神主が語るあまり怖くない怖い話 – 全3話
『霊感が強すぎて三つの神社クビになった神職だけど質問ある?』より
神主:リクエスト頂いたのであんまり怖くない怖い話!
虫の知らせ
大学在学中に父親が病で倒れました。
お医者さんいわくもう植物人間のような状態で難しい状態だって。
まぁ悲しかったけど死んではなかったからなんとかって家族で祈ってた。
もちろん僕も朝と夕に神棚に拝礼して治ることを祈願してた。
倒れて三日後の晩の夢に父親が出てきた。
真っ暗闇の中に父親と僕。なぜか昔の姿をしていた。
父「おーい1やー俺はもうダメかもしれないなぁ。死んじまうかもなぁ。今までありがとう。色々喧嘩もしたけど父さんはお前の父さんでよかったよ。長話もできないからまぁ母さんと妹のことよろしくな。んじゃ」
小学生の姿をした僕は夢の中で大号泣して行かないでよ…と言ってた。
そしたらその時ポコっとじいちゃんが闇の中から現れて
爺「おい!こら父!!!何もうこっちの世界来ようとしてるんだ!わしは断じて許さんぞ。断じて許さん。お前が来たらわしは腹切って死ぬぞ」
父「父さん何言ってんだよ…もう死んでるじゃないか…ハハッ…まだそっちの世界には入れてもらえそうにないな。もう少し頑張ってみるから1からも少し力もらうよ」
と言い終わると同時に電話の音で起きた。
電話に出ると父さんの意識が回復したという。
これから父さんは順調に快復するんだけどこの時のことはぼんやり覚えてるらしい。
十年後にまた死ぬときも夢に出て来て
「父さんも認めてくれたみたいだから俺もそろそろ行くわ。ありがとう、これでやっとお別れできるな。今までありがとう、妹と母さんをよろしくな。ずっと見てるから。」
父は永眠しましたが何故か悲しくなく涙も出ず今でも父がそばで見守ってくれてる気がします。
野球ボール
小学生から中学生にかけて野球をしてたんだ。
同じ小学校で同じ中学でずっと親友だったやつがいた。
高校が分かれて当時は携帯とかもなかったから風の噂で何してるかとか聞いていた。
大学生になってめっきり会わなくなっていつか忘れかけていた。
ふとある日野球がしたくなった。
あ、久々にあいつにも会いたいし連絡するか。
親友も僕もお互いに引っ越してたが電話番号を知ってた為互いに会うことになった。
久しぶりに会って野球をしながら今まで溜めてたことを色々語り合って別れた。
別れ際に「これお前に借りっぱなしだったな」とボールを渡された。
それは中学の時に貸していた野球選手のサイン入りボール。
おう、ありがとう!と別れ懐かしいなぁとボールを眺めると「ありがとうね」と小学生みたいな汚ったない字で書かれていた。
その三年後ぐらい仕事も始まって忙しい日々の中、ふと家でテレビを見ているとテレビ台の上に置いてあった野球ボールがポトって落ちた。
なんだよ、と思ったけど嫌な感じがしたので親友の家に電話したら三日前に亡くなっていたことが分かった。
「僕は自分の道を進むために頑張ってるから49日が終わったら連絡してくれ」との遺言があったから連絡できなかった。死因は持病の内臓系の病気だった。
なんでだよ。なんで教えてくれなかったんだよ。大の社会人が号泣してしまった。
そしてふと握りしめたボールを見ると「ありがとうね」ってのが「今までありがとうね」に変わっていた。
英霊の社
神社の話で盛り上がってるので神社系の怖い話で
「英霊の社」
全国各地には様々ないわゆる英霊系神社と呼ばれるものがある。
分かりやすいとこで言えば靖国神社や東郷、乃木、全国の護国神社。
これは僕が学生時代神主バイトいわゆる助勤で体験した話。
割と奉祀料が良かったので申し込んだ僕は地方の英霊系神社で助勤をすることになった。
内容は例祭奉仕で例祭後の一般祈祷も行うことになった。
電車やバスを乗り継いで夜に着いたがその神社は鳥居をくぐる瞬間からあまり良い気はしなかった。
靖国は人がいるから置いといて英霊系神社に行ったことある人は感じたことがあるかもしれない。
まぁでも仕事だから今更逃げることもできず前泊をさせてもらうことになった。
寝場所を案内されるが寝場所は社務所内の一室。
普段は応接間であろう部屋で布団をひいて友達と二人で寝泊りですることになった。
明日からきっちり働いてもらうから今日は自由にしてていいよと職員に言われ緊張しながらはい!!!なんて張り切ってみたりした。
コンビニの場所を教えてもらい、夜出る時は鍵を閉めてねと伝えられ、職員さんは自分の社宅に行った。
友達となんか修学旅行みたいだねとはしゃぎながらも二時を回ると友達は疲れて寝てしまった。
明日も早いから早く寝ないとなぁと思っていたら外から
カチッカチッというかガチャガチャという音が外から聞こえる。
誰かの足音のようだった。それも一人二人じゃない。
数十人の足音だった。
これは嫌だなと思うとちょっと外を覗くとそこにいたのは
相当な数の兵士たちだった。
テレビで見る北朝鮮の兵士の歩き方のようにキリッキリッとメリハリつけて歩いていた。
あ、これは幽霊なのかなと思ったら隊長らしきものが声をあげていう。
「明日は第○○回○○神社例大祭である。諸君達が死んで既に○年経っているのだ。神の国日本はあの戦で敗戦を期すも、今や米国と肩を並べる大国となったという。我らの死は無駄死にではなく、着実に今の国の土台となれたのである」
大体こんなようなことを言ってたと思う。
そしたらある兵士がこっちを指差して言う。
「敵兵発見!!!」その瞬間やばいと思い、布団にくるまった。
兵士たちはどのように入ったのか社務所内を駆け回り僕の周りをもジタバタしていた。
色々な声が聞こえるが中には天皇万歳やすすり泣く声、死にたくないと苦しむ声様々だった。
気づくと私は眠りに落ち次の朝だった。
夢だったかと思い改めて挨拶をしに行ったら職員の神主が一言僕にこういった。
「昨日は兵士に見つからなかったか?」というものだった。
ま、英霊系には様々な気持ちが眠っているんで不用意な気持ちで近づくのはお勧めしませんということでした。
結果としては今まで神職みな体験してたというものでした。
ただ誰もがそれが嫌で寮で寝ており、例祭前に学生を読んで見張り番をさせてるそうです。
一度見張り番をさせなかった時は社務所内が空き巣に入られたようにグチャグチャにされてたそうです。
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