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時空にまつわる不思議な体験『宝船』など短編全5話

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時空にまつわる不思議な体験『宝船』など短編全5話 不思議な話
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食い違い

 

小5の頃、朝起きたら見たことも無い空き地に居た。
分け分からず辺りを見回したが、やはり知らない場所。
怖くなって知ってる場所を探そうと走り出した。

走りながら婆ちゃんが「迷子になったら交番に行きなさい」
と言っていたのを思い出した。
数分後、人に道を聞きながらようやく交番を見つけた。

そこで警察の人に場所を聞いて驚いた。
そこは家から10キロ程も離れた場所だった。

警察の人にわけを話してもどうせ信じてもらえるとは思わなかったのでただ「家族と離れて迷子になった」とだけ伝えた。
パジャマのままで。

で、住所などを詳しく伝え家に電話をしてくれる事になった。
が、一向に電話に出る気配が無い、日曜日の朝だったので多分いるはずなのに。
その内、警察の人から変な顔をされはじめた。

 

んで、親戚の名前を教えたら電話番号を調べてかけてくれた。
数十分後、親戚が迎えにきてくれた。

さすがに理由を話さないわけにもいかず、その車の中で一部始終を話した。
が、案の定信じてはもらえず「どういう理由かもう聞かないけど家に連絡がつかないのなら家に来なさい」と言ってくれた。

でも、何故か家が気になって「今日、友達と約束がある」と嘘をついて家まで送ってもらった。

家には誰もおらず、親戚も少しばかりいて、すぐに帰った。

結局、家族は六時くらいに帰ってきた。
で、普通に自分と接するので頭にきて自分の体験を話してみた。
すると怪訝な顔をして「あんた何言ってるの?今まで一緒にいたでしょ?」
と言う。「はぁ?」と思ったが黙って聞いていると家族は今まで俺と大分の温泉に行っていた様な事を言う。

わけが分からず、さらに詳しく聞くと金曜日の夜から日曜の夕方の今まで俺と一緒にいたらしいとの事。
んで、帰りの駅から俺が「友達との約束がある」とか言って走って帰ったとの事。

今でもよく分からない10年前の出来事。

ちなみに親戚は俺のことを覚えていてくれた。

 

 

昭和32年の一円玉

 

私が小学生のとき。家の近くに空き地があってそこで古い1円玉をひろった。昭和32年でなぜか家に持って帰った。
それから大事に置いていたんだけど、そのうち飽きて使ってしまったんだ。そしたらある日、家のトイレで頭に何かコツンと当たった。なんかが落ちてきてなんだ??と思って拾ってみるとその昭和32年の1円玉だった。
それから何度使ったり両替したり捨てても、気がつけばサイフの中に昭和32年の1円玉が入っている。
まぁ、偶然かもしれないけど・・・
でもトイレでいきなり落ちてきたのはビックリした

 

 

消えたり出てきたり

いつだったか家から駅に歩いていく途中、7ミリぐらいの銀色の福顔の面みたいのを拾った。多分おみくじに入ってるもの。
財布の中に入れていたがある日なくなっていた。
落としたんだなとおもっていたら、やはり同じ道で発見。じゃりみちなのに良く見つかったなと感心していたら、またなくした。
せっかく2度もめぐりあえたのに無くしたと後悔していたら、

数ヶ月後、仕事場の床にそれがおちていた。そしてまた消えて、存在すら忘れていたら、今度は仕事場の引出しから・・・。
財布が悪いのか、私が悪いのか?

 

 

不思議な家

 

夜にブラブラしてたら不思議な家発見。
坂に立ち並ぶひな壇のような住宅街のなかにその庭の風景がひとつだけ独特の存在感を放っていた。
一階の広いテラスからオレンジ色の暗い電灯がついたこれまた広いリビングがみえる
家具はこちらがわにむかっておかれた二人がけのソファとカーテンのみ。
しばらく見入っていたが全く人の気配がない。
これを遠くから眺めていたので、位置関係を頭にいれ、その家を目の前でみるため坂の住宅街へはいった。
しかしいくら探してもそれらしき家がみつからない。
別の夜にもう一度でかけたが、今度はその庭の風景さえみつからなかった。

 

 

宝船

 

私が小学校五年の時だったと思います。
五月に入り春がかったころですが、この時期父は鯛を釣りに出かけます。
朝五時頃出かけて、帰ってくる時間はまちまちです。(夕方四時頃もあれば夜10~11時頃もある)
父が出かける時、たいがい私は寝ているのですが、たまに起きてしまうこともあり、一緒にコーヒーを飲んだりもしました。
だから、だいたい父がどんな感じで出かけていくのかを知っていました。
顔を洗って、歯を磨き、髭を剃り、コーヒーを飲んで、握り飯を5~6つと、氷、水、酒をもって一人で出かけて行きます。
その日もいつもと同じように出かけたみたいでした。(私は寝ていた)
そしていつもの様に、特に待つこともなく母や弟と時間を過ごしていたのです。
その日父は11時をまわっても帰ってきませんでした。→続く

母は、
「たまにこんなこともあるけん。もしかしたらもう帰ってきて、どっかいっちょるかもしれん」
と言っていましたが、やはり心配なので、叔父に電話してから眠そうな弟をおいて、叔父の車で船着き場まで見に行くことにしました。
船着き場に父の船はなく、父の車がきっと朝と同じようにおいてありました。
叔父と母が
「事故かわからん」
と話していたのをドキドキしながら泣きそうに聞いていました。

とりあえず、今日は遅いので明日にでも海上保安庁に行ってみようということになりました。
父と違い、どちらかというと引っ込み思案な母は、一人で海上保安庁にいけず、次の日どうしても外せない用事があった叔父を待ち、正午くらいに一緒に行こうという段取りになったようでした。
私は父が心配で一刻も早く父を探して欲しかったので、
「私が行く!今から行く!」
と駄々をこねたのですが、その日は御されてしましました。

 

もちろんその次の日、私は学校を休みました。
イライラしながら叔父を待っていたとき、家のドアが開き、父が帰ってきました。
開口一番、
「水とラーメンとメシ!」
はっきり言って間抜けですが、私はボロボロワァワァ泣きながら父に飛びつきました。

その時は気が付かなかったのですが・・・
気が付いたのは母が黙ってラーメンを作り、それを父に差し出した時でした。
ひとまず泣くのを止めて、まじまじと父の顔をみたのです。
「???」
父の髭がやけに伸びているのです。
熊程ではありませんが、1日や2日剃らなかった様な感じではありません。
顔も妙に汚れている様に思えました。
「お父ちゃん。髭が伸びちょる」
私は旨そうにラーメンをすする父にそう言いました。
「うん。一週間は剃ってないけん」
ラーメンを食べ終わり、一息ついたふうの父。
ここから父の話が始まりました。

 

もう少し霧が晴れるのを待ってみるか。しかし、1時間たっても2時間たっても、霧が晴れる様子はありません。
救難信号を送るにも、計器いっさいがウンともスンともいわない。
無線すら入らない。

父はここで腹を決めました。
無駄に動けば遭難する。
霧が晴れるのを待つ。
晴れた時にほかの船を探し近づく。
長丁場になるかもしれん。
油は無駄にできん。
そしてその日は船上で夜を過ごしたそうです。

次の朝目が覚めても、船は霧に包まれたままでした。
霧の間は魚を釣る事に専念したそうです。(もちろん計器が復活するかときどき確かめますが、ダメです)
そして正午を過ぎた頃、かなり濃かった霧が少し薄れ、その先に一つの船影がみえたそうです。
とりあえず父は、エンジンを船が動ける状態にしたあと、一応大声で叫びましたが届くはずもなく、もう少しその船影に近寄ろうとしました。
やや近づいた船影を見て、父はおや?とおもいました。

 

船のカタチが普通でない事が遠くからでも見てとれます。
父によるとその船は
『宝船』
だったそうです。
少し霞む霧と霧の間にみえたものは、何やら前時代的な、昔話に出てくるような帆船で、形容するならば
『宝船』
だと。

その『宝船』は、父が船の速度を上げても、一定の距離を保つようにつかず離れずで、はっきりとその姿を見ることは出来なかったそうです。
その状態で30分程度。
そして『宝船』は再び濃くなった霧の中へと消えたそうです。

そして又次の日も同じ様な時間にその船が現れ、それに着いていき、また霧が濃くなり・・・と。
父が釣れた魚をさばいて食べ、持ち込んだ水と酒を大切に飲み、そして昼頃現れる『宝船』に先導され・・・というのを一週間近く続けたある昼前頃でした。

いつものように霧が晴れていきました。
しかし、いつもと違ったのは霧の間に見えたのが、陸の影だったことでした。
その後霧は嘘のように晴れ、目の前に懐かしい港が見えたそうです。
と同時に計器いっさいも復活。
父はエンジンを唸らせ、無事船着き場に帰ってくることができました。

 

私は父の話を聞いた後、又オィオィ泣きました。
まだ小学生だったので、疑問や不思議は後回しに、
「お父ちゃんが帰ってこれてよかった!」
と素直に思いました。

今思うとホントに怖いです。不思議です。
その『宝船』は何だったのでしょう。
その霧は何だったのでしょう。(最初に父が語るように、父が出かけた日、帰って来た日にそんな濃霧注意報はなかったし、近海には発生していなかったもよう)
父は、どこに行っていたのでしょう。

「お父さんには恵比寿さんがついちょる!」←弁天さんじゃないか、とつっこんだ。
と豪語して、それからも元気に海に出ている父を、私は尊敬しています。
ただ、それ以来父は、船に醤油をつむのを忘れません。

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