『万歳の声』『鉢合わせ』戦争にまつわる不思議な話・怖い話【6】短編 – 全5話

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『万歳の声』『鉢合わせ』戦争にまつわる不思議な話・怪談話【6】短編 - 全5話 不思議な話
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戦争にまつわる不思議な話・怖い話【6】

 

気持ちが通じた

静岡に帰った俺は、祖母に全部話した。祖母は泣いていた。
「○○(俺)の好きなようにしなさい」と言われ、考えて
夏休みに、祖母に場所を聞いて祖母の疎開先のお寺に行った。
既に当時の住職は亡くなって代替わりしていたのだが、事情を話すと
快く受け入れてくれて「どうせなら泊まっていきなさい」とのことで泊まることに。
残念ながらトロッコの線路はなかったが、畑の木はまだあった。
祖母から「お兄ちゃんはサイダーが好きだった」と聞いたから、サイダーを撒いて
木に向かって「おじさんありがとう、ばあちゃんと神戸のおじさんもおかげで元気だよ。」
と言った。正直何も感じなかったけど、お寺に泊まって翌朝、朝食の時に
お寺のおかみさんが「おっさま(住職のこと)がゆうべ誰か見送ったよ。」と言っていた。
住職は昨夜縁側に座って見えない誰かと話していたそうだ。
最後に住職は「君の気持ちは通じたよ、苦しい時はまた来なさい。」と言った。
その後俺は苦しくても生きている、俺、実は今身体障害者だよ。
両腕が思うように動かない、治癒が見込めない現実。事故があって、その後
保証人で自己破産もしてる。色々あってどん底だけど精一杯生きてるよ。

 

万歳の声

キスカ撤退作戦が運命の成功を成し遂げ、本国に向かう途中、数週間前守備隊が
玉砕し全滅したアッツ島近海を通った。 その時すでに友軍はいないはずの
アッツ島から「万歳!!」の声が聞こえてきた。 キスカ撤退作戦はアッツ島の
兵士達が成功に導いてくれたんだと、助けてくれたんだと、
俺この話聞いてすごく胸が熱くなった それだけだ

 

鉢合わせ

これは旧軍人の手記(タイトル忘れた)に書いてあった話だが、
イギリス軍と日本軍の最前線で真夜中に5人くらいで夜間警備してたそうだ。
で、草むらかき分けて移動してたら4~5人のイギリス兵がそれこそ3,4mくらいの至近距離に居た。
もちろん向こうも気付いて固まっている。撃ち合えば確実に半分は死ぬだろう。
そこで隊長格がわざと気付いていないふりをしてイギリス兵から距離を取り始めたら
イギリス兵も気づいてないふりをして自分の陣地の方に戻って行ったそうだ。
敵同士でも互いの考えてることが分かったりするんだな。

天涯孤独

日雇い労働者が建設現場の火事で亡くなられたんだけど身元不明で家族いないか調査したら三人人いた上の兄達は皆戦死。東京大空襲で親と残りの兄弟亡くし、天涯孤独。相当、苦労されたんだろうな、最期は焼死なんて救いがないよ…

 

死んでも死にきれん

ちょっと悲しいはなしですが、、、、。
今から50数年前、日本がまだ戦争中だった頃にあったことです、、。
皆さんは航空母艦(空母)ってしってますよね?船から飛行機をとばす奴です。
ある日、敵と遭遇して空母から戦闘機が何十機も敵に向かっていったそうです。
そして、その殆どが撃墜されてしまったそうなんです。
それから何日かしてからの夜、格納庫に何人ものパイロットがやって来ました。
整備兵たちは「御苦労さまだなあ、、」と思って声をかけようとすると、そのパイロット達はみんなズブ濡れだったそうです。
「あ、これはイカン!」と思い整備兵たちは毛布やらなんやら持っていこうとしたんですが、そのとき整備兵の班長が「おまえら!まて!なにもするな!」といって直立不動で最敬礼をしたんです。
整備兵たちは訳もわからず班長をみると班長は敬礼したままボロボロと大粒の涙をこぼしてました。
「どうしたんですか?班長!」とある兵隊が聞くと
「お前たちわからんのか?あの方達はXX少尉とその小隊の方達だ!」と言いました。
「、、、!」それを聞いて兵隊たちもすぐさま全員整列をして敬礼をしたまま動きませんでした。
そうなんです、パイロット達は先日出撃して、みな撃墜された小隊の人達だったのです、、。
整備兵たちが格納庫の隅に全員並んで敬礼しているのに気づいたパイロット達は只だまって深々と頭をさげ、格納庫から消えていったそうです。
「班長、今のはいったい、、?」と兵隊がきくと班長はあふれる涙をぬぐいもせず、
「無念だったのだろう、敵艦隊に攻撃する前にみな撃ち落とされ、死んでも死にきれんのだろう。
そして、大事な機を壊し、一生懸命整備をした俺達に謝りに来たのだろう、、。」と言ったそうです、、。
パイロット達はみな18から25才くらいの若者だったそうです。
今からほんの50数年前には本当の戦争がありました、、、。

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