2chニュース速報(VIP)に立てられた【俺が異世界に行った話をする】というスレッドで語られた話です。京都の自宅マンションから異世界に入り、「ゲラゲラ」と呼ばれる謎のおっさんに出会い、不思議で怖い体験をします。帰ってきた彼は、自らこの体験を知らせるためにスレッドを立て、出来事を語ります。その後、ネットの都市伝説として注目されました。
俺が異世界に行った話をする
去年の4月に大学を卒業して、マンションに引っ越した。
そのマンションが 回=回=回= ←こんな形をしたマンションなんだ。
真ん中が中庭になっていて、俺は左端に住んでる。
=のところも部屋があってマンションは6階建て。
右側にマンションの玄関があり、そこからしか出入りはできない。
中庭といっても地面も壁もコンクリートで使い道は全くない。
で、俺の住んでる部屋からはドアがあって中庭に入れる。他の部屋からは不可。
その中庭がおかしいんだ。
どうおかしいかは説明できないんだが、とにかく中庭にしばらくいると目が回って気分が悪くなる。
住み始めた頃は中庭には入ることもなかったからわからなかったんだけど
5月に部屋を掃除することにしたんだ。
で、小さな虫が結構わいてくるから、殺虫剤をまきに中庭に入った。
殺虫剤をまいてたらフラフラしてきたから
始めは殺虫剤の成分を吸い込み過ぎたかと思って気にしなかった。
さらにしばらくして6月にまた掃除をしに中庭に入った。
ほうきとちり取りを持って中庭に入ったんだが、それだけでフラフラしてきた。
暑かったし、空気が篭る場所だからそれにやられたのかなと思ったけど休み休みしながら中庭を掃除した。
中庭に入ると視界がぐるぐる回り、部屋に入るとすぐに回復。
あまりにもすぐに気分が悪くなるし、部屋に戻れば良くなるからなんかヤバい気体でもわいてるのかなと思った。
管理会社に電話して中庭について聞いてみたら
「以前に住んでいた人からはとくに連絡はありませんでしたが念のため」
というわけで来てもらって調査してもらった。
管理会社の人がやってきて排水溝やなんかを調べてくれたけど異常なし。
俺も立ち会ったんだけど、どうも目が回るのは俺だけのようだった。
臭いもしないし、管理会社の人は気分悪くならなかったので、そのまま帰ってもらった。
その後も中庭に入ると目がぐるぐる回るのは続いた。
正確には中庭に入り、部屋との境のドアを閉めると、なんだが。
で、10月の掃除の日に中庭に入った時ことなんだ。
別に暑くもなく、俺の体調も全く悪くない。
中庭に入ってすぐに目がぐるぐる回った。今までよりはるかに強かった。
ドアを閉めた瞬間に一気に上下がわからなくなり、倒れてしまったんだ。
気分が無茶苦茶悪くなり、吐きそうになりながら、とにかく身体を左右にゴロゴロ転げ回していた。
視界が赤黒く染まっていき、そのまま一瞬だけ意識がなくなった。
一瞬というか瞬きした瞬間に赤黒いのがなくなった。
気分が悪いのも全くなくなり、俺はそのまま掃除をして、部屋に入った。
部屋に入った後、喉が渇いたから水を飲もうとキッチンに向かった。
キッチンから空が見えるんだが、とにかく空が青い。
やたらと濃い青色をしてるんだ。
今日はいい天気なんだなー、とか思いながら、俺は掃除も終わったし、漫画を読みにコンビニに向かった。
玄関から出て空を改めて見ると驚愕した。
とにかく濃い青色で説明しにくいけど空が高い。
で、空気に臭いがあった。
嫌な臭いではないけど、とにかく嗅いだことのない臭い。
マンションの廊下を通って、コンビニに向かうんだけど町内会の掲示板がある。
そこに目をやると違和感を感じた。見てみるとなんだか脈絡のない文書ばっかりなんだ。
ア活めるゆフィ柿のさと
とか日本語をごっちゃ混ぜにした文書が書かれてる。
掲示板に張られている紙が全部そんな感じ。
政治家のポスターなんかも政治家の顔写真に
へつ下のイ目はタイ燻ら當兎
(タイの次の字はこんな見た目だった。政治家の顔は誰が知らんけど普通)
俺はまた???ってなってとにかくコンビニに行こうとマンションを出た。
マンションを出て道を挟んだらすぐにコンビニがある。
で、マンション前の道路で信号待ちをしてるとやっぱりおかしい。
コンビニの看板やマンションの横は花屋なんだが、花屋の看板もおかしい。
花屋はヤ母イ
とか、コンビニは
イイ目だ
とか書いてある。
通行人とか車はいるんだが、そっちは普通。とくに変わったところはなかった。
コンビニに入ると
アヨダナマーリッサー
的な声を店員が発した。
本棚に向かうと本の表紙の文字もおかしい。掲示板と一緒で日本語をやみくもに並べた感じ。
で、段々と怖くなってきてなんとなく携帯電話を取り出した。
携帯電話は圏外。メールとかは今まで通り普通の日本語。
本棚以外の商品とかをみてもわけがわからない日本語の羅列。
さらに怖くなってきてコンビニを出た。
おかしい。おかしい。と思いながら部屋に戻ってテレビをつけるとテレビの言葉も理解できない。
見たことない番組ばかりで知ってるタレントなんかは皆無。
水をもう一杯飲んで自身を落ち着けた。
頭を打っておかしくなってしまったのかと思い、近所の掛かり付けの病院にいくことにした。
病院に向かう道中も文字は意味がわからないものばかり。
とにかく誰か知ってる人に会いたい、話したいと考えながら病院に向かった。
病院について病院の看板をみても意味不明。
言葉が伝わるかかなり不安な中、受付に行くと案の定、お互いに意味不明。
「頭を打ってしまって調子が悪いんですが」と言ったんだが受付の人からはわけわからんことを言われた。
保険証を見せたんだが、首を傾げられる。
俺の言葉、わかりませんか?
というが全く伝わらない。
うにゃうにゃ何か言われて、受付の人が電話で何か話しだした。
で、白衣の男の人が出てきて、俺に話しかけるんだけど、全く何言ってるかわからない。
男の人は受付のソファを指差し、俺を身振り手振りで誘導した。
俺と白衣の男の人と一緒に座った。
白衣の人はいろいろ話しかけてきてくれるんだが、俺は意味がわからず、保険証や運転免許証を見せたりしてた。
しばらくしたら警察らしき人が三人きた。
警察らしき人と白衣の人はチラチラと俺の方見ながら話をすると警察が俺に近づいてきた。
ペコッと頭を下げたあとに俺の手を取って軽く引っ張ってきた。
何がなんだがわからないがとにかく俺は警察が何とかしてくれると思って
そのまま引っ張られていった。
パトカー?の中で警察の偉いさんみたいな人が声かけてきたけど、やっぱりわけがわからない。
俺はもうとにかく泣きたくなってきて不安で不安で仕方なくなってきた。
恥ずかしながら母親に会いたいとか思いながらぶるぶる震えてた。
警察の偉い人は俺の肩から背中にかけて何度も何度も撫でてくれて、優しそうになんか言ってくれた。
おかげで何とか泣いたり、錯乱したりせずにおとなしくできた。
警察署みたいな場所について応接室?に場所に通された。
広くてソファがあってすぐに緑色のお茶らしき液体とお菓子らしきものを出してくれた。
お茶とお菓子をみると無性にがっつきたくなった。
ジェスチャーで食べていいみたいなそぶりがあったので、手を合わせてからお茶を頂いた。
少し熱かったけど、甘いとしょっぱいの中間みたいな味だった。
温かい物を口にしたせいか少し落ち着きを取り戻した。
お菓子にも手を伸ばした。形状は煎餅みたいなのと小さな饅頭みたいなの。
煎餅も饅頭もとくに変な味じゃなくそれなりにいけた。
警察署の人達が応接室にいて、ずっと俺を観察してた。
お菓子を食べる手は止まらず、ずっとパクパク食べていたら、スーツの人が二人入ってきた。
スーツの人は俺の前で両手を出すと手の平を俺に向けてきた。
で、両手の裏表とひっくり返したら今度はかばんからペンライトを出した。
スーツの片方が俺の横に座って、両手を優しく押さえてきた。
別の片方がペンライトを指差すと光を俺の目の方へ当ててきた。
俺はそのまま光を見てるとペンライトのスーツにまぶたを広げられ反応?を観察された。
結局、両目やったあと、今度は口内、鼻、耳にも光をあてられた。
診察みたいなのが終わって、隣のスーツが手を離してくれた。で、今度は話しかけられた。
スーツの人が何か言うと間があく。明らかに俺に質問をしていた。
でも、俺は言葉がわからないから黙っていた。質問毎に紙にチェックをしてた。
どうしていいかわからず首を傾げていたが、文字なら伝わるかも、と思って携帯電話を出した。
で、携帯電話の新規メール作成で「言葉がわかりません」と打って
向かいに座っているスーツの人に見せた。
スーツの人はなんかすっごいびっくりした感じになった。
でも、相変わらずわけのわからない言葉を警察の人と話して俺の携帯電話の画面を見せ合ってた。
その後、紙に「言葉がわかりません」ってスーツの人が書いて、ペンでその文字を指した。
俺は「うんうん」と頷いたんだが、そこで沈黙。
ちょっと間があってスーツの人が「言葉がわかりません」の文字の上を指でなぞりながら
「ウヨメ、が、わかりません」
ってゆっくりと言ったんだ。
で、俺が
「ことば、が、わかりません」
って返した。
俺はペンを借りて「あ」って紙に書いて「あ」って言った。
そしたらスーツの人が「あ」と言ってうんうんと頷いてた。
今度は「こんにちは」と書いて「こんにちは」と言ったら一文字一文字指を指しながら
「こ、ん、に、ち、は」
ってスーツの人が言った。
今度は漢字で「京都」って書いて「きょうと」って言ったらスーツの人は首を振って
「うんた」みたいなこと言った。
で、もう一人のスーツの人がそいつの携帯電話でなんか話し出した。
スーツの人が携帯電話で話し始めたら俺と話してくれてた人もそっちに注目して会話?は終了した。
携帯電話の通話が終了したらそいつが何やら話し始めたらんだが、わけがわからない。
で、スーツの二人はそのまま退室。俺はさらに???になった。
その後、警官が写真みたいなのを何枚が持ってきて、机に並べた。
写真は全て食べ物の写真だった。
うどんや丼、寿司もあったけど、中にはお米に野菜を刺したみたいな始めて見るものもあった。
警官が写真の上全体を軽くなぞった。
どれか一つ選んで
という意味かと思い、丼を指差した。
うんじ?
みたいなことを言われたけど、俺はわけがわからなかった。
俺は丼の写真を指差して、箸で食べる仕草をした。
そしたら、大きく頷かれて部屋を出ていった。
で、その後はしばらく放置されて、そのまま。警官の人が何人かいるけど、無言だった。
俺はどうしようかと考えたけど、どうすることもできず、お茶を飲んだり辺りにあるものを観察したりした。
お茶は美味しいし、すぐにお代わりはくれた。
ソファを始め、机やドアなどとにかく今までとなんら変わらなかったが、文字が意味不明だった。
お菓子の包装紙にアルファベットが書いてあるんだが、これも意味不明。
英語ではないようだった。
で、他にいろいろ物色しようと立ち上がろうとすると部屋にいた警官に囲まれてしまうんだ。
結構ガチな感じで囲まれて、明らかに臨戦体勢。
俺はびびっておとなしく座りながら辺りをキョロキョロしてた。
しばらくしたらさっき写真見せてくれた人が丼持って帰ってきた。
箸もあるし、どうぞ、みたいな手振りをしたので、手を合わせ、頭を下げてから頂いた。
味は普通の卵丼だった。とにかく不安のせいかお腹が減っていたのでかなりの勢いでがっついた。
お腹が膨れ少しだが落ち着きが出てきた。
ずっと緊張しっぱなしだったがわずかに頭が回転しだした感じがした。
で、食べ終わると今度はいろいろな写真が出てきた。
人物とか風景とか絵画とか。
どれも知らないものばかりで反応に困った。
一枚一枚手に持ってくれて、見やすくしてくれたり、部分部分を指差してくれるんだが、どう対応していいかわからない。
しばらくそんなやり取りが続いたが無意味と思ったのか終了した。
で、今度は病院から移動してきた時みたいに優しく手を引っ張られた。
移動するのか、と思った俺は立ち上がった。
今度は囲まれることはなく、手を引っ張られながら部屋を出た。
部屋を出るとなんとなく空気が重い感じがした。
さらにしばらく署内を歩くとSP?っていうか明らかに物々しい奴らが俺の周りを囲いだした。
俺はそのまま駐車場にいき、車に乗せられた。真っ黒ででかい車だった。
さらに前後には別の黒い車があって、一緒に走りだした。
後部座席真ん中で左右は警官。
またまた俺は緊張しながらずっと移動した。
で、一時間ぐらい車内にいたんだが、眠くなって俺はそのまま眠ってしまったんだ。
気がつくと俺はベッドで横になってた。
車の中じゃなくて病院みたいなところ。
医者なナースっぽいのがたくさんいた。
起き上がろうとすると頭がガンガンに痛くなって、無茶苦茶気分が悪くなった。
医者が俺の顔を覗きこみながら、ペンライトみたいなのでまた目や耳、口内を見られた。
とにかくちょっとの衝撃で頭が割れるように痛いので何もしてほしくなかったが、身体もうまく動かせなかったので、おとなしく耐えてた。
医者が診察を終えると他の医者達となにやら話しをし始めた。
で、話したかと思うと今度は違う医者がペンライトではなく顔や頭を触ってきたり、機械の棒みたいなのを耳や鼻に突っ込んだりされた。
医者達は基本的に無表情だけど、話す時は怪訝そうな感じだった。
俺はいい加減イライラしてきて「痛い!」って声にだした。
発した瞬間に医者達はかなりびびった感じになった。
で、そのあと、すぐに肩のあたりを注射されて意識が薄れていった。
気がつくと金属というか壁とベッドとトイレしかないような部屋にいた。
窓もないし、本やテレビもない、何もない部屋だった。
ただ、天井には監視カメラが四台ついてた。
起きようとするが、頭痛が酷くてうまく起きれなかった。
ゆっくりと身体を起こすと壁が隠し扉?みたいにノブがないんだが、そこが開いてナースが入ってきた。
ナースは食事をキャスターで運んで、俺の耳に金属の棒を入れて、すぐ出したあと、何もいわずに出ていった。
パンとゆで卵とサラダとオレンジジュースだったが、オレンジジュースだけ飲んだ。
とにかく頭痛が酷くて動けなかった。
でも、眠るのも限界で全く眠くない。
痛みを我慢しながら少しずつベッドからでてみた。
格好は病院着みたいなワンピース?で下着とかはいてなかった。
で、ベッドが降りて立とうとするんだが、うまく立てない。
足に力が入らずにふらふらと床に倒れ込んでしまうんだ。
そのまま激痛が走って、気絶。
気がつくとまたベッドの上だった。
そんなのが何回か続いたあたりで発狂?っていうかとにかく叫びたくなった。
頭が痛いのもなんとなく快感に変わって、俺はとにかくベッドの上で叫びまわってた。
ごろごろベッドの上を笑いながら転がったり、監視カメラに向かって一生懸命話しかけたりしてた。
笑いがとにかくとまらない。
かと思うといきなりこっちの世界が恋しくなって泣き始めたりしてた。
定期的かはわからないが、気がつくとベッドに拘束された状態で
MRIっていうの?みたいなのの中に入れられたりしてた。
正直、感覚がいろいろおかしくなってきていて
頭痛→快感→熱さ・寒さ→こそばゆいと頭の感覚は変わっていった。
熱さとか寒さはとにかく頭が熱かったり、寒かったりする。
尋常じゃないぐらいに。
新しい感覚が頭に入る旅に俺はキャーキャー言ってた。
しばらくそんな生活が続いて、またMRIの中に入れられたんだ。
で、ブウーンって低い音が響いたかと思うと頭が破裂するぐらいの激痛が走った。
目玉が飛び出すぐらい頭に力が入った。
のたうちまわるんだけど、拘束具で動けなくて、ガチの悲鳴をギャーギャーあげてた。
そのまま気絶して、気がつくとまたベッド。
そしたら気分というか感覚が元通りになった。
痛いのも変な感覚もなく普通。
そしたら今度は部屋の中を普通に歩けるようになったので、部分し始めた。
とくに何もみつからかったが、壁は柔らかかった。
で、いきなり部屋の中にまたあのわけのわからない言葉でいろいろ言われ始めた。
罵倒される感じじゃなく、説明する感じで。
で隠し扉みたいなのが開くと普通の格好をしたおじいさんとおばあさんが入ってきたんだ。
本当に普通。
入ってきたおじいさんとおばあさんはいきなりひざまずいて、泣きながら またわけのわからない言葉を言った。
俺は???なわけだが、二人は泣きながら手を合わせたり土下座したり。
どうしていいかわからないからボーッと立っていたら俺の右手におばあさんがしがみついた。
えっ!と思ったらおばあさん、泣きながらさらに頭を下げたり、俺を見上げたりした。
俺も姿勢を低くするためにひざまずくと二人はさらに頭を床に擦りつけて、土下座した。
状況や言葉はわからないが、どうやら謝っているように見えた。
俺は事態がわからないながらも何か申し訳なくなって、おじいさんの両手をとって握ってみた。
そしたらまた号泣。
ずっと???なわけだが、いきなり隠し扉が開いて警備員みたいな人に軽く引っ張られてながら二人は出ていった。
で、隠し扉の向こうが気になって覗いてみたが真っ暗でよく見えなかった。
さらに今度は警備員に連れられて子供がやってきたんだ。
スーツにネクタイで丸坊主の白人だった。
子供は警備員に守られながらゆっくりと俺に近づいてきた。
で、俺の50cmぐらい前にきたらボンッて音がした。
音と一緒に子供の首周りの襟巻きトカゲみたいに金属の板が広がったんだ。
俺はびびってのけぞいたんだが、子供はそのままゆっくりと近づいてきた。
で、右手をゆっくり差し出してきた。
その瞬間に俺は警備員に押さえ付けられて頭を下にされたんだ。
警備員に後ろで押さえ付けられながら、頭を上からぐいぐい押された。
子供は手を俺の耳にあてた。
そしたらブルブルッと震えがきたんだ。
子供は機械音声みたいな声でキーイーハーキーみたいな声を発した。
頭が下に向いてるから何をされているかよくわからなかったが、耳の穴から何かが入ってくるのがこそばしさとモゾモゾ音でわかった。
モゾモゾ音がしばらく続いた後、ブチッと音とともに激痛が走った。
どうも鼓膜を破ったらしく、頭の中の触れない部分を触られてる感覚があった。
反対の右耳からはゴソゴソみたいな音が聞こえた。
痛くて痛くて仕方なかったし、何より耳から何かが侵入してる恐怖で全身に力を入れたが、警備員は増え、さらに厳重に押さえ付けられた。
悲鳴も上げたが、この行為は続行。正直、このまま死ぬと思った。
とにかく苦痛と恐怖に耐えた。
「次の瞬間死ぬ」と何度も感じたが、とにかく何もしなかった。
しばらくするといきなり頭の中でキキキキキキキキキキカカカカカカカカカカというような音がなった。
だんだんと音は高くなっていった。
で、しばらくすると音が高過ぎて頭が痛くなってきた。
それでも音は鳴り続け、さらに頭の中を指みたいなのが触ってくる感覚がきた。
押したり、つねったりされてる感覚。
で、真ん中からスパッと頭を別けられるような感覚がきた。
死んだ!と思ったが、身体はそのまま。
頭の中から音や指の感覚はなくなっていった。
子供の足が後ろに下がっていって俺を押さえ付けてた警備員も離れた。
俺はその場にへたりこんだ。
で、子供の手を肩のところまで血?がついてた。
左耳を触ってみたら、案の定俺の手にも血がついた。
隠し扉が開いて、子供と警備員はでていった。
その後、ナースと警備員が入ってきて、耳の血を拭いてくれた。
耳には血が付いてるだけで、出血はなかった。
ナースが作業を終えると今度はまた医者がやってきた。
アイパッド?かノートPCみたいなものを持ってた。
アイパッドみたいなのの画面をこちらに見せてくるんだが、警察の時と同じような画像ばかりだった。
俺はお腹が空いたし、休みたかったが、それを伝えることもできず、だるそうに対応というか医者を相手にしてた。
何枚か画像が変わった時に俺のマンションの外観の画像が出た。
今までは人物や風景、何かイベントの写真ばかりだったのに、いきなり知っている画像が出て俺は驚いてついつい反応してしまった。
医者は俺の反応を確かめたみたいで次の画像にいくとマンションの俺の部屋の入口の画像になった。
画像は俺の部屋の中に入っていった。
リビングやキッチン、風呂場、寝室と写っていた。
キッチンから外を見る限り、この画像はこちらの世界っぽかった。
画像を全て見せ終わったようで画面が真っ暗になった。
医者達は真っ暗になったのは確認すると落胆してる奴とか熱く語りはじめる奴とかがいた。
で、熱く語っている中、で一人の医者がアイパッド?を出した。
周りの医者が「やめろよ!」みたいな感じでアイパッドを抑えようとして、喧嘩っぽくなった。
警備員が間に入り、今度は怒鳴り合いが始まった。
俺を何度も指差して何やら怒鳴ってた。
怒鳴られたほうも首を振ったり、両手で何かジェスチャーして何かを必死にお互いに伝えあってた。
しばらく討論みたいなのが続いて、結局、懐からアイパッドを出した奴は負けたみたいでおとなしくなった。
で、結局、別の医者がアイパッドを出してきて、またわけのわからない人物や風景の写真を見せられた。
医者は五人いたと思う。
代わる代わる画像を見せるが、始めの一人以外の画像は意味不明だった。
で、最終的に懐からアイパッドを出した討論に負けた奴がニヤニヤしながらアイパッドを出した。
なんか怖かったけど、アイパッドを見ると
イ 画
ら 桜
って書かれた画面を出された。
俺は???ってなって何も反応しなかった。
次にそいつはまたニヤニヤしながら画面を変えた。
今度は
そ あ
ややや
メンかな
離
みたいなことが書いてあったと思う。この辺はあまり正確じゃないかも。
俺はまた無反応なんだが、そいつはニヤニヤしながら画面を変えていった。
しかも、時々、こらえられないのかプッと吹き出したりしてた。
ニヤニヤしたり吹き出したりしてると周りの医者が「やめろよ」ってな感じで肩を叩いたり、無理矢理向きを変えようとしてた。
で、いきなりゲラゲラ笑い出したかと思うとアイパッドの画像が中庭の画像になった。
俺は中庭だと思ってまた反応してしまった。
何となくとても懐かしい感じがした。
マンションの外観やキッチンや寝室、リビングも懐かしいはずなのに、中庭のほうになぜか感動した。
医者はゲラゲラと笑いながらアイパッドを俺の顔に近づけてきた。
アイパッドが俺の顔面に当たって、今度は警備員に医者が取り押さえられた。
5人の医者中で始めに俺に画像を見せた医者が隠し扉の方を指差して、なんか怒鳴った。
中庭の画像を見せた医者はゲラゲラ笑いながら何かを俺に向けて怒鳴りながら警備員に退場させられた。
残った医者達は頭を下げてきた。
俺も頭を下げた。なんとなく。
そのまま医者や警備員達は部屋を出た。
やっと静かになったと思って俺は眠ることにした。
が、なかなか寝付けず、お腹が空いたのと喉が渇いた。
俺はベッドから出て監視カメラに向けて、箸でご飯をかきこむ仕草や水を飲み仕草をしたが、無視だった。
腹が立ってきて壁を蹴ったが無駄だった。
結局、寝るしかないのでベッドに戻った。
が、ベッドとベッドを支える台の隙間に何かがあるのを見つけた。
黒い土台に白い布団が上に置かれているベッドなんだが、明らかに布団以外の白いものがその隙間から出ていたんだ。
俺はそれを見付けると隙間から出した。
紙だった。
紙には
ずっとそこに
と書いてあった。
???だが、意味がわかる言葉だった。
「ずっとそこに・・・?」なんて考えていると隠し扉が勢いよく開いた。
警備員がすげい勢いで部屋の中に入ってきて取り押さえられた。
反射的に紙を握ってしまったんだが、警備員達の狙いは明らかにその紙で俺は右手を無理矢理パーにさせられた。
警備員達は紙を回収するとすぐさま去っていった。
のしかかられたので痛いし、せっかくの発見は取られるしでマジでイライラしたが、何もしなかった。
ずっとそこに
の意味を考えることにした。
ふて寝しながら考えているとナースが食事を持ってきた。
もちろん、警備員も一緒。
俺にのしかかった奴だったからイラッとしたがとにかくガツガツ食べた。
食べ終わると頭に血がいくのがわかったが、しばらくすると気分が悪くなってそのまま寝た。
気がつくとまたMRI見たいなのに入れられて検査されてた。
ブウーンって音はしたが、今度は痛くなかった。
ただ、今度は頭の中にフラッシュバックっていうのか、目を開けてるのに視界が全く別の場所になったりした。一瞬だけ。
フラッシュバックした画像は俺の実家や小学校みたいな昔のやつから新しい大学のまでと全くしらん画像もあった。
白人で金髪の女が荒れ地に立ってる画像だったり、真っ黒なクレーターみたいなのの淵に立ってした見てたり。
次々に画像が入れ替わっていった。
段々と画像の入れ代わりが早くなり、始めは瞬きする時にチラッと見えたのが、もはやまともに目が見えないぐらいだった。
意味不明な画像と俺の思い出はランダムに映し出された。
最終的には目が空いているのか空いていないのかわからなくなるぐらいに画像が絶え間無く連続したフラッシュバックした。
段々と目が痛くなってきたあたりで気を失ったのか俺はベッドにいた。
ベッドにはいるんだが、目はギアみたいなのか付けられていて何も見えかった。
瞬きをしようにも目が全く動かなかった。
ベッドの肌触りから戻ってきたことはわかったが、失明したのかと不安になった。
それからは暗闇とMRIのフラッシュバックの連続だった。
フラッシュバックの内容は相変わらず意味不明な画像は意味不明だが、知っている画像は俺の中でも忘れかけていたような画像も出てきた。
そんな時間が続いたある時、いつものようにMRIの途中で目が痛くなって気がついたらベッドだった。
だが、例のゲラゲラ笑いが聞こえた。
ゲラゲラ笑いでヒィヒィ言いながら永遠とわけのわからない言葉を発していた。
声の質から同じ部屋にいて、移動しながら笑っているようだった。
時々頭を触られたりしたが、とにかく恐怖だった。
何言ってるかわからないし、暗闇の中にあの笑い声とわけのわからない言葉のみがあるのは怖かった。
しばらく笑うと「あぁー」と笑いが止まった。
で、耳元で
ずっとそこに
と囁かれた。
ずっとそこに
と囁くとクスクス笑いながら部屋から出ていった様子だった。
その直後に建物が揺れて爆発音がした。
警報がみたいなのがなり響いたが、この部屋にはだれも来ないようだった。
警報がなり続けて、しばらくすると煙の臭いがし始めた。
ヤバいと思ったが、目も見えないし、どうしていいかわからず、とにかくベッドから出た。
手を前に出して隠し扉があったあたりに向かって壁に着いた。
壁を調べたが隠し扉は開かなかった。
監視カメラがあった方に手を振ってみたが反応なし。
段々と煙の臭いが濃くなってきて、いよいよヤバいなと思っていると隠し扉が開いたような音がした。
で、誰かが入ってきた気配がした。
俺はそのままその誰かに担がれて部屋から運び出された。
俺は神輿みたいに肩で担がれているようだった。
隠し扉は幅が細く、担いだままでは通りくいようで、頭と足をぶつけた。
で、俺は
ずっとそこに
を思い出した。それにいっそこのまま煙を吸って死にたかった。
だから、隠し扉を通させないようにわざと両手両足を開いたり、暴れたりした。
怒鳴るような声がしたが、何を言ってるのかわからない。
いろいろ隠し扉から出れないように頑張っていたけど、二人か三人ぐらいで手足を押さえられ、隠し扉を通過したっぽかった。
隠し扉を出るといろいろな方向から怒声や叫び声が聞こえた。
何より熱いし、煙がやばかった。
口と鼻のあたりにタオルを押し当てられて煙を吸わないようにされてた。
しばらく走って階段みたいなところ下りていった。
その辺でまた揺れて爆発音がなった。
爆発音の後に床に落ちたみたいで痛かった。
床は固かった。
逃げようとしたけど、結局、また捕まって担がれた。
で、空気で明らかに外に出たのがわかった。
外には出たが、まだ走りっぱなし。
しばらく走った後にピタッと止まった。
止まったかと思うと今度は地面にゆっくりと下ろされた。
下ろされはしたが、肩と足を押さえられた。
えっ?えっ?と思ってキョロキョロしてると顔を押さえられた。
で、今度は何やらわけのわからない言葉で話ながら目のギアが付いているあたりを触り始めた。
何度も何度も
たむから!たむから!
と言われたが意味がわからなかった。
辺りからは怒声とかビシャーとか水をまく音はしていた。
で、ギアが外されたわけだが、瞼が開かない。
目の横の辺りが冷たくなったと思ったら痛みが走って、目が開いた。
眩しくて痛くてすぐに目を閉じたけど、一瞬見えた視界にはナイフを持った手が見えた。
たむから!たむから!
とか言われてるけど尚も意味がわからなかった。
ゆっくりと目を開けると全然知らないオッサンが三人いて、心配そうに覗き込まれた。
俺が目を開くと三人は無茶苦茶興奮し始めた。
作業着っぽい格好をしたオッサン三人がやたらとはしゃいでいた。
周りを見ると地面はアスファルトの駐車場みたいな感じで、周りはビルだった。
で、案の定一つのビルからモクモクと煙が上がっていた。
オッサンが俺をおもいっきり引っ張ってきた。
力が強くて逆らえず結局、また担がれて走り出した。
担がれたまま、俺はすぐ近くのビルに入った。
ビルは大阪の梅田スカイビルみたいな感じで真ん中に俺はいたみたいだった。
ビルに入るとそのままエレベーターに乗った。
ぐんぐん上に上がっていった。
真向かいのビルから煙が出ているので上にいけば煙の臭いがまたしてきた。
で、上の方までいったらまた今度は下へ向かうエレベーターに乗り換えた。
エレベーターは地下まで行って、駐車場に出た。
すると大きな車がきた。
こっちの世界にはないような形で後部がやたらとでかかった。
俺は警察から移動する時と一緒でまた真ん中に座らされた。
そのまま車は発車。
外に出て煙が出てるビルから遠ざかった。
助手席から例のゲラゲラ笑いの医者が顔をだした。
ゲラゲラ笑いの医者は俺に向かって今度は優しく微笑んだ。
もう大丈夫だよ。
確かにこういった。流暢な日本語だった。
俺は一瞬意味がわからなかったがもう大丈夫だよ、と認識した瞬間
「うええああ!?」
って叫んだ。
で、左右のオッサンを、え?え?って感じで見るんだが、左右のオッサンはこっちを見るだけで何も言わなかった。
え、あ、ことは、わかる、すか?
的な返事をしたと思う。
正直、俺の方が日本語おかしかった。
ゲラゲラ「私の言葉わかりますか?」
俺「はぃ」
うまく発音はできないが、何とか日本語を話せた。
ゲラゲラ「今から、あなたを、元の世界に、戻します、いいですか?」
俺「ふい」
はいのつもりだったが、発音を忘れていた。
ゲラゲラ「京都府、京都市、○○区、○○の○番地、○○、マンション、ですね?」
ゲラゲラはわかりやすいようにゆっくりと話してくれた。
俺は
「そ、そす!」
とか微妙に間違った日本語を使って返事をした。
ゲラゲラは次に例ののわけのわからない言葉で運転手のオッサンに何やら説明し始めた。
ゲラゲラ「とりあえず、これ、どうぞ」
俺は水をもらった。
俺は水をいっきに飲み干した。
書き忘れたけど、ゲラゲラはひげもじゃでテンパでロン毛の油ぎっしゅなオッサンな。
車はかなりのスピードで走ってた。
場所は都会の真ん中みたいで今の日本とほとんど一緒だけど緑はほとんどなかった。
街はそれなりに活気があるらしく大阪市を美化した感じだった。
車の中はラジオみたいなのが流れるんだが、何言ってるか全くわからん。
街道を抜けて高速っぽい道に入った。
ゲラゲラが
「察して、いる、と、思いますが、あなたは、今、追われて、います。ただ、もう、大丈夫、でしょう」
と言った。
水と走行中の車の時間でだいぶ日本語を思い出した。
俺「俺、追われてんですか?」
ゲラゲラ「そう、あなた、は、今、」
俺「あ、もう普通に話してもらって大丈夫ですよ」
ゲラゲラ「回復したようですね」
ゲラゲラはほっとしたようだった。
俺「で、俺はなんで追われてるんですか?」
ゲラゲラ「わかっていると思いますが、あなたはこの世界ではなく、異世界から来ましたね?」
俺「え?」
ゲラゲラ「京都のこちらの住所かどこかからあなたは突然この世界にきた。違いますか?」
俺「いや、ちょっとよくわからないんですが」
ゲラゲラ「いいですか?この世界はあなたがいた世界ではないんです」
ゲラゲラ「同じ人間がいるにはいますが言葉も通じないし、微妙に違った世界なんですよ」
ゲラゲラはいろいろと説明を始めた。
俺は詳しい原因はわからないが、別の世界に入ってしまったこと。
異世界からきた人間なので詳しく調査されたこと。
脳を弄られたりしたが、何とか元に戻したなどを話してくれた。
とにかく元の世界に今から逃がすから、もうこの世界に来るきっかけになっただろう場所にいくな
そんな行動はするなと言われた。
俺はマンションの中庭に入ったらこの世界に入ったことを言った。
ゲラゲラはだとしたらあなたはそのマンションに近づかないほうがいいと言った。
おじいさんとおばあさんに泣き付かれたことも言った。
ゲラゲラはおそらくだが、何かあなたがこの世界にきたきっかけを作ってしまったか何かだろう、とか言われた。
子供に耳から手を突っ込まれたと言ったらゲラゲラはあれに関しては自分もわからないと語った。
他にも異世界についていろいろと教えてくれた。
まず異世界はこっちの世界よりも文面がわずかに進んでいること。
異世界の人達はこっちの世界を知っているということ。
異世界には昔から亜人と呼ばれる生まれながらにちょっと変わった人間がいること。
スーツ着てた子供はおそらくこれ。だが、生まれてすぐに隔離される為、詳細はわからないとのこと。
今、異世界人達はこっちの世界で宇宙に行くようにこっちの世界に行こうとしていること。
いろいろと説明してくれたが、中には理解できないものもあった。
俺はゲラゲラにあなたは何者でなぜ言葉がわかるのかを聞いた。
ゲラゲラはそれは教えることはできないが、元の世界に帰らないというなら教えると言われた。
俺は迷わずに
「いや、それは」
と断った。
ゲラゲラ「私もあなたの世界の出身なんですよ」
とだけ教えてくれた。
車は高速を走って異世界の京都に入った。
異世界の京都南インターから京都(異)に入った。
看板なんかの文字は全く違うが基本的な建物や地理は同じだった。
理由を聞くと地球がそもそもなぜできたかとか説明されてイマイチわからなかった。
ゲラゲラはマンションに案内するよう言われて俺はマンションまでの道中を指示した。
例のコンビニと花屋を抜けやっと帰ってきた。
ゲラゲラは今から私達が異世界のあなたを引き付けて部屋から出す、その隙に中庭に入り、この世界にきたのと同じようなことをして下さい。
的なことを言った。
ゲラゲラ達は俺の部屋のピンポンを鳴らすと俺が出てきた。
で、ドアの間に足を入れて、結構無理矢理俺を締め出した。
ゲラゲラはオッサン達に俺を任すと、早く!ってな感じで一緒に中に入った。
俺は中に入って中庭に向かった。
中庭と部屋を繋ぐドアを閉めた途端、あのグルグル回る感覚がきた。
俺はそのままグルグルして気持ち悪いのを我慢しながら、元の世界に戻るのを待った。
気がつくと俺は(多分)元の世界、この世界の自分の部屋の中庭で倒れていた。
確認の為に空を見上げると濃すぎない。
ってか寒かった。
で、それが今年の2月だ。
ワンピースみたいな病院着だから肌寒くって中に入ろとしたが、鍵がかかって入れなかった。
結局、助けてー!みたいに叫んでたら上の住人が気付いて助けてくれた。
あとはそのまま警察に保護→病院に入院。
自分がどこで何をしていたのか説明するよう言われたが、身分証明書もないし、いろいろ難儀した。
ようやく携帯電話が持てたのが書き込んだわけだ。
ぶっちゃけゲラゲラからは他言しないように固く止められてるから全部は書けない。
本当に今でもあの体験は怖いし。
あと、例のおじいさんとおばあさんは確証はないけど、マンションのオーナーだと思う。
これで全部かな。
向こう行って部屋の掃除してる時は字に違和感覚えなかった?
なかったな。ちなみに数字はそのままだったよ。
例の子供のくだりの後遺症とか
病院で検査されたけど栄養失調以外とくには異常なしだったよ。
鏡をみたら無茶苦茶痩せてた。
多分、ゲラゲラの話では。二度と行きたくありませんが。
はい、そうなってました。
異世界に行ったことある奴ちょっとこい
彼は再び【異世界に行ったことある奴ちょっとこい(VIPスレ)】に現れ、色々な質問に答えてくれています。
俺が異世界に行った話をするの>>1ですが
最近はなんかありましたか??
何もないよ。もう関わりたくないし。
酉しか証拠ないですけど本人です。
口止めされてることに関しては一切答える気はないよ。恩人との約束だからな。
ゲラゲラに迷惑はかけたくない。
いまはあの部屋には住んでませんが、京都にはまだ住んでますよ。
そういうの無いの?やんわりでいいからさ。
いや、別にそういう類のものはありませんねー
時空のおっさんがよくわからないからわかりませんね。
ただ俺以外にもあっちの世界に行った人はいますから、同じ体験をしたのかもしれません。
異世界すげーなー 行く方法とかって実は知ってたりしないんですか?
マンションの中庭にどうぞ。ちなみに阪急京都線が最寄になります。
はい。とくにありません。
というか俺は書いた通り向こうでうにゃうにゃされて、ゲラゲラと少し話しただけですから。
管理会社の人は何もなかったので体質かもしれません。
でも、俺以外でも中庭から異世界にいける人はいると思います。
俺だけが行けたというのはちょっと考えにくいので。
時空のおっさん知らないのか…残念です
じゃあ他の質問!ゲラゲラの人の名前は中林さんであってる?
偽名を使っていなければその名字は違います。さすがに名前は言えません。
それに関して、言えない事の中にありますか?イエスかノーだけでいいんでお願いします
別に答えていいと思いますよ。というか書き込みの内容がよくわからない。
こっちにないような県名とか地名だったら知りたいです
向こうの地名や県名はわからないです。
ただ、南インターから異世界の京都に入ったので
方角は大阪のほうに監禁されていたのかなと推測してますが。
俺もあれはわからない。ずっとそこにっていいながら運び出されたし・・・。
地形的にはあまりこっちと変わらないのかな
地形というか道はこちらとほとんど同じアスファルトっぽかったです。
あの後、大阪にも行ったんですが、似たような雰囲気の建物は見付けられませんでした。
本当に元いた世界にかえってこれたとおもう?
帰ってきて空気を吸った時に「懐かしい」と感じたので。
違ってても別に言葉が通じるからいいんですけどね。
「ずっとそこに」の文字の意味は日本語を
忘れないようにするためのものだったとか言われてるけど
ずっとそこにの意味は正直わかりません。日本語は確かに忘れかけます。使わないし、聞くこともないので。
>理由を聞くと地球がそもそもなぜできたかとか説明されてイマイチわからなかった。ここ覚えてたらもうちょっと詳しく話していただけますか?
看板と地理というのは花屋は花屋、コンビニはコンビニなんです。
看板に何が書かれているかはわかりませんが、店の商品が花だったり雰囲気がコンビニだったので。
ただ、全ての場所がそうではなく例えば消防署が空き地だったりみたいに違うヶ所もありました。
あと地球が云々は本当にイマイチわかりませんでした。
ゲラゲラが難しい言葉をよく使ったり、二つの事象がどうこう言ったりで。
ちょっとわからないですね。イマイチ意味がわからなかったので。
→お互いの世界が成立するために、お互いの世界があるって話かな?質問をもう1つ
こっちの世界に戻ってきてから、着ていたワンピースの服はどうした?
あとこっちのどこの人たちに調べられた?
二つの事象はわからないです。ただこの単語はよく使っていたので覚えているだけなので。
ワンピースは病院で着替えてあとはわかりません。
こっちの病院、警察、市役所の人に調べられました。市役所の人達は本人確認のみっぽいですが。
ワンピースは病院で着替えてあとはわかりません。返してもらったりはないです。
クリスマスは過ごせなかったことについて
クリスマスは毎年ケンタッキー食べながらと明石家サンタ見てたのに・・・という気持ちですね。
しましたよ。書き込んだのと全く同じ内容です。
始めの担当の人がすぐに「はぁ?」って言うんでキレて他の人に替えてもらいました。
入院(保護?)→身体検査→警察から質問→身内と再開→
市役所からいろいろ書類もらう→仕事見つける→VIPに書き込む
ですかね。大まかですが。
入院自体は二週間ほどで三月には新しい家に引っ越してました。
あとは働きだして安定したのでVIPに書き込みです。
解雇にはなっていましたが、資格持ちなので同業同社で他の勤務地に置いてくれました。
それとも方法について言えないことは書いてない?
ドア閉めるだけです。他に何かした覚えはないですね。
どう処理されたかはわかりませんが、とりあえずまともに話は聞いてもらえなかったので
「頭のおかしな奴」で処理されたと思います。
ものすごくオブラートに包んでいいから教えて
ゲラゲラの個人情報と帰る前に車内で話したことの一部です。言えるのはここまでですね。
こっちと向こうと連絡取り合ったり出来る?
会ったことはないと思いますが、異世界の臭いがする人とすれ違うことはあります。
言葉やはipadみたいなやつ以外に
どういう意味があるのかわかりませんが、一部の建物からは空に向かって
太い紐のようなものが伸びていました。
先がどうなっているのかは見えませんでしたが。
あとはとくにないように思います。
対面したけど会話はしてないんだよね?
俺もドキッてしました。同じような雰囲気でしたし・・・。
俺にはそう見えました。手を合わせたり、泣いたり、土下座したり。
何言ってるかわからないので断定はできませんが。
俺がまた異世界に行った話をする
彼は再び【ニュース速報(VIP)】に「俺がまた異世界に行った話をする」というスレッドを立て、語り始めます。
以前に「俺が異世界に行った話をする」というスレを立てた者だが、また異世界に行ったので話を聞いてほしい。
真剣に俺を信じてくれる奴とか釣りだと思う奴でも誰でもいい。
京都市内から化野念仏寺を通ってつたやを越えたら左に曲がって六丁峠に来てほしい。
六丁峠を左に曲がって山道を進んだら嵐山高雄パークウェイ横の歩道を越えた石畳の道の奥にいるから。
事情はどこまでできるかわからないがスレで説明する。
異世界の証拠もあるし、とにかく誰か純粋な人がいるなら来て俺を助けてほしい。
今俺は異世界から逃げ出してきて追われている最中なんだ。
どこまで書けるかわからないが、とにかく聞いてほしい。
俺はスレを立てた後もとくに異世界のことは意識せずに暮らしていたんだが、妙にあの世界が恋しくなった。
だが、ゲラゲラには来ないように言われていたために我慢はしていたが限界がきた。
とにかくあの異世界にもう一度行きたいという気持ちがいっぱいで俺は夜中に例のマンションに忍び込んだ。
中庭には壁に備え付けられている雨水を流す筒みたいなのをよじ登って三階と五階の間の空間から侵入した。
四階部分から筒を蔦って降りようとした時に以前の気分の悪さ、目眩がした。
気がつけば異世界だった。
帰り方も異世界の仕組みをある程度わかっている俺はデカイかばんとデジカメを持ち込んで証拠を集めてこっちの世界に持って帰ろうと目論んでいた。
異世界の中庭からまた雨水を流す筒をよじ登ってマンションの外に出た。
時間は夜中の3時だった。
持ち込んだ携帯や時計によるとな。
で、俺は早速、物証集めをした。
ぶっちゃけ怖いし、とりあえず何個か持ち帰ってアップしたら
釣りだの糖質だの言ってる奴らを黙らせることができるだろうからな。
コンビニでチラシと外のごみ箱に捨ててあったお菓子の袋なんかをかばんに詰め込んだ。
もうとりあえずめぼしい物をかばんに押し込んだ。
で、例の中庭に戻ってこっちの世界に帰ろうとしたんだが、いつもの気分の悪さが来なかった。
中庭でゴロゴロしたり、壁に頭をぶつけたんだが、帰れなかった。
捕まってまたいろいろ弄られるのは嫌だし、ゲラゲラに来ているのがばれるのも嫌だった。
だが、とにかくこっちの世界に帰れない。
とりあえず、時間を置いてまた侵入することにした。
再度マンションを後にして近くの公園のベンチで持ち込んだお菓子をポリポリ食いながら、持ち込んだコーヒー飲んでた。
で、その公園にはトイレがあるんだが、トイレの中から身長1メートルぐらいの小人?が出てきた。
服装はガンツスーツみたいなのを来てて、手足は無茶苦茶細長くて全身灰色で目が無茶苦茶でかくて黒一色。
俺はビビりまくりで小声で「うわぁ」みたいな情けない声を出したんだが、小人はそのまま公園を出て止めてあったトラックに乗ってどこかへ行ってしまった。
俺は改めてガチでヤバい状況に置かれていることを改めて理解して、とにかく帰ることを優先することにした。
だが、中庭に戻ってもこっちの世界には帰れないし、とにかく夜が明けてから中庭に行けば帰れることを願った。
で、とにかくなんか、誰かに見られること自体がヤバいことみたいな感覚になって俺は公園を出た。
大きい道に面してるし、とにかく誰かに見られないように気配を消ながら公園を出ようとした。
公園を出てちょっと歩くと
「ピィイイイイイイイ!!」
って感じの音が響いた。
町中に。なんか笛みたいな音。
どこから鳴ってるかはわからないんだが、とにかく無茶苦茶デカイ音で響いた。
音は2、3分鳴り続けたと思う。
で、鳴り止んだと思ったら東から太陽が昇り始めた。
こっちの世界の速度とは明らかに違う速度で。
で、グングン太陽は昇っていって、昇り始めてから1分ぐらいでほぼ町の上に来て停止した。
太陽が停止してすぐにマンションとか民家から人がたくさん出てきた。
で、太陽に向かってお経みたいな「なんまーらーうらー」みたいなのを唱えながら両手を合わせて頭を下げ始めた。
俺はビビって隠れようとしたが、ババアがやってきてなんか胸倉掴んで怒鳴られた。
なんか太陽を指差してすごい剣幕でかかってきたが、俺は両手を合わせて頭を無茶苦茶下げた。
そしたらババアはなんか言葉を吐き捨てるみたいに呟いて離れていった。
5分ぐらいお経は続いた。
その間人々はずっと両手を合わせて祈ってた。
で
「にゃーーーみいいいーーー!!」
みたいな声を叫んだと思ったらお祈りは終わったらしく、人々は家の中に入っていった。
で、いきなり昼になったためか俺は気分が悪くなった。
なんか無性に身体が熱くて、頭がぼーっとしてきた。
これはひょっとして帰れるかな、と期待したが普通に公園のトイレで嘔吐しただけで終わった。
嘔吐し終えても身体はだるくとにかく暑い。
俺はあまりの暑さに公園の日陰で休むことにしたんだが、まったく効果がない。
頭の中がぐるんぐるん回ってる感覚があって持ってきたポカリを飲み干したが、まったく効果はなかった。
で、俺はそのまま意識を失って倒れた。
倒れる瞬間になんとなく帰れそうな雰囲気だったからちょっと期待した。
案の定、倒れてすぐに帰ってきた感覚があった。
暑くもないし、空気もこっちの世界のようだった。
公園で立ち上がって顔やズボンの砂をはたくと背中に回した手に何かが当たった。
振り返ると俺のすぐ近くでフラフープを持った女の子が笑顔でこちらを見ていた。
俺はてっきりこっちの世界だと思っていたから
「あ、ごめん」
なんて女の子に言った。
で、俺は無茶苦茶ビビった。
そのフラフープを持った女の子なんだが、平面なんだ。
説明し辛いがとにかく平面。
奥行きがないの。
斜めからみたら板。
フラフープを回すんだが、フラフープも奥行きなし。
まるで紙に女の子の写真が貼付けてあるみたいなんだが、女の子は笑顔だし、動くんだ。
で
「オオイ、オア、オイチ、オエ、アア」
みたいな無茶苦茶低い声を出したんだ。
声質は銀河万丈さんみたいな感じ。
俺は自分の手とか足を見たんだが、普通に三次元だった。
女の子は俺に目を合わせながら首を傾けて、口から黒い液体をドバドバ出したかと思ったら泣いてどっかへ行ってしまった。
吐き出された液体は三次元だった。
俺はもう恐怖で足がすくんで動けなかったんだが、また変なのがきても怖いし、例の通りにでた。
そしたら人っこ一人いないんだ。
建物なんかは一緒なんだが、まったく人の気配がない。
それなりに大きな通りなのに車もなく、音もない。
誰もいないんだが、嘔吐してるし喉が渇いた。
で、飲食店に入ったんだが、案の定誰もいない。
俺は勝手グラスに水を注いで飲んだ。
普通の水のようだった。
すいませーん!
って店の奥に声をかけるんだが、無反応。
で、また通りに出てどうしようか考えて、結局、また例の中庭を目指すことにした。
外に出てマンションに向かう途中に何やら変な音が響いた。
フルーツグラノーラとかコーンフロスト食べてる時みたいなシャクシャク音。
シャクシャク音は遠くから地響きみたいに聞こえてきていた。
さっき入った建物の向こう側から聞こえてくる感じだった。
で、通りが交わるところまで出て音が聞こえてくる方角に向いた。
すると無茶苦茶デカイ明太子みたいなのが空に浮かんでいた。
もう無茶苦茶デカイ。
比叡山や愛宕山が見えてるんだが、それよりデカイ。
雲よりは低い位置にあるようだった。
赤ピンク色で表明に血管みたいなのが入っていて、ブツブツが所々にあった。
で、明太子の先端に口?らしきものがついていて、そこからシャクシャク音は出てるみたいだった。
その明太子が口を動かす度にシャクシャク音は響いてきてる感じだった。
明太子はゆっくりと比叡山の方からこちら側に飛行してくる様子だった。
俺は呆気にとられたが、とりあえず中庭からこっちの世界に帰ろうとマンションに急いだ。
で、俺は急いでいると前方の地面に明太子がたくさんいるのがわかった。
浮いてる奴とは違って握り拳ぐらいのサイズの明太子が地面を這っていた。
20匹ぐらいいたと思う。
全員俺の方に口らしきものを向けていた。
気持ち悪いんで俺は進路を変えて別のルートでマンションを目指すことにした。
ルートを変えても明太子はどこからか湧いてきて、段々と俺は明太子に囲まれてきてしまった。
マンションに到着して雨水を流す筒を上って中庭に出た。
マンションの敷地内にも明太子が無茶苦茶いっぱいいたが、明太子は上ることはできないみたいで、地面だけをはいつくばってた。
中庭に明太子がいないことを確認して俺は三階屋根部分から筒を下りた。
だが、やっぱり気分が悪くならない。
外は明太子だらけだろうから出たくなかった。
明太子は明らかに俺に向かってきていたし。
本気で頭を抱えて考えながら小便したり、壁に頭を打ち付けたりしてた。
で、中庭をよくみるとなんだが一部分だけ景色が歪んでいた。
歪んだ景色をよくみるとテレビの砂嵐みたいな感じになってた。
色が似通ってるから気付かなかったけど、壁がチカチカしてた。
で、調べようとチカチカした部分に近づいていくとさっきのフラフープの女の子がいた。
女の子はまだ泣いてた。
気味が悪いことは確かだが、なんだかんだ女の子がいてくれてなぜだかほっとした。
なんとなく俺がしっかりしなくちゃなって気持ちになった。
フラフープの女の子は俺を避けるわけでもなくシクシクと静かに泣いていた。
どうしていいかわからなかったが、とりあえず、話しかけてみることにした。
お嬢ちゃん、どこからきたの
なんて聞いたと思う。
フラフープの女の子は俺が声をかけると泣き止んでくれた。
今度は黄色い液体を嘔吐して、笑顔になった。
出会った時みたい笑顔になったからとりあえず機嫌よくなったのかなと思った。
で
「オオイ、アア、アアアアア」
みたいなまたわけわからんことを銀河万丈風に話した。
俺はどうしていいかわからないけど、アア、アアアアのあたりを真似してみた。
するとフラフープの女の子は透明な液体を嘔吐した。
フラフープの女の子は相変わらず平面で嘔吐物は三次元だった。
しばらくは俺がこっちの言葉で声かけたり、フラフープの女の子がアアアアとかオイアとか言ってて会話が一方通行だった。
会話の合間に時々、いろんな色の液体を嘔吐した。
それでもフラフープの女の子は笑顔だった。
で、しばらくそんな無意味な会話?が続いたんだが、俺はなぜだか無性に女の子が嘔吐した液体を飲みたくなった。
別にそういう趣味があるわけじゃないんだが、カラフルに液体が混ざりあってるのを見るとなぜだか飲みたくなった。
俺は指で嘔吐物に触れて指をなめた。
無茶苦茶甘かった。
こっちの世界にはないような突き抜けた甘さだった。
甘いだけというわけではなくとにかく美味しかった。
始めは指一本でなめたが手の平全体に嘔吐物を付けてなめ、次はもう地面にはいつくばって嘔吐物をすすっていた。
必死だった。
味わったことがないぐらい美味しい。
地面のをすすって、段々とフラフープの女の子の足元に近付いていった。
こんな俺を見てもフラフープの女の子はやっぱり笑顔で俺が顔見ると首を傾げまた嘔吐してくれた。
今度は黄色の液体にビー玉ぐらいのまっ白い玉が何個か入っていた。
地面に吐き出されたブツをすすって、白い玉も口にした。
だが、白い玉は歯ごたえが悪かった。
玉子の殻みたいな感じ。
味もなく変に固くて食べられたものではなかった。
しばらく必死ですすっていたんだが、ある時いきなり酔っ払ったような感覚になった。
頭の中に絵の具を塗られているような感覚が襲ってきて、平衡感覚がなくなってきた。
フラフープの女の子は俺を見下ろしながら笑顔だった。
視界の中に絵の具をたくさん落としたみたいに色が充満してきた。
色が渦を巻いて視界を埋めていってついに目がチカチカした感覚になって見えなくなった。
俺は手探りで壁を探したんだが、結局、頭を殴られたような感覚とブヨブヨしたものに包まれる感覚に捕われてしまった。
ブヨブヨした感覚の中に入ってしばらくは温かかったんだが、しばらくすると寒気に変わった。
全身を毛みたいなものでワサワサされてる感覚があって気持ち悪いから無茶苦茶暴れたと思う。
それでもしばらくはブヨブヨとワサワサが続いた。
で、しばらくしたら落下する感覚になって、地面に落下した。
目を開けると見えるようになっていて、360度全部が黄色い草原になってた。
ずっと向こうまでずっと黄色い長い三角形の草が生えてる草原。
何もなかった。
空は真っ白。
どんだけ見渡しても黄色い草と白い空しかない。
どうしていいかもわからなかったが、とりあえず進んでみることにした。
とりあえず真っすぐ進んだ。
黄色い草はこっちの草と同じで腰ぐらいまであるので歩くのは大変だった。
虫なんかはいなかった。
土は茶色だったと思う。
どれだけ進んでもとにかく何もなかった。
お腹が減ったから草を食べてみたが、無茶苦茶まずかった。
二時間ぐらい歩いたと思う。
横から丸い球体が俺の500メートルぐらい先を転がりながら転がっていった。
球体は無機物というよりダンゴムシみたいな感じだった。
全部で三つ。
そいつらが転がった跡に行ってみると草が倒されていて歩きやすくなっていた。
草を分け入るのはしをどいので球体が転がっていった跡を歩くことにしたんだ。
しばらく進んだらまた球体の跡の脇に小さくて黒い物体があった。
こちらでいう地蔵にそっくりだった。
地蔵は人の形に掘ってあって手を合わせている格好で顔は真ん丸で笑顔、首からは赤い前掛けがあった。
高さは30センチぐらいかな。
触ってみると石でできているみたいで重かった。
地蔵にびっくりはしたが、とくに何もないのでさらに歩いた。
かなり歩いたと思う。
足に疲労がかなりきたぐらいで地平線に空とはまた違う白いものが見えてきた。
遥か彼方にあるからなかなかそれが何かわからなかったが、とにかく近づいてみてわかった。
俗にいるパルテノン神殿みたいな奴だった。
大理石っていうのかああいう材質でできてて円柱の柱に屋根がついてるみたいな。
かなり時間が流れているのかボロボロだった。
その建物の中なんだが、床と屋根と柱しかなかったが、一つの柱の根本に袋があった。
ビニールじゃなくて茶色くて編んでできるようなやつ。
俺はその袋を開けてみると中身は見たこともないような果物のようなものだった。
青いキュウリみたいなのとか黒いリンゴみたいなのとか毛が生えたミカンみたいなのとか。
空腹がやばかった俺はとにかく口にした。
汁が溢れてきたので味はいまいちだが、喉が癒されて助かった。
書き忘れてたが、気温はやや暑い。
風は少しだけふいてる。
果物をとりあえず食べれそうな部分だけ食べた。
その後、建物の周りを見てみたんだが、草が薙ぎ倒された道はなかった。
つまりどこに向かっていけばいいのかわからなくなった。
俺はとりあえず腹は膨れてはいるから休んだ。
休みながら異世界にきたことをかなり後悔した。
しばらく考えていたら、こんなわけのわからん場所で死ぬのもわるくないかなとも思えてきた。
建物の中で影が出来る部分なら涼しくて寝れた。
床は固くて寝心地は悪いがとにかく寝た。
しばらくしたら暑さと頭の痛さで目が覚めた。
俺は眠かったが一瞬目をあけると視界に無茶苦茶なものが写った。
頭も手足も細長い生き物とかアルファベットのHの形の生き物とか
フウセンみたいな奴とかとにかく建物の外からガン見されてた。
で、後頭部を突かれた感覚があって振り返ってみたら全身がタコの足みたいな奴が杖持って立ってた。
そいつは全身がタコの足で太い足や細い足が入り組んでるみたいな見た目だった。
俺が振り返っても杖で小突いてきた。
俺はうわっみたいな声を上げたが、向こうビビるわけでもなく、杖でつくのを続けてきた。
俺は痛いし、杖を握って離さないようにした。
杖を握って離さないようにしたら、タコは俺に近づいてきた。
足と伸ばしてきて気持ち悪いから逃げた。
逃げた先も大変だった。
玉に羽が生えたような奴とか四角形でピカピカ光ってる奴とか奇妙奇天烈な生き物がウジャウジャいた。
そんな奴らを無視して逃げたんだが、どこまでいっても変な生き物達はいた。
俺はもうとにかく怖かったから逃げた。
しばらく逃げると今度はじいさんがいた。
じいさんは見た目は完璧に人間なんだが、顔から下がなかった。
草に隠れていて近づくまでわからなかったが、顔は宙に浮いていた。
青い帽子に無茶苦茶長い白いヒゲ、皺くちゃの顔に左目にはでかい眼鏡がついてた。
俺はじいさんのところに走っていき目で助けを求めた。
だが、じいさんは宙に浮いて首を振るだけで何もしてくれなかった。
振り返ると例のタコ足が追い掛けてきていた。
俺はじいさんの後ろに周って盾にしたが、じいさんは顔をこちらに向けて首を振るだけだった。
俺は結局、じいさんの後ろで腰を抜かして倒れた。
さらにはちびった。
生まれて初めてちびった。
とまらんかった。
タコ足は俺を杖でめった打ちにすると俺の腕を掴んだ。
で、人のサイズぐらいの蜘蛛みたいな奴がいるんだが、そいつで二人?で俺を運びだした。
俺は痛いし、身体に力が入らないしでされるがままに連れていかされた。
しばらく運ばれると黄色い草がミステリーサークルみたいに円形に倒されてる場所にでた。
俺はそのサークルの真ん中当たりに捨てられた。
倒れている俺にタコ足はさらに杖で殴ってきた。
無茶苦茶痛いんだが、もうどうにでもしてくれって感じだった。
俺がリンチされている時もわけのわからん動物達は俺を見ているだけだった。
かなりボコられたあと、ついにタコ足は俺から離れていった。
で、俺はそのまま意識を失った。
気がついたら身体がやばいぐらい重かった。
少し手を動かすだけで激痛が走った。
周りをみると俺はまだミステリーサークルの中にいるようだった。
周りにはだれもいなかった。
ゆっくり立ち上がってみたが、草の向こうにも誰もいなかった。
ただ、空には羽が生えてるやつとか生えてないやつとかが飛んでた。
パルテノン神殿みたいな建物もわずかに見えたが、例のタコ足の姿はなかった。
行く宛てもないけど、とにかく逃げようと思って身体を引きずりながらミステリーサークルの外に出ようとしたが、見えない壁みたいなのがあって出れなかった。
透明な壁があって出ようとしてもぶつかる。
横にずれてみてもその壁はずっと続いていた。
俺は逃げるのさえ諦めて寝た。
寝るしかなかった。
目を覚ましたら今度は例のじいさんの顔がいた。
相変わらず首を振ってるが、壁の向こう側から俺の方を見ながらずっと首を振っていた。
俺は近付いて今度は声をかけるんだが、無表情で首を振るだけだった。
俺は必死でじいさんに身振り手振りや表情で助けてほしい的なことを伝えようと頑張ったんだが、伝わらないようだった。
じいさんは機械みたいに首を振るだけだった。
しばらくしたら今度は女の首がきた。
髪は長くてストレート。
年齢は二十歳ぐらいかと思う。
女の首は化粧した気配はないんだが、唇だけやたらと赤かった。
真っ赤。無茶苦茶赤い。
その女にも泣いて助けを懇願するんだが、女は無表情で舌を出すだけだった。
舌を出したまま硬直した。
しばらくするとじいさんが女の舌を食べ始めた。
血は出ず、舌の中はピンク色の肉だけだった。
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