心霊ちょっといい話『祖母からのメッセージ』など短編全10話

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心霊ちょっといい話『祖母からのメッセージ』など短編全10話 不思議な話
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叔父の無念

実家の父は幼い頃に父親を亡くし、年が16も離れた一番上のお兄さんが父親代わりでした。そのお兄さん(私にとっては叔父さん)は自分の子供も孫もみんな男だったので、私が生まれた時はそれはそれは可愛がってくれました。
私が20歳になった時も着物姿を写真に撮ってくれたり、元気がないと心配してくれたり、本当に二人父親がいるような感じで育ったんです。
4年前の妹の結婚式ではよっぽどうれしかったのか、最後に余興で挨拶をしたのも叔父でした。
そしてその式からたった2週間後、叔父さんはレジャー先で倒れあっけなく亡くなってしまいました。
その日私は二ヶ月後に控えた結婚式のためにウエディングドレスを選びに行っていたんです。
叔父さんもどんなにか幸せな私の姿が見たかったでしょう。その知らせを聞いて慌てて駆けつけた。
私と同じ時刻に叔父さんは亡骸で家に帰ってきました。
もう悲しくて悲しくて声をあげて涙が枯れるほど泣きました。
お通夜が終わり、家に帰ってきてソファーでうたた寝をしていた時です。
誰かが私の前に立った気配を感じました(私は霊感があります)。
そして「○○ちゃん(私です)、本当は死にたくなかったんだよ。
本当は死にたくなかったんだよ。でも仕方ないよね」という声が聞こえました。
叔父です。
最期のお別れに来てくれたのでしょう。悲しかったけど、叔父は私の所へ来てくれた。
そう分かっただけでちょっと悲しみが癒された思いがしました。
それから半年後・・
叔父さんの妻(叔母さん)と一緒に叔父さんが可愛がっていた犬も連れてお墓参りに出かけました。
叔父さんはきっと犬に会いたいだろうと思って連れていったんです。
お参りも終わり「じゃあそろそろ帰るね」と言ってお墓をちょっと離れた所で振り返った時、墓石に人の顔が浮き出ていました。叔母さんも確認しています。
「ああ、きっと叔父さんがありがとうって言ってるんだね」と二人で話しました。
叔父さんが亡くなってもうすぐ4年経ちます。
暖かくなったらお墓参りに行こうかな。

 

 

警告

小さいときかぎっ子だった私は、小学校からまっすぐ祖母の家に行って、パート帰りの母に迎えに来てもらって母と一緒に祖母の家の隣の自分の家に帰る毎日だった。
その日は冬の寒い日で、いつものように祖母の家に行ったけど祖母はいなくて、田舎だからかぎも掛けてないしそのままあがりこんで茶の間のこたつに入っていた。
いつのまにかうとうとしていたらしい。男の人がどなる声を聞いた。
「おいっ!!」 …お客さんかな、でも何か聞いたことあるような…
ぼんやりと思ったけど眠い。居留守をつかおうとしたところ、もう一度、どなられてふらふらと玄関に出た。その後の記憶がない。

気が付いたときは心配そうな祖母と母がわたしの顔を覗き込んでた。
祖母は買い物先の店で友人に会い、ちょっとした用事があってその友人の家にそのまま出かけていたらしい。帰ってきたら私が玄関に倒れていたそうだ。私は小さくて気がつかなかったけど、こたつの部屋には火鉢があってまだ火が残っていたそうで、もしそのまま部屋にいたら中毒になっていただろうという事だった。
そして、私は思い出した。どなり声が一年前に亡くなった祖父の声に似ていた事に。いつもにこにこ穏やかに笑っていた祖父だから怒鳴り声を聞いた事がなかった。祖父が助けてくれたんだと思う。

 

 

戒め

私の父は7年前に病気で他界しました。
最初に倒れて13年間、入退院をくり返しながらも闘病していました。
当時小学生だった私が成人するまで、父は命の灯をともしつづけていてくれました。
病院のベッドの上で、冷たくなっていく父の手の感覚は、今でも忘れることができません。
そして13年間、一緒になって病気と闘ってきた気丈な母の、号泣し泣き叫ぶ姿も・・・

父の葬儀も終わり、何週間かすぎたある日・・・
母は父の遺影の前でうたた寝をしてしまったそうです。
「・・・おい。もう行かないかんのとちゃうか?」
そう言われた気がして母が起きると、仕事に出かける時間でした。
母は「あれは確かにお父さんの声だった」と。

今でも、父の月命日になると必ず父のことを思い出したり、夢に出てきたりします。
忙しさにかまけて、月命日のことも忘れがちな私を戒めてくれているようです。
こんな出来の悪い娘でごめんね。
今度、休みが取れたらお墓参りに行くね。

 

 

祖母からのメッセージ

当時小学生だった私はひとつ下の妹と両親、そして祖母の5人で住んでいました。
祖母はとてもハイカラな人で、洋服をデザインするアトリエに勤めながら、おしゃれをしては銀座を闊歩するのが趣味でした。食べるものも、ドーナッツやファーストフードが大好きで、祖母と一緒に出かけるといつもハンバーガーをごちそうしてくれました。

祖母は家族の誰よりも元気そうに見えたのに病に倒れ緊急入院、そして数ヶ月の闘病の後、亡くなりました。
あっという間の出来事のような気がします。

祖母が亡くなってから数日後に、私は夢をみました。
真っ白いところに真っ白い服を着た祖母がニコニコしながら立っていました。そして、私と妹にこう言うのです。
「私はあっという間に死んでしまったから、おまえたちに何も残してあげられなかったのが何よりも残念なの。さぁ、欲しいものをいってごらん。」と・・・。

となりにいた妹は即座に「ぬいぐるみのクマさんが欲しい!」と言うのですが、祖母は「そんなんじゃ大人になってから役にはたたないじゃないか。もっと一生大切にしてもらえるものを残したいんだよ。」と答えました。

で、ちょっと記憶が曖昧になるのですが、最終的にデパートかどこかの宝石売り場に行って、あれこれと選ぶところで夢が終わりました。

次の朝、朝食の時間に母に「今日、こんな夢をみちゃった」と話を始めると、母の動きがとまり神妙な顔つきになったのです。そして一言「やっぱりあれは・・・」というのです。
気になったので話を聞くと、祖母が亡くなってからまわりの遺品を整理しているときにタンスの中から小さな箱が二つでてきたそうです。

開けてみると、まったくおなじ真珠のネックレスがはいっており、しかも値段はついていないものの使った形跡がみられないとのこと(つまり、ブランドのタグとかはつきっぱなしだったようです)。
またデザインが老人用というよりは、若い人向けのデザイン(シンプルなプラチナのチェーンに一粒の真珠がついているものです)だったので、もしかしたら私たちにあげるつもりで祖母が用意していたものかもしれない、、、と母は話してくれました。

偶然だったのかもしれませんが、私には祖母からのメッセージのように思えて、今でもこのネックレスを使うときは祖母のことを思い出します。

 

 

巡り合わせ

怖い話というより、ちょっと不思議な話かもしれません。

私が以前付きあっていた彼は、3年前、急性白血病でこの世を去りました。
病気の進行が早かった為、治療は無菌室で行い、外部との接触も遮断され、会えない日が続きました。 薬の副作用が日に日に彼の体力を消耗させていくようでした。

ある日の夢です。
広くて明るい真っ白な病室のベッドに彼が横たわっています。
そこはもう無菌室ではなく、静かで誰もいない病室です。
私はベッド脇に座って、眠っている彼の手をとり、自分の膝の上に載せた洗面器の水で彼の手をさらさらと洗っています。 彼は白いパジャマを着て、手を洗われていても終始、目を開けることは ありませんでした。
夢の中ではとても穏やかな気持ちでいられたのに、はっと目を覚ますと私は泣いていました。
暫くして彼の訃報が届きました。

彼の死後、私はしばらく気持ちが滅入って、鬱々と過ごす日が続きました。
気力もなく、暇さえあれば彼との思い出をたぐってばかりでした。
ある日、『俺、いつか犬を飼いたいんだよ』と言っていた彼の言葉を思い出しました(でも彼はマンションに住んでいたので、その夢が叶いませんでした)。

私は動物好きでしたし、犬を家族の一員に迎えることで彼の夢を共有したかったのかもしれません。
親に相談しても、別に反対されませんでした。
(うちの親は、彼を亡くした悲しみから一刻でも早く、私が立ち直ることを犬に託していたようです)

動物管理センタや、いくつかのツテをたどり、♂の子犬と出会いました。
沢山の子犬の中から第一印象で、『この子!』と決めましたが、あとで聞いたところによると、その子犬の誕生日というのは、奇しくも彼が亡くなった日と一致していました。

今では天国の彼が私を元気づけるために、子犬と巡り合わせてくれたのかなあと思いながら毎年愛犬の誕生日を祝っています。

 

 

親友の悲しそうな目

数ヶ月前に異性の親友が死んじゃったんだけど、当たり前かもしれないけどすぐに泣く事ができなかったんだ。次の日、お通夜から帰って来て部屋に入った途端に、急に現実を突きつけられた感じがして、1人で号泣してた。
いくら泣いても泣きたらなくて、自分でもビックリするくらいの声をあげて泣いてた時、そんな私を親友が凄く悲しそうな目をして見てるのが頭の中に浮かんだっ…ていうか、見えた気がした。いつもお互い憎まれ口ばっかり叩いてたから、「そんなに泣いてくれるんだ…」って言ってる様な目だった。
その瞬間、私は凄く温かさを感じてピタっと涙が止まった。
…勘違いや思い込みかもしれないけど、その時の親友の悲しそうな目と感じた温もりは今でもハッキリ覚えてる。

 

 

祖母の仕返し

私の母、姑(私の祖母)と結構仲が良かったそうなの。祖母は常々
「何かあったら相談してね」と言ってたのだけど、ある日突然ぽっくり亡くなってしまったのです。その後若い母に親戚のじじいが意地悪したんだけど、
あんまり悔しくて仏壇に報告したそうです。
するとその夜、そのじじいは突然の腹痛に見舞われ、救急車で病院行き。

その救急車が来たときのことは私も覚えており、何気なく母に聞いたら「実はね・・・・」と真相を語ってくれたのでした。
他にも夢の中で祖母が「火事だー!」と走り回り、起きてみると、ほんとに小火を起こしていたという事件もあったそうです。

おばあちゃん、ありがとう。

 

 

猫の挨拶

お母さんの話なんだけど、飼っていた猫がいて、もともとは私が飼ってたんだけど、実家に帰ってからはお母さんの方にすごいなついたんだ。
朝とかお母さんがご飯したくしてる背中に飛びついたりとか。
それがまだ生後1年位で病気で死んじゃっただ。
その猫が死んでしばらくしてから
お母さんの枕もとでその猫がないていったんだって。
にゃーん、って。
お母さん、挨拶してってくれたよって言ってた。

 

 

引止め工作

中学生の時の事なんだけど、友達と映画に行こうと思って家を出ようとしたら、履いていこうと思ってた靴がないの。
おかあさんに言っても「知らない。」
どう探してもない。
もうしょうがないから他の靴でもいいやって思ったら今度は私の靴全部がない。
なんで!って騒いでたら電話が鳴った。
おばあちゃんが亡くなったって知らせだった。
そんで、玄関見たら今度は靴が全部あったの。
あの時は本当にビックリした。

 

 

逢いに来てくれ

中学生の頃、バァちゃんを亡くしました。
とても優しく良いバァちゃんでした。
病気になり段々弱って行くバァちゃんにすごく心を痛めました。
「俺は何もしてやる事が出来ない」
そればかり考えてしまい、落ち込んでいました。
そして、お別れの日が来てしまったのです。
バァちゃんは家族が見守る中、旅立とうとしていました。
その時、泣いていた俺の手を取ると優しくこう言ったのです。
「泣かないでおくれ、元気なアンタじゃないとバァちゃん心配で安心して行けないでしょ?」
「ほら、元気をお出し…。」
その言葉に俺が返事をすると、微かに微笑み息を引き取りました。
最後の最後まで心配させちゃってゴメンな、バァちゃん。
でも、俺葬式の時には泣かなかったよ。
本当の旅立ちは笑って見送る事に決めてたから。
そっちはどうだい?バァちゃん。
1回でもいいから逢いにおいでよ。(笑
待ってるからさ。
曾孫も見て欲しいしさ。

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