日本神話に登場する伝説の武器・防具・道具 89選|神々が残した“力と祈り”の神器一覧

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日本神話の武器・防具 一覧 神・仏
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一期一振(いちごひとふり)

粟田口吉光が太刀として打った唯一の作。 その静かな刃文は清流のごとく、抜けば覚悟を宿す。 “生涯に一度の命を懸けた刃”として尊ばれる。

三明の剣(さんみょうのつるぎ)

天女・鈴鹿御前が佩びた三振の霊剣。 顕明連大通連小通連を総称し、天地・陰陽・光闇を司る。 月光を宿した刃は、星々のように世界の均衡を保ったという。

日月護身剣(にちげつごしんのけん)

日と月を象徴する二振りの秘剣。天皇家に伝わり、安倍晴明が再鋳に関与したとされる。 日輪と月輪の気を宿し、“陰陽調和の剣”として国を鎮めた。

三公闘戦剣(さんこうとうせんのけん)

天・地・人を統べる三振の秘剣。 朝廷に伝わり、安倍晴明が再鍛成したとされる。 正義・智恵・勇気を象徴し、封じられたまま“言霊の剣”として祀られる。

七支刀(しちしとう)

石上神宮に伝わる古代の鉄剣。 六つの枝刃を持ち、中央の刃と合わせて七支となる。 百済王が倭王に献じたと『日本書紀』にあり、“信義と盟約の象徴”とされる。

坂家宝剣(ばんけのほうけん)

坂上田村麻呂の家に伝わる天皇家の秘宝。 国家鎮護と王権継承を象徴し、“武と徳を継ぐ剣”として崇敬された。

壺切御剣(つぼきりのみつるぎ)

皇太子継承の証とされる霊剣。 古代の壺をも断った切れ味から名づけられ、“過去を断ち新時代を開く剣”と伝えられる。

比比羅木之八尋矛(ひひらぎのやひろほこ)

景行天皇が倭建命に授けた神槍。 “八尋”の長さを持ち、天と地を貫く矛として荒ぶる神々を鎮めた。 征服ではなく、“調和と鎮魂の武”を象徴する。

御手杵(おてぎね)

「天下三槍」の一。五条義助作の大身槍で全長約3.8メートル。 その威容は“神柱”のごとく、戦場で敵陣を貫いた。 名に「御手」を冠するのは、祈りと鎮魂を象徴するためである。

日本号(にほんごう)

「天下三槍」の一。室町末期作で、豊臣秀吉から黒田家に伝わる。 “呑み取りの槍”の名は黒田節の逸話による。 酒と武勇を象徴し、“陽の霊を宿す槍”として名高い。

 

防具 ― 立ち向かう者を守り抜く力

鎧、楯、兜──それらは肉体を守るだけでなく、
仲間や故郷を守るという誓いを形にした“防御の象徴”だった。
楯無、金甲、源氏八領などの名鎧は、勇気と忠義の証として今に伝わる。
防具とはすなわち、“恐れを超えて立つ者の象徴”である。

 

隼人楯(はやとのたて)

『延喜式』に記される、隼人族が平城京守護のために携えた木盾。 表面には魔除けの文様が描かれ、“悪霊を退ける聖なる防具”とされた。

稜威高鞆(いづのたかとも)

天孫降臨の際、アメノオシヒが帯びたとされる弓具。 天照大神もまた、戦装束として稜威之高鞆を身につけた。 “神威を宿す護符の腕具”として伝わる。

金甲(きんこう)

坂上田村麻呂が竜王に祈願し、加護を得て戦勝した後に奉納した黄金の鎧。 神の山「金甲山」にちなみ、“勝運と守護の象徴”とされる。

避来矢(ひらいし)

藤原秀郷が百足退治の功により、龍宮の王から授かった大鎧。 これを着れば矢を避けると伝わり、“神授の不死身の鎧”として語られる。

源氏八領(げんじはちりょう)

清和源氏に伝わる八種の名鎧。 「源太が産衣」「八龍」「楯無」「薄金」「膝丸」「沢瀉」「月数」「日数」の八領で構成される。 武家の象徴として代々受け継がれ、“源氏の威信と武運”を示す神器のごとき存在とされた。

天女の羽衣(てんにょのはごろも)

天界の乙女が身にまとう羽衣。鳥の羽で織られ、纏えば空を舞うとされる。 “天と地を繋ぐ衣”として多くの伝説に登場し、浄化と再生の象徴ともなる。

火鼠の衣(ひねずみのころも)

『竹取物語』に登場する、火中に入れても燃えないという幻の衣。 “真実を試す試練の宝”として描かれ、人の欲と誠の対比を象徴している。

隠れ蓑笠(かくれみのがさ)

姿を隠すことができるという伝説の蓑と笠。 古来より“神の加護と変化の力”を象徴し、天狗や仙人の持ち物として語られる。

領巾(ひれ)

古代の女性が身につけた装身具。現代のスカーフに似ており、 振ることで災厄を祓い、清めをもたらすとされた。 “優雅と神秘を兼ね備えた護りの布”として信仰された。

 

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