【信じようと、信じまいと】『鏡の世界の住人』など全50話【23】ロア – 噂話集 – 嘘のような本当の話

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【信じようと、信じまいと】『鏡の世界の住人』など全50話【23】ロア - 噂話集 - 嘘のような本当の話 信じようと信じまいと
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信じようと、信じまいと【23】全50話  ロア – 噂話

 

ある所に「自分は鏡の世界の住人だった」という男がいた。
その男が言うには世界の何処かに一つ、自分だけが映らない鏡があり、そこから鏡の向こう側に行けるという。
どうして普通の鏡では向こう側にいけないのかと聞くと、
「鏡の向こう側の『自分』がこっちに来ないように押さえ付けているから」と答えた。

 

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汗や涙、歌声や怒りなど有形無形に関わらず、身体から「何かを出す」ことはカタルシスとエクスタシーを伴うものだ。
その最たるものが魂が身体を抜け出す瞬間だという。
全ての輪廻転生の記憶を持つという男によると、その瞬間はどんな生命体であっても、殺された時であっても、極上の快感だそうだ。
その快感に囚われた者が輪廻転生を繰り返すのか。

 

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戦国時代に活躍した鈴木伸義と言う武将がいる。
八度主を変えた彼の肖像画は各地に残されいる。
ある寺にも彼の物と伝わる肖像画が残されているのだが、
そこに描かれているのは黒い皮膚と縮れた毛の男であるという。

 

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ある古代文明の言語を研究していたジャン・ガイプ博士は、解読にミスを見つけた。
遺跡の奥に書かれた文字を「我々以降の存在は無に等しい」と解釈していたが間違いだったのだ。
しかしミスをチームに報告した翌日に遺跡は土砂崩れで埋没。資料も全て紛失してしまった。
遺跡に描かれた文字の正しい訳は「以降、我々の存在は無に等しい」であった。
1968年、千葉県のある公園でゴミ袋に入った女性のバラバラ死体が発見された。
注目を浴びるなか警察は捜査を開始したが、死体に不審な点が多すぎたため迷宮入りとなる。
両腕は見付からず、そのかわりに被害者の女性のものらしい脚が4本あったという。
また同一人物の脚であるにも関わらず、推定された年齢は20代から60代までばらばらだった。
中国の山奥に住んでいる父子は、ある日よく魚が採れる池があると聞いて釣りにでかけた。
食べるには十分な量が釣れたので家に帰ると、中に髪の毛のある魚が一匹混じっていた。
縁起がいいので飼うことにしたが水槽に入れた途端魚は水のように溶けてしまった。
残念に思った父がもう一度釣ってくると言って池に向かい、それきり帰ってこないという。

 

□ □ □

 

日本が命運を託して建造した巨大戦艦「大和」。
それだけ巨大な船になると、ネズミもどこかしらに住み付く。
だが、最後の出撃に向かう直前に停泊していた港で、
艦内の至る所にいたネズミどもがパッタリと姿を消したそうだ。

 

□ □ □

 

登山中、ルートを間違え道に迷った男が、木造の小さな廃村にたどりついた。
無人であったが、雨風をしのげれば良いと一晩を明かす。
明治時代のその近辺の郷土史に、「奇抜な服装の男が村に来て、
何も告げずに家に上がりこんで寝ていた事があった」とある。

 

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軍艦などの船を建造する場合、防御性を持たせるために、外殻に二重底のような空間を
設ける場合がある。溶接やリベット留めなどで密閉し、塞いでしまうのだが、
大きな船の建造になると、ごくまれに人を閉じ込めてしまう事があるらしい。
そこで息絶えた工員は、船を沈めてでも外に出ようと、色んな海難を招きよせるという。

 

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某ツアーバスのサイトに寄せられた利用者からの感想。
「三列シートでぐっすり休めました。また利用したいです」
「料金も格安で、独立したシートでぐっすり休むことができました」
ちなみにこのツアーバスは四列シート、50人乗りのシートピッチが狭い車両で運転されている。
彼らの乗ったバスは、いったい誰が運転していたものだろうか。

 

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江戸時代末期、地方を転々とする奇妙な風貌の博識な者がいるという噂が幕府に入ってきた。
これに興味を持った時の将軍はその人を見つけだし、様々ことを聞き出した。
ところが数日後その人物は突如消えてしまいその後も見つからなかったという。また、同時に学んだ数々の知識も文書に記した記録もろとも消えてしまったという。

 

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中世のフランスに「鋼屑を純金に変える」という触込みで、多くの貴族から出資金を集めていた
錬金術師がいた。ある日突然連絡が途絶えたので、債権貴族達は彼の工房に乗り込んだ。
そこで見つかったのは、純金で出来た、満足そうに微笑む錬金術師の彫像だけだったという。
像は債権の代わりに鋳潰されたが、当の錬金術師の行方は不明のままである。

 

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オーストリアのとある大学ではハムスターに関する研究として回し車にセンサーを付け、
その回転数からハムスター達が一日に平均何km走っているのかを調べている。
データによると、ハムスターの半数以上が一晩で4万㎞程走行した日があったという。
この結果はセンサーの故障によるものだったのだろうか?それとも・・・

 

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ロンドンに住むアンダーソンは恋人にプレゼントを渡すつもりだった。婚約指輪である。
ところが、指輪を入れていた筈のケースの中には指輪が入っておらず、
代わりに一発の銃弾が入っていたという。
数日後、彼の恋人は父親を銃殺した罪で逮捕された。

 

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飛行機雲を利用して描かれる飛行機文字というものがある。
サンフランシスコの上空に小型飛行機がゲーテ「ファウスト」の一節を飛行機文字で書いていたことがあった。
この一部始終を偶然撮影していた地方ケーブルテレビが専門家に映像を見せたところ、
「機種から考えて飛行時間、飛行テクニック共に機能の限界をはるかに超えている」とコメントしたという。

 

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20世紀中盤のとあるサーカス団には、「軟体人間」と呼ばれる人物が在籍していた。
当時のインタビューによると、彼は体の関節を自由に外す事で演技を行っていると語っていた。
現在彼の舞台上の姿を映した写真は数枚残されているが、
そのどれもが明らかに骨のある部分までぐにゃりと曲がっているのだという。

 

□ □ □

 

ジャン・ポワールと呼ばれる画家が個展を開いた。
彼はトリックアートを得意としており、まるで鳩が額縁から飛び出しているような絵や、
ドアや窓にそっくりな絵などで閲覧に来た人々を騙し、楽しませた。
しかし、彼が遊び心で洗面所に設置した大鏡の絵には誰一人として気付かなかったという。

 

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1926年12月5日、マグロ漁船「良栄丸」が遭難。翌年、ワシントン州ビューゼット・サウンド湾口で発見された。船員12人は全滅。
航海日誌には「数十隻の船とすれ違い信号を送ったものの、何の反応もしてくれなかった」と記されていた。しかし日誌で名指し
されていたアメリカの貨物船「ウエスト・アイソン」号のリチャード船長は「1926年12月23日、太平洋上で漂っていた小型漁船に
救助が必要かと問いかけたが、10人程の船員は船窓や甲板に立ってこちらを見るばかりで誰一人として応えなかった」と述べている。

 

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1958年1月26日、紀阿連絡航路の旅客船「南海丸」が和歌山市に向け徳島県から出航したところ、紀伊水道沼島沖で沈没。
乗員乗客167名全員が死亡・行方不明になった。沈没までの詳細な過程は生存者がいないため不明とされているが、1960年になって
「南海丸」と名乗る船から「紀伊水道ではない場所にいる、救助求む」という旨の奇妙な通信が港の通信局に入ったことがある。
不謹慎な悪戯として警察が捜査したものの、犯人はおろか発信場所すら特定することが出来なかった。
某県奥地海辺の村に、昔々海の向こうから神さまがやってきたという御伽噺がある。
神さまの着物が残っていると聞いた民俗学者がそれを見せてもらった所、外国の民族衣装に見えた。
詳しく調べてみると、確かに同じデザインの服が存在する事が判明した。
南米奥地、標高数千メートルで暮らし、海など見ないまま一生を終える少数民族の衣服ではあるが。

 

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埼玉県のK市、そこには不思議な猫がいるという。
その猫の瞳が大きい時にその瞳を覗くと、覗いた人の未来が映るという。
その噂を聞いた青年が猫の瞳を見つめた。その瞬間に、青年はその場から突如消えてしまったという。
いったい猫の瞳には何が映っていたのだろうか、それともあるいは―

 

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ドイツがナチスの支配下にあった時に、一人の男が現れた。
魔術師を名乗るその男は、隠れ住んでいるユダヤ人達の元に現れ、安全に国外へ逃れる方法を教えて回る。
魔術師は当然のようにナチスに逮捕され、度重なる拷問を受けるが、遂にナチス崩壊の時まで死ぬ事はなかった。
それより奇妙なのは、彼が助けたユダヤ人の多くがナチス崩壊までに怪死を遂げている事だろう。

 

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ある夏の暑い日、女が親戚の家からの帰り道を歩いていると手に提げた紙袋が震えた気がした。
紙袋を覗くと強い風が中から吹きあがり、同時に何かが爆ぜるような音が数回聞こえた。
驚いた女が紙袋を確認すると、確かに入っていたはずの饅頭が箱を残してなくなっている。
訝しみながら帰るとトラックが家に突っ込んでいた。怪我をした人はいなかった。

 

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フランスに住む少年エリックは高い予知能力と透視能力があることで有名だった。
彼の目はひどいやぶにらみだったが朗らかな性格で、町の人々からも親しまれていた。
TVの出演依頼が来たので両親はエリックに目の手術を受けさせることにした。
手術を受けた直後彼は真っ黒な塊を吐いて倒れ、能力もまったく使えなくなってしまった。

 

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ある所で発見された「神のノート」というものがある。
それには種族が絶滅する理由や時期が過去から未来に渡って綿密に書き込まれてある。
研究者が調べたところ、書かれた時代~現代にかけて絶滅したというものは全て合致していたという。
人類も何時かは絶滅するであろうが、書かれていた理由と時期については研究者達は固くなに口を閉ざしている。

 

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アメリカはニューメキシコ州のチマヨという町に、古びた一つの教会がある。
敷地に穴が一つあり、ここから取れた土を食べると、足に関する多くの病気が治るという。
不思議なことにいくら掘り進めても、穴から土が無くなることはないのだ。
教会には、病から解放された人達が置き去りにしていった松葉杖が山と残されている。

 

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西ドイツ(当時)にある小さな田舎町で、悪戯好きの少女リーゼが良からぬことを考えた。
「矢印」を描いた紙を板に貼り付け、それを町のいたる場所に設置したのだ。これを見た何も知らぬ人間が、町中を
ぐるぐる回るに違いない。軽い気持ちでリーゼは考えたのだが、これが原因で交通死亡事故が発生した。
「矢印」が張られた電柱に、猛スピードで車が激突したのだ。問題の「矢印」は上を向いていた。

 

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カンザス州のヒュージャック図書館には、不思議な本があると言われている。
その本を読むと人生が劇的に変わるらしいのだが、題名や装飾・どんな事が書かれているのか一切分かっていない。
とにかく「そんな本がある」という噂だけがあり、時折わざわざ遠くから物好きが探しにくるそうで、ちょっとした町の観光地になっている。
客寄せに広めた噂かもしれないが、不思議と昔から寄付や寄贈が耐えない図書館であることは事実である。

 

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数年前、島根県の浜田市にある浜辺に大きな鮫の死体が打ち上げられた。連絡を受け、駆けつけた警官が見たところ、
どうも腹の中に何か詰まっている感じである。「人間ではないか」と野次馬が騒ぐので、警官は近所から包丁を借りて腹を開いてみる事にした。
すると中からこぼれ出てきたのは、大量の石ころであった。それが胃にぎっしりと入っていたらしい。
材質的には普通の石なのだが、すべて一辺が2センチほどの立方体だったという。

 

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中国の兄墳という地域には、まるで公園にある砂場のような広さの「砂漠」がある。
地元の人間は月初めになると、この「砂漠」の真ん中にたくさんの干し肉と水が入った小さな瓶(かめ)を置く。
たまたま海外出張で立ち寄った日本人が「どうしてこんな事をするのか?」と尋ねると、瓶を運んでいた青年は
「ここは仕事帰りに通る場所だからね。夜の暗いとき、砂漠に迷い込んで遭難したときの用心だよ」と答えたそうだ。

 

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正確な場所は伏せるが、品川にある公園で「明かりがつかない外灯」が1つだけある。
何度も蛍光灯を交換したり、外灯そのものを設置し直したりしたのだが、どうしてもそこだけ灯らないのだ。
近所からは強盗や強姦といった犯罪の火種になるのではないかと心配されたが、これまでにそういった事件は発生していない。
ただ、この公園に住むホームレスの行方不明率は都内で一番高いという。

 

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アメリカに、メアリー・オードという芸術家がいる。彼女曰く「亡くなった芸術家の霊を呼んで創作する」そうで、
これまでにモーツァルトやゴッホ等が彼女の体を借りて作品を世に送りだしたらしい。当然ながら評論界からは失笑されたが
ただ1枚の絵だけ、ある評論家が買い取った。20年前に病死した息子が、病院で描きかけて終わった絵にそっくりだったのだ。
「彼が生きていれば、すばらしい芸術家になっていたでしょう」相変わらず世間は冷たいが、メアリーは芸術活動を続けている。

 

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久しぶりに風邪をひいた男は、近所でも評判がいい小さな医院に行って診てもらった。
医者も聞いた通り温厚そうだったが様子がおかしく、手元の書類を見て何かぶつぶつ呟いている。
それが知らない内臓ばかり描かれた人体図だったので、男は不気味に思い逃げ出した。
3日後、医者の遺体が自宅で発見された。7日前に死亡したものと推定された。

 

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少女は自宅の庭で花の水やりをしていて、土の中から何かがのぞいているのを見つけた。
スコップで掘り出して見ると、ボロボロになった少女の宝もの入れの缶だった。
中には震えた字で書かれた手紙と見覚えのない紙幣数枚、知らない男の写真が入っていた。
手紙には差出人は82歳になった自分であることと、これからの人生についての予言が書いてあった。

 

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砂漠の昆虫には暑さと乾燥を防ぐために砂の中に潜る種がある。
アフリカの砂漠に、同じように砂の中で日中を過ごす民族が居住している。
彼らは、長らくそのような生活をしていたためだろう、指先は硬く尖った形をしている。
ところで、処女膜は人間とモグラにしかない。

 

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アフリカ中部に、牛や馬、果ては人間に至るまで、食べるものによって「食べる」という言葉を
使い分ける地域がある。1980~83年にかけて、言語学者シェリング教授を中心として、
地域内の言語調査が行われた。結果、その部族が「空から神が訪れた」との伝承を持つ場合、
何を食べる際に使うのか分からない「食べる」の数が、際立って多いことが判明した。

 

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1963年、ブエノスアイレスに寄港した客船の貨物室から、持ち主不明の荷物が見つかったことがある。
古びたトランクで、ネームタグにはA.Lindnerとの署名があったが、乗客には同名の人物はいなかった。
その後の調査で、新造当初貨物室は客室であり、1943年の航海中、アルバート・リンドナーなる人物が
行方不明になっていることが分かったが、なぜ荷物が20年間も発見されなかったかは謎のままである。

 

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香港の一角に、通称「見上げる人々」と呼ばれる一連の彫像がある。空に目を向けている人物像が
何カ所かに配置されているだけなのだが、一様に無表情なため地元ではあまり人気はない。
彫像の近辺は飛び降り自殺が多い地域としても知られているのだが、自殺者が飛び降りるのは、
決まってそれぞれの像の視線が注がれるビルの屋上からであることが知られている。

 

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1932年、ソ連のチェレムホボ炭田で、試掘に赴いた炭鉱夫たちが行方不明となる事件が起きた。
一人だけ戻ってきた者がいたが、全身に大量の返り血を浴びており、殺人容疑で逮捕された。
ところが、取調べ後,当局は周囲を封鎖。そのまま数日後、ガス発生を理由に試掘抗入口は爆破された。
逮捕された炭鉱夫は結局釈放されなかったが、奇妙なことに国から表彰されたとの記録が残っている。

 

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杉並区の在るところに、新築ながら数ヶ月しか人の居着かない部屋があるという。
その部屋は、天井に子供の落書きがあるそうだが、子供はおろか大人でさえも
背伸びしても届かない所に描かれており、消しても次の日には新しい落書きが
何時の間にか描いてあるという。

 

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まつげが抜けると、そのたびに目に入って痛い思いをしていた人がいた。
しかし刺さったまつげは取れていないはずなのに、いつの間にか、目の痛みは収まっている。
だが、ある日目の奥が痛み出したので、急いで医者でレントゲンをとると、目の奥に何かがあると言われた。
手術をしてみると、今まで抜けたであろうまつげが、一塊になって出てきたそうである。

 

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東京駅の地下には、何故か全く使用されていない部屋が存在する。
そこへのはドアは固く閉鎖されているが、壁の長さから鑑みるにかなり大きな部屋だ。
不思議に思った駅員が青地図を探し出し、その部屋の場所を確認してみた。
だがそこには大きく「魔よけ場」と書かれている以外、何の説明も無かったそうだ。
将門の首塚の前にある会社「○○」では、不思議な社則が存在する。
全員の机が首塚に向かって配置してあり、まるで学校のように皆並んでいる。
これは先で述べた通り「社則」として決められているもので、社長も例外ではないと言う。
社員全員何故かこの社則には納得しており、違反する者は居ない。
あとはまぁ、「TDLの地下に秘密カジノがある」とか「サーカスと人攫い」とか、細かいの諸々。

 

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長野県の某印刷会社に勤めるA氏は、名刺フォルダーの中に見知らぬ名刺が幾つか収めれているのに気が付いた。
名刺に書かれていた電話番号にかけてみたが、現在は使用されていないというアナウンスが返るばかり。
どの名刺の裏にも「Aさんの娘さんは可愛い。10年後が楽しみです」と書かれていた。
だがA氏に娘はいない。妊娠したと分かったばかりの妻はいたが。

 

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ロンドン、カムデンロック界隈にあったとあるホテルの308号室は、「マスターソンの部屋」と呼ばれていた。
1962年と1967年に男が一人ずつこの部屋で失踪し、どちらも姓がマスターソンであった為だ。
経営不振から取り壊しの決まった72年、噂を聞いたヘンリー・マスターソンという雑誌記者がこの部屋に宿泊した。
彼は何事もなく朝を迎えたが、友人には夜中天井を這いずる二つの人影を見たと話した。ホテルから帰った日の夜、自分の家で。

 

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北海沿岸の漁師だったティム・ネイスミスは、ある日猛烈な時化に巻き込まれ、やっとの思いで浜へ辿り着いた。
家に帰ると妻や子供たちの様子がおかしい。ティムは少し前、既に帰って来たと言うのだ。もう一人のティムはその後も現れ続けた。
いつも必ず玄関から疲れた様子で入って来て、「帰ったよ」と言いながら部屋を横切り、洗い場の戸口で消えてしまうのだ。
ティムが死んでから150年近くが経ち、彼の子孫は同じ地所に住んでいるが、今でも度々ティムが玄関から入って来ると言う。
ロアも投下せずに、議論続けるのも気がひけるので…
有名な話だし既出かもしれんが。

 

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1888年に船舶事故で4人の男が遭難する事となった。
食料も尽き、男達は4人の内の1人、リチャード・パーカーという若者を殺して食す事で食いつないだ。
それより約50年前の1837年、エドガー・ア・ランポーの著者に遭難した4人の男がその中の1人を食す話がある。
話の中で犠牲になった男の名もリチャード・パーカーであった。

 

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日本のある村に奇妙な出来事が書かれた書物が残っている。
江戸時代に空に何匹もの巨大な鳥が現われたというものだ。
その特徴として銀の翼を持ち、鳴き声は長く、よく響き、糞を大量に落としていったと書かれている。
しかしその糞は上空で消え去り、決して見つからなかったと言う。

 

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1952年、アメリカ・ルイジアナ州沿岸で飛行機事故が発生し、海中に墜落。飛行機は大破し、捜索の結果行方不明者多数の、絶望的な事故となった。
ところが何週間かのちに、飛行機事故にあい行方不明になっていた乗客全員がテキサス州で保護されたという。
そのとき取材した新聞記者によると、パイロット含め乗客は全員助かった理由について口を閉ざしている。
しかし一人の子どもが「パパ、あの怖い黒い人に何を頼んだの?」と言っていたのをかすかに聞いたという。

 

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神奈川県に住む主婦が行方不明になった事件で、疑われているその夫が面白い告白をしている。
その夫によると、彼女が掃除機の紙パックを代えようとしたところ、
紙パックから出た黒いなにかが彼女を覆い、黒いなにかが消えたときには彼女も跡形もなく消えていたという。
男性は「時々嫁はゴキブリ等の虫を掃除機で吸い込んでいたが、あんなものは吸い込めない」と言っている。

 

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2003年、西インド砂漠地帯の工事現場で、有り得ない物が発見された。
全長が12メートルを超えようかという巨人の全身骨格で、軍まで出動する騒ぎになった。
調査の結果、カルシウム系化合物からなる人為的な骨格模型であることが判明したという。
しかし一体誰がこんな物を製作し、地下20メートルの深さに埋めたのかは謎のままである。

 

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山陰地方のある温泉宿では、「女湯に覗き男が出る」ということが話題になった。
男が目撃されるのは、いつも南側の柵の上。目が合うと頭をサッと引っ込めてしまうらしい。
それを聞いた温泉宿の主人は、一番の稼ぎどころであっただろう露天風呂を、すぐに閉鎖してしまった。
南側の柵の向こうは切り立った崖で、人が立てる場所ではないという。

 

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オーストラリアの奥地に、「カーゴ・カルト」(飛行機信仰)を信じる原住民が現存する。
彼らの先祖は空に住んでいて、空飛ぶ機械で彼らに恵みを送ってくれていた筈だった。
だが、近隣に白人が飛行場を作ってしまった為、恵みはそこの白人が全て奪っていると彼らは言う。
今でもなお先祖の恵みを乗せた空飛ぶ機械を、彼らは手作りの飛行機模型と共に待ちつづけている。
(世界残酷物語より)

 

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イタリアのピエモンテにあるタベルナ(食堂)で、1匹の猫が看板娘(?)として働いている。
見た感じは普通の黒猫で、碧色の目が愛らしい大人しい猫だ。
だが街の老人が言うには、その老人が小さな子供の頃からその猫は変わらず看板娘をしているとの事。
「この子は店の守り神だよ・・・」店主を始め、猫の素性を知ろうとする者はこの街には居ない。

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