時空にまつわる不思議な体験『リアル千と千尋』など短編全5話

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時空にまつわる不思議な体験『リアル千と千尋』など短編全5話 不思議な話
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裏世界

 

不思議な記憶と言うか、今でも鮮明に覚えてる記憶。
小学校五年生の夏休み、家の裏手にある大きなグランドで夏休みの自由研究である「身近にいる昆虫リスト」を作ってた。

するとグランドの隅、地面がコンクリになってる場所で、下水道に通じるだろう錆びた鉄の扉を見つけた。
興味本位で取っ手をつかんで開けてみると、下に続く梯子が見える。
それを見た俺は冒険ごっこがしたくなり、すぐさま家に帰って懐中電灯をとってくると、ワクワクしながらその梯子を下りた。

下に着いてみると床は金網になっており、更に下には暗渠があるらしく、小さく水音がしてた。
イヤな臭いがしなかったので下水ではないと思う。
通路は後ろと前の2方向に伸びており、とりあえず正面に歩くことにした。
懐中電灯で足下を照らし、ワクワクしながらしばらく歩くと(たぶん20mぐらい)目の前に鉄格子が現れて行き止まりになっていて、すぐ脇には上に伸びる梯子が設置してあった。
「もっと、凄い物が見れると思っていたのに…」とガッカリしながら梯子を上がった。
「歩いた距離からして道路を挟んだ反対側の空き地あたりでも出るんだろう」と、予想をしながら、ふたを開けて地上に出ると
降りた場所と同じに出て、おまけに夕暮れ時だった。
入ったのは昼過ぎのはずなのに。
なんだか怖くなってきて、とりあえず家に帰ろうとグランドを後にしたんだけれど、何か変。何というか風景が微妙におかしい。
大まかなところは見知った近所なんだけれど、いつも駄菓子を買ってた雑貨屋が見たこともない民家になってたり、公民館が病院になってたりした。
道路標識も見たこと無い変なマークになってた。

 

急いで家に向かってみると、やっぱり微妙に変だった。
庭には巨大なサボテンが花を咲かせてるし、スポーツカーを縦に縮めたみたいな妙なデザインの赤い車が駐車場に止まってた。
玄関の脇にはインターホン代わり下向いた小さなレバーが飛び出してるし。
四つ足の髭の生えたキリンみたいな置物が扉の両サイドに立ってた。
でも、やっぱり自分の家なんだ。
細かいところは違うけど、どう見ても自分の家だった。
表札もちゃんと自分の名字だったし…
なんか間違い探しをしている気分になった。

玄関から入っていくのが怖くなって、家の裏手に回って台所の窓から中をのぞくと、居間で、紫の甚兵衛を着た父親と何故か学校の音楽教師が仲良く話していた。
それ見た俺は当時プレイしてたドラクエ3の事を思い出した。
あのゲームって、裏世界ってあったじゃない、アレを思い出して「裏世界に来てしまった!」と思った。
慌てて元のグランドに戻ってさっきの地下通路に降りて、元来た道を引き返した。
ほんとに冷や汗描きながら必死で走ったよ、遅れると二度と戻れない気がして。
で、入ってきたと思われる扉から出て無事に戻ってきた。

この出来事があってから怖くて怖くて、グランドに近づけなくなった。
グランドの方を見るのもイヤだった。
あれに関わると、何かの拍子にまた裏世界に行ってしまって今度は戻れなくなるんじゃないかと気が気じゃなかった。
グランドを避けて生活している内に引っ越してしまって、結局アレが何だったのか分からずじまいだった。

でも、半年前に仕事で近くを通る機会があったので、まだあるのかと寄ってみた。
半分駐車場になってしまってたけれど、グランドはまだあった。
でも、当時の恐怖感とかフラッシュバックしてやっぱり近づけなかった。

もしかしたら夢か何かを勘違いしてるのかもしれないけど、何故かかなり細部まで覚えてる。

 

 

大きな建物

 

小学生くらいの時の話なんだけど、当時冒険好きというか所謂余計なことするのが大好きだった私は、よく仲の良かった友達と2人で近所の冒険に出掛けてた。
当時は幼かったから自分の住んでる街といっても知らない場所がたくさんあったので何度冒険しても楽しかったことを覚えてる。
けど、ある日学校帰りに道草しながら同じように冒険してるとき、すごい大きい建物を見つけたことがあった。窓がたくさんあって、でもその窓が全部割れてて、中は電気など何もついてなくて真っ暗だった。
私も友達もそれを見ると中を探索したくてたまらなくなり、一度家に帰ってランドセルを置いてからもう一度来ようということになり、その建物から比較的近くにある中学校の前で待ち合わせの約束をしてそれぞれ家に帰った。
けどその日、私は習い事に行く日だということを忘れていて、家に帰ると母親に「はよ行くで」と無理矢理つれていかれ、結局待ち合わせには行けなかった。
次の日学校でその友達に会って事情を説明し謝ったが、なかなか来ない私を待ちきれずに探索しに行った友達はその建物がある場所がわからず、結局一人で家に帰ったらしい。
それから何回か、時間が空いたときにまた約束をして冒険しに行ったが、結局一度もあの大きい建物が見つかることはなかった。
見上げるほど大きい建物なのでわかるものだと思ってたのだが…。

ていうか今思うと私が住んでる街って割と田舎だし建物自体低いものばっかなので、あんな高い建物がたってたら遠くから見てもわかるはずなんだが…。
あれはなんだったんだろう、ただ次の日に取り壊されたってだけなのかな?

 

 

リアル千と千尋

 

私が小学5年生だった頃、都会から少しはなれた郊外へ引っ越すことになりました。
あれは父親の運転する車で母と私の3人で新しい家に向かっていた途中の出来事です。
なんか見覚えのない道があって、そっちの方が早くいけそうだということでそっちを通っていくことになりました。
そしたら何と行き止まり!
で前を見上げるとそこには石で出来た朱色に塗られた巨大な門があった。
少しトンネルのようになっていて、中に入れるようになっていた。
私たちはおかしいなと思いつつその中に入っていった。ていうか父が入ってみようと言い出した。
私は正直怖かったから嫌だったけど一人で残っているのも怖いので3人で中へ入っていきました・・
最初は真っ暗で何も見えなかったけど少し行くと少し広いロビーみたいなところがあって、なんかのちょっとしたテーマパークの残骸だということが分かった。
そのロビーの奥には出口がある。不思議な感覚にとらわれながら外に出てみると、そこはただっ広い少し草の生えた土地が広がっていた。
こんな広い場所なのに何もないのが不思議だった。
こうやって見とれていて、ふと振り返ると父と母がいない。
とても怖かったのを覚えてるけど、何を思ったのか私は来た方向へ戻らずに、その土地にどんどん踏み込んでいった。

すると、石で出来た小さな階段が現れ、近くに不気味な石造が置いてある所に来てしまった。
すると今まで全く聞こえなっかたのに、急ににぎやかな太鼓や笛の音が聞こえてきて、その音を頼りに進んでいくと、
現実的ではない感じの町があって、祭りがやっていた。町はにぎやかな笛の音が聞こえ、屋台もたくさんあったけどなぜか人が一人もいない。

 

不安もあったが、親を探さなくてはならなかったし、それなりに楽しい雰囲気だったのでしばらくその町を探索してみることにした。
しかしどこへ行っても親は見つからず、楽しいと思っていた町の雰囲気も何か不穏な感じになって、急に暗くなった。
急に怖くなった私は、思いっきり走ってその街を駆け抜けて、さっきの階段の所まで来た。
そこにはさっき気づかなかったが1つではなく無数の石造があることに気がついた。いやさっきまでは絶対1つしかなかったと確信していた。
その石造は、狛犬くらいの大きさで、不気味な目でこちらを見ている気がした。
そこで私はまた走りだして元きた門のところまでたどり着いた。
すると、なぜか両親が立っていた。まったく理解できなかったけど、父と母に会えて安心したのがなによりで、何故かさっき見てきた不思議な町のことや、両親が急にいなくなったことには触れなかった。
とにかく私は安心した。
そしてやっと帰ることが出来ると思って、3人で再び門をくぐって外に出た。
やってこれで安心できると思った。でも、乗ってきた車を見たら、妙に汚れてきて、車の中にも落ち葉や木のくずが入っていたり、蜘蛛の巣がはっていたりした。
ほんの2、3時間のことだったから自然にこうなったとは思えなかったし、いたずらにしても、こんな山道の中なので、おかしいと、子供心にそう思った。

エンジンは何とかかかったから、中のゴミを払い出して新しい家に着くことが出来たけど、あとで父と母にそのことについて聞いても
ほんのすこし入って見ていただけだったというし、私も一緒にいたという。
私が体験したことを言っても、全く信じてもらえなかった。
今もその時引越した家に住んでいるけど、あれ以来両親とその話は一切していない。

あれはいったい何だったんだろう?
本当に不思議な出来事でした。

よく考えたらあれ以来、あの道があった付近を何度も通っているけどあの時の道はもう無い気がする。

 

 

二階建ての銭湯

 

小学生の頃、友人とよく一緒に銭湯に通ってたんですが、その日は噂でしか聞いた事のない二階建ての銭湯に行く事にしました。
ある道をまっすぐ行けば着くという噂を信じ、途中で何度か人に聞きながら自転車で走ったんですが、皆そんな銭湯は知らないと言いました。
それでも諦めずその道をまっすぐ走っていたら、偶然知ってるという人に出会い連れて行って貰えました。
その日は二階建ての銭湯で遊んだ後、無事に家に帰りました。

その後もう一度行きたくて同じ道をまっすぐ行ったのですが、5分くらい走っただけで行き止まりになってしまい二度と行けませんでした。

先日友人にその時の話しをしたら、やはり銭湯の事を覚えてました。

 

 

子供専用の近道

 

家の近所の道に商店街への近道があって、その道を子供の頃によく利用していました。
夕暮れ時特有の不思議な雰囲気に包まれた道で
子供心に「あの距離がこんな短いなんて不思議だなぁ…」とは
思っていたんですが、それでもいつも使っていました。

ある日、母と一緒に商店街へ行く事があり、その近道を通ろうとした所、いつもなら10メートル位で大通りへ出るのに、何故か大通りまでの距離が50メートル以上あるんです。
近道だと思っていた道が、普通に行くよりも逆に遠い位でした。

あの日以来、その近道は二度と近道では無くなってしまいました。
このスレ読んでて思い出しました。今でもすごく不思議です。

『裏世界』『大きな建物』『リアル千と千尋』『二階建ての銭湯』『子供専用の近道』

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