妖怪らしきものに遭遇した体験談 短編6話【2】|不思議な体験談

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妖怪らしきものに遭遇した体験談 短編6話

妖怪らしきものに遭遇した体験談 短編6話【1】

 

赤い光

うちの一帯は、30年くらい前までは山しかなかったようなところを
切り崩して作ったいわゆるニュータウン。
自然といえば家のすぐそばにあるでっかい公園くらい。
俺は昔買ったエアガンを撃ってみたくて、夜1人でその公園によく撃ちにいっていた。
(ある意味自分が怖い人だという自覚はあったw)
でもチキンだから、一応辺りを伺って、誰もいないのを確認してから撃っていた。
ヤンキーとか怖い人に絡まれたら怖いし。
で、撃ち終わったら公園のなかの小高い丘にあるベンチでタバコを吸うのが習慣になっていた。
遠くにマンションが見えていて、街灯に照らされて人が歩いているのが見えたので、
こんなところでタバコを吸っている背徳感も手伝ってちょっとスリリングな気がしていた。
とは言っても、丘の辺りだけ木に囲まれているので、たぶんこちらのことは見えてないんだろうなーと思っていた。

そんなことをするのが習慣になっていたある日、近所の友達と会った時に公園の話になった。
「お前、あの公園の噂知ってるか?」
「いや、知らないけど」
「夜になると、赤い光が見えるんだって」
それを聞いた時、あぁ自分のタバコの火のことかな、と気付いたけど、それが怪談みたいになっているのが嬉しくて、
心のなかでニヤニヤしながら聞き返した。
「そうなんだ。お前は見たの?」
「ついこの前見たよ。赤い光がチラッ、チラッって3つ見えるんだ」
「3つ?他に何か見えたのか?」
3つって何だ。周りには誰もいなかったはずだが。
「いや、暗いからそれしか見えなかったんだけどね」
「誰かタバコでも吸ってたんじゃないのwww」
「あー、そうかもなww」
相手は納得してくれたが、自分としては気になった。

その夜も、1人で公園に行ってみた。こっそり公園のなかを見て回ったけど、他に誰かいる気配はない。
とりあえず丘に登って、いつも通りベンチでタバコを吸ってみた。
どうやったらこれが3つに見えるんだろう、とか考えていると、木の枝がポキッて折れる音がして、なんとはなしに上を見てみたんだ。
そしたら、猿みたいな格好をした生き物が枝の上にいた。
暗くてほとんどシルエットしか見えないんだけど、ただ、見た瞬間にそれが猿じゃないって分かった。
真っ赤に光った目がじっとこちらを見ている。うめき声みたいな気味の悪い声をあげている。

思わず息を呑んで、凍りついた。なぜ今まで気付かなかったんだろう?
軽くパニックになって、動こうと思っても体が動かない。
少しすると、そいつが枝をつたってこちら側に近づいてきた。
その瞬間、体が動いて、一目散に逃げ出した。後ろを振り返る余裕もない。
とにかくダッシュして、公園の敷地から逃げ、近くのコンビニの前に行った。
少し息を整えて、冷静に思い返してみた。
こんな住宅地の真ん中に大きい動物はいないし、いたとしたらとっくに誰かに見つかっているはずだ。
でもあれが見間違いだったとも思えない。
ただそれをもう一度確認しに行く勇気はなく、そのまま家に帰った。
以来、あの公園に行くことはやめた。

 

 

未知のモノ

田舎に住んでた子供の頃、
地元から一つ向こうの山で遊んでるうちに迷った。
泣きたい気持ちを堪えながら、闇雲に歩いていると人の声がする。
安心してそっちに行ってみると変なものがいた。

ガリガリに痩せた3mぐらいあるやたらでかい人間?が、
蛞蝓みたいな体に人間の顔が埋まったような生物(複数いた)に鎖を繋いで歩いていた。

やつはすぐにこっちに気付き、近づいてきた。
もうガクガク震えていると、腰をヌッと落とし顔を近付け、
この事一切他言無用、と言った。目が異様に小さかったのを覚えている。
道に迷ったの、と何とか口にすると、やつは暫く考えた後、
ここをこう行け、と教えてくれた。

その時、後ろの蛞蝓人間?がみんな口々に叫んだ。
助けてください!きみ人間だろ!助けて!こんなの嫌!
みんな泣いてるようだった。

当然俺にはどうしようもなく、半泣きで固まっていると、
やつはまた鎖をぐっと持って、彼らを引っ張りながら森の奥に消えて行った。
助けを乞う声はずっとしていた。そしてやつの背中が見えなくなったあと、
俺は変な声で叫びながらも教えてもらった道を無我夢中で走った。

あれだけ迷ったのに簡単に家に着いたんだから、
悪いやつではなかったような気もするが、
あれが物の怪だったのは間違いないとしても、
あの蛞蝓人間が何だったのかがよく分からないままだ・・・。

 

 

沼の底

湖で思い出した。怖いというより不思議な体験。

秋田と山形の県堺に甑山という山がある。
そこの麓に名勝沼という名前通りの
風景のよい岩の小島が浮かんでる沼がある。
そこに行った時の80年代頃の夏の話。
名勝沼までたどり着いて
近い女にするかもうチョイ行って男を攻めるか
甑峠を超えて前森にするか考えあぐねていた。
ふと沼を見ると水面にさざ波が立って「おやおや」と思ってよく見れば
沼の底に幅1mくらい長さが4mあったか。
ズングリした物が這っている。
えっ!と思っているうちに奴は岩の小島の向こうに行って見えなくなった。

慌てて沼を半周してみればもう奴は居ない。
水面も元に戻り小鳥のさえずりも普通に聞こえる。
出先をくじかれ気味が悪いので「もう登るのは止め」となって下山したが
あれは今でも分からない。
名勝沼にはオオナマズや巨大生物の伝承もないし
そこらに多いムジナにでも真っ昼間に化かされたかな。

 

通せん坊

毎年降誕会の辺り(4月8日)に北国海路に吹きすさぶ強い風をとうせん坊風と呼ぶが、
これは岩手県花巻地方にある高松寺に縁があると(伝説上では)言われている。

昔、この寺に宗元という途轍もなくろくでなしの外道坊主がいた。
この坊主がある日、「我に大力を授け給え」と祈ると、霊験があったらしく、
口の中に玉が入るというまことに不思議な夢を見た。その日から、宗元は怪力を得てしまった。

仏様の願い通り、この力を怪力を世のため人のために使えばいいものを、
この宗元は性の悪い悪戯に使うようになり、ついには「鬼宗元」と言われて嫌われるようになった。

春、宗元が近くの町にある高水寺に花見に行くと、桜の老木が今を盛りと花をつけていた。
宗元はこれで悪戯してやろうと、怪力でこの巨木を捻じ曲げ、自分はその幹に腰を下ろし、
何食わぬ顔をして人々が集まってくるのを待った。

童や女がこの花を不思議に思って寄って来た瞬間、宗元がひょいと腰を上げると、
この桜の木は物凄い勢いで跳ね返り、それで何十人もの死人が出てしまった。

こんな悪事を働いてさすがにここにいられるわけがなく、宗元はこの地を逃げ出し、
能登の動石(いするぎ)山に隠れ、「とうせん坊」と名を改めたった

ところがここでも悪行を重ねまくった宗元は、この地からも逃げ出し、越前の三国の浦に逃れた
しかし、ここでも宗元の悪行は収まらず、それどころかますます外道っぷりを極めるようになってしまい、
この地の人々は非常に苦しめられた。

「もはやこの鬼を生かしてはおけぬ」と、この浦の人々は決意し、卯月の八日、花見だと偽って、
宗元をある断崖絶壁に呼び寄せた。

何も知らぬ宗元が策に嵌って泥酔し、足腰が立たなくなったところで、決死隊の若者四人が飛び出し、
自らを道連れにして宗元を崖下へと突き落とし、ついに討ち果たすことに成功した。

しかし、この宗元はどこまで外道なのか、死んでなお執念深く海の怪異となって生き続け、
時化を狂わせるようになり、今に恐れられるとうせん坊風となったのである。

しかし一番面白いのが、この宗元が突き落とされ、若者四人が死んだ断崖絶壁が、
自殺の名所と世に名高い福井県坂井市の東尋坊の絶壁だということである。

 

 

山の主

『遠野物語』に登場する霊峰・早池峰山の主は女神だが、実質取り仕切っているのは怪物だという
んでこの怪物というのが面白い奴で、一つ目一本足のデカい怪物なんだそうだ

これってアレだよな? ヤマノケだよな? 俺個人的にはこいつもヤマノケもイッポンダタラだと思う

昔遠野周辺では金山が非常に賑わっていて、そこで産出された金は奥州藤原氏の建てた
中尊寺金色堂にも使われたらしい。北上山地はとにかく鉱物資源が豊富で、北上山地を越えれば
日本有数の鉄鉱山である釜石鉱山もある。この釜石鉱山では餅鉄という非常に良質な鉄が採れ、
日本初の反射炉による近代製鉄もここで行われた

で、このイッポンダタラという化け物だが、これは元々山師だったらしい
コイツが一つ目なのは、長年熱く焼けた鉄を見るうちに片目が潰れたからだという
コイツが一本足なのは、鉄に風を送るふいごを踏み続けて片足が腐ってしまったからだという

まぁコイツが件の話のように人に取り憑くかは知らんし、コイツが製鉄に携わる山師だったと言う話も、
元々そういう異様な姿だったのに後から人々が理由をつけただけかもしれん

ちなみに、コイツは今も全国に居て、最近でも田んぼに残った足跡が発見されて話題になったりしてるらしい

 

□ □ □

 

グリム童話のホレおばさんみたいだね。
ホレおばさんは下唇と親指が異常に肥大し、片足はガチョウのようにひしゃげた
外見の魔女だけど、元々は人間で、糸紡ぎを長く熱心にやってると、唇や手足が
そんな風に変形したんだと。
で、ホレおばさんは、働き者の娘にはとても親切で褒美を沢山くれるけど
怠け者の娘には腹を裂いておが屑を詰めたり、酷い罰を与えるらしい。
だからキリスト教的には魔女に見えるけど、日本人的解釈なら神扱いだと思うんだよね。

 

□ □ □

 

遠野物語によるとこの主とやらは人のモチ勝手に食ったりするだけで
特に御利益みたいなもんはなかったなぁ

あと頭のてっぺんに口があるそうで、隣町の伝説ではこれの正体は山姥だという
毎晩毎晩、ある寺の和尚が囲炉裏でモチを焼いてると、こいつが来て片っ端からモチを食ってしまう
そこで和尚が一計を案じて、白いゴマ石をモチみたいに囲炉裏で焼き、徳利には酒の代わりに油を入れておいた

んで、その日もこの「主」とやらが来て、ゴマ石をモチだと思って頭の口から食ってしまった
和尚がすかさず酒を薦めると、口の中で油が発火し、この化け物は悲鳴を上げて寺を飛び出していった

 

しかし、内臓を悉く焼かれたこの化け物も巣には帰りつけず、ついに道端で力尽きた
で、天日に炙られてこの化け物の死体が腐敗し、物凄い異臭を放つようになった

で、ケガレを嫌う早池峰の主が洪水を起こしてこの化け物の死体を押し流してしまった
この洪水は麓の町をも綺麗さっぱり洗い流し、化け物の死体もバラバラになってどこかへ流れていった

 

この洪水の時、荒れ狂う泥水の中を、白いお髭の老人が流される家屋の上に泰然と座り、流されていったという
んで、後にこの白い髭の老人はここらの神様であろうといって、それ以来北上川の洪水を白髭水と呼ぶようになった

長い話だが終わり。あんまり怖くないね

 

 

鵺塚

むかし秩父の荒川上流ダム群のあたりにイツザミという村八分にされた3戸ほどの集落があった。
その人達の間では法律によって禁止される昭和初期まで風葬が行われていた。
遺体を風葬する洞窟には鵺というのが棲みついており死体の肉をキレイに食べて
骨だけにしていると言い伝えがあるそうだ。
そしてその骨を洗骨し壷に入れて洞窟に納めるが風習だったらしい

 

日本が高度成長期に入る頃、父が住んでいる地元で戦時中に使われていた近くの
防空壕から気味の悪い奇声が聞こえてくると噂が広まった。
あるとき地元の若い男達3人が酒を飲んだ勢いで、その防空壕へ肝試しに入った。
男達が戻ってくると得体の知れない大きな獣の死骸を持ち帰り
これが化物の正体で退治してやったと地元民に勇ましく見せびらかしていた。

 

だが数日後その獣に直接トドメを刺して殺した男が突然死んだ。
そして葬儀が行われ火葬された男の遺骨が、何故かまったく残らず全て灰に
なってしまい結局それで祟りだ呪いだの噂や騒ぎが大きくなり揉めに揉めていたら
それを見かねた土地の有力者が火葬炉の火の調整の不手際よって起きたのが原因で
祟りではないという事情を説明して遺族に弔慰金を渡して騒動を収拾させた。だがその後・・・
土地の有力者は防空壕の傍にあの獣の魂を鎮める小さな塚をひっそりと祀っている。
地元民はそれを「鵺塚」と呼んだが、塚がダムに沈んだ後でも公でその話をする人はいなかった。

この話を父が亡くなる直前に聞かされ、私はよくある迷信の類と思い本気にはしていなかったが
父が他界し葬儀の最中にある事に気づいた。
父方の身内や親戚の葬儀で骨上げをした事が一度もない事を・・・。

 

妖怪らしきものに遭遇した体験談 短編6話【1】

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