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怖いけど切ない話『思い出銭湯』『引越し』など 短編 全5話【4】|洒落怖名作 – 不思議な体験談

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怖いけど切ない話『思い出銭湯』『引越し』など 全5話【4】- 怖い話・不思議な話 - 短編まとめ 不思議な話
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怖いけど切ない話【4】全5話

 

思い出銭湯

俺が小学生の頃、近所に百年近く続く小さな銭湯があった。
まあ老舗とはいえ時代の流れか、客入りはそれほど良くなかった。
俺の爺さんはたいそうお気に入りで、その銭湯に通うのが楽しみの一つだった。

何の前触れもなくポックリと死んだが、その前日も通っていたくらいだ。
ある週末の夜、親父に銭湯に連れて行ってもらった。
服を脱いで勢いよく浴室の扉を引くと、驚いた。
いつもは閑古鳥が鳴いているこの銭湯が、どういうわけか満員だった。
浴槽は芋洗いだし、洗い場も一つも席が空いていない。

後からきた親父も驚いていた。
「これじゃあ入れないなあ、ちょっと待つか」
といい、親父は自分にはビール、俺にはアイスを買ってくれて、脱衣室で待つことにした。
風呂前にアイスを買ってくれるなんて、いつもとは順番が逆で、俺はなんだかおもしろかった。

しばらく待ったが、出てくる客は誰もいなかった。
親父に様子を見てくるよう言われ、再度扉を開けると、また驚いた。
さっきまであれだけ混雑していた風呂場だったのに、客は2~3人しかいなかった。

さっきは確かにぎゅうぎゅうだった、それに出てきた客はいなかったぞ?
親父も驚いていたが、あまり細かいことを気にしない人で、
何事もなかったかのように、ひとしきり風呂を楽しんだ。
銭湯から変えるとき、番台のそばの貼り紙に気がついた。

なんと今月で店を閉めるという内容だった。
しかも今月というとあと1週間しかないではないか。
はたと気がついた。
子供ながらにも、先ほどの不可解な混雑の理由がわかった気がした。
閉店を惜しんだ遠い昔からの「常連」が、大挙して押し寄せてきたのではないか。

親父も同じことを考えていたようで、
「爺さんもきっと来ていたんだろうなあ、○○(俺の名前)も一緒なんだし、挨拶くらいしてくれても良かったよな」
とつぶやき、それ以後は黙ったままで俺と手をつないで帰路へついた。

銭湯には閉店の日も親父と行ったが、その日も相変わらず空いていた。
銭湯が混んでいるのを見たのはあれが最初で最後のことだった。

 

引越し

オレが小学生のとき、親父が家を建てた。
念願の一軒家で家族皆喜んだ。
しかし引っ越し後ほどなくして女の幽霊が出るようになった。
俺は見たことがないのだが、両親は深刻になやんでおり、特に母は気を病んでしまい、家は大変だった。

そんななか、正月にはじめて家に来たおじいちゃんが、家に入るなり、
「○○さん(親父の名前)、滅多なところに家を建てるもんじゃないよ」と言った。

おじいちゃんは居間に神棚を作り、かんぴょうを天ぷらにしてそこに供えた。
そして供え物を絶やさないように告げ、帰っていった。
以来、家は幽霊に悩まされることはなくなった。
ただ、そのかわりおじいちゃんの家に幽霊が現れるようになったらしい。

おじいちゃんは、
「独り暮らしだし、寂しさが紛れて案外いい塩梅なんだよ」
と語っていたが、その後程なくして心臓を痛めて急に亡くなってしまった。
ささやかな葬式だったが、その際、見知らぬ怪しい女が
式場をうろうろしているのを親父含め数人が目撃している。

これは俺の予想だが、おじいちゃんはその幽霊と恋仲になり、添い遂げたのではないか。
式の後、おじいちゃんの家を片付けにいったのだが、
独り暮らしとは思えない様子だった。
部屋には花やぬいぐるみ、風景写真がたくさん飾られてあった。

中でも印象的だったのは、誰かと筆談していたかのようなメモ書きが、
部屋のあちらこちらに残されていたことだ。

内容は、
テレビ面白い?とか、もう寝るか、とか他愛のない一言だった。
おじいちゃんはボケてはいなかった。
あれは一体なんだったんだろう?
幽霊話はおじいちゃんの死後、どこからも聞かなくなった。




 

お爺さん

ある日、私は地元メンバーでオールをしていた。
明け方になって、家の方向が同じ友達と、二人で帰っていた。

横断歩道を渡ろうとした時、私は、確かに見た。
横断歩道の向こう側に、お爺さんがニッコリ笑って立っている。

田舎の薄暗い明け方。
人の姿も珍しいくらいの時間。

私は横にいる友達のほうを見た。が、友達は何も気付いていない様子。
私は、またお爺さんのほうを見た。
すると、お爺さんは明らかに、私ではなく、横にいる友達のほうを見て笑っていた。

私は、友達に、「知り合い?」
と聞いてみた。
すると友達は、「何が?」と答えた。
私が指差しながら、お爺さんの方を見ると、お爺さんはいなかった。

私は寒気がした。
そして、友達に話した。
「さっき、あそこにお爺さんが、〇〇(友達)の方見て笑ってたんやって!」

それを聞いた友達は、目をまるくして、一言。
「うちのお爺さん、私が産まれる前に、ここの横断歩道で車にひかれて死んでん」

私は固まった。
そんな私に対し、友達は笑顔で言った。
「うちが産まれるん、楽しみにしてたらしい。見守ってくれてるんかな」

何だかせつなく、涙があふれた

 

深夜のドライブ

もう4年くらい経つのかな・・・
当時、親友(以下A)には大学で知り合った○恵ちゃんという彼女がいました。
私達と2人はよくつるんでいて、どこに行くにもほとんど4人で1セットという関係でした。
話は4年前のこんな寒い季節の夜でした・・・

その日、Aは深夜までのレンタルビデオ(某ウ○アハウス)のバイトを終え
自宅に戻ったのは夜中の2時頃だったといいます。
週末のせいか、いつも以上に忙しかったので帰宅するとそのまま寝入って
しまったのですが暫くしてから不意に着メロが流れたそうです。

携帯を取ると○恵ちゃんから・・・
『なんだよ こんな時間に』と時間も時間だけに不機嫌そうにAが言うと、
いつもは明るく答えるはずの○恵ちゃんが、その時は明らかに何かが違う様子だったそうです。

『まだ、起きてたんだ ごめんね』彼女の最初の返事はこれだったのですが、
何か電波状態の悪いところにいるみたいで、時折
『ジー』とか『シャー』とかいう音が語尾に混ざっていたそうです。

『どこにいるんだ?』と親友が尋ねると
『前に言ってあったけど、今日田舎から友達が出てきてるから、みんなで
深夜のドライブ中』と彼女は答えたそうです。

親友は『そういえば、そんな事いっていたなぁ』とその事を思い出したので、
『あんまり、夜遊びしないで帰ってこいよ 電波悪いなぁ 高速からか?』と
眠気もあったので早めに電話を切ろうとしたそうです。

だけど、なぜかその日は彼女がなかなか電話を切ろうとせずに、しまいには
『就職するならここがいい』とか『○○くんは胃が弱いんだから食べ過ぎるな』
とか、どうでもいいことをひたすらしゃべっていたそうです。

親友が
『どうした? なんかあったのか?』と聞くと、最初は○美ちゃん黙っていたの
ですが、なぜか涙声で
『ごめんね ごめんね なんでもないの ごめんね』と繰り返したそうです。
Aも気になったそうですが、眠気には勝てず、明日会う約束だけをして電話を切ったそうです。

次の早朝でした。Aが○恵ちゃんのお母さんからの電話で起されたのは・・・
首○高速湾岸線から四○木方面に向かう分離帯で○恵ちゃんの乗った車が
ハンドル操作を誤って分離帯に激突するという事故を起したのでした。

高速隊の人の話では乗っていた4人は全員車外に放り出され、ほぼ即死状態だった
そうです。○恵ちゃんも近くの病院に搬送されたそうですが、途中で亡くなったそうです。

Aがお昼過ぎに○恵ちゃんの自宅に行くと、憔悴しきった顔のお母さんが
いきなりAに泣き付いて
『ごめんね ○○くん もう○恵とは会えないの ごめんね』と繰り返したそうです。
その時、なぜか昨日の○恵ちゃんの『ごめんね』を繰り返していた電話を思い出したそうです。

そして落ち着いた頃にあるものを手渡されたそうです。
それは○恵ちゃんの持っていた壊れた携帯でした。
おかあさんの話では搬送先の病院で右手にしっかりとストラップが絡まっていたそうです。

ただ搬送された時間をお母さんに聞いて、Aはふと疑問を感じたそうです。
搬送先の病院についた時間が“午前2時35分”だったそうです。
しかし、その時間は確かにAが電話で話をしていた時間だったので、理由を
お母さんに説明し、○恵ちゃんの履歴を調べようということになりました。

ただし、電話には守秘義務というものがあるので、知り合いの警察関係者に
お願いし調べてもらったそうです。
・・・確かに履歴は2時35分を過ぎてからも通話中だったそうです。

壊れた電話が通話でもしていたのでしょうか・・・
今でもこの話を思い出すとAは
『あの時 電話を切らなければ・・』と電話を切ったことを悔やむそうです。

世の中にはこんな切ない霊体験もあるということが
みなさんにもわかってもらえればと思います。

 

オレンジジュース

自衛隊に入隊している友人が語ってくれた悲話である。
以前、彼はN県の駐屯地に駐屯しており、山岳レンジャー(特殊部隊)に所属していた。
この話はその上官(A氏)の身に起こった事である。
十数年前の夕方、付近の山中において航空機事故が発生した。

山岳部における事故であったため、ただちにA氏の部隊に救助命令が発令された。
それは道すらない山中で、加えて事故現場の正確な座標も分からぬままの出動であった。
彼らが現場に到着したのは事故から半日以上も経った翌朝の事だった。
彼等の必死の救出作業も空しく、事故の生存者はほとんどいなかった…。
*     *     *
事故処理が一通り終了し、彼が駐屯地に戻れたのは、事故発生から実に1週間以上も経っての事であった。
『辛いことは、早く忘れなければ…。』
後味の悪い任務の終えた彼は駐屯地に戻るなり、部下たちを引き連れ、行きつけのスナックヘと直行した。

「ヤッホー!ママ、久し振り。」
「あら、Aさん。お久し振り!。さあさあ、皆さんこちらへどうぞ。」
彼等は、めいめい奥のボックス席に腰を降ろし飲み始めた。
久し振りのアルコールと、任務終了の解放感から彼等が我を忘れ盛上がるまで、そう時間はかからなかった。

しばらくして、A氏は自分の左隣の席に誰も座らない事に気が付いた。
スナックの女の子達は入れ替わり立ち替わり席を移動し部下達の接客をしている。
しかし、その中のひとりとして彼の左隣へと来ない。

『俺もオジサンだし、女の子に嫌われちゃったかな…。』
少々寂しい思いで彼は、右隣で彼の世話をやいてくれているスナックのママの方を向いた。
「Aさん、とてもかわいらしいわね。」
彼と目のあったママが、思いっきりの作り笑顔を浮かべそう言った。
『かわいい?。俺が?。』
かわいいと言われ、妙な気分になった彼は慌てて左隣へと視線を戻した。

誰も座っていない左隣のテーブルの上にはいつから置かれていたのか、
場違いな『オレンジジュース』の入ったグラスが一つ置かれていた…。
*     *     *
その日から、彼の周りに奇妙な事が起こり始めた。
一人で食堂や喫茶店に入ると、決まって冷水が2つ運ばれてくる。

また、どんなに混雑している列車やバスの中でも、
彼の左隣の席は決まって空席のままで誰も座ろうとしない。
極めつけは、一人街中を歩いていると見知らぬ人に声を掛けられる様になったことであった。
しかも決まって、

『まあ…。かわいいですね。』
と、皆が口を揃えて言うのだ。

これには、部下から鬼だと言われている彼も、ひと月しないうちに参ってしまった。
ある日、彼は部下に自分の周りに起きている奇妙な事実を話し、
そしてこの件について何か知っている事はないかと問いただした。

すると部下は言いにくそうに、こう言った。
「これは、あくまでも噂話なんですが…。最近、Aさんのそばを小さな女の子が
ついてまわっているのを同僚たちが見たっていうんです。」

「小さな女の子?。」

「ええ、駐屯地の中でも外でも、ずっとAさんの側を離れずに、ついてるらしいんです。」
A氏の背中に電流が走った。

「最近って…。いったい、それはいつからなんだ?。」
「じ、自分が見た訳ではないので…。 ただ皆、例の事故処理から帰ってきた頃からと…。」
「………………………………。」
A氏は思い出した。
あの時、散乱する残骸の中で彼が抱き上げた小さい遺体の事を…。
*     *     *
その後、A氏は近くのお寺へと行き少女の魂を手厚く供養してもらった。
以後、ふたたび彼の周りに少女は現れていない。

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