー州に、奇妙な老人が居た。子豚を飼っていて、それと腹話術をする。
「まるで豚が人の言葉を喋っているみたい」と評判だったが、老人はやがて重い病に掛かった。
言葉も満足にしゃべれなくなり、しかし病院では不思議と豚の腹話術だけは、何故か出来たらしい。
やがて臨終の時、豚は「僕は豚じゃない」と呟いて、老人はそれで死んだ。その豚は以後、喋らなくなった。

 

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古代中国の話。ある男が王に献上された不老不死の酒を内緒でこっそり飲んだ。
まだ飲んでいなかった王は激怒したが、男はぬけぬけとこういった。
「不老不死の酒を飲んだので、申し訳ありませんが死を賜ってもいたしかねます」
王はとんちの効いた答えに機嫌を直し、男を許したという。その男が死んだという記録は残っていない。

 

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平安初期の頃に、今の山梨県の山中に「藤川兵衛」と言う貧乏な公家が居た。
領地も小さく作物も不作。しかし、そんな領主には特技があった。薬を作れる。
その薬は良く効くと評判だったが、ある日天皇から「不老不死の薬を作れ」と命じられた。
彼は作って献上した後、何故か斬首になった。結局、彼はその薬を作れなかったのだ。

 

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ドイツのベルリンに、1ヶ月部屋に引きこもっている男がいた。
友人が訪ねると、男は「部屋からどうしても出られない。出ても部屋の中に戻っているんだ」と言い張る。
そこで、友人が無理やり部屋から出したが、ドアを閉めると男の姿は消え、部屋の中にいた。
男は今も部屋から出られないでいる。

 

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アメリカ、セーラム州にすむ一家が一人を残して行方不明になった。
しかし、行方不明になったというのに残された男は平然としており、捜索届けも出されなかった。
不審に思った隣人が尋ねると、男は「家族ならそこにいるから」と指差した。
指差した先には、虫かごがあり、中に4匹の虫がいた。書き忘れたが、その家は五人家族である。

 

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アメリカ、ジョージア州オーガスタ市。以前奴隷市場が存在した町である。
この町に、「何人もの奴隷がその上で殺された」と言われている大きな石がある。
その石を、記念碑として博物館に移動させようとしたが、作業に携わった者は
食中毒、下敷きになり圧死、心臓発作、洪水、雷等で計24人が亡くなっている。

 

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昭和18年、富山県のとある農家の夕飯は大根の煮物だった。
戦後間もない頃だったので、輪切りにした大根のみを煮たシンプルな料理である。
吹き零れた鍋を慌てて開けたその家の主は言葉を失った。
その中に大根はなく、長さ30㎝ほどの巨大な芋虫が鍋一杯に丸まっていたらしい。

 

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昭和20年代、新潟県のとある村で、ぼんやりとした光を放つ米が見つかった。
その噂を聞きつけた地主は、早速米を手に入れ、蔵の中にしまっておいた。
その夜、地主の家から出火し、瞬く間に地主の家は燃え落ちてしまった。
焼け跡から米が発見されたが、どれも光ることはなかったという。

 

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美しいカリブ海に「足跡を残す浜」という浜辺がある。
噂を聞きつけた観光客がその浜辺を訪れたが、何の変哲もない浜辺だった。
がっかりした観光客が宿の自室に戻ると、一握の砂がテーブルの上に置かれ、
そこには自分の足跡がしっかりと刻まれていたと言う。

 

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悪戯で、壁に「天国の入り口」と書いた洞窟の、”絵”を書いたヤツが居た。
もちろんそこには「嘘ですよ?」と書かれていたがリアルで、本当に壁の向こう、
そこには天国がある様な気になる程だったという。それからある日、彼の元に、
一人の老人が尋ねて来た。「天国はこっちかね?」彼は苦笑しつつそうだと言って、
例の壁を指さした。老人は「ありがとう」と言って、その入り口へと歩いていったという。

 

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イギリスのバーグマン家のアルバムには40代くらいの、赤いチェックのハンチング帽の男が一緒に撮られた写真がある。
長男のアレックスが十歳の時に男のことを聞くと、大事故に巻き込まれそうになる度にふと現れ、家族の命を救ってくれた
人だという。アレックスが二十歳の誕生日を迎えたその日、その男の写真を見たところ突如アレックスは
「やるべきことがわかった」と言い残し、赤いチェックのハンチング帽を買った後に行方がわからなくなったらしい。

 

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1922年、ベネズエラのクマナに住むサパタ一家のもとに、顔に酷い火傷の痕のあるよぼよぼの老人が訪ねて来た。
老人はフラビオと名乗り、聞いた事のない訛りで何かを喋っていたが、あまりにも興奮していたため、全く内容は聞き取れなかった。老人が去った直後、家長のホルヘは、150年前、フラビオという名前の一族の男が、スペインからの船旅の途中に近親相姦の罪を犯し、顔を焼かれ、実の妹と共に離れ小島に置き去りにされたと聞かされた事を思い出した。老人はその後二度と現れなかった。
印象与える丁寧に

 

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1986年、スコットランドのとある村で、男が殺人の容疑で捕まった。
被害者はその隣に住んでいた老婆。喉をハサミで突かれて死んでいた。
男は殺人を否認したが、隣人との諍いで老婆の家の井戸にそのハサミを投げ込んだことは認めた。
後の調べで、ハサミは老婆の喉の「内側から」突き立てられたことが分かった。

 

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2001年、バリのバザーで奇妙な果物を食べた男がいた。
帰国後、男は体調の不良を訴え、病院に行くと、すぐさま入院を言い渡される。
一週間ほど後、男は治療の甲斐なくその病院で死んでしまう。
男の体内は、臓器を覆うような形で植物のツタが這っていたらしい。

 

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インドのバンキ・シャーマは部族間抗争の戦いのとき顔に矢を射込まれた。
矢はバンキの右の耳元から頬を突き通し鼻のわきに突き出た。
バンキが医者のところに姿を見せたのは事故が起きてから数ヶ月も経ってからだった。
彼は苦痛を避けるため矢を抜くのをやめにし、そのままの姿で11年間通常の生活を送った。

 

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アフガニスタン、バーミヤン遺跡。かつてタリバンにより破壊された大仏の残骸から、
7世紀の文字で書かれた経典の一部が発見された。調査隊によればこの地方では
最初の発見となる胎内経と見られ、専門家によって解読されたその内容は、
万物が永遠不滅ではないことを説くものであった。

 

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イギリスの民俗学者がフィールドワークのためインドネシアの小さな村を訪れた。
村の一角で見つけた、そこだけ草の生えていない四角い土地について学者が尋ねると、
「2,3日前まで家が建っていたんだよ。誰が住んでたか? そんなの覚えてないよ。誰が取り壊したか?
気が付けばなくなってたのさ」という答え。他の村人も皆一様に、珍しいことではないと笑う。
チェコのイルゼ村にある一本の樹は前世紀の終わりから一日も休まず水を吐き続けている。
村人たちは重宝しているが、この水がどこから来ているのかはすっかり忘れ去られている。
約120年前、この地方は未曾有の水飢饉に見舞われ多くの難民が水を求めてさまよった。
少しでも水の出る井戸は隠蔽されたがイルゼ村だけは皆に開放した。その善行を神が認めた
結果だろうといわれている。

 

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1985年、アフリカのサバンナで暮らすウィバ族という部族が全員、突然謎の死を遂げた。
原因を調査に入ったアメリカの医師団が調べた所、死因は砒素による中毒死だった。
ウィバ族には代々伝わる「枯れない井戸」と言うのがあり、それを巡り周囲の部族と、
多く対立があったらしい。彼らが死ぬ前、井戸を求めて来た他の部族を、彼らは滅ぼしていた。

 

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ルーマニアの芸術家、ウモーニの作品に「海岸を臨む新居」というものがあった。
本物と見紛うほどに緻密に描かれた白い扉の絵に、本物のノブを付けただけのものだが、描かれたドアの覗き窓からは波打ち寄せる海岸線が見え、
ドアに耳を当てるとさざ波の音までが聞こえるという仕様になっており、訪問者を楽しませた。だがウモーニが逝去してしてしまったために、
作品を返還するために撤去したのだが、そこには一切の映像、音声器具など仕込まれておらず、それこそただの皮紙に描かれた一枚の絵だったという。

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