時空にまつわる不思議な体験『ケンムン』など短編全5話

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時空にまつわる不思議な体験『ケンムン』など短編全5話 不思議な話
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縁結びの神社?

 

新婚の頃、暇を見つけては嫁とよく山道をドライブしていた。
その日もいつものコースをたどりあと少しで山のトンネルというところで、道路脇にジュースの自販機を見つけ、何気なく休憩したくなった。
丁度車一台止めれるくらいのスペースがあり、そこに車を止め缶コーヒーで一服。

すると、道路からは木々に遮られて見えなかったが、自販機の後ろが空き地になっており、そこに古そうな神社があった。
こんなところに神社があったのかと少し奇妙に思ったが、これも何かの縁と参拝だけして、そのままドライブを続けた。
それ以後も何度かそのコースを通ったが、神社のことは忘れてしまっていた。

何年かして、ある夜嫁の夢にその神社の神様が出てきたそうだ。
とても優しげで、いつも私たち夫婦を見守ってくれているとのこと。
翌朝それを聞いて嬉しく思い、二人でお礼参りに出かけることにした。

久しぶりの山道だったが、何度も通ったコースなので場所ははっきり覚えている。
しかし、神社があったと思しき場所は古い木々が立ち並ぶ山の斜面で、神社や空き地はおろか自販機も車を止めるスペースもない。
周辺を何度も往復して探したが何もない。

仕方ないので、心の中でお礼だけ言って、嫁と二人、首をひねりつつそこを後にした。

 

 

ピエロとイルカショー

 

帯広にグリュック王国ってヨーロッパかぶれのしょぼいテーマパークがある。
そこに私が小二の時に家族三人で遊びに行った時の話。
園内にイルカショーなるものがあり、家族三人で入ってみる事に。
しばらくしてから両親が「トイレに行く」との事で一人で待つ事に。
ふと横を見ると、隣にピエロが立っていて、一緒にイルカを見ているではないか。
「・・・(・д・ )?」と思ったけど、「このテーマパークのピエロか」と子供心に解釈した。
ピエロはこっちに気付くと、ニッコリ笑って服の中から一輪のバラを取り出した。
それを私に手渡し、何も言わずにイルカショーの施設から出て行った。
その内親が戻ってきて、今起こった事の一部始終を説明した。
私が「さっきのピエロと写真が撮りたい」とダダをこねたので、受付まで戻ってピエロの場所を教えて貰う事に。
すると「うちではピエロは雇っていないのですが・・・」という返答が。
家族三人目を見合わせた。 じゃあさっきのピエロはなんだったんだ?
ただのピエロの格好をしたドキュソか?
でも、その後しばらく探し回ってもピエロらしき人物は見付からなかった。

・・・今この話をして思い返してみて、ゾクッとした。 ピエロの話にではない。
そもそも、グリュック王国に「イルカショー」なんてものは、あったのかと。
それこそ観覧車やジェットコースター等の小さなアトラクション位はあったものの、ヨーロッパの街並みを再現したテーマパークに、イルカショーなんてものがあったのか?
今不思議に思ってみて、「グリュック王国」でぐぐってみたんだが、「イルカショー」なんて一件もヒットしない。

つまり、イルカショーを観に家族三人で施設に入ったあの時から、私達家族はもう既に違う空間に居たのだろうか?

 

 

ストラップ

 

今年の正月に名古屋旅行に行って来た。
んで友達に「ストラップ買ってこい」と言われたのを帰りの空港で思い出し、慌てて空港の売店で買った。ついでにアイスも買った。
ほんでロビーの椅子に座りアイスを食べ搭乗までの時間を潰していた。
食べ終わった空の容器を先ほどの売店の袋に入れ、捨てた。
搭乗時刻になり、飛行機に乗り込みカチャカチャとシートベルトを締めていた時、
「あ。」と思った。さっきアイスのゴミと一緒に捨ててしまったのだ、ストラップを。
「あちゃー売店の袋にストラップ入れたままだった。すぐカバンにしまっておけば・・・」
等と悔やんだが、「ま、安かったし、友達に謝ればいいか」とその場は落ち着いた。
帰ってきてから友達にその事を話したが、ただの笑い話で済んだので安心した。
ここまでは普通の日常によくある一連の流れである。
だが、先日違う友達を家に連れてきてしばらくしゃべってた所、テーブルの上に何やら紙袋に包まれたものが置いてある。
私の誕生日は過ぎたばっかりなので、「ナルホド、少し遅い誕生日プレゼントか」
と察し、友達に「なんやこれ、ボールペンかなんかか?」と笑いながら聞いた。
「ハァ?」と友人。その友人の態度に「?」と思いつつ袋を開けてみると、そこには名古屋空港で捨てたはずのあのストラップが。
「え?え!?」とパニくる私。状況が飲み込めない友人。
確かに、私は空港でアイスのゴミと一緒にストラップを捨てた。
そして確かに、友人が来る前テーブルの上には何も無かった。
なのに、なんで今ここにストラップが?

その気味が悪いストラップ、捨てるのもアレだったので、「やっぱカバンに入ってた~」と言って友達に渡しますた(・∀・)ニヤニヤ

 

 

蛇石

 

子供の頃に友達の家で読んだ本。
心霊写真や心霊スポット等が解説と写真つきで載ってた。
その中に丸いスベスベの石に蛇の形がクッキリ浮き出てる写真があった。
解説によると、全部は覚えてないけど、目の部分を突いた人は失明したとか、悪さをしたら、悪さした部分が自分に跳ね返ってくる曰くつきの石だった。
今でも説明の絵や写真を、はっきり覚えてる。
中学の時に家族で北陸の東尋坊に旅行に行った。
崖までは両側に土産物屋が並んでいたんだけど、私は家族より先に走って一人で先に崖に向かってた。
で、なぜか店と店の間の細い路地に入ってみた。

 

大きい通りは賑やかで人通りも多いのに裏は凄く静かで人もいなかった。
一件だけ古くさい店があり何屋か分からないんだけど、ちびまるこちゃんに出てくる駄菓子屋のような店がまえで店の前に友達の家で見た蛇石が置いてあった。
思わず「あっ」と声を出して見つめてると中から着物姿のお婆さんが出てきて
「見付けちゃったの?でも触っちゃいけないよ」と。
私は急いで元の賑やかな通りに出て家族を待ち、家族を連れて石のあった店に行こうとした。でも店がない。何もない。
大通りに出たすぐの所で家族を待ってたから道を間違えるわけない。
ほんの2~3分前には存在してた店もお婆さんも何もなかった。
誰も信じてくれなかったけど、あの妙に静まりかえった感覚は良く覚えてる。

 

 

ケンムン

 

田舎で親戚のおばさんから聞いた話。
昔、近所のおじさんが山に薪を取りに行って行方不明になったらしい。
心配した村の人たちが2晩ぐらいかけて山狩りをしたが見つからず、ある朝、畑の穴に逆さまに突っ込まれた形でその人が見つかったらしい。

その人に、「どうしてあんな所で、あんな形でいたのか?」と聞いたら、
「山で薪を取っていて、暗くなって帰ろうとしたら火の玉に周りを囲まれて。座ったら消えるんだけど、立ち上がるとまた囲まれる・・・それをずっと繰り返して気がついたら、村の皆にかこまれていた。」という。
私の田舎は昔から「ケンムン」というお化けがいるとされ、村の人たちは
「ケンムンに化かされたんだな」という話で終わったらしい。

『ケンムン』 – 妖怪の不思議な話・怖い話

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