『夢の中のおっさん』など短編3話【時空のおっさんシリーズ】洒落怖名作まとめ

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『夢の中のおっさん』など短編3話【時空のおっさんシリーズ】洒落怖名作まとめ 不思議な話
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夢の中のおっさん 1

 

少し前の話。

夢の中で全然知らないおっさんが出てきて二人で釣りをした。
夢の中ではかなり仲良く、俺も知ってる風だった。
そして目が覚めて初めて、誰だあのおっさん!?と思ったがまあ気にもとめなかった。
それから多分、一ヶ月ぐらいたった日、いつものように電車で帰宅していたのだが、自分の真ん前の席に、夢の中のおっさんが座ってきた。
最初、なんかコイツ見た事あるなぁと思ってただけだったんだが、そいつがやたら俺の顔をガン見してくるもんだから、俺の事知ってる奴か!?
とか、コイツ誰だったかな!?など考えてるうちに夢の中のあいつだ!!と気付いた。
その時は全身震えた。
明らかに何かを訴えるように睨まれてて、怖くて逃げるように降りた。

あのおっさんが何故俺を睨んでたのかと、あった事もないのに何故夢に出たのか。
今だに何かわからなくて怖い。

 

 

夢の中のおっさん 2

 

4日前だけど、夜11時頃から自室で読書してて、気付いたら頭の中が(上手く言葉で表せないが)モヤモヤしていて本の内容が入ってこなくなっていた。
本当にいつの間にかそんな状態になってた上に、今までそんな感覚に襲われたことが無かったから、気持ち悪くなって電気消して寝た。
で、気付いたら自分が以前通っていた中学のグラウンドの隅に立ってた。空は曇ってて他には誰も居なかった。
しかも何故か自分の中で「ああ、これは夢なんだ」ってとっさに理解した。ちなみに夢の中で「これは夢だ」と自覚したのも初めて。
しばらく立ちすくんで校舎を見たんだけど、誰も居る気配が無いんだよね。

流石にちょっと薄気味悪くなってきたんだけど、丁度その時に2階らへんの窓から人が身を乗り出してきて、俺に向かって「おーい!」って叫んだんだ。
自分の立ってる位置から校舎までが遠かったからよくは見えなかったけど、声はちょっと年食った男性の声だった。
で、俺も手を振って応じたんだけど、向こうはずっとこっちに向かって叫び続けてるんだよね。
埒があかないと思って校舎の所に駆け寄ろうとしたら、その時に後ろから押されるような感じ(人に押されたとかじゃなく、後ろから強風が吹いて来た感覚)になって、気付いたら自分の部屋だった。

時計を見たら11時20分くらいで、しかも消したと思っていた電気が付いていた。
それに家族に聞いても誰も部屋に入っていないと言う。

つまらない話だけど、俺が人生で初めて味わった奇妙な体験だったから書いてみた。
夢にしてはかなり鮮明だったし、たった十数分でこんな夢(?)を観るなんて漫画みたいなことが本当にあるんだなと感じてしまったよ。

 

 

トイレのおっさん

 

あれは2年前の今頃の出来ごとだった。
バイク便のバイトをしてた私は荷物を予定より早く配達したので公園で休憩することにした。
缶コーヒーを飲み、煙草を吹かしながら携帯で2CHをみていた。
向かいのベンチにはホームレスの男性が1人座っており、滑り台の横には犬を連れたオバサンがいた。

 

2CHに熱中してた私がフト顔を上げると向かいに座ってたホームレスがいない。
犬を連れたオバサンもいない。
今まで聞こえていた蝉の声が聞こえない。
公園の中だけではなく、周囲にも人影が見当たらない。
車が走る音さえ聞こえない、まるで無音の世界。
気味が悪くてバイクに戻ろうとすると、公衆トイレの中から1人の中年男性が出てきた。
男性は私の顔を見ると「あっ」と驚きの声を上げてトイレの中に戻ってしまった。
その瞬間、ミーンという蝉の声がいかなり甦ってきた。
ベンチを見るとホームレスが座っている。
犬を連れたオバサンが公園の出口から外へ出ていくのが見えた。
私は走ってトイレまでいって中を覗いてみた。
そこには誰もいなかった。

トイレおじさんの顔と服装を何故か今でも思い出す事が出来ないのである。
不思議な夏の日だった。

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