心霊ちょっといい話『自分の運命』など短編全5話

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心霊ちょっといい話『自分の運命』など短編全5話 不思議な話
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光差す

 

私が小学生の時の同級生にNちゃんという、体が弱くていつも入退院を繰り返している女の子がいました。
病名は先生も特にみんなに伝えなかったので知りませんでした。
6年生の3学期、入院中のNちゃんに「みんなで卒業しようね」とクラスのみんなで手紙を書きました。
卒業式の日を間近にしたあるひの3時間目のこと、私は窓際の席だったのですが、急に光が刺してきてまぶしくなってカーテンを閉めようとしたらその光が空に向かって伸びて行きました。
友達も目撃していて、「今の見た?変じゃない?」と話していました。
すると校内放送で先生が呼ばれて先生が職員室に行くと、泣きながら教室に戻ってきてそれにおどろいた男子が

「先生、どうしたの?」と聞くと

「たった今Nちゃんのお母様から電話で、さっきNちゃんが亡くなったそうです」

みんな呆然としていて、中には泣き出す子もいました。

私と友達は、さっきのあの不思議な光はきっとNちゃんで、みんなに別れを言いにきたのかなぁと思いました。

 

 

自分の運命

 

私の従姉妹の事です。
と言っても、私の産まれるずーっと前に亡くなった従姉妹ですけど。名前をMちゃんとします。
ある晩、いつもはすぐに寝付くMちゃんが、その夜はいつまで経っても眠らなかったんだそうです。
それで、一緒に寝てたMちゃんのお母さんが
「どうしたの?眠れないの?」とか聞いたら、ただただじーーーっとお母さんの顔を見つめてたんだそうです。

不思議には感じたものの、そのままお母さんは眠ってしまいました。
そして、夢を見たそうです。すっごく高い高い空に、一匹の龍がずうっとずうっと昇っていく夢。
ほんとにずーーーっと高いところに昇っていく夢だったそうです。

そして次の日、Mちゃんは交通事故で亡くなってしまいました。
Mちゃんは、辰年生まれだったそうです。

Mちゃんが亡くなったのは30年以上前で、この話をおばちゃん(Mちゃんのお母さん)に聞いたのは結構最近なんです。
でも、本当にはっきりその夜のことは覚えているんだそうです。Mちゃん、すごいしっかりした子だったらしいけど、自分の運命もわかってたのかなぁ・・・

 

 

お前は何やってるんだ!

 

自分が厨房の時に所属していたバレー部の顧問
一昨年病気の為に38歳という若さでお亡くなりになられました。
教科は社会を担当してて部活も授業も指導熱心でたまに行き過ぎなところもあったけどみんなから慕われていた方でした。

ある日部活の遠征帰りにいつも顧問の上履き持ちをしているK君に
自分を織田信長に見立てて、「K、お前はこれから藤吉郎って呼ぶからな。」と
(おそらく豊臣秀吉の草履のエピソードでも思い出したのでしょう。)
K君に言い、K君は素直に「はい。」と返事をしていました。

それを横目で見ていた自分に突然顧問の先生は、
「OO(私の名字)、お前はこれから(明智)光秀だからな。」と言いました。
おそらくその顧問にも部内でも信頼が高いがいつかコイツは何かしでかすと思われていたのでしょう。
その後にちょっとした事がバレる度にこっぴどく叱られ
「やっぱお前を光秀って名づけたのが正解だったな。」と
よく皮肉られて自分が中学を卒業した後にも会う度に光秀と呼んでいました。

後日聞いた話、その日は出勤予定だったにも関わらず姿を見せないので「おかしいな。」と思った同僚の先生が顧問の自宅に訪問したら居間で息を引き取っていたとのこと。。。
自分は留学の身なので葬式、お通夜には参加出来ずに遠い異国の地からご冥福をお祈りしました。

その顧問が亡くなって以来、自分が怠けていたりしている日の夜には必ずと言って良い程夢に出てきて、
「こら光秀!、お前は何やってるんだ!」
と怒鳴られます。
夢の中の設定は大体体育館で当時の他校と試合をしているのですが何故か自分だけ思ったように動けなくミスを連発して大敗しそうになってる。
顧問の決まり文句は、
「怠けてるからそうなるんだ。お前は俺とチームの奴等の信頼を裏切ってるな。」
です。その後怒られてビビッたかの様にに必ず目が覚め慌てて怠けて手を付けていなかった物をやり始めてしまいます。

顧問は恐らく天国から自分の事を見ているのでしょう。
何をしでかすかわからない自分が心配でしょうがないのでしょうか?
たまには何か成し遂げた事を誉めに来てくれればいいのですが(笑)。

いつか日本に帰り、同じ部活に所属していた友人たちに自分と同じような体験談があるかどうか聞いてみたいと思ってます。

 

 

死と誕生

 

3年ほど前のことなんですけど、そのころ産婦人科医師になって3年目のことでした。
毎日のようにお産で夜中に起こされて倒れそうになりながら働いてました。
そのころ、父親が癌で入院したんです。残念ながら末期の状態でした。
お産の当直がない日に実家の近くの病院へ2時間半ほどかけて見舞いにいき、帰って、また夜中働くことを2週間ほど続けもうろうとし始めたころです。

お産がなかなか、進まず、そうこうするうちにお腹の胎児が元気がなくなり押しても引いても生まれず、上の先生をよんで緊急で帝王切開をしたんです。
生まれた子供はぐったりしていて仮死の状態でした。
僕にとっては、初めてのことで自分の判断が遅かったんだろうかと青ざめました。
もしこのまま、その子が脳性まひにでもなったら取り返しがつかないと思いうつむきながら小児科の先生が蘇生するのを待ってたんですが、およそ、1時間後に蘇生し元気になっていったんです。

しばらくして父親が亡くなったと連絡がありました。
時刻はその子が蘇生した時間とほぼ同じだったんです。
ただの偶然だったのかも知れません。

当初、つらくてつらくてなんでこんな仕事をえらんだんだろうと
愚痴をこぼしたとき父は「なかなかこんな仕事もできへんのやからがんばれ」と・・・
今でもお産のときに、母子ともに元気だと
産婦人科になることをすすめてくれた父親の顔が浮かんでくることがあります・・

 

 

めぐり合わせ

 

ふとした切っ掛けで昔読んだある小説を再読したくなったんです。
本棚を探しましたが、当時、読んだ本はすぐ売っていたせいか見当たりませんでした。
無いとなるとますます読みたくなるもの。そこで早速地元の古本屋へ。
割と有名な作家の小説なのですぐに見つかり、帰宅して読み始めました。
内容とオーバーラップして甦ってくる当時の思い出に浸りながら読み進めると、驚くべき事実に遭遇しました。
途中のページに鉛筆で書かれた8/15 PM6:00という文字。
これは僕が書いた文字であり、この本は以前に僕が売ったものだったのです。
それは当時付き合っていた彼女とのデートの待ち合わせ日時の走り書きでした。
売ったのも買ったのも同じ古本屋。珍しい話ですが有り得ない話ではありません。
驚いた理由は別にあったのです。今から6年前に彼女は交通事故で亡くなったのですが、その彼女の命日が8/15だったです。恐らくこのデートは亡くなるちょうど1年前。
この奇妙な巡り合わせには本当に驚きました。今でもこの古ぼけた文庫本は僕の宝物です。

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