心霊ちょっといい話『お医者さんのお話』など短編全10話

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心霊ちょっといい話『お医者さんのお話』など短編全10話 不思議な話
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夢で告知

 

母が2月亡くなったんだよね。
でもなかなか俺の夢には出てきてくれないんだ。
こんなにあいたいのに・・・

母が病気になってさ、本当は近くにいてやらないといけないのに、自分で希望だして、海外(日本の近くね)に転勤しちゃったりして本当に申し訳ないと思ってる。

でもね、亡くなる前はさ、体調が悪い時期でも、俺が実家に帰るときはいつも元気なってた。
元気に振る舞おうとかそういうのじゃなくて。ほんとに体調がよくなってた。

亡くなる直前にもさ、危ないかも知れないから いそいで帰ってこいって家族に言われて、実家帰ったらうそのように元気になっちゃて。
だから、俺大丈夫だと思って2日だけいて戻ったんだ。
最後も笑って、握手して、頑張るよって言ってくれて・・・

そしたら翌日の午前、実家から職場に電話が入った。
「もうだめかも・・・」って。
でも、その日は忙しくてね、翌日の飛行機で帰ろうと思って予約いれようと電話したら「満席」(一日1便のみ)。
当日の2時間後の便ならとれるってことになって、時間ぎりぎり、無理矢理それに乗って帰ることができた。
もちろん機上では「俺が帰れば元気になる!」と思い続けていたよ。

でもダメだった。最後の時の母の目は一生忘れない・・・
話せなくなっても、じっと俺たちを見つめてたあの瞳・・・

海外にいて、母の死に目にあうことができたのは
母がまっていてくれたんだと思う。
いつもみたいに元気になれなかったかわりに。

その後、だいぶ落ち着いたよ。
でもさ、最初にも書いたように、俺の夢には出てきてくれないんだよね。
妹の夢には毎日のようにでてくるのに・・・

そんなある日、妹から電話があったんだ。
「すごいよ・・・」って。
ここんとこ夢にまつわる不思議なことが続いてると言う話だった。

ある夢ではピアノのある部屋で、母親と妹が2人いる場面で、母が無言でピアノを指さすんだって。
朝起きてピアノを見るとほこりがたっぷりたまっていた。
「ちゃんと掃除しなさい」ってことなんだろねと2人で笑った。

また、月命日で妹が写真の前に「ごはん」を供えて眠ったら、夢で母と妹とばあちゃん(すでに他界)が台所でご飯作ってる場面がでてきて、母が妹に「箸とって」ってぼそっと言ったんだって。
起きてすぐ「ごはん」の前に箸供えたらしい。
よっぽどだべたかったんだろうなって2人で笑った。

一番最近見た夢は母と俺と妹と3人で納戸の中を掃除している場面で、
母が俺に「白いタンスを拭いて」って言ったんだけど、
俺は「イヤ」と拒否したんで、妹が「○○じゃあ、あんたが拭いて」
と言われて白タンスを拭いたっていう夢。
翌日妹はどうしても納戸の「白いタンス」が気になったんだって。
納戸に入って「白いタンス」を下から開けてなかを調べてみたらその中から父と俺と妹、そして俺の妻にあてた遺書がでてきたんだって。
遺書があることを伝えたかったんだねって2人で泣いた。

遺書は電話越しに妹に読んでもらった。涙が止まらなかった。
そのものはまだ見てない。
郵便事情あんまりよくないからねこの国。
なくなりでもしたら大変だ。

8月は初盆で実家に帰る。
楽しみだ。
母の遺書、そして家族、盆で帰ってくる母にあえるんだから。

 

 

学校の主

 

学校にはいい幽霊がいる、ような気がする。

今日遅くまで事務で残ってた田舎の高校で、こっそりクラスに行ったんだ。
夜中の8時半、無人で静かでもう真っ暗。ちょう怖い。でも気合い入れたかったので(明日はクラスあげての勝負事だ)
応援したい一心で・・・誰も残っていない教室校舎に入っていった。その時にね。
人の気配を確かに感じたんだ。
校内は昼間お祭り騒ぎだったし夏だし、熱気が残ってるのかなあと一瞬思ったけど、確かに誰かいた。
でも姿はどこにもない。誰かの熱と気配がすごく近くに感じただけだった。
それが、まったく怖くなかったのが不思議でね。
逆にその、何かに感づいた瞬間、すごく心強さを感じた。
普通自分怖さの限界にいると逆ギレ起こすんだけど、それもなし。なんでだろう。

あれは、学校の主かもしれないなあ~・・と今おもってます。
明日はがんばるぞー

 

 

虫の知らせ

 

娘が生まれて半年位の頃なので8年前、
仕事中に、住んでいたアパートのイメージと死のイメージがいきなり頭に浮かんできて、娘に何かあったのでは?と思い自宅に電話したが、何の異常もなかった。
しかし、イメージは消えるどころかますます強くなり涙がポロポロ出てくる始末・・・

事態が判明したのは3日後。
無断欠勤を続ける下の部屋の住人を、会社の人が見に来た。
大家さんは離れているため代理で妻が立ち会ったがそこには死後3日経った住人の変わり果てた姿が・・・

下の部屋の人へ、
虫の知らせを送るんなら、多少霊感はあっても勘違い野郎な上、面識もない俺じゃなくて、ほかの人に送ってくれ~
涙を誤魔化すの大変だったんだから・・・

それと、迷わず成仏して下さい。

 

 

遺言

 

小さいころ、いろいろあって、俺はずっと、祖母に預けられて育った。
祖母も忙しい人で(一応、当時社長だったし(w)よく、本家に預けられたんだけど、そこのじいちゃんには、とにかくかわいがられた。
保育園あがる前から小学校くらいまでかな?
ある程度、いろいろ落ちついて、親と暮らすようになってずっと、疎遠になってた。
年始のご挨拶程度になってた。

小学校6年のとき、その本家のじいちゃんが突然夢に出て
「お前は、○○家の最後の一人だから、お前に、時計をやる。枕元にあるから持って行きなさい。」
っていわれて・・・

翌日、本家のじいちゃんが死んだ。
おれは、何も知らされていなくて、突然の出来事であぜんとした。
涙って意外と出ないものだって思った。
親に言われたとおり?本家のおばさんに挨拶すると
「○○君。これ、持っておいて」
といわれて、時計を渡された。
「死ぬ間際に”枕元の時計は○○にやる。”って。遺言だから受けとって」
夢の中の時計と同じだった。
じいちゃんがずっと愛用していたもの。
狂ったように泣いた。それまでの平然とした態度が嘘のように。

のちのちに聞いた話として
うちの本家はおばさんが養子を取ったんだけど、子供が出来ず、養子をもらってたらしい。
だから、俺は最後の一人・・・

霊かどうか、わからないけど、俺はあの本家のじいちゃんには愛されてると思った。

 

 

お医者さんのお話

 

危篤状態になった患者さん、既に意識はなく、家族が集まった。
しかし小康状態となり
奥さんだけ残って看病をしていたそう。

しかし、まだ容態は予断を許さない状態で医師は付ききりで様子を見ていたのですが。

すると

「今まで本当にありがとうございました。主人がお礼に腕時計を差し上げたいと申しております。失礼かと思いますがお受け取りください。」

と意識が戻らぬ患者の奥さんが突然言い出したのでいぶかしく思っているとその患者さんは突然心停止したそうです。

おおあわてで蘇生処置をしたそうですが結局亡くなってしまいました。
奥さんは落ち着いてベッドの傍らの引き出しからご主人の腕時計を取り出すと

「主人が早く差し上げてくれと申しましたので…。」

と、そのお医者さんに時計を差し出したので大変驚いたと言うことです。

 

 

母からの警告

 

お母さんから電話が来て「アンタ、バイクに乗ってる男のコと付き合ってるの?」って言って来た。
なので、「付き合ってるけど、仲イイコはいる」っていったら、
「占い師がアンタはバイクの事故に会うから気をつけれ」っていってた。と言う。
そして、そんな事はおかまいなしに私は二人乗りをたのしむ毎日。

でも、ある時、彼氏にふられ、メッタに実家になんか帰らない私が、あまりの失恋のショックで帰った。しかも2週間近く。

でお母さんは、案の定「アンタ、いつまでいる気?帰って働きなさい」とか怒ってる。(まあ、当たり前)
でも、私はその時おかあさんに、「ええ?あっちにいたら何か事故とかに巻き混まれてるかもしれないじゃん。」とか屁理屈を言いながら居座る。

で、失恋の傷もイヤされて、1人暮らしにもどる。その日、そのバイクの男のコから電話が来る

「○○ちゃんと、バイクに乗ろうと思って何回も電話したのに、どこに行ってたの?でないから、違う友達と二人乗りしたら事故ってサア、後ろのヤツ、重症なんだよね」
という。(今は元気になったと思うけど)その男のコも腕や足の骨を折ってる。
「○○(私)みたいなコが後にのってたら、かなりやばかったよ」ってまで言われる。
サアアアって感じでした。

 

 

撫でてくれた

 

今日あった事なんですけど。
私の職場は母方の本家(伯母夫婦と祖母が住んでる)のすぐ近所にあります。
今日の昼休み、なにげに本家に行って昼食を取りました(普段は職場で食べる)
で、時間もあるので、少し眠ろうと二階の和室で横になりました。
5,6分してウトウトし始めると、部屋のドアが開いた気がしました。
「…○子(私の名前)寝てるねー」と小声で誰か呟き去りました。
するとまた、誰か来ました。誰かは部屋に入り私の寝てる横に近づくと(ここまで私はウトウトしていたが、意識はおぼろげにあった)そっと、だれかが優しく私の頭をなで始めたのです。

恐怖は感じず、不思議なくらいスッと心に思い浮かんだのは撫でているのは伯母でも祖母でもない。
「あーおじいちゃんだ…」

11年も前に亡くなった祖父のように私は感じたのです。
10秒~15秒くらい私の頭を撫で繰り回され、私が徐々に意識がはっきりするとともにその感触は消えていきました。

私は元々ウトウト状態の時、奇妙な体験をする事はよくありましたが、来てる人が誰であるかが、スッと分かったのは今回が初めてでした。
起きた後、祖母や伯母に確認しましたが、もちろん二階には上がってないとの事。

小さい頃人見知りが激しく祖父の所に近づかなかった私。
外孫だったので会う機会も少なかった私。
私が中一の時、亡くなった祖父。
もう私も大人なのに相変わらず頭を撫でてくれる優しかった祖父。
見守られてるなと本当に思った。
今日は仏壇に手を合わせて帰りました。

ありがとうおじいちゃん。
あまり出来のよくない孫だけど、仕事頑張るからね。

 

 

救ってくれた

 

当時私には彼氏がいました。
クールで口数が少ないけどかっこいい同級生の彼のことが好きになって私から熱烈にアタックして付き合うことになったんです。
付き合うことになったのはいいけど、彼は私が憧れてたような愛情表現がなかったんです。
ぶっきらぼうだしいつまで経っても名字で呼び捨てだし…。
ただ、私と二人で喋ってる時はほかの人には見せないようなとても優しい目で真っ直ぐ私を見てくれてました。
それでも私は不安になってました。もしかしたら女としてではなく、自分の姉妹を見るような感覚なのかなって。
思い切って彼に気持ちを確かめようと思ってた矢先、彼は車に轢かれて突然亡くなってしまいました。
手を繋いだこともなく、彼のぬくもりを知らないまま私の目の前から突然去って行きました。

 

押しつぶされそうな悲しさをこらえながら彼のお葬式に出席しました。
お葬式が終わり、泣きはらした目で会場に背を向けた時に、彼のお母さんに呼び止められました。お母さんも泣きはらした目をしてました。
「これ…中身読んじゃったの…。ごめんね。あなた宛の手紙だったの…」
そういって封の開いた封筒を渡されました。
ふらふらと家に帰り、もらった封筒の中身から紙を取り出しました。
彼の字を見た途端、その場にへたり込んで大声で泣いてしまいました。
その手紙には

『○○へ 面と向かってでは どうしても照れくさくて言えないから手紙で勘弁して欲しい。○○のこと一番大切に思ってる。誰よりも幸せでいてほしい人だと思ってる。 □□より』

と書いてありました。
彼は私の不安な気持ちをちゃんと察してくれてたんです。
しばらくは小さい子供の頃に戻ったように泣き狂いました。

 

それから5年後…。
私は小さな会社で事務の仕事をしてました。
5年の月日が流れてやっと、好きな人ができました。婚約もしました。
幸せでした。
でも、その幸せは長く続きませんでした。
「この人となら」とまで思ってた人が二股をかけていて婚約を一方的に破棄されてしまったんです。
不幸なことは続くもので、婚約が白紙になったと同時期に両親を失いました。
バブルの崩壊で多額の借金があり、それを私に隠したまま自殺してしまいました。
私一人残して。
借金は祖父が全額払ってくれました。
「なんでこうなる前に親に一言でも相談してくれなかったんだ」と頭を抱えてました。

私は重なる不幸に押しつぶされそうになってました。
外をふらふら彷徨い彼と両親のところへ行こうと死に場所を探しました。
完全に自分を失っていて、心のコントロールが効かなくなっていました。
冷静に考えれば後追い自殺なんていけないことだとわかるのにそれも失ってました。

 

夜、生きる気力を失った私は操られるように人気のない通りの雑居ビルを見つけ、誰にも見つからないように無断で屋上に侵入しました。
ビル内にまだ仕事をしてる人がいたからなのか、鍵はかかってませんでした。
屋上に着くと手すりを乗り越えて、靴を脱ぎました。
目をつぶって体の力を抜きました。
その時、誰かが凄い力で私の腕を引っ張りました。腕が折れそうなぐらいに。
見つかってしまったと思い、小声で「離して」と引っ張られたほうを向くとそこにいたのはあの彼でした。
ぶっきらぼうだったあの彼が、あの優しい目で真っ直ぐ私を見てました。
とても暖かい、安心感のある目。あの時のままの姿・年齢。
彼は口元にかすかな笑みを浮かべて首を横に振りました。
そして、スッと消えました。
ほんの1秒にも満たない出来事だったと思います。
でも私にはスローモーションみたいにゆっくりに感じました。
暗がりが見せた見間違いだったのかもしれません。
錯乱した精神が私に幻を見せたのかもしれません。
私は我に返り、バカなことをせずに済みました。

それから7年経った現在…。
私は結婚して、小さい子供もいます。幸せです。
旦那はあの彼のことも知った上で、私を受け入れてくれました。

 

 

歯医者の前で

 

数年前、同級生が病気で亡くなりました。
亡くなる数週間前に同窓会で久々に会い「また、ごはんでも食べようね」と話したばかりの出来事。

御葬式に出て、顔を見ると、安らかな寝顔のようでした。
次の日、会社から帰宅する途中、ある歯医者さんの前を通ると、ふっと傍らに人の気配が。

なんだか、「あぁ、亡くなったあの子だ」と思い、ちっとも怖くありませんでした。

むしろ、守られているような、そんな感じ。
その日以来、数ヶ月間、その歯医者の前を通ると「あの子」が傍らにやってくる感じが続きました。
当時、私も大病をし、療養を終えたばかりだったので、「あの子」が「頑張れよ」と励ましてくれていたような気がしてなりません。

 

 

母の優しさ

 

祖母が他界した時の話し。
臨終に立ち会った私は、ベットに横たわる祖母の遺体を見てショックと悲しさでわんわん泣いていました。
あまりお見舞いにいも行かなかったし、とか、小さい頃たくさん優しくしてもらったのに、とか、色々な思いが入り交じってとにかくわんわんわんわん泣いていた私。
その場に立ち会った親戚達も一様に涙ぐんでいました。
そんな時、私の背中をポンポンと叩く手が。振り向くと、母(祖母の実娘)がにこやかに微笑みながら、天井を指差し、
「ほら、おばあちゃんが見てるわよ。なんでそんなに泣くの?って」
「ほら、おばあちゃんに向かってバイバイしなさい」
そう言いながら、天井に向かってにこやかに手を振る母。
…昔からちょっと変わっている所があったけど、母のその振る舞いに、立ち会った医師も含めて親戚一同なごんでしまった。
病室で遺体を囲みつつ、天井に向けて手を振る私ら親族一同…

後日、「あの時、本当におばあちゃん天井にいたの?」と尋ねると、
母は「そうよ。みんなが泣いているのを見て心配そうにしてたのよ」と笑顔で語ってくれました。
見送る側として、多少の後悔(もっとお見舞いに行けば良かった、とか)があったので、ちょっと癒された気持ちになりました。
嘘でもホントでも、サンクス母。

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