夢にまつわる怖い話『地獄の夢』|洒落怖・不思議な話

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夢にまつわる怖い話『地獄の夢』|洒落怖・不思議な話 不思議な話
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地獄の夢

 

自分にとってはかなり怖くて悲しい実体験です。
どうやら死んだらしい。
始まりはそんな感じだった。
突然たくさんの人の中に自分が居る。周りの人の年齢は様々。
たくさんの人がいるが、顔見知りは居ないらしい。
それぞれが何をするでもなく、ただ群れている。
自分もまた人の流れに身を任せて歩いていると、少しずつ塊が細くなり、最後には一本の線になっていた。
列の先には真っ白い服を着て立派な髭をたくわえる老人。
老人は一人一人に何やら話しかけ、話し終わった人は老人の後ろの町へ消えていった。

自分の番になり、老人が言う
「さて、君は死んだわけだが、これから7日間この町で働いてもらう。」
「やっぱり。じゃあこれが神様か。天上人って普通のじじいなんだな。」
何やら笑えた。
「7日間働くことができたら1日だけ下に戻ることを許しましょう」
たった7日で戻れるのか?簡単すぎるだろ
天国最初の課題に拍子抜けしたが、そんなんでいいなら余裕余裕。
仕事を探すために町へ向かった。
仕事はすぐに見つかった。就いた仕事は道路工事の夜勤。
生きてるうちに経験しなかった事だからと軽い気持ちで始めたのだが、これがやってみると意外と楽しい。時間はあっというまに流れていく。
一番驚いたのはどれだけ汗水流しても疲れないことだ。
死んでるってのは楽なもんだな。と毎日真面目に働いた。
これが終われば最高の給料がもらえる。
自分は大丈夫だと大切な人たちに伝えることができる。
8日目。正確には解らないが、たぶんそうだろう。
7日間の業務を終え、眠りついた所までは覚えているが、次の瞬間場所が変わっていた。
特に何も無い住宅地の細い道。見慣れた景色。
気がつけば自分が生まれ育った町に居た。
急いで我が家に向かう。たった7日離れただけなのに、不思議な気持ちだ。
家が、町が、人が恋しくて、いつのまにか走り出していた。

 

「ただいま」勢いよくドアを開ける。
しかし反応が無い。いや反応はあったが、想像していたものではなかった。
自分が居なくなった家族がいつもと変わらない生活をしている。
目の前を通る母が吐き捨てるように言った。
「7年も経って、なに今頃帰ってきてんの?」
自分の存在が消えていた。居ないことが普通になっていた。
完全に死んだ。人に忘れられていた。
うつむきドアを閉め、逃げ出した瞬間に目が覚めた。

—————————
起きたら泣いてました。軽泣きとかのレベルじゃなく号泣で。
人の記憶から消えてしまうことの辛さがリアルに解りすぎて。
今になって考えると、あれは地獄の夢だったのかもしれません。

夢オチで申し訳

 

人は二度死ぬ
一度目は肉体の死
二度目は人々の心の中から忘れ去られる事の死
とかいう格言を思い出した

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