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時空にまつわる不思議な体験『鬼ごっこ』など短編全5話

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時空にまつわる不思議な体験『鬼ごっこ』など短編全5話 不思議な話
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場違いなガソリンスタンド

 

10年ぐらい前ポスティングのバイトで築地のあたりをうろついてたら、下町の細い路地に迷い込んだ。
古い家ばかりで先は行き止まり。
ふと右側を見ると閉店したガソリンスタンドがあった。
どう考えても変なんだよね。だって車なんか絶対通れる道じゃないんだもん。家も昔から建ってる
様なのばっかだし、以前は道が広かったなんて考えられないし・・・・
ガソリンスタンドの裏にも道は無く、民家があるだけ。
どっからも車なんか入れないない単車にしたって、そもそも誰がこんなところまでガソリン入れに来る訳?って場所。
しかも、そのスタンドの寂れ様ったら、ツタが絡まっちゃってホント霊が住んでそうで薄ら寒さを感じた程。
それから気になってまた見にいったんだけどその場所が見つからないんだよな、これが。
夢でも見てたんかな・・・・

 

 

空間の歪み

 

小さい頃に遊んでいた山、というほど大きくは無いが森の茂った場所があった。
一部開けた所があって、そこにマンガやら何やら、秘密基地とか言って遊んでた。
ある日そこに行ったとき、広場が歪んでた。
は?って思うかもしれない・・・が、本当に空間が歪んでいたんだよ。陽炎みたいに。
ちなみに季節は秋だったと思う。肌寒くなってくる季節に、陽炎なんて無い。
そのゆがみから目を離さずに、小石を拾って投げてみたら、もののみごとに石がグニョンとワカメみたいに消えていった・・・

もう一度だけそこを訪れたが、マンガなんかは全部なくなってた。

 

 

鬼ごっこ

 

不思議で背筋が寒くなった話。
当時中3だった私。師匠ってゆうあだ名の女の子と仲が良くてよく騒いでた。

確か冬の雨の日、その日あたしたちはノリで鬼ごっこをはじめた。
はじめにうちの校舎の説明しとくと、四角い建物のまんなかが四角く空洞になってて…上から見ると
回←こんな感じ。
で、各階に東階段と西階段があって。

まぁ鬼ごっこを始めたわけだ。始めの鬼は師匠。「いい?追っ掛けるよ!」そう言って師匠が追い掛けて来たとき、かなりの距離が空いてたんだ。
で、ほぼその距離のまま2階を何回もぐるぐる。さすがに疲れてきた私は、一気に階段を登って4階の自分たちのクラスにかけこんでしまおうと考えた。

急に曲がって階段をかけ登り始める私。ここからがおかしいんだけど‥
3階に差し掛かるころふと振り向くと、師匠が急に私のすぐ後ろに迫ってるの。しかも、なんか下むいて頭から突っ込んでくるような走り方。顔がよく見えなくて、今まではギャーギャー叫びながら走ってたのになんもしゃべらないし。

あたしはなんか恐くなってそのまま4階にかけ登って、師匠が真後ろに付いてきてるのを確認してから廊下を曲がって教室にかけこんだ。

 

教室に駆け込んだあたしの目に入ってきたのは…
一番前の席に座ってる師匠。
「は!?」後ろを振り向くと、今まで追い掛けてきてたはずの師匠がいない。
「ちょっと師匠どうやったの!?すぐそこまで追い掛けて来てたじゃん!」あたしはパニクって問い詰めた。
するとポカンとした師匠は信じられない話をし始めた…
師匠の説明によると
彼女はあたしが階段を登り始めた時点でおいかけるのをあきらめて、反対側の階段から教室に戻ってたんだってさ。

…あたしは一体誰に追い掛けられてたんだろう。

 

補足。
なんかその階段を登ってる間中やけに暗くて、変に静かだったのを覚えてる。

やけに階段がながーく感じられて。
それから恐くて鬼ごっこはしてません。

 

 

谷中霊園

 

真昼間に谷中霊園を歩いていたらいつも通ってるのに道に迷ってしまいあせりました。
どうしても同じ墓の前に出てしまうので気味が悪くなり、ふと田舎のおばあさんが言っていたことを思い出してお墓に背を向けないようにして、そのお墓から目を離さず後ずさりしながら歩いたら何とか抜け出すことができました。
それ以来霊園には近寄らないようにしていますが昔の人の忠告は聞いておくもんだと思いました。
ときたま、あのままだったら自分はどうなっていたんだろう
とゾッとします。
————————————————————————

 

たしか3年前の初夏、早朝、谷中墓地周辺を車で通りました。
オレは古い寺とか見るのが好きなので、車を路地に止め途中にあった寺を見に行きました。
車を止め、路地を曲がると20mぐらい前に女が犬を散歩しているのが見えたのですが、その姿が一目見て奇異だったんです。女は白い服を着ていましたが、その服が尋常じゃなく汚れているんです。かわいいというか少女趣味なかんじの服(たぶんワンピース)
だったので、その汚れ方が異様に感じました。長い髪もボサボサでした。
ほんとこんな定番の例えするのが恥ずかしいのですが、まさに貞子って感じでした。
ここら辺はホームレスが多いので、たぶんその手の人だろうと思い、自分は、幅4mぐらいの道ですが端を歩き、ちらちらと女をみながら通り過ぎました。
横を通る時に見た犬は、金持ちが飼うような白い手足がすらっとした洋犬でしたが、皮膚病なのか、ところどころがケロイド状になっており、それが一層不気味に感じられました。
それから寺を見物して戻ったのは15分ぐらい後だと思います。

 

来た道を戻り、路地を曲がったところに車を止めていたのですが、さっきすれ違った女がオレの車を覗いているんです。早朝とはいえ、暑かったので少し窓に隙間を作っていたんですが、その隙間から女が覗いているんです。オレはかなり動揺したので一旦壁に隠れ、タバコに火を点けました。そんで、しばらく女の様子を窺いました。その間2、3分。
見ている間、女は微動だにせず、前かがみのままオレの車を覗いていましたが、ふと気配に気づいたのか、オレのほうに振り返り目が合いました。
相当の恐怖でしたし、女の顔もはっきり見たのですが、この時の記憶はほとんど覚えていません。
女はなんか不機嫌な感じで立ち去り、オレは車へと戻りました。
時間にして、たぶん10分以上も女がなにに興味をもって見ていたのかはわかりません。
オレは仕事柄、車の見える所には物は置けないので、何も興味をひくものはないはずなのですが、その点がとても不思議でした。

それから、だいぶ経ってからです。女の子を乗せているときに、そのコが急に「だいぶ前から気になってはいたんだけど、この車女の人が乗ってるよ」って言うんです。
とっさにオレは谷中墓地での事を思い出しました。女の特徴を聞くとオレが見た女のようでした。
その女が車の、運転席側の前タイヤあたりにしがみついてるのが見えるって言うんです。
内心相当ビビリましたが、オレには見えないしどうしようもないので、そのまま廃車にするまで、車は使い続けましたが、これといって変わったことなどは起きませんでした。

 

 

謎の事故と謎のおじさん

 

昔ウチの近所に結構有名な墓地があって・・・
当時俺はよく友達と近所の大きな公園で、自転車を使った鬼ごっこをしてたんだ。
ある日リーダー格の友人Aの意見で公園内だけではつまらないという話しになり、その日は墓地の方で鬼ごっこする事になった。
メンバーは5人、ここでは俺、弟、A、B、Cにする。

 

出入り禁止の場所を決めてジャンケン、鬼はB。
俺と弟とCは同じ方向に逃げたんだが、Aだけが反対方向に行ってしまった。
弟は基本的に俺と同じ方向に逃げるんだが、初めての場所で緊張?していたというのもあり、弟に「コッチに来るな」といってAの方ににげさせた。

 

少したって俺とBはCに見つかり、一旦集まろうという話になったんだが、いつまで経っても弟とAが帰ってこない。
集合場所も決めてあったので遅いなと思いつつも、帰ってくるだろうと思い、その日はみんな習い事やら何やらで解散。

 

たしかその日は火曜日で習字の日だったと思う。
一時間くらいして帰ってきたんだが、弟が泣いている。
なにがあったのかよく分からないが、ちょっとたってから落ち着いたところで話を聞いてみると、どうやらAの様子がおかしいらしい。

弟の話を詳しく聞いたところ、Aと鬼ごっこしていたのだが、弟がいると逃げるのに邪魔になり、Aは先に行ってしまったらしい。
弟も必死で追いかけたのだが、Aを見失い探す。

 

その場所は寺や細い路地が多く、鬼ごっこには恰好の場所?だったのだが、すると鬼のBが探してるのが見えて、少し路地裏に隠れたらしい。
すると細い路地の奥の方にAの自転車が。
いつもAは「自転車を置いて他のところに隠れる」という手を使っていたため弟もそれに感づいたらしく、自転車のない方向にむかていった。

すると、そこにAがいた。しかしどう見ても体勢が変だった・・・
立ったまま動かなかったらしい。
まるでAのまわりだけ、時が止まっていたように。

 

弟がいくら声をかけても動く気配すら見せず、揺すっても動かない。
それで10分くらいいたのだが、だんだん弟も怖くなってきてしまい、その場から逃げた。
そして帰ろうとしたのだが、道に迷ってしまい遅くなったらしい。

 

どう考えても変だと思い、弟と俺と母の3人でその場所に行ってみた。
弟の記憶もあやふやで、 そこにたどり着いたのは家を出てから1時間以上経ってからだと思う。

ほとんど断片的にしか覚えていないが、そこは薄暗くて(夕方だから?)
子供心に不気味な場所だと感じた、神社の近くだったのもあるかもしれないが。
幼い頃の俺は極度の怖がりで、弟と一緒に母の服を掴みながらそこに入ってたのを覚えている。

 

その道を進んでいくと、そこの小道を入っていった所にAの自転車があった。
そして、そことは反対側の人気が無い道にAはいた。
・・・しかし、Aの体勢がどう見てもおかしい。
Aは隠れようとしていたのか、小道に入った物陰のわきにいたのだが、蝋人形のように固まっていた。

 

まるで、Aの周りの時計の針だけが止まったかのように、全く動かなかった。
体勢として、Aはすこし前かがみになっているのだが、片足だけ中途半端に上がっていて、もう片方の足だけでバランスを取っていた。
それは人間が取れるような体勢じゃなかった。
分かりやすくいうと、マトリックスの特殊効果?ような感じ。
(マトリックスのCMみてA思い出したしw)
どう見ても人間のがとっていられる体勢ではなく、明らかに奇妙な光景だった。

 

Aを見つけて、もうかれこれ10分くらいそこにいたのだが、
明らかにAは、ふざけてやっているようには思えなかった
(てより、わざとできるような体勢じゃなかったw)

そして、弟の話が本当ならもう4時間はその体勢だったと思う。

 

そんで少しして、唐突にウチの母がAのぐいっと腕を引っ張ってみた。
すると、Aが突然、「ぐわっ」っとつんのめるように動き出した。
その瞬間、Aはワケが分からない様子で「なんでみんないるの?」等と言っていた。
なんか、多少疲れているみたいだったが、その間の事は何も覚えていない様子で
感じとしては、「少しのぼせた」という様な状態だった気がする。

そういえば、途中からAの母も合流していたな。
たしか、ウチの母がAの家にも電話したんだと思う。
その辺はくわしく覚えてないが。

 

いま思い出した、Aがいたのは道の真ん中に木が生えてた所だった。
今でも不思議だよ。

 

一時間かけてAを見つけて、それで10分ぐらいそこにいたんだ。
かなり昔の事なので時間感覚は曖昧だが。

Aの話によると、みんなでおにごっこをしていて、
弟を振り切って1人で隠れようとしてたら、急に母親に手を掴まれていたらしい。
落ち着きを取り戻したAの言い分としては
「いま隠れようとしてたのに、もう鬼ごっこは終わってて夜。」
・・・どう考えても不思議だった。

その後何度か同じ話を聞いたのだが、やはりその時の記憶は一切なく、
「気付いたらもう夜だった」 としか言わなかった。

 

とりあえず話は今から一年くらい前にさかのぼる。
AはBとあと二人とバンドを組んでいたんだが、ある日Aの友達のライブがあり、
興味のあった俺はそのライブに遊びに行き、ついでに打ち上げに出た。

その日は終電で帰る予定だったのだがBが、泥酔してしてしまい、
打ち上げ会場の近くにある共通の友人の家に置かせてもらうことになった。

そしてBとD(暇人だから付き添いで泊まった)をそいつんちまで送ってたら乗り過ごしてしまい、やる事もないので二人で6駅?くらい歩いて帰る事に。

※ライブにはA、B、D(バンドメンバー)、俺の4人で行った

 

それで一時間くらい歩いてきたんだが、地元近くに来た時、あの話題になった。
Aもやはりあの事が不思議だったらしく、『自分が固まったとは思えないが、全く記憶がない』と言っていた。
それで、せっかくだしそこに行って二人で検証してみようという話に。
時間はもう朝の3時頃かな?
そこは墓や神社の多い地域で、かなり不気味だった。
それから二人の記憶を頼りにそこに向かった。
少しビビりな俺と、ビビりだけど強がるAww

1時間は探してたかな?
とりあえず結構時間かって少し明けてきた頃、Aが突然『ここ覚えてる』と言った。
俺の記憶にはない場所だったが、Aの言う通りに二人で進んだ。
すると細くて暗い階段があり、そこを下りた先細い道にでた。

俺は階段なんか降りた記憶は無かったが、多分俺が来た方向とは逆だったらしい。
そして、俺の見覚えのある道に出た。
軽く辺りを見渡す、そして気付いた。
Aが驚いた顔で自分の腕を掴んでいる。
そしてAが俺の手を取って走ろうとしていた。
俺はAに引っ張られるまま、その場を離れた。

そして気付いた・・・いつの間にか日が昇っている。
時計を見ると、もう既に昼前だった。
俺はわけが分からず、とりあえず変な汗が出てきた。

俺はAに引っ張られて、来たはずの道を走った。
この辺の記憶がないんだが、走ってる途中で気付いた。

・・・俺とAは、あの日のAの様に「止まっていた」のかもしれない。

 

とりあえず、Aと俺は息が切れるまで走っていた。
走っている間も頭が混乱していてよく分からなかったが、Aに「どうしたんだ?」とか声をかけていた気がする。
そして気付いたら見覚えのあるような無いような場所、墓場の辺りの細い道だった。
前にも書いた通りこの地域は墓が多いのだが、かなり広くしかも民家と隣接している事が多いため(たぶん防犯上?)
高い塀がたくさんあり、一度入ってしまうと迷って出られない雰囲気だった。

息を切らしたAと俺は、ダラダラと汗をかいていた。
夏だったから、ポタポタとすごい量の汗が流れてた。
するとAが突然道の隅で吐き出した。
一瞬やばいものでも見たのか?とは思ったが、どうやら息切れと水分不足で軽い熱中症?になった様子。
とりあえず、近くのコンビにで水を買い一時間くらい休憩してた。

その間Aはすこしうつむき加減で明らかに様子がおかしかった。
さっきまでとは違い、ほとんど言葉を発さなかった。
「不思議だったな」とか「大丈夫か?」と言っても、「・・・うん」と答えるだけ。
が、俺はただAが脱水症状で気分が悪いのかと思い、そこはあまり気にしなかった。
おれが気になっていたのはさっきの事。
あの頃のAと一緒の状態だったのか。
今まで体験した事の無い現象に、なんだか奇妙な感覚に陥っていた。
そしてAが落ち着いてきた頃、今日は家に帰って休むか
という話になり、わけも分からないまま帰宅する事になった。

次の日の事だ。
やはり俺は前日の事が気になっていて、Aに電話してみた。
何回も電話したが、Aは出なかった。
いつもはすぐ返信のくるはずのメールも、その日ばかりは返ってこない。

 

次の日も俺はAに電話してみたのだが、Aからは全く音沙汰ナシ。
俺はやはりあの日の出来事とAの様子が気になって、バイト帰りにAの家に寄ってみた。
家のチャイムを鳴らすとAの妹が出てきた。
そして話を聞いたのだが、やはりAの様子がおかしいらしい。
Aはぼーっとしたまま虚ろで、ほとんど何も言わず食事もあまり取ってないらしい。

俺は「やはり、あの日何かあったのか」と思い、Aの家に上がらせてもらいAと話してみようとした。
Aの様子が気がかりだったが、Aを驚かせて元気付けようと尻を半分以上出して勢いよく戸を開け部屋に飛び込んだ。
Aの部屋の戸を開けると、部屋はオーディオ(ラジオ)だけがついていて、
明らかに精気が抜け落ちたようなAが座っていた。
Aは少し反応してたが、明らかにいつものノリではない。
おれは心配になり、メールの事や体調の事を心配しつつ、やはり遠まわしにあの話を聞こうと思った。
Aは、少し体調は悪いのだが大した事は無い。
メールは後で返すつもりで、人と喋る気にはならなかったらしい。
そして本題のあの話。
とりあえず、どう話していいのか分からなかった俺は、
真正面から「あの時何があったのか?」と聞いた。

 

しかしAは「何も無かった」としか話さない。
少しまずいかなと思ったが、
俺も混乱と興味?本位で何度も聞いてしまった。
するとAは「これ以上きかないでくれ」とため息のように言い、それ以上は聞くに聞けなくなってしまった。

 

俺はそれまで「奇妙な体験をしたな」
という事の興味本位だけで考えていたのだが、Aのここまで変わってしまった姿を見て、ただただ恐怖感に駆られた。

それからAの事を心配しつつも本当に怖くて、
けどやはり興味がある日が続いていた。
最近の事もまとめたいが、最近の方はそこまでオチは無い。
てか夜中にこのこと思い出すと今でもちょっと怖いんだよ。

Aのことは気になっていたのだが、やはり何も聞けない日が続く。
気付いたらAとは連絡が取れなくなっていた。
そして2週間ぐらいして少し忘れていた頃。
俺は友達と遊んでいたのだが、偶然にもAのバンドメンバーと街で会った。
ライブで何度か話したり打ち上げで飲んだだけの関係の奴だ。
とりあえず俺も買い物に疲れていたので、ソイツの連れとの3人駅前のでマックに入った。

そいつと少したわいの無い話をしてたのだが、バンドの話になった。
すると、Aは少し前からなぜか連絡がつかないらしい。
そいつは俺がその事を知ってると思い、もともとAと仲のいい俺を気遣ってあえて口を濁していたみたいだが、
俺はそのとき初めて知った。
最後に俺が会ってから確か4日後くらいにAは行方不明になっていた。

 

おれは突然怖くなった。
少しからだが震えていたし変なギトギトした汗が出る感じがした。
結局バンドメンバーにあの話しはできずに、連絡先だけ交換してその日は解散した。
なんか言い知れぬ恐怖感と、現状を自分で確認したくて、
いてもたってもいられなくなった俺は、その日の帰りにAのマンションの前まで行った。

俺はAの家の前を通ったが、家の明かりはついていた。
しかしAの部屋の明かりだけは消えていた。
さすがにここまで来ると、俺は怖いってよりヤバいと思い、本当に切り詰められたような状態だったのを覚えてる。

Aの家族にも言わないといけないが、なんて言ったらいいか分からない。
母親は五年前に亡くなっており、弟はいくら問いただしてもその頃の記憶が無いという。
Aの母親にはなそうとも、直接「止まってた」現場にはいなかったし、Aは「止まってた」話をしてなかったように思える・・・。
そして行方不明の今、その事は言いづらかった。

なんども自分でも検証したいとは思ったが、Aは二度目でおかしく?なってしまった。
そしておれはそこに行く勇気がなかった。
友達に話そうとも思ったが、追い詰められた俺は結局誰にも話せなかった。

結局手段を思いつかなかった俺は、毎日Aに電話かけたりメールを送った。
返信は無いが、メールは送れた。
とりあえず1ヶ月以上、電話は時間帯を変えたりして毎日かけていた。
けど、Aからはずっと返信も着信も来なかった。
だんだん無駄なのかもしれないと思っていたが、
責任を感じてた俺はたまにメールをしたりしていた。
それから半年、Aの母親や妹と話す事もあったが、やはりあの話はできなかった。
そしてAの家族も、俺に関係ある事だと思っていなかったらしい。

 

俺は責任から、携帯のアドレスをずっと変えずにいた。
するとAがいなくなってから半年たった頃、突然Aから着信があった。
気付くのが遅かった、着信があったのは二時間くらい前。
古い携帯で単純なアドレスだったので、出会い系メールやワンギリもあって
基本的に着信は無視していた。
Aに電話をかけると、Aはでなかった。
それから二日間、一日に何度も電話をし続けた。
すると、二日目に遂にAが出た。

Aはまず「今まで出れなくてスマン、いま遠くの親戚の家で暮らしている」と言った。
そして、Aは「あの時はスマン、本当に恐ろしい事があった」と話し出した。

Aの話をまとめると、まず幼い頃の話からしなくてはならないのだが・・・
Aは弟を振り切って物陰に隠れようとしていた。
そして気付いたら夜だった、母に手を引っ張られていた。
そのときは本当に記憶がなかったらしい。
それで家に帰ったのだが、その頃から変な夢を見るようになったらしい。
まず、自分は洞窟に入っていく。
最初は周りが見えるのだが、奥に進むと真っ暗闇になってるらしい。
そして、気付いたら目の前に壁がある。
どうやら洞窟はそこで行き止まりらしい。

すると足元から風が吹いている。
よく見ると、足元に穴があり、奥の方に不思議に光るキノコがあるらしい。
そして、そのキノコを覗き込むと洞窟は消え、自分の周りをキラキラとラメの様に光る黒い影がバレリーナのように躍る。

 

そしてその半年前の方の話になる。
Aはライブの帰り道、俺と一緒にあの場所に行く。
場所はなんとなくしか覚えていなかったらしいが、その場所に行った瞬間、前回と同じ感じに時間が止まっていた。
しかし、今回は何か違ったらしい。
なんと、自分の周りを、夢で見たのと同じように黒い影がくるくるラメのようなものを撒き散らしながら回転していた。
あ、前回は止まった事すら気付いてなくて今回は止まった事には気付いてたらしい。

それでAは怖くなり、最初は動けなかったんだが、だんだんわけが分からなくなってしまっていたらしい。
とりあえずがむしゃらに動こうとしても、体が全く動かない。
この辺の描写はあまり覚えてないが、とりあえずヤバイと思って必死だったらしい。
それで、気付くと回りが明るくなっていた。

ついに体が動いた。
気が狂いそうになりながらも、
Aは俺の手をとって必死に逃げた。
そして墓で迷い、疲れきったAは嘔吐した。
それからは前に書いたとおり。
一週間は恐怖で食事ものどを通らず、何もできなかったらしい。
そして、この地を離れなくてはいけないと思ったAは、とりあえず親戚の家に行くことにしたらしい。
そこは行動力があるAらしいと思った。
何日か親には言ってなかったが、親戚が連絡を入れたみたいだ。
そして、親戚から家族に連絡が行ったのを知って、家族に
「恋愛でいざこざがあった、この事は他人に話さないで欲しい」
と伝えたみたいだ。

 

Aはたまに夢でみるキラキラの影と、
昔あった「時が止まった」の話は全く関係ないものと思っていたらしい。
接点すら考えなかったみたいだ。
そして俺から連絡が来てもただ怖かったのだが、落ち着いてみると俺の事も心配になった。
しかも最近俺からあまり連絡が来なくなり電話したらしい。

それで、昨日あったスレに書いた理由。
そのスレは「不可解な事件を教えてくれ」
みたいなスレタイだったんだが・・・

この間、俺はその夢を見てしまった。
だから夢の詳細は結構細かく書けた。
覚えてる、というか、俺が見たものと一緒だったのかもい知れない。
すまん、続きは無いというより進行形なのかもしれない。
とりあえずコレで終わりだ。

俺はもう一度検証してみたい・・・。
けどAの事もある。行くべきか。
とりあえず、Aと連絡を取ったのはこの後一度だけ。

あと時間が説明しにくいのだが、一応言っておくと
Aと電話したのは一年半前、俺が始めて「止まった」のは2年前だ。
半年ってかいたのは2年前から半年って意味な。

 

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