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本当にあった不思議な話『鈴の音が近付いてくる』など 短編5話【1】まとめ

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本当にあった不思議な話『鈴の音が近付いてくる』など 短編5話【1】まとめ 不思議な話
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不思議な話・体験談 短編5話【1】

 

 

死んだ父が4歳の長男に

お父さん、どうして勝手に逝ったの?
あんまりだよ
前日まで、ひょうひょうとしていて
仕事もバリバリしてたじゃない
何故?どうしてなの
誰も、お父さんの苦しみに
気がついてやれなかった
本当にごめんなさい

お父さんが死んでから
地獄だった
家族が皆、自分を責めてたんだ
妹も、弟も、母も
皆、追い込んだのは私だ!と
お父さんの写真も正視できなかった
あれから、時は過ぎたけど
心のどこかでは
お父さんを死なせたのは私だ……と
罪を背負い続けてる

父が死んだとき、私の長男は4歳だった
厳格な父は、孫をも寄せ付けないほどの
確固たる人だった
それが
どういう訳か、この長男だけは
可愛がってくれた
遠方に住んでいたから
父と触れあうなんて、年に数回だけなのに
我が家の七不思議のひとつだったんだ
子ども嫌いが、何故?……と

父が死んで、49日を過ぎた頃……
長男の前に、現れるようになった

長男が突然、部屋の角を指差し
『じぃちゃんが、あんパン食べたいって言ってるよ』
私は、4歳の言っているだからと相手にしなかった。でも、あんパンは父の好物だった。

数日後、また長男が
『じぃちゃんが、麻雀やりたいって』
と言ってきた。
確かに、父は麻雀が好きだったが……
また偶然なんだろうと軽く流してしまった。

そして、再び
『じぃちゃんが、じぃちゃんが!』
と長男が言ってくるので苛ついた私は、
『じぃちゃんは死んだんだよ!』
と叱り飛ばしてしまった。

長男は、それ以降、
何も言わなくなってしまった。

それから、数年後
長男は小学校に上がり、
長い休みに入ると
父が死んで、独り暮らしとなった母(祖母)の所に、泊まりがけで遊びに行くようになった。

私は、長男には、少しばかりのお金を持たせた
祖母と一緒に、おやつでも食べなさいね……と

つい最近、母に言われたことがある
『この子ね、遊びにくるとおやつとか、惣菜とか買ってきてくれるんだけどね……
何故だかさ、死んだお父さんの好物ばかりを買ってくるのよ。
教えた訳じゃないのにさ。
この間はね、芋けんぴよ!お父さんの大好きなね。
今時の中学生が食べるオヤツかい?』
と電話がかかってきた。

私の背中がビリビリっと電気が走った気がした。
お父さんは、皆の側にいると確信したのだ。
何故ならば
この長男には、発達障がいがあり記憶力障害を持っている。
つまり
例え生前、父に好物を教えられたとしても記憶として残らないのだ。
況してや、4歳の記憶力は健常児であっても、
鮮明には覚えてはいないであろう。

長男に聞くと、側にじいちゃんはいないと言う。
ばぁちゃんに何かを買ってこようとすると
何故か、その手にその商品を持ってしまうということだった。

私の父は、長男を通して家族の側で見守ってくれていると
そう思ったとき
自死を遂げた父を受け入れ、父は幸せでいることを感じ……
私たち家族が背負った十字架がシャボン玉のように
壊れて消えた瞬間だった。

年老いた母は、
長男がくると楽しみにしている。

今日は、何を買ってきてくれるのだろうと。

 

 

母に聞こえた幼児の声

我が家の仏壇には、他より一回り小さな位牌があった。
両親に聞いた話では、生まれる前に流産してしまった俺の兄のものだという。
両親はその子に名前(A)を付け、ことあるごとに
「Aちゃんの分も○○(俺)は頑張らないと」
などとその兄のことを持ち出してきて、それがウザかった。
そして高校生のころ、典型的なDQNになった俺は、あまり学校にも行かず遊び歩いていた。
ある日、母親の財布から金を盗んでいるところを見つかった。

母親は泣きながら
「あんたこんなことしてAちゃんに顔向けできんの!!」
と怒鳴ったが、俺も鬱憤がたまっていて
「うるせー!だったらてめえAじゃなくて俺を流産すればよかっただろうが!」
と怒鳴り返してしまった。
そして売り言葉に買い言葉だったのか、母親が
「そうだね!Aじゃなくてアンタが死んどったらよかった!」
と叫んだときだった。
「そんなことゆったら、めーー!!」
という叫び声が頭の中に響いた。
舌っ足らずでカン高いその声は、ほんの幼児のものに聞こえた。
母親にも聞こえたようで、2人で

「え?え?」
と周囲を見渡すと、拝む時以外はいつも閉めている仏壇の扉がいつの間にか開いていた。
それを見た瞬間、母親号泣。
おかしくなったのかと思うくらい、腹から声上げて泣いてた。
喧嘩してたのも忘れて慌ててなだめると、

「許してくれた…」
「許してくれてたんだ」
って何回もつぶやいてる。
そして母親はぽつりぽつりと話し始めた。

Aは流産したんじゃなかった。
俺と一緒に生きて産まれてきた。
Aと俺はいわゆる『結合双生児』だった。
でもAの方は俺に比べて未発達で、体もずっと小さかった。
俺の胸の部分に、手のひらくらいの大きさのAがくっついてるような状態だったらしい。
手術で切り離せばAは確実に死ぬ。
でも両親は俺のために分離手術に同意した。
未発達とはいえAは顔立ちもはっきりしていて、手術前、

「ごめんね」と謝る母親の顔をじっと見ていたそうだ。

それから、母親はずっと
「Aは自分を切り捨てた私たちを恨んでいるのでは」
という思いがぬぐえなかったのだという。
だから俺にも必要以上にAのことを話して聞かせていたのだろう。
Aの犠牲の上にある命なのだということを忘れないために。

あの時聞こえた声がAのものである確証は何もない。
俺と同い年なら、子供の声っていうのもおかしいし。
でも、あの声は俺たちを恨んだり憎んだりしてる声じゃなかった。
家族が喧嘩してるのが悲しくて、幼いながらも必死で止めようとしてる、そんな感じだった。
もしあの声がAなら、Aはきっと家族を許してくれていて、ずっと見守ってくれているのだろう。
だから母親も俺も、あの声がAだと信じたかった。

俺は声が聞こえた日からまじめに学校に通い始めた。
兄貴に一喝(?)されて、もう馬鹿やってる場合じゃねーなって気持ちになったから。
そんで勉強もかなり頑張って、現役で大学に合格できた。
合格発表の日、朝からゲロ吐きそうなくらい緊張して、掲示板見た瞬間にあまりの嬉しさに
「うがああああ」
って変な声上げちゃったんだけど、その時、俺の奇声にかぶせて、あのカン高い声が

「やったあー!」って聞こえてきたんだよね。

俺、本気で泣いた。
またいつか、声を聞かせてくれると信じてる。

 

落とし物を拾った友人

以前、友人Aと歩いていたときに、Aが財布を拾った。
中身は5千円ほどだったけど、カードなども入っていた。
財布を拾った場所の近くに交番などが無かったので、私はAに、
「近くの店とかに預ければいいじゃん」と言ったのだが、
Aは「交番に届けた方が確実」と言った。
Aの言い分が正しいと私も分かってはいたので、しぶしぶそれにつきあった。
交番に行きがてら、友人は小さい頃の話をしてきた。

Aの家は、割と貧乏だった。
そして、親戚づきあいもあまりなく、お年玉をもらったことがなかった。
毎年、冬休みがあけて周りの友人が
「いくらお年玉をもらった」という話でもりあがっているのを、
彼女は悔しい思いで聞いていたらしい。
しかし、小学校5年になって、Aは初めてお年玉をもらった。
「Aちゃんももう高学年だもんね」
母親はそう言って、お年玉をくれた。中身は千円。
周りの友達に比べて額は少なかったが、
実はAがあこがれていたのはお年玉をいれるポチ袋。
年末に文房具屋さんなどに行くとかわいいものがけっこう売ってて、
スヌーピーやキティちゃんなどのキャラクターのポチ袋が欲しかったらしい。
で、母親が入れてくれたのは、
Aがその当時大好きだったケロケロケロッピのポチ袋だった。
Aはうれしくて、財布代わりの小さい巾着に、
千円とポチ袋を入れてランドセルにひっかけた。
お金を使うことなく、ずっとお守り代わりのようにそれを持ち歩いていたそうだ。
しかし、ある日その巾着をなくしてしまった。

巾着自体、小学校の友達が北海道土産にくれたもの。
巾着、千円、ポチ袋と、Aの当時の宝物三点セットをいっぺんになくしてしまい、 そりゃあもうパニクったそう。
とにかく、自分が歩いた道をくまなく探し歩いた。しかし、みつからない。
気がつくと、遅い時間になっていた。
そういうとき、タイミング悪く雨とか降ってくる。
巾着は布製で、もし見つかったとしても、
三点セットはぐちゃぐちゃになってしまっているだろう。
Aは泣きながら家に帰った。

家に帰る道すがら、交番の前を通った。
傘も差さずに遅い時間、とぼとぼ歩いている小学生に、
交番のお巡りさんが気づいて声をかけてきた。
「どうしたの?」
腰をかがめて聞いてくるお巡りさんに、Aは感極まって号泣した。
お巡りさんは交番に彼女を入れて座らせ、
タオルを貸してくれ、お茶をごちそうになった。
泣きやんだAにもう一度理由を聞いてくるお巡りさん。
彼女は切れ切れに、宝物であるきんちゃくをなくしてしまったことを告げた。
お巡りさんはそれを聞くと、どんな巾着かと聞いてきた。
どうしてそこまで聞いてくるのかと思いつつ、
彼女は「キタキツネの巾着」と答えた。
そしたら、お巡りさんは満面の笑みをAにむけた。
そして彼は、「ジャッジャジャーン」と口でファンファーレを言いながら、
机の上の箱からAの巾着を出してくれたそうだ。
Aが驚いていると、近所のおばあさんが散歩中、
道に落ちていた巾着を拾って届けてくれたらしい。
おばあさん曰く、「小さい子供にとっては、これが宝物かもしれないから」
まさにその通りだった。Aは目の前にある巾着が信じられなくて、
また号泣してしまったらしい。

「それ以来、落とし物は交番に届けることにしてる」
Aはそう言った。

次の日、母親と一緒に拾ってくれたおばあさんにお礼を言いに行ったそうだ。
おばあさんはお礼を言いに来たAをしきりに褒めてくれて、
孫にお年玉にあげる際に買って余ったからと、
キティちゃんのポチ袋をAにくれた。

交番に着いて財布をお巡りさんに渡した後に入ったスタバで、
Aはその時のケロッピとキティちゃんのポチ袋を、財布から大事そうに出して見せてくれた。
彼女はにこにこしながら、「今の彼氏、そのばあちゃんの孫」と言った。
なんか、繋がってるんだね。人って。

 

 

亡くなった友達からのメール

僕の友達が事故で亡くなったんです。
本当に突然のことで、何が何だかわかんなくて涙なんか出ませんでした。
葬式にはクラスのみんなや友達がたくさん来てました。
友達は遺影の中で笑ってました。
いつも僕に見せていてくれた笑顔です。
それを見てたら自然と涙が頬を伝っていました。
それが口まで流れてきて、しょっぱいなって思って、それで自分が涙を流しているんだと気付いたんです。僕はいたたまれなくなって葬式の会場を飛び出していました。

次の日、僕はパソコンのメールをチェックしました。
そこにはあの亡くなった友達からのメールが届いていました。
日付を確認すると事故の日でした。
僕は何だかドキドキして、メールを開きました。
すると
「あさってに、いつも学校帰りで通る公園で待ってるから。午後5時にね。遅れるなよ」
と書いてありました。
何でわざわざメールで?と思いましたが、何か不思議な力が働いたような気分でした。
実はその日は僕の誕生日で、親と出かけることになっていたのです。
車に乗って高速道路を使い、隣の県に住むおじいちゃんの家に行くことになっていたのです。
僕はおじいちゃんに電話をし、今日は行けないと伝え、親にも今日は用事があると言いました。そしておじいちゃんの家に行くのは中止になったのです。

僕は友達からのメールの通り午後5時に公園に行きました。
もちろん誰も来ません。
午後5時に鳴る、公園のそばにある時計台の鐘を聞き、僕は友達との思い出を振り返って家に帰りました。
そして家に帰ると親が血相を変えて僕に話し始めました。

「さっきニュースでやってたんだけど今日通る予定だった高速道路で玉突き事故があったんだって。予定通りに行ってたら私たちも事故に遭ってたわね」
僕が生まれた日に、僕が死ぬのを友達が救ってくれたんだ、そう思えてきてあのメールは今でもパソコンに保存してあります。

 

 

鈴の音が近付いてくる

小学生の頃大好きだったばーちゃんが死んだ。
不思議と涙は出なかったのだけど、ばーちゃんが居ない部屋は何故か妙に広く感じて、静かだった。

火葬が済んだ後、俺は変な気配を感じるようになった。
テレビを見てるとき、トイレに行く途中の廊下、誰かが俺を見ているようだった。
なんとなく「ばーちゃんだな」と思ったけれど、そのときは別に気に止めなかった。

次の日、眠りにつこうと布団に入りウトウトしていると、突然金縛りにあった。
金縛りは初めてだったので、かなりビックリしていると、
ドアの方から鈴の音が聞こえてきて、だんだんこっちの方に音か近付いてくる。
目を開けるのが怖かったので頑なに目を閉じていたけれど、目の奥にばーちゃんの姿が見えた。
馬鹿な俺はそのときパニック状態になり、
何故可愛がってくれた俺をこんな怖い目に遭わせるんだ、と心の中でばーちゃんをけなし続けた。
すると目の奥のばーちゃんは少し悲しそうな顔をして、鈴の音が小さくなると共に消えていった。
金縛りが解けた後は、怖かったので布団に潜り眠った。

次の日の朝、なんとなくばーちゃんの部屋に入り、一緒に折った折り紙の鶴などを眺めていた。
昨日の出来事を思い出したりして、ばーちゃんは何がしたかったのだろう等考えていたら、
とっさにある事を思い出した。

あの鈴の音。
ばーちゃんの財布に付いていた、猫と鈴の付いたヒモ。
俺はとっさにタンスを開けて、ばーちゃんの財布を取り出した。

財布の中には、少しのお金と封筒。
その封筒を開けてみると、便せんに癖のある字でこう書かれていた。

『甘いものばかり食べていると虫歯になるから控えなさいね。
テレビゲームのやりすぎもほどほどに。
おばあちゃんいつもお前の事を心配して見守っているからね。
少しだけどこのお金で何か買いなさい。』

昔の千円札が一枚入っていた。
あのときばーちゃんは、これを渡したくて俺の部屋に来たのだろうか。
そんな事も知らずにばーちゃんを貶した自分。
あのときの悲しそうな顔をしたばーちゃん。

俺はばーちゃんが死んでからはじめて泣いた。

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