天使の羽の数
天使の羽の枚数は、聖書や神秘思想、芸術作品によって表現が異なりますが、伝統的には次のように語られることが多いとされています。
- 熾天使 セラフィム:6翼。
『イザヤ書』において、一体一体が六枚の翼を持ち、二枚で顔を、二枚で足を隠し、二枚で飛んでいると記されています。 - 智天使 ケルビム:4翼。
『エゼキエル書』では、四つの顔とともに四枚の翼が描写されます。楽園の入口を守る守護者としてのイメージが強い天使です。 - 座天使 スローンズ:翼の描写は少なく、燃え盛る車輪のような姿で表されることが多い。
全身を取り巻く輪や眼が強調されるため、「無翼の天使」として扱われることもあります。 - 主天使 ドミニオンズ:2翼。
人間に近い姿に二枚の翼を持ち、笏や宝球など統治の象徴を手にして描かれることが多くなります。 - 力天使 ヴァーチューズ:2翼。
光や星、奇跡を象徴するモチーフとともに、二枚の翼を持つ姿で描かれることが一般的です。 - 能天使 パワーズ:2翼。
盾や鎧、剣など「戦い」を連想させる意匠とともに、二枚の翼を持つ天使として表現されます。 - 権天使 プリンシパリティーズ:2翼。
王冠や笏など権威の象徴を持ち、二枚の翼で空を巡りながら国や都市を見守る姿が想像されます。 - 大天使 アークエンジェルズ:2翼。
ミカエルが剣と盾を持ち、ガブリエルがラッパや百合の花を持つ姿など、象徴的な道具と二枚の翼で描かれることが多い階級です。 - 天使 エンジェルズ:2翼。
人間にもっとも近い姿で、素朴な衣と二枚の翼を持つ「守護天使」のイメージが一般的です。
特別な存在として、「光をもたらす者」とも訳されるルシフェル(ルシファー)は、12枚の翼を持つとする伝承もあります。しかし、これは後世の神秘主義や創作によるイメージであり、羽の枚数そのものが強さや格を厳密に決めるわけではありません。

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