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【時空の歪み】『無人の駅』長編 – 異次元に行った不思議な体験

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【時空の歪み】『無人の駅』長編 - 異次元に行った不思議な体験 不思議な話
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無人の駅

 

私の体験した話です。

私は鉄ヲタとまではいきませんが、前から北斗星という寝台列車に、いつかは乗りたいという願望がありました。
仕事柄、本州と九州は新幹線や飛行機を使ってほとんどの都府県を巡りましたが、
いつも忙しく、素早い移動を求められていたものですから、寝台列車に乗ってのんびりと旅をしたいと思っていました。
そんなとき、上司が私に『急で悪いが夏休みがなかったので、暇なこの時期なら…』と、10日間の休みをもらいました。去年の10月の事です。

 

私は『北斗星に乗るチャンス』と思い、計画をたてようと思いました。
しかし、北海道はちょうど紅葉の時期ということもあり、席が取れるか心配でした。
休みの2週間前の9月下旬、仕事の帰りに上野駅まで空席を確認するため、寄っていくことにしました。 (後で知ったんですが他の駅でも確認できたみたいです)
係員に尋ねたところ、個室が空いてると言うので、迷わず上野→札幌までを予約しました。
私はとても嬉しくて、その日は上機嫌で帰りました。出発の日までがとても長く感じました。

 

出発当日は1時間も早く着いてしまい、喫茶店で時間を潰したものの、30分前にはホームにいました。
先にカシオペアという寝台列車が停まっていて、思わず写真を撮りました。
カシオペアが発車してから少しして、乗る予定の北斗星がやってきました。
バックで入ってくるとは思わなかったので、また写真を撮りました。
車両のドアが開き、私は自分の部屋へと向かいましたが、始めて見る車内に童心に返り、ワクワクしました。

 

部屋にキーは無く、暗証番号を任意に決めるタイプのものでした。
部屋は正直狭かったんですが、そんなことより楽しくて仕方がありませんでした。
上野駅を発車して、駅弁を食べながら車窓に見入ってました。外が暗くなる頃には車内を歩き、ロビーカーまで行ったりと、なんだか落ち着きませんでした。
しかし明朝の4頃には函館に到着し、機関車の差し替えがあるのを知っていたので、携帯のアラームを3時半にセットし、寝ることにしました。

 

ゴォーという騒音で寝呆け半分で目を覚ますと、どうやら青函トンネルを通過中のようでした。
しかし、いつのまにか寝ていたらしく、あまり記憶にはありませんでした。
次に起きたときはパッチリと目が覚め、携帯を見ると3時29分。アラームが鳴る1分前でした。
どうやら列車は停車しているらしく、カーテンを少し開けてみるとホームのようで、柱には函館の文字が。
『予定より早い?』と思いつつ部屋から出ると、廊下はシーンと静まり返っていて、人の気配も感じられませんでした。
とりあえずデジカメを持って車外へ出ると靄のような霧のようなものが立ちこめていました。

極端に視界が悪いというわけではなかったのですが、ホームの端は見えませんでした。
結構寒かったので一度上着を取りに戻ってから再び外へ出て、最後尾の車両までホームを歩きました。
というのも函館は終着駅のため、最後尾に機関車を連結させ、逆方向へ発車するためです。
最後尾の方は靄がかっててはっきりとは見えません。とにかく私は歩きました。

私は機関車の連結を見るために最後尾までホームを歩きました。
途中、ロビーカーの辺りを歩きながら横目で室内を見ると中には誰もおらず、蛍光灯の光もどこか寂しげな感じがしました。
『そういえば自分以外の人たちは降りてこないのだろうか?』ふとこんな疑問が頭をよぎりました。
ロビーカーを過ぎて寝台車の窓を、少し遠慮がちに眺めながら歩きましたが、みんなカーテンを閉めていました。
何両分か歩いて、ふとホームを見渡したのですが、自分だけのようでした。

 

靄が相変わらず邪魔をしてなかなか最後尾が見えません。
と言うより、最後尾までがやたらと長く感じました。『こんなに長かったか?』辺りが靄に囲まれてるせいもあって、幻想的で少し不気味な感じがしました。
靄がかって誰もいない静かなホーム。
『みんなどうしたのだろう…全員とまでは言わないが、私と同じような人が数人いてもおかしくないのに』少し不安になりました。
―ピッ、ピーッ―
そのとき、甲高いホイッスルが2回、静かなホームに響きました。

 

私は少し足早になって、最後尾を目指しました。
靄がさらに濃くなってきました。しかし、しばらく歩くと靄の向うに人の気配を感じ、『なんだぁ、みんな先に来てただけかぁ』と、安心しました。
だんだんとディーゼルエンジンの低い音が近付き、『もう最後尾だ』と思ったそのとき、靄がスゥーっと流れて機関車が姿をあらわしました。
重連?て言うんですか?凸型の青い機関車が2機、既につながっていました。
『……!』
さっき人の気配を感じたのに誰もいません。『気のせいか…いや、でも…』

 

私があたふたしていると、―ピーーッ!―
今度は一回だけホイッスルが鳴りました。
『発車だ!』
私はそう直感し、一番近い最後尾“だった”車両に乗ろうとしましたが、その車両は客車ではなく、発電のため?の車両だったので、その次の車両に飛び乗りました。
ホームのベルが鳴ったかどうか記憶には無いのですが、乗って間もなくドアが閉まりました。
とにかく部屋へ戻ろうと思い車内の廊下を歩きました。
歩きながら『何か変だ』と不安な気持ちになり、揺れのせいでふらつきながらも早足で部屋へ向かいました。

 

誰にも会う事無くロビーカーまで来たときに、ドアの向うに人の気配を感じました。
『また誰もいなかったらどうしよう』
そんな考えが頭をよぎりました。
私は霊感とかは全く無いので霊的な気配は感じませんでした。ただ、人の気配があるだけです。
ロビーカーを通らないと部屋へは戻れないので、思い切ってドアを開けました。そこには沢山の人がいて、楽しそうに雑談していました。

時間はまだ4時です。
『こんなに朝早く?』と思ったのですが、人がいてくれたという安心感がありました。
私がそのままロビーカーを通過しようと次のドアまで来ると、それまでのざわめきがピタリと止み、後ろから男の低い声で『おい!』と声を掛けられました。
それまでの不可解な出来事のこともあり、一気に恐くなり走って部屋へ戻りました。
部屋の前まで来ると、急いで暗証番号を押し、中に入りました。
札幌まであと数時間…。

 

私は、時折誰かが部屋の前で立ち止まり、耳をドアに押し付けて様子をうかがっている気がしました。何となくそう思ったのです。
札幌駅で部屋から出るのは恐くてたまりませんでしたが、何事もなく車外へ出ることができました。
他の乗客達もみんな楽しそうに降りてきました。
沢山の人がいたので、ロビーカーにいた人達は発見できませんでした。
ホームの階段へ向かう途中ロビーカーの横を歩き、ふと中を見るとソファの上に手袋が片方だけ置いてありました。

その後は予約しておいたレンタカーで道央~道東をまわり、5日目の朝早く帯広から飛行機で羽田へ向かいました。

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