【時空の歪み】『繰り返し』など短編10話【2】 – 時空にまつわる不思議な体験

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【時空の歪み】『繰り返し』など短編10話 - 時空にまつわる不思議な体験 不思議な話
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時空にまつわる不思議な体験 短編10話

 

 

落ちた先

 

時空の歪みといっていいのかわからないが、このスレ読んでて思い出したので。

俺の実家は山に囲まれた田舎にあって、学校から家に帰る途中に
道の両側がずっと田んぼになっているところがあった。
友人が道の端の少し高くなったところを歩いていて
「落ちるなよ」と声をかけたとき、突風が吹いて友人がバランスを崩した。
あっと思ったときには奴の姿はなく、田んぼに落ちたかと思って覗きこんだが、
そこにも奴の姿はない。消えた?と呆然としていると後ろの方から「引っ張ってくれよ」
と奴の声がして、振り返ると10メートル程離れた田んぼに座り込む友人がいた。

友人が後ろに飛ばされたんだか、俺が前に飛ばされたんだか、
ずっと同じ風景が続く場所だから判断がつかない変な出来事だった。

 

実家

 

昔嫌な体験をしましたので、それについて書かせていただきます。

8年程前のGW、当時僕は大学を卒業したばかりのサラリーマンで東京で
一人暮らししていました。
社会人になってはじめてのGWということで栃木にある実家に帰ることにしました。
実家までは車で帰りましたが、途中で渋滞にあってしまい、疲れてきたので
途中でサービスエリアにより休むことにしました。
そんなこともあり、結局実家に着いたは夜の10時過ぎになってしまいました。
家に着くととても嫌な感じの重い空気が流れているのを感じました。
僕は霊とかそういうものは信じてないし、霊感なんて無関係という人間ですが、
その異常な邪悪な空気を感じることができました。
しかし、その時はあまり気にせず家の中に入りました。
家では両親がまだ起きてて出迎えてくれました。
そして両親と会社の事などとりとめの無い話をしてました。
両親から「ここにずっと居なさい。」みたいなことを言われ、その時は自分がとても
心配されているんだなと思いうれしく思いました。
しかし、僕はこの禍々しい空気が気になっていたのと、夜も遅く疲れていたこともあり、
自室で休むことにしました。

 

僕は寝ようとは思いましたが、少しも寝付けませんでした。
僕は何かがおかしいと布団のなかで考えていました。何か変だ。
すでに夜1時近くになっていました。居間には電気が消えていて両親はすでに
寝ているようでした。
僕は喉が乾いてきたので、台所へ行き何か飲み物はないか冷蔵庫をあけました。
すると酷い臭いがしました。何だと思い電気を点け調べようとしましたが何故か
電気が点きませんでした。しょうがないので携帯電話の明かりで調べると、どうやら
冷蔵庫の中のものが腐っているようでした。賞味期限をみてみると全ての食品が
5年近く前になっていました。僕は嫌な予感がしましたが、両親に聞いてみようと、
両親の部屋に行きましたが、誰も居ないどころか、布団さえ敷いていませんでした。
それどころか、部屋は酷く埃っぽく、長年誰も使っていないような感じでした。
僕は本能的にやばい、この家を出なくてはと感じ、荷物をまとめると、すぐに車に
乗り込みました。そしていざ車を出そうとバックミラーを見ると両親が立っていました。
僕は急いで車を出しました。おそらく彼らは両親ではなかったのではないかとおもいます。
そしてあの家もあるいは・・・。
気がつくと帰るときに寄ったサービスエリアまで着ていました。僕はそこで休むことにしました。

 

目が覚めると昼過ぎになっていました。このまま東京に帰ろうとしましたが、念のため
実家に電話をかけてみました。すると母が出ました。昨夜のことを聞いてみたところ
僕は家には帰ってきてないということでした。夢でも見ていたのかなと、恐る恐る家に
帰ったところあの異常な雰囲気は全くせず、やはり家の中も特別に異常なところはなく
僕の住んでいた実家そのものでした。両親といろいろ話をして、その日の内に東京に帰り
ました。
家に帰る途中に実家から携帯に電話がかかってきました。母からのようでしたが、何か
様子がおかしく、あの嫌な邪悪な空気を感じました。「・・・戻ってきなさい・・・」と言われ
ました。僕は無意識的にすぐに電話をきり、携帯の電源を切っていました。
とにかく怖かった。今でもあの一件が夢だったのか現実だったのか分かりません。
あれ以来あまり実家には帰らなくなりました。

繰り返し

 

8年前の話なんだけど
当時、付き合っていた人が突然事故で亡くなって
友達が心配してうちに泊まりに来てくれたのね。
で私はベットで寝てて友達はその隣に布団ひいて
寝てたんだけど、朝起きてトイレ行こうとして
下にいる友達を踏まないようにと、またいで部屋の
ドアを開けたところでハッと気づいたら私はまだベットで寝てたの。
あれっ?と思ったんだけどまたトイレに行こうとしてドアを
開けたところで気づくとベットで寝てる。で今度こそともう一回同じ行動
をしたらまたベットの上で気がついた。それが最後だったんだけど
「夢?」と思って友達みたら踏まないようにと気をつけた時に見たのと
同じ寝相してたんだけど・・・。これって夢だったのかな?

 

不幸の手紙

 

小6の時、「不幸の手紙」が流行っていたことがあって、
私と、幼馴染のふたりで、父親のワープロを拝借し、
商談半分で、作ってみた。

もちろん、誰に出すあても無かったので、
完成した手紙はそのままゴミ箱へ・・・
しかし、
翌朝、学校で先生に呼ばれた。

なんと、
昨日ふざけて作った「不幸の手紙が」
私の住所、氏名が書かれた、写真現像屋の伝票
と共に、体育館のど真ん中に落ちていたという!!
もちろん私は持ち出していないし、
家から、学校までは、徒歩30分の距離なので、
何かの拍子に・・とは
考えにくい。

時空のゆがみとは関係ないかもしれないが、
不思議な話です。

 

犬も警戒するトンネル

 

3年くらい前の話。父親と、車で犬の狂犬病の予防接種に連れて行った。
予防接種を無事に終えた後、せっかくいい天気だし遠くまで来たので、
通り道の大きな公園で犬を遊ばせることになった。
父親は公園のベンチで煙草吸ってて俺は犬と公園内をあちこち探索してた。
犬は引き綱を引っ張って、俺は特に目的地とか無かったので、犬が行きたい場所にふらふらついていった。
そしたら人気の全然無い、山を登るための螺旋状の道みたいな場所に出た。
犬はひたすらそこを登りたがるし、俺も面白そうだと思って一緒に登っていった。
かなり高い場所まで登ったところで、道は真っ暗で異様な雰囲気のトンネルみたいな場所に続いていた。
犬がそのトンネルの前で急に立ち止まり、すごく警戒してる様子になったが、俺は好奇心でそのトンネルに入りたいと思い、
今度は逆に犬を引っ張って無理矢理トンネルに入ろうとしたが、犬はすごい力で猛烈な勢いで引き返そうと引っ張ってくる。
なので、犬が大好きなジャーキーをトンネルの中に投げ込んでそれを取りに行かせようとしてみたが、そのときに限って
犬はジャーキーに全く見向きもせず絶対中に入ろうとしない。
仕方ないので犬をその辺の適当な木に一時的につないでおいて俺一人で探索するかな、と思って引き綱を少し離した隙に 犬がものすごい勢いで脱走、一目散に山を降りていってしまった。
犬を放置していくわけにはいかず俺もしぶしぶ犬を追いかけて降りた。

ふもとまで下って平地に出たところで、神社の神主?のような着物を着たのおじいさんがいて、うちの犬に何か言い聞かせているのを発見。
犬は先ほどまで暴れていた様子とはうって変わって、きちんとおすわりしてそのおじいさんの顔をじっと見つめている。
そのおじいさんに、
「すみませんうちの犬が急に暴れて逃げ出してしまって、何か迷惑なことしませんでしたか?」
と謝ったら、
おじいさんは、
「いえいえ、お構いなく。この犬はとても賢そうですね。」
みたいなことを言ってどこかに歩いて行ってしまった。
俺は多分、この近くに神社でもあるんだろうと思ってそのときは何も思わなかった。その後人が多い広場に引き返して、その日は父親と普通に帰った。
あのときのトンネルは妙に心魅かれるものがあり、絶対中に入ってみたかったので数日後ひとりでその公園に行った。
犬に誘導されて行ったはずの道を思い出してあの山に行こうとしたが、いくら探してもそういう場所はなく、ひたすら平地。
仕方ないのでまた戻って、公園にある自転車レンタル場のスタッフのおじさんに、この公園の近くに小高い山みたいな場所は ないか聞いたがそんな場所は無いと言う。
ついでに神社か寺はないか聞いてみたが、少なくとも普通に歩いて行けるような 距離には無いと言われた。
その後も何度か犬を連れて公園に行ったが、あれ以来二度とあのトンネルを見つけることは できなかった。
今でも気になってしょうがない。

 

時間低速

 

あんまり不思議じゃないかもだけど。時間が低速化した話。

体調を崩して点滴を受けに行った時、
看護師さんは点滴を秒単位で落とす設定をしたはずなのに
何故か落ちない。
それもカーテンを閉めきって私一人きりの状態の時だけ。
たまにカーテンを開けて様子を見にくると点滴が落ちる。
それかカーテンが揺れている時は落ちる。
どうやら看護師さん達がバタバタ移動してその風圧で揺れていたようだが。
だもので、
点滴が落ちなかった時間があった分
長くかかったろうと思い、
後で「何時間かかりましたか?」と聞いたら
(実感では3時間くらい。)
「一時間半」とのこと。
点滴の量(500ml?)&落とす速度から考えて
ずっと点滴が落ち続けてなくては一時間半で終らないはず。
因みに点滴始めて暫くはカーテンが揺れていなかったため
ほとんど点滴は落ちなかった。
後半はずっとカーテンが揺れていた為にきちんと落ちた。
(秒刻より早い感じはした)

そのせいで時間枠破る変な理論考えちゃったけど
かなり無意味orz

 

 

6年位前の話・・
俺は電車に乗って帰宅するところだった。
気がつくと下車駅の一つ手前の駅まで来てたから、もうすぐ着くと思ってた。
でも、いざ下車駅で降りてみたら、そこは1つ先の駅だった。
ボケっとしてたのかと思って何度も思い返したんだけど、
アナウンスされた駅名は、下車駅のひとつ手前のものだったし、その時見えた風景も下車駅のものじゃなかった。
その線は通学で毎日使ってたから間違えようが無い。
でも、肝心の下車駅のところは何一つ覚えてない。
ちょうどアナウンス→停車→発車の部分がすっぽりと抜け落ちてる。

もちろん寝てたわけじゃないし、眠気すらなかった。
かといってほかの乗客や運転士(俺がいたのは先頭車両)に変化があったわけでもない。

結局逆の電車に乗って帰ったけど
今でも何が起こったのかワケワカメ。

 

>>
まったく同じ経験あり。
10年以上前、大阪JR環状線で。
降りた駅が1つ先になってた。本当に訳が解らなかった。

あまりにも似た体験だったので、読んだときゾッとした。

 

>>
時空の歪み、かどうか分からないんだけどいいかな
高校の時さ、通学に秋葉原乗換えで山手線使ってたのね
で、いつも通り総武線ホームから階段下りてすぐの乗車口で電車乗ったわけ
その日は神田で人降りたんで座れてさ、ちょっとは休めるなーっと気抜けちゃったみたいで
東京駅着く前に寝ちゃったんだ
気付いたらアナウンスが鳴ってんだよね「次は秋葉原~ 次は秋葉原~」って
やっべ1週熟睡かよ、くっそ遅刻かって呆れてさ、時計見たんだ
そしたらさ、普段秋葉原で電車待ってる時間なんだよね
え、なにこれ?って思ってたら本当に秋葉原に着いてやんの
血の気が引いたよ

今でもあれ一体何だったんだろうってたまに思う

危うく正夢

 

俺もそういうタイムトラベル的な夢をつい最近見たんだ。
大体一月の中旬だったかな?

大学卒業を控え、あとは卒業研究の単位のみで卒業ができる。
という状態(の予定だった)なので、研究も最低限のことをやって
適当に卒業をしようと思っていた時期だった。
そんなとき、ふとこんな夢を見た…
その日は三月に行う大学の成績発表の日
俺は卒業がほぼ確定したと思って大学に成績表を受け取りに行ったんだ。
だけどその成績表に書いてある判定には…
「卒業」ではなく「留年」と書いてあった

何故!?どうしてなんだ!!?
そのとき俺は泣いていた、ここで卒業が出来なくて留年した場合
家の都合上で俺がここでギリギリ卒業しなければやめなくてはいけない。
悔しくて悔しくて涙が出た。

ここで夢は終わる

 

起きたらもちろん一月中旬の当日の日付なわけで。 その日は一日中胸騒ぎがして研究も出来なかった。
あまりにも嫌な予感がしたんで、成績確認をしに行ったんだ
そうしたら…

ビンゴ、夢の通りだった

夢だと卒業研究の単位は取得できてるのに、
後1単位足りなくて留年するという状態だったんだけど

その成績表に綴られている卒業必要単位数は
卒業研究の単位+後1単位
つまりこのままテスト勉強もせず、卒業研究のみの活動をしていた場合だと
夢と同じ「後1単位足りなくて留年」してしまうことになる。

目の前が真っ暗になったが、今できることを冷静に判断して
5日後に行われる講義のテスト勉強をその日からはじめた。
出席もまばらだったので、取得率はほぼ0%に近い。
だけどこの講義以外の他の講義は、出席もしていなかったので取得率は完全0%
つまりこの講義のテストに全てをかけなければ留年確定。
だがやらなきゃいけないと思って、急いで勉強を始めたおかげで
なんとか講義の単位を無事取得して見事卒業。

今思うとあれは夢じゃなくて、あの成績発表の日から時を戻したのかもしれない
かろうじて未来(留年確定の三月)の記憶の引継ぎに成功して
自分を救うことが出来たんだろうか…?

最近体験した不思議な出来事でした

 

異界への扉

 

建築法だか何だかで5階(6階かも)以上の建物にはエレベーターを設置しないといかんらしい。
だから俺が前住んでいた高速沿いのマンションにも、当然ながらエレベーターが一つあった。
六階に住んでいた俺が階段を使うことは全くといっていいほどなかった。まあ、多分誰もがそうだろう。
来る日も来る日もエレベーターのお世話になった。階段は下りるならともかく昇るのはなかなかにツライ。
だが、ツライのは分かっていても、今の俺は専ら階段しか使わない。
大学の講義がない平日の昼頃、俺はコンビニでメシを買ってこようと部屋を出た。
1階に下りるのには当然エレベーターを使う。エレベーターは最上階の8階に止まっていて、
今まさに誰かが乗るか降りるかしているところのようだった。
俺は階下のボタンを押し、エレベーターが下りてくるのを待った。
開いたエレベーターのドアの向こうには中年のおばさんが一人いた。ちょくちょく見かける人だったから、
多分8階の住人だったんだろう。軽く会釈してエレベーターに乗り込む。1階のボタンは既に押されている。

4階で一度エレベーターが止まり、運送屋の兄ちゃんが乗ってきた。3人とも仲良く目的の階は1階だ。
だが。

 

エレベーターは唐突に3階と2階の間で止まってしまう。一瞬軽いGが体を押さえつけてきた。
俺を含めた室内の3人は3人とも顔を見合わせた。

何だ。故障だろうか。停電、ではないようだ。エレベーター内の明かりには異常がない。
「一体どうなってんでしょう」

運送屋の疑問は俺の疑問でもあった。

多分数字にしてみれば大した時間じゃなかった筈だ。
沈黙は3分にも満たないくらいだったろう。それでも漠然とした不安と焦りを掻き立てるには十分な時間だった。
何となくみんなそわそわし始めた頃、エレベーターが急に稼動を再開した。
おばさんが短くわっと声を上げる。俺も突然なんでちょっと驚いた。

しかし、だ。

押しているのは1階のボタンだけだというのに、どういうわけか下には向かわない。エレベーターは上に進行していた。
すぅっと4階を抜け、5階、6階……

7階で止まり、がらッとドアが開いた。俺は訝しげに開いたドアを見る。全く、何なんだ。一体なんだっていうんだこれは。

 

「なんか不安定みたいだから」

おばさんがエレベーターを降りながら言った。

「なんか不安定みたいだから、階段で降りる方がいいと思いますよ。また何が起こるか分からないし」
「そりゃそうですね」

と、運送屋もエレベーターを降りた。当然だ。全く持っておばさんの言うとおりだ。
今は運良く外へ出られる状態だが、次は缶詰にされるかもしれない。下手をすれば動作不良が原因で怪我をする可能性もある。
そんなのはごめんだ。
俺もこの信用できないエレベーターを使う気などはなく、二人と一緒に降りようと思っていた。

いや、待て。何かがおかしい気がする。

エレベーターの向こうに見える風景は、確かにマンションの七階のそれである。だが……
やけに暗い。電気が一つも点いていない。明かりがないのだ。通路の奥が視認できるかできないかというくらい暗い。
やはり停電か?そう思って振り返ってみると、エレベーターの中だけは場違いなように明かりが灯っている。

そうだ。動作に異常があるとはいえ、エレベーターは一応は稼動している。停電なわけはない。どうも、何か変だ。

違和感を抱きつつ、俺はふと七階から覗ける外の光景に目をやってみた。

なんだこれは。

 

空が赤い。朝焼けか、夕焼けか?だが今はそんな時刻ではない。太陽も雲も何もない空だった。
なんだかぞくりとするくらい鮮烈な赤。

今度は視線を地に下ろしてみる。真っ暗、いや、真っ黒だった。高速やビルの輪郭を示すシルエット。
それだけしか見えない。マンションと同じく一切明かりがない。
しかも。

普段は嫌というほど耳にする高速を通る車の走行音が全くしない。無音だ。何も聞こえない。
それに動くものが見当たらない。上手くいえないが、「生きている」匂いが眼前の風景から全くしなかった。
ただ空だけがやけに赤い。赤と黒の世界。
今一度振り返る。そんな中、やはりエレベーターだけは相変わらず明るく灯っていた。

わずかな時間考え込んでいたら、エレベーターのドアが閉まりそうになった。

待て。どうする。降りるべきか。それとも、留まるべきか。
今度は特に不審な動作もなく、エレベーターは大人しく1階まで直行した。

開いたドアの向こうは、いつもの1階だった。人が歩き、車が走る。生活の音。外は昼間。見慣れた日常。

安堵した。もう大丈夫だ。俺は直感的にそう思ってエレベーターを降りた。

 

気持ちを落ち着けた後、あの二人のことが気になった。俺は階段の前で二人が降りてくるのを待った。
しかし、待てども待てども誰も降りてこない。

15分ほど経っても誰も降りてこなかった。階段を下りる程度でここまで時間が掛かるのはおかしい。
俺はめちゃくちゃに怖くなった。外へ出た。何となくその場にいたくなかった。

その日以来、俺はエレベーターに乗りたくても乗れない体質になった。
今は別のマンションに引越し、昇降には何処に行っても階段を使っている。
階段なら「地続き」だからあっちの世界に行ってしまう心配はない。

だが、エレベーターは違う。あれは異界への扉なんだ。少なくとも俺はそう思っている。

もうエレベーターなんかには絶対に乗りたくない。

 

空白の三日間

 

俺の出身は宇都宮で、高校卒業して3年制の専門学校行くために上京した。
夏休みのある日、赤羽駅の近くの居酒屋で深夜まで飲んで、タクシー捕まえて家の近くの大きな公園まで乗せてもらった。
車内で運転手さんと話していたが、いつの間にか寝てしまい。起きて気が付いたらまだ車内。
車が停車してるんで、おかしいなと思ったら運転手も寝てる。慌てて起こして話しを聞いたら、いつの間にか寝ていたらしい。
しかも、現在地がわからないと言い出した。あたりは真っ暗だったので数十分寝ていただけかと思い、俺は時計を見たが止まってる。
料金メーターは表示されていない。無線も使えない。人気のない町の路肩だった。
あわててあちこち走り回って公衆電話を見つけて運転手が会社に電話したら、「何でお前が(タクシーに)乗ってるの?」と言われた。

コンビニを見つけて店員にここはどこかと聞くと栃木県の小山市だと言われた。
しかも日付は3日前。怖くなった俺は公衆電話から家に電話をかけると知らない女性の声がして、すぐに切れた。
運転手はとにかく会社に戻ると言い張り、高速に乗って赤羽まで戻ることになった。
赤羽駅の近くのタクシー会社に到着して、今まであったことを話したが、当然の如く信じてもらえない。
3時間ほど前に運転手が電話を掛けた事を話しても、電話は無かったそうだ。
疲れてるから2人ともソファで休めと言われ、そのまま一睡もしないうちに朝になり、朝のニュースを見ると日付が元通りになっていた。
家に電話を掛けても、普段どおり親が出た。
夢でも見たんだろうと言う事になったが、あれは絶対に夢じゃない。

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