親父とオレ
少し前に溶接工の親父が勤務中の事故で亡くなった。
出張先のへんぴな島で...
人よりほんの少し強い霊感を持つ(声が聞こえる程度)俺は、いつでも親父に会えたり、話かけられると信じていた。
しかし、2,3ヶ月たっても声すら聞こえなかった。
当時19の俺はかなりショックだった。
これから先もう親父を感じるコトができないのかと思ったから。
親父がいなくなって半年たった夏、そのへんぴな島へ行った。
島へ着き、タクで現場へ向かう途中で何か親父に似た声を聞いた。
なんて言ったかはわかんなかった。しかし確信した。「親父がいる」と。
そのあと現場へ着いたが何もなっかた。
家族に何か見えたり聞こえたりしたか聞こうとしたがしなかった。
家族は昔から、心霊や怖い話はしなかった。興味が無いせいか。
そのまま会えたのか、会えなかったかわからんビミョーな気持ちで帰った。
しかし家に帰ってきた2日後、夢を見た。
その中で親父はいつもの服を着て家に帰ってきた。
俺は親父に小さい子供のように抱きつき「お帰り」と言い、親父は「ただいま」と言った。オカンはソレを見て泣き喜んでいた。
兄貴は自分の部屋にいて、妹は家の前を素通りしていた。
兄貴と妹は霊感弱いのだろうと思いつつ、親父が帰ってきたと確信した。
それ以降、仏壇の前で拝んでみると親父が寄ってくるのを感じる。
しかしいつも仏壇にいる感じはない。普段ドコにいるのだろうと思ったら
妹のそばにいつもいたのだ。
妹と話していると、いつも親父の気配を感じる。
末娘がかわいいからって、いっつもいっつも。
ちょっと妬けちゃいます。俺には拝まなきゃ寄ってこないのに...
襖の文字
仲のいい友人(以下、A君とします)が10年ほど前に結婚した当時の話です。
家族が増えるということで増・改築をしました。居間も畳から襖まですべてきれいに張りなおしました。
おめでたいからとA君の祖父の友人で達筆で知られるお寺の和尚さんが襖に書をしたためてくれるということになりました。
改築も進み完成間近となったところで和尚さんが亡くなってしまいました。長く患っておられたそうですが急だったそうです。
お葬式のときにも遺族の方から、いまわの際に「Aさんとの約束が果たせなかった」と口惜しそうに語っておられたそうです。
残念だったんでしょうね。
A君とお父さんは四十九日法要にも伺ったそうです。
そしてその法要の翌日。朝、居間に下りてきたA君のお父さんはびっくりしてしまいました。
居間にある10枚近い襖に【達者な毛筆書体の書】が浮かび上がっている、昨夜は何にもなかったというのに。
後日、和尚さんの遺族の方を呼んで見てもらったところ和尚さんの字に間違いないとのこと。
最後の最後に約束を果たして逝かれたんですね。
実際、私自身も、改築直後にその居間には通されていますし、四十九日後の不思議な現象も目の当たりにしています。「ほ~」と言ったきり言葉が出ませんでしたよ。
書といっても墨で書いたものではなくどちらかといえば果汁で書いたあぶり出しのような感じがしました。
そして今もその襖はA君宅の居間にかわりなくあります。
胎児の成長
全然心霊話じゃないんだけどいいかな?
去年の11月に嫁の妊娠が発覚。しかし余りにも胎児が小さく、医者からも「難しい」と言われる状態でした。
今年の2月(5ヶ月)に入っても、胎動すらないという状態でした。
そんな時、嫁の祖母が危篤状態になりました。
慌てて嫁の実家に二人で向かったんだけど、15分前に亡くなっていました。
嫁は相当なおばあちゃん子で、泣きながらおばあちゃんの手を自分のお腹に当て
「赤ちゃんを抱いて欲しかったのに・・・」と言っていました。
そして、次の日の葬儀の時でした。喪服を着た嫁が僕に言いました。
「今、動いたみたい・・・」
それから胎児は医者もびっくりするくらいに成長し、無事出産。
今は僕の腕の中で眠っています。
満開の桜
去年の4月の終わりごろでした。
そのとき付き合ってた彼女とお花見に行こうと思いながらなかなかタイミングがとれず、もうダメかな、と思いながら夜の奈良公園に行きました。
その1週間くらい前には咲いていた桜もすでに散っていて、新しい芽というか葉というか、そればっかりになってました。
せっかく来たんだし、ライトアップされてる浮見堂(でかい池の真中にある8角形のキレイな建物)
でも見ようと、そっちの方に歩いていきました。
その近くまで行って、その辺の石段に座って、まぁいろいろ話をしてたんです。
何の気なしに上を見ると、そこには満開の桜が。
周りは葉ばっかなのに、その木だけ、その一本だけが満開。
彼女の「待っててくれたんだね」っていう言葉がえらく心にしみました。
他の人のネタから見ればなんてことない話かもしれないけど、オレにとって本当に感動した、ほんの少し不思議なことでした。
ぢいたんおかえり
私のおぢいちゃんが死んだ時の話。おぢいちゃんは、ずっと入院してました。叔母と、叔母の子供(当時2歳くらい)
が昼寝してたら子供が急に起きてきて「ぢいたんおかえり」って言ったそうです。
ドキっとした叔母はスグに病院へ行くと危篤状態でした。
その何時間か後におぢいちゃんは天国へいっちゃいました。
そこでおぢいちゃんに一言物申す!
なんであたしのところにきてくれなかったの?
最後に会いたかったよ。
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