心霊ちょっといい話『憑き過ぎ』など短編全5話

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心霊ちょっといい話『憑き過ぎ』など短編全5話 不思議な話
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憑き過ぎ

 

ウチの実家が檀家をしてる寺のぼうさんはいわゆる見える人なんだが、俺が学生の時に帰省して会ったとき、
「1,2…11人憑いてる。すごいな。きつくないか?」というので
「べつに」と答えると
「じゃあ特に払う必要はなさそうだな」といって、
お経だけあげて帰っていった。
俺も特に変わったことはないし、
「憑いてるだけならいいや、そのかわり悪さしたらすぐ追っ払うからな」
などと気楽に考えつつ、東京に帰った。
その頃は心霊スポットめぐりとかしてたから、いろんな所で拾ってきたんだろう。

その年、俺は高速で玉突き事故に巻き込まれ、シートとドアの間にはさまって?意識不明の重態におちいった。
昏睡中、自分が病室にいて、たくさんの人に囲まれてすわっている夢を見た。
まわりの人達はみんな粘土細工をのばしたみたいに顔がひしゃげていたんだが、「?」と思っているうちに一人また一人と悲しそうにドアから出ていった。

その後はなんとか回復し、リハビリも上手くいき、障害を負うことなく退院できたんだが、坊さんいわく11人は成仏してしまったらしい。
「よっぽどお前の居心地がよかったんだろ」と笑っていた。

また何人か憑いてるらしいんだけど…

 

 

おじいちゃんの死を悲しむ猫

 

私の祖父の話です。

祖父は私が小学校3年生の時に亡くなりました。
無口だけどとても優しい人で、当時家で飼っていた真っ白い猫をそれは可愛がっていました。
祖父は70歳まで働いていて、体格もよく丈夫な人だったのですが、年齢のために仕事を辞めてからすぐに、不治の病に倒れてしまいました。
しばらくは自宅での療養を続けていましたが、ある日突然に発作を起こし、帰らぬ人となってしまったのです。

葬儀の日の朝。
早い時間から親戚たちも集まり、家中が慌ただしい雰囲気になっていた時です。
幼かった私は暇を持て余してしまい、祭壇のしつらえてある部屋に入りました。

949 名前: 2/2 04/02/16 01:16
祭壇の周りには大勢の大人がいて、葬儀の準備をしています。
そこに飼い猫がやってきました。
親戚の一人が猫に向かって「おじいちゃんが死んじゃったんだよ」と言いました。
すると猫は祭壇を見上げ、しばらく周りをぐるぐると歩いた後、祭壇の裏側に入ってしまったのです。
私の母や祖母が声をかけても、出てこようとしません。
いつもは家族以外の人がいると逃げるのに、その時だけ、おじいちゃんの祭壇の下でじっとしたまま、動こうとしないのです。
皆、「おじいちゃんがいなくなっちゃったことが分かるんだね」と言いました。

今はその猫も亡くなり、私も社会人になりました。
おじいちゃん、チル、見守っててくれたら嬉しいな。

 

 

生きる方を選んだ

 

当時、わたしは妊娠8ヶ月でひどい腰痛に悩まされていました。
日に日に強くなる痛み、そのうちに、夜も眠れないほどの痛み、泣き叫びたいほどの痛みにかわりました。
でも主治医は妊娠していれば腰は痛くて当たり前ととりあってくれません。
結果から言うと骨盤に腫瘍が出来てました。
どうしても子供を産みたくて、治療をうけませんでした。
普通なら10キロくらい太る妊婦なのに痛みの為の不眠とストレスから来る妊娠中毒で20キロも妊娠前よりやせてしまいました。
ある晩、夢の中に小学生の時に亡くなった、父方の祖父が現れました。にこにこ笑う祖父は
「お前、そんなにつらいなら、じいちゃん連れていこうか?」と聞いてきました。
どうせ夢だからと思って祖父を見つめていると「いきなりじゃ、お前も決められないだろう?明日使いをやるから、それに伝えてくれ。行くか行かないか。」

気がついたら朝でした。痛みに耐えながら一日を終えて眠りにつく自分「お迎え?まさかね。」って思いながら眠りになんとかつくと、夢なのか現実なのかわからない感じでした。
おおきな、それはおおきな白い犬が自分を見つめています。口をきくわけではありません。

ただ、自分をじっと見つめて何かを待っている感じでした。
「返事、いわなきゃいけないのかな?でも、あれ夢だしなぁ。」
でも一応待ってるみたいなので返事をすることに。

「えと、おじいちゃん、私はがんばって子供を産んでお母さんやりたいんです。えと、だから、見守ってください(これでいいかな?)。」
ふと、視線を戻すと何もいませんでした。

結局、子供は早産してしまいましたが、無事でした。そのあと自分は治療に入り1年2ヶ月の入院をしました。車いすになるよと宣告されていたのです。立てました。一生杖をつくよと言われました。とれました。

もしかしたら、いつか走れるかもしれない(これは無理っぽい)あれは、夢だったのかなと思ってたんですが、子供と夜眠るときに、私の背後を見つめて「わんわ!わんわ!たー。(犬いたー)と言うのです。

 

 

身代わり

 

ある日、母親を見てたらすごくイライラする日があった。
そしたら母親が今日出かけた近所で、大きな死亡事故が有ったという。
こりゃ、持って帰ったな……と仕方なく、追っ払う事にした。

取り合えず、死んだおじいちゃんに追っ払ってくれるように頼んで、母親にも塩で手を洗うように指示。
自己満足でも良いかと思ったら、案外すっきり。

よしよしと思ってたら、一枚板のお盆を母親が持った瞬間、お盆が真っ二つに割れた。
どうやらお盆を身代わりに使ったらしい。

実は、頼んだおじいちゃんは私が生まれる前に亡くなってて面識が無い。
お墓参りも数えるぐらいしかして無い。
それでも、お願いしたら守ってくれたのが分かってすごく嬉しかった。
おじいちゃん、ありがとう

 

 

空き地との別れ

 

今から20年前の話。
近所にわりと大き目の空き地があって、そうドラえもんでのび太達が野球やっているような感じのところなんだけど放課後や夏休みはしょっちゅう集まってサッカーやら野球やらやってた。
夏休みの終わり頃いつものように遊んでて夕暮れ時、いつもは誰かしら友達と帰るのになぜかその時だけは一人きりで取り残されてしまった。
心細くなって帰ろうとした時に後ろから、
「さようなら」
って小さな女の子っぽい声が確かに聞こえた。振り向いても誰もいなかったけど特に気にもせずにその日は帰宅した。
夏休みがあけて一週間ぶり位ににその空き地に遊びに行ってびっくりした。
マンションが建ちますっていう感じの看板があってもう入れないようにされてた。

最後に空き地が僕に挨拶をしてくれたように思えてすごく寂しかった

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