【時空の歪み】『幻のトンネル』など短編10話【27】 – 異次元に行った不思議な体験

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【時空の歪み】『幻のトンネル』など短編10話【27】 - 異次元に行った不思議な体験 不思議な話
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時空にまつわる不思議な体験 短編10話

 

消えたおやつ

 

記憶じゃなくて思い出だけど

小2の時の遠足で市が保護してる里山にハイキングに行くことになった
その前日に持っていくお菓子(500円までだった)を買って
忘れちゃ大変と一番にカバンにつめましたw
その後ティッシュだのハンカチだのしおりだのをつめ
後はお弁当と水筒をつめるだけ、という状態でワクワクしながら就寝
遠足当日を迎えました
当日は無事に晴れ、ハイキングを楽しみました
そしてメインイベントのお弁当&おやつタイム
おやつ交換を楽しみにしてたんで急いでお弁当を食べ
カバンを漁っておやつを出そうとしました
が、手がおやつに当たらない
びっくりして一つ一つ荷物を取り出しいくと底の方で固い物が手に当たる
こんなの入れたっけ?と取り出してみると
それは花こう岩?でできた灰皿でした
見覚えのない灰皿に驚き、また荷物はそれで最後でした
おやつは結局なく優しい友人達に分けて貰いましたw

 

その後、家に帰るとおやつは昨日荷物を準備をしていたところに転がってました
誰がこんなことを、と思いましたが
家族でそんな意地の悪いことをしそうな人間はいません
家族にこのことを話すと「お前の入れ忘れだろ」と言われてしまいましたw
そして灰皿を見せると「うちにこんなのあったっけ?」と首を捻ります
そもそもうちにタバコを吸う人はいません
以上が子供の時にあった不思議な思い出です
その灰皿はなんとなくとってあって見る度にこの時のことを思い出します
(ちなみに灰皿が来た後海外旅行当てました。まあこれは関係ないだろうけど)

 

幻のトンネル

 

昔実家の蔵作りの門の裏の軒下の目だたない所に、地下に降りる階段があった
入り口は板やトタンで簡単に覆ってあったが、好奇心から時々ずらして覗いてみていた。
中は日があたる範囲でみると、奥に長いトンネルが続いているように見えた。
ある日イトコや保育園の友達5~6人と家の庭で遊んでいて、そういえばここにトンネルが
あるんだぜ!と入り口を皆に見せた。大勢で気が大きくなった俺たちは入り口を
覆っていた木やトタンをおもしろがって全部どけた。
そうして開いた入り口は、案外大きくて大人が楽に入れる位の大きさだった。
中に入ると石で出来た急な階段が何段かあって、一番下に下りるとひんやりして
下が土、両側が石で出来たトンネルが続いていた。トンネルの奥は真っ暗で何も
見えない、勢いで入ってきた俺達も誰が先頭になるかで揉めて大騒ぎ、結局
2メートルも行かないうちに怖くなって出口に殺到、悲鳴を聞いた母がかけつけて
俺は怒られて、木やトタンをイトコと元に戻した。
大人になって何の気なしにその入り口を覗いてみたら、階段の終わったとこで土の壁に
なっていて、真っ暗なトンネルはどこにも無かった、埋め戻したって感じではなかった。
爺ちゃんに聞いたら、大昔その穴にに刀や槍が隠してあったのだそうだが、その後は薪や
石炭なんかを入れる為に使っていて、長いトンネルなんかは無かったそうだ。
母に聞いてもあの時皆で穴に入って騒いで居たから怒った、というだけで、トンネルなんか無かったという。
あの時、びびらずに奥に進んでいったら、戻れなかったんじゃないかと思うと
ちょっとやばかったかな、と思う。

 

一緒に遊んだ子

 

小二か小三だったと思うんだけど、凄い田舎の実家の近所(500mは離れてるw)に
二~三年上の気さくで優しくて綺麗なお姉ちゃんがいて、夏休みはその人と一緒に毎日川で遊んでた。
手掴みでヤマメ取ったり沢ガニとったりして、それを焼いて食べたりして、
毎日が面白かった。でも、今でも忘れない八月二十一日、何曜日だったかは覚えてないけどw
今日は川じゃなくて山に行くって言われて、長靴履いて山の神社に行ったの。
そこには見たことも無い子供が数人いて、大人も二人いて、
みんなで陣取りゲームしてたんだけど、俺達はそれを通り越して、さらに奥にある堤(貯水池)に行った。
そこにも二人の年上の女子がいて、二人とも釣りをしてる。
そこで俺は、男子ならおかしくないけど、女子が山で釣りをしてるってのが引っかかって
なんか怖くて帰りたくなったってお姉ちゃんに言ったの。
するとあんなに優しかったお姉ちゃんが烈火の如く怒って、私のことが嫌いなのか?と泣き喚いて、 俺はもうどうしていいかわからなくなって、結局一緒に釣りをしました。
釣果は一尺(30センチ?)程の鯉一匹で、帰ってから二人で魚拓取って
それを夏休みの自由研究で発表したの。

そして次の年の夏休みももちろん実家に行きたかったんだけど、
残念ながら母親が病気で亡くなって行けなかった。マジで。
だからその次の年、二年ぶりに実家に行って、早速お姉ちゃんに会いに行きました。
ところが、そこには確かに仲村さんちがあるんだけど、そんな子はいないって言われて、
俺はもうわけがわからない状態。
その後一週間、いろんな人に尋ね回ったが、やはりそんな子はいないって言われて、
一緒に遊んだはずの子まで知らないっていうから大喧嘩したりして、
なんか、俺の夢だったのかなと思うようになりました。
でもやっぱり忘れられずにいて、それから何年も経ったある日、
ふと訪れた伯母ちゃんが持ってきたアルバムを見て、もうね、心臓止まるほど驚いた。
伯母ちゃんがミッちゃんミッちゃん言うその写真の女の子は、まさに俺が一緒に遊んだミッちゃんで、
そのざらっとしたカラー写真で笑ってるミッちゃんの後ろで、魚拓持って無邪気に笑ってるのは
どう見ても俺でした。

アルバムは実家にあったもので、伯母ちゃんは母の四つ上の姉です。
俺は当時ミッちゃんに姉がいることは聞いていたけれど、見たことはなかった。
伯母の言うミッちゃんはもちろん母の呼び名で、俺が会ったミッちゃんと写真では同一人物。
魚拓の写真は祖父(母と伯母の父親)が撮った写真らしく、伯母の知らない内に撮られた写真。
しかし、俺自身は写真を撮られたことを覚えていません。
これは後で知ったのですが、当時夏休みに俺がミッちゃんに会いに行っていた仲村家は
元々うちの実家で、伯母ちゃん曰く、今の実家は仲村の家から引っ越した家で、
つまり俺が夏休みに遊んだ二つの家はどちらも実家だったみたい。

 

一緒に遊んだミッちゃんは少女時代の母だったってことか…

 

お母さんは子供時代のキミをみて何も思わなかったのか?
少女時代にキミの事が大好きでキミと同じ名前を息子に
つけたのかねぇ?
最初から君が我が子だってわかってたのかね?
不思議だらけだ・・・

 

巻き戻される

 

学校帰りに、半分ぐらいまで来ると学校まで巻き戻される、ってことがあったな。
おかしいと思いつつも3回ぐらい繰り返したんだけど、さすがにヤバイと感じたなー。
神主やってる人が、おかしなものを感じたとかで吹っ飛んで来るまで、一歩も動けなかった…。
ありゃなんだったんだろうな。

 

時間が止まる

 

小学校のときの話。
サッカーの試合で、隣の市の小学校にクラブ全員で電車で向かおうとしていた。
俺ら5~6人は、ふざけながら歩いていたのでみんなより遅れてた。
駅に近づくと、電車がホームに入ってこようとしてる。

やべー、乗り遅れる。そういって俺らは急いで切符を買って、改札を走り抜けようとした。
誰がなんていったかは覚えてないけど、「おい」とか「あれ!」とかそんな言葉だったと思う。
全員が、駅にいる人みんなピタっととまってるのを見た。
電車も人も止まってて、音も何もしない。
俺は、空中でスズメが止まってるのも見た。
みんなそんな風景を見ながら電車に駆け込んだ。
いつのまにか、全部元通りに動き出していて、さっきのことは現実感がなくなった。

でも、そのとき一緒だった全員が、「さっき時間が止まってたよな!」と言ってたから、気のせいではなかったと思う。

 

緑のコンビニ

 

友達の代理で、夜11時にコンビニのバイトに行った。
俺らがその店に出入りするのは裏口からなんだが、店内でかかってる有線は裏口からでも聞こえる。
それがその日に限って聴こえてこない。
夜遅いシフトは初めてだったから、あー夜は音量小さくするのかと勝手に納得したんだが、店内に入って驚いた。
店内は無人で、しかも全部緑だった。
床も壁も棚も、棚に並んでる商品も緑。同じ緑一色じゃなくて濃淡のある、白黒写真の緑Ver.みたいな状態。
気持ち悪いとか怖いとかは思わなくて、なんかシュールな映画の1シーンを観てるような感覚だった。
今思い返しても、その時なんでそう考えたのか分からないんだが、それでも仕事はやらなきゃならんと思ってて、俺はそのままレジ横にあるタイムカードを押した。
途端に有線の音楽が聞こえてきた。それまで無音だったことに、そこで気づいた。
で、気づいたら俺はまだ裏口にいた。
そこでようやく、さっきの事態がヤバかったことに思い当たって、怖くなった。
同じシフトのバイトだったTが来なかったら、そのまま帰っていたかもしれない。
でもおかしなことに、その後Tと一緒にタイムカード押しに行ったら、俺の分のタイムカードはもう記録済みだったんだよ。
あのとき俺は、異次元のコンビニに迷い込んでたんだろうか。

でも、緑のコンビニよりも、それに対して恐怖より仕事しなきゃと思っていた自分が1番怖い。

 

周囲が止まる

 

昼休みの校庭で、10秒ほど周囲が1/10秒シャッタで写真を撮ったように止まったことがあった。
パニクリながらも「あっ,止まってる」っという思考を頭の中でなんとか搾り出した頃、
再びズンと周りが動き始めた。
止まっただけなら良かったが、その前後で友人関係が変化していたからあの時は参った。
今でもあれは単なる妄想だったんだと言い聞かせている。

単に止まったと言うのは少し語弊があったかも。
止まっている映像が見える以外、一切の感覚器官からの入力は無かった。
(体が固まったとか動かないなどということなど感じ取る能力は喪失していた)
自身も含め、慣性の法則を無視して静止。
動きが戻るときも同様に体は何の違和感も無く、バランスを崩すことも無く、
事が起こる前と同様に走り続けていた。
友人関係に関しては、顕著なところでは
仲の良かった仲間3人組みが解体しており、各々友達以前の
只のクラスメートに、また一番いがみ合っていたやつは違和感無く
普通にしゃべりかけてくる、ちょっと仲のいいやつになってた。

 

帰れない

私の家には奇妙な風習がありまして、何故かよく宴会を墓場でやることがあります。
墓場は自宅の裏山にあり、基本的に私の家系の墓しかありません。
唯一近くにあるのは道祖神さんの碑があるだけでして周囲には桜や柊、
榊の木が植えてあり春には花見などを行うのか慣例になっています。

 

私の奇妙な体験は、私が高校生に入学したての頃でした。
自宅からかなりの距離にあり、電車と自転車を乗り継いで帰宅する頃には
すっかり日が落ちているのが基本でした。
もう桜も終わりの頃でしたが、山間にある自宅のまわりはまだ気温が低く、
桜の花も満開に近い咲き方をしていました。
その日は曇りだったのか月明かりがほとんど無い夜でした。
なのにはっきりと桜の花だけは綺麗に見えていたのを覚えています。
新しい学校に入って間もなかったため、夜道に慣れていなかった私は
ところどころにある街灯を頼りに自転車を漕いでいました。
十分に道は知り尽くしているし、問題もない。
そう思っていたのですが、慣れない道は時間ばかりが過ぎていってしまうように
感じられて仕方ありませんでした。

 

かれこれどのくらいこうしているのやら……
普段なら30分くらいでつくはずなのに、一向にたどり着けません。
まだ山道に入って半分も行っていないのに。
街灯の明かりを見つけ、その下で自転車を降りて少し息をつくことにした私は
何気なく自分の腕時計をのぞいてみました。
ところが、デジタル式の時計の表示板には何も映っていなかったのです。
私は首を傾げました。
たしか電車の駅で見たときには正常に動いていた筈なのですが……。
気味が悪くなり自宅への道を急ごうと自転車に跨りました。
そして再び山道を登り始めたのですが、不思議な事にそれから進んでも進んでも
自宅にたどり着けないのです。
道はよく見知った山道。
しかもほとんど一本道で迷うわけが無いと言うのに、どうしてか自宅の明かりすら見えないのです。
これはどうにもおかしいと感じながらも進み続けたのですが、
結局自宅にたどり着けず途中の街灯の下で再び小休止することにしました。

 

そこにはたまたま大きな桜の木があり、街頭の光をうけて一際白く輝いていました。
自転車を降りて深呼吸し、時計を再び覗き込んでみたのですが
やはり表示板にはなにも映らず、途方にくれていたその時でした。
風は無かったのですが、枝がさざめくような音がしてきたのです。
その音は次第に大きくなり、風も無い、枝も揺れてなどいないというのに
周り中から聞こえてきだしたのです。
正真正銘気味の悪くなった私は、急いで自転車を漕ぎ始めました。
しかし、さざめきは遠ざかるどころか次第に近くなり、
しまいには耳のすぐ傍で聞こえてくるようになっていました。
私にはその時の音が何かの笑い声のようにも聞こえたのでさらに気味が悪くなり、
必死で自転車を漕ぎ続けました。
ですが、その直後不可解な事に私は急ブレーキをかけてしまったのです。
私自身はかけたつもりは無かったのですが、そのためにバランスを崩し派手に転んでしまいました。
擦り傷と打撲の痛みよりも耳元でやかましく鳴るさざめきのほうが気味が悪く、
私は思わず耳を塞いでしまいました。
ですが、さざめきは耳を塞いだと言うのに耳のすぐ傍で鳴っているようにやかましく、気が狂いそうなくらいの音量でなり続けました。

 

どのくらい時間がたったのか。
何時の間にか意識が飛んでいた私は、もうさざめきは聞こえませんでした。
いつものように静かな夜の中で目の前には桜や柊、榊の木が立っている風景でした。
私はどこをどうしたのか、自宅ではなく墓場の中で墓石に寄りかかるように眠っていたのでした。
次第に鮮明になる意識とともに、私は慌てて手を合わせて墓石に寄りかかって眠っていた非礼を詫び、
自宅への帰路に着きました。そして、今度は数分もかからずに到着できたのです。

自宅で祖父母にその話をすると、大笑いされ「狸にでも化かされたんじゃろ」と言われてしまいました。
しかし、なんで墓場で眠っていたのか…いまだにそれだけは理解できません。
以後、このときのようなことはありませんでしたが、
山道で狸を見かけるとどうにも苦手で避けてしまうようになりました。

お話は以上です。

旨いラーメン屋

 

15年位前、T山の近くに住んでた頃のことなんだけど。
万博とかあった場所で、
でも万博が終わってだいぶ経ってたので周囲はそれなりに寂れてた。
山の近くだし、緑が多かったのもあってチャリで走り回るのが好きだった。
DQNが多くて夜は絶対出かけなかったけど。
ある夏、夜明け前くらいに目が覚めて、
急に遠出がしたくなって、チャリで山に向かった。
夏なんだけど、霧が出てて、肌寒い。
構わずに山に向かうと、どんどん霧が濃くなり、
大学とか並んでる辺りまで行くと夏休みのせいか人の気配もない。

ついには信号を見るのもやっと、という濃霧になってしまった。

 

それでもやみくもに進むと、木がどんどん増えて
潰れたゲーセンとかラーメン屋とかがポツンポツンと点在してるだけの区画に出た。

そのあたりで「○○(人の名前?)は出て行け!」とか
意味不明な看板が立っているのが目に付いて、
さすがに気味が悪くなり、引き返すことにした。
霧で山も全然見えなかったし。
すると引き返す道が分からなくなってしまった。
右往左往してると、
シャッターの閉まっていたラーメン屋からおじいさんが出てきて、
「ラーメン食べてくか?」というようなことを土地の言葉で言ってたので
おなかがすいてたのと、道を聞くのに良いと思って、
素直に従った。

 

ラーメンはめちゃくちゃ旨かった。
人生で五指に入る旨さだったと思う。
でもその店、メニューとか置いてないし、値札もなかったのが気になった。
店内ももうだいぶ長いこと閉まってたって感じで。
おじいさんも「お代はいらない」とか言うし。
で、道を聞いたら、何言ってるのかよく聞き取れなかったけど
明らかに聞いたことのない地名で、
「ここは○○村だから~」とか「そこの大通りに出たら良いよ」とか
アドバイスをくれたのでそれに従って引き返した。
で、その店、看板がかすれてて店の名前が分からなかったんで、
一応聞いたんだ。
明日、お代を持って友達と食べに来ようと思って。

したらおじいさん、「もう来ないでくれ」とか言う。
それ以上聞くのも憚られて、そのまま帰った。

 

3日くらいして、友人とチャリでその店があった辺りに行った。

そしたらどんなに探しても見つからない。
帰り際に道を確認しながら帰ったから自信はあったのに。
行けども行けどもゲーセンもラーメン屋も看板もない。
友達が痺れを切らして「ホントにあったの?」とか言うので
おじいさんが言ってた村の名前を言った。
そしたら友人もそんな地名聞いたことがない、とか言う。

仕方ないのでそのまま引き返した。
かなり経ってから、その地名は大昔になくなった地名だったと聞かされた。
(○○出ていけ!の看板もその村にあったという)

そしてチャリで行けるような場所ではないとも言われた。
「まともにチャリで行ったら半日はかかる」って。

でもあの時、1時間も漕いでなかったと思う。
おじいさんも「すぐに帰れる」ような口調で道案内していたし。

 

今年に入ってそのことを思い出して、
もう一度行って見ようと思って数年ぶりにそこに行った。

私が彷徨った辺りは新しい路線が敷かれ、
街も再開発とやらでもうまったく昔の面影もなくなってしまっていた。

それでも記憶にすがって車で走り回ってたら、迷ってしまい、
道端に停めて道を確認しようと地図を見たら、
通りかがったおじいさんが

「そこのラーメン屋で道を聞いたら良いよ」

…店も店主も記憶とは違ったけど、
通りかかったおじいさんはあの時のおじいさんのような気がしてならない。
ラーメンも旨かった。
というより、あの時の味と重なった。

何だったんだろう。あのおじいさん。

15年前のおじいさんも、今回の通りすがりのおじいさんも、
同じデザインの帽子をかぶってたのでギョッとしました。

 

メンテナンス

 

もう時効だと思うんでカキコ

7~8年前、友人の家業の手伝いバイトを夏休みにした
電話やPCの配線メンテみたいな仕事の助手だった
まぁ車で現地に行って指示通りに動くだけの簡単な仕事だ
その朝いくといきなり神社に連れて行かれ、お払いみたいなのを受けた
そのあと直接現地に行くと、そこは街はずれにある人気のない数階建てのビル
入り口のロビーでビルの持ち主らしき人と霊能者?っぽい人が二人いた

依頼は地下にある配線の点検だけで、俺はそのロビー待ち
社員の人と霊能者っぽい人が降りていって仕事をしていた
確か2時間ぐらいで仕事は終了、そのまま簡単な挨拶をして帰ってきた

 

その日から体調を崩し、発熱&気分が悪くて吐く日々が続いた
一週間後に会社に行ったら社長(友人の父)があやまりつつ
事情を話してくれた
そのビル(ていうか地下?)は何故か行くと体調が悪くなる場所だそうだ
ビルの持ち主も貸しては返されの繰り返しでどうにもならないらしい
当時は無人のままでほぼ放置、最低限のメンテだけは数ヶ月に一度してる状態だった
お払いも気休め程度で効かず、一緒に行った社員さんも通院してるってことだった
健康には戻ったのでまた仕事を続けてるうちに、社員さんが復帰した
早速何があったのか聞いてみた

 

社員さんは絶対他言無用だと言って話をしてくれた

あの日、地下に降りていく途中の踊り場みたいな所で
案内人の霊能者みたいな人にこう言われたそうだ

「私は何の能力も持っていません、ただどこに何があるかを知っているだけ。
そして知っているからこそ驚かないで対応できるだけです・・・
危険はないけど驚かれると思います。頑張ってくださいね」

・・・社員さんは心底怯えたそうだけど、仕事なので腹をくくったそうだ
そして二人で点検場所に降りていった
廊下はすぐ終わり、一つだけのドアを開けるとごく普通の部屋だった
事務所みたいな感じで雑多にイス、机、棚があるくらい
地下なので窓がない以外は拍子抜けするぐらい普通だったそうだ

 

「あそこが配電盤です。あそこまで先に行くけど驚かないでください」
そういって先に部屋の角に向かって案内の人が歩き出した

机やイスを無視、CGのようにすり抜けて?歩いていったそうだ
驚き、何も言えない社員さんに案内人は言ったそうだ
「近づいてみれば解りますよ。勇気を出して」
混乱して気が動転したが、数分後に言われたまま
社員さんは数歩近づいてみた

机やイスが半透明になったそうだ

 

更に近づくと見えなくなった
見えないのでぶつかるも何もない
普通に歩いて案内人さんの所に近づいていった

「そう、距離を置けば見えるけど、何故かここの備品は
近づくと(ない)んですよね。
この部屋の真ん中にある机とイスは異次元の物なんですかね・・・
見えるのに触れられないんですよ」
二時間近く仕事をしていたが他には何も起きず
気が動転したまま点検を終え、仕事を終えたそうだ
「このあとあなたとあのバイトの子は体調がおかしくなると思います
私もそうなるでしょう・・・それも原因は不明です
何故か持ち主のあの人は平気みたいなんですけどね」
そう言われて、部屋を後にした

結局よく解らずオチもないが、いまだに不思議だ
この話が本当なのかどうか今もわからない

 

ちなみに今現在、まだその場所にそのビルはある
何も様子は変わらず、どこかの会社が入った様子もない
廃墟っぽくなってないので持ち主の人が欠かさず手入れしてるのだろう

できればあの地下室に入ってみたいものだ
この目で確かめてみたい

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