時空にまつわる不思議な体験『狐に化かされた?』など短編全5話

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時空にまつわる不思議な体験『狐に化かされた?』など短編全5話 不思議な話
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狐に化かされた?

 

小学校低学年の頃。
姉や隣近所に住む従兄弟達と、通っている小学校近くの学校の課外授業や子ども会なんかでもよく行く、丘で遊んでた。

夕方になって、そろそろ帰ろうってなって、何度も通り慣れた道を進むが、何故か、下に降りれない。同じ所を何度もグルグルと回ってるみたい。
ススキ越しに、子供会でも使う土俵が見えてるのに、どうしてもそこまで行けない。
だんだんと一同焦ってきてた。

ふと、ススキ越しに、キツネの耳と尻尾が見えて、ピョンと向こうへ立ち去った。その時初めてキツネを見た。

すると、今までどうやっても下に降りれなかったのに、何の苦も無くいつも通りに降りれた。

あれは、キツネに騙されてた?
今でも不思議な体験。
今度、従兄弟や姉に聞いてみよう。

 

 

真の闇

 

あれは小学校高学年のときでした。
午後8時ごろ、友達の家から帰る途中のことです。
友達の家は、高台の団地にあり、帰り道にはかなり勾配の急な坂があります。
もうすっかりあたりは暗く、頼りになるのは、街灯の明かりだけでした。
坂にも街灯はあるのですが、たった一つしかなく、しかもその街灯は大きくカーブした道の奥にあるのです。

坂にさしかかりました。あまりにも暗いので、僕は自転車からおり、歩いて坂を下ることにしました。ところが、下れども下れども街灯の明かりは見えてこず、逆にあたりはどんどん暗くなってきます。
何かおかしいと感じましたがもう少し行けば明かりが見えてくるだろうと思い進みました。
そのうちに、側溝に足がはまり、生垣に顔を突っ込んでしまいました。そ
のときぞっとしたのは、目の前にあるはずの生垣も自転車も自分の手のひらさえも全く見えないということでした。
コレはだめだと思い、引き返しました。
坂の上まできた時、後ろを振り返ってみると、道の奥にある街灯の明かりがはっきりと確認でき、薄ぼんやりとそこに続く道も確認できました。

その後、何の問題もなく、その道を通って帰りました。目の前にあるものも見えないほど真っ暗になったわけがわかりません。
はっきりと覚えていますし、記憶違いとも夢とも思えません。
ちなみに鳥目だとか、そのときは街灯がついてなかったとかも考えられません。
なぞだ。

 

 

不思議な部屋に住む兄妹

 

小学校の低学年だった頃、曾祖母の喜寿だったかなんだったか(赤いチャンチャンコ着るやつ)で市内の旅館を使ってお祝いの席が開かれた時の事。
両親とか親類の大人とかは酒飲んで宴を楽しんでいたんだけどそれに混ざれない子供の俺は一人で旅館内を歩き回ったりして暇を潰してた。
そしたら同じように旅館内をウロウロしている同年代の子供に気が付いた。

同じ境遇同士だし一緒に遊びたいなぁとは思ったんだが変な警戒心が働いて、気付いてはいるものの無視しながら相手の様子を伺ってた。

そしたら相手も同じような動きをみせるので
「ははーん、こいつも俺と遊びたいんだな」と思って

少し歩いては振り返ってそいつを見る、また少し歩いては振り返ってそいつを見る、という行為を繰り返し段々と距離を縮めていった。

それから少しの間記憶が無いんだけど、何でかそいつの部屋みたいな所に行く事になってた。「アレ?こいつ旅館の息子か?」と思ってついて行ったらそいつの部屋っつーのがうちの親類縁者が宴をしている部屋のまん前なのよ。これが不思議でさっきはそんな所に部屋なんて無かったしそもそもその部屋の在り方自体が何か不自然なの。ロビーっつーか天井の高いホールみたいな場所のど真ん中に何故かその部屋があるの。

言葉では言い表し難いから極端に例えると「人が普通に運動している体育館の真ん中に何でか小部屋がある」みたいな感じ。子供ながらこの旅館は設計がおかしい、客間と店側のプライベートルームが隣接している、しかも子供部屋。って思ったけど子供だからどうでもよくってその部屋に入ろうとしたのそしたら中にそいつの妹らしき女の子がいて俺と一緒にいるそいつに
「何で連れてきたの!」
みたいな事を言ってるっつーか雰囲気で伝えようとしているというか、とにかくその中の女の子が俺がその部屋に入る事を嫌がってるのね。

仕方がないから俺は外でそのなかのやり取りを見てたんだけどその部屋の中っていうのがまた妙な雰囲気でドラえもんの未来の世界にあるような部屋なの。

この辺も言葉では表し難いなぁ、とにかく「未来っぽい」雰囲気の部屋なのね。結局俺はその部屋に少しだけ入ったんだけど部屋のギクシャクした雰囲気に慣れなくてすぐ出た。

外で遊ぼうと思って。てっきり「そいつ」も出てくるもんだと思ってたらそいつは部屋から出てこない。俺はそいつを部屋の外で待つ、そいつは出てこない。

何故か扉のないその部屋の外と中で俺とそいつが遊びたい気持ちを爆発させながらもずっと睨みあってるの。そんでそのまま宴会が終わって俺は帰ってきたんだけどそいつに手を振った記憶もないしバイバイと言った記憶もない。そもそも結構一緒にいたにも関わらずそいつと喋った記憶もない。どちらかと言うと喋らなくてもよかったって言った方が正確かもしれない。

 

とこの話を思い出したのが今年の夏の成人式の日で、あーうちの地方は成人式を夏にやるんですけども酒が飲めるようになった俺はその旅館で成人のお祝いを受けた。
今度は親戚ではなく中学の頃のクラスメイトが宴会場で騒いでる。「アレ?」と思って宴会場の外に出てみるとそこは中庭に面した廊下、おかしい、ここはホールみたいな場所だったはず、と思って仲居さんにその旨を尋ねてみるとそんな事は無いし無かったという返事。あの記憶は何だったんだろう、と思ったけど今度は大人なので酒飲んでどうでもいいことにした。
なかったホールと不自然な部屋、あいつら何だったんだろ。

 

 

白い蓮華

 

その日は特別授業で幼稚園がいつもより早く終わる日で、ママンはそのことを忘れてて迎えに来てくれなかった。
しょうがないから家までの道(子供の足で10分ぐらいの住宅街の1本道)を歩いて帰る途中、その道沿いに開けた芝生の広場を見つけた。
白い蓮華の花がたくさん咲いていてお花畑のようにきれいでしばらく腰を下ろして蓮華の花で冠を作って遊んでいた。
その間20~30分ぐらいだったと思う。
その場所をすごく気に入った私は次の日にもその広場に行ったんだけど、広場があったと思う場所には塩ビのパイプが並んだ水道工事のお店があった。
考えてみればその場所はずっと前からその店があった所だ。
何かの勘違いかと思い、幼稚園への行き帰りにいつも広場を探したけど、とうとうその場所は見つけられなかった。

あれから20年近く経ってるけど、緑の芝生に小さな白い蓮華がたくさん咲いてたあの景色はいまだに忘れられない。

 

 

つかの間の友達

 

小学校の頃、通学路の途中に鉄柵風の門がまえのあるところがあって、ある日、珍しく一人で帰っていた時に通ると、門のところに女の子が立っていた。
ニコニコしていたので、話しかけると同じ小学校の子だった。

「中で遊ぼう」と言われて、門を通って小道を通り抜けて歩いていくと、そこはきれいなお庭。
ゆりかご式のブランコや鉄棒やすべりだいもあって、お花もたくさん植えてある。
家も古びてはいるが、洋風っぽい造りで、日本ではないような雰囲気でとても素敵。
なにかの物語の中の場所に来たようで、やたらと興奮してハイテンションで遊び狂いましたw
ただ、家の人はいないらしくて、家の中には入らなかったのだけど。
すっかり、その子と仲良くなって、「また、明日遊ぼう!」と約束をして帰りました。

次の日、学校でその子を探してみたけど、そんな子はいなかった。
学年も違うし、何かの間違いか、はたまた違う学校なのに嘘ついてたのかなー?
なんで?などと思いながらも、またあの庭で一緒に遊びたくて、しばらくの間は毎日その門の前を愛おしそうに眺めながら通っていました。

1ヶ月くらいして、あの日以来、いつまで経っても会えないので、思い切って門の中に入って、呼んでみようと思った。
「すいませーん」と言いながら、門を開けて小道を入っていったら、何か違う雰囲気。
庭まで辿り着いたら、まるでそこは廃墟。花壇の跡のような場所には、花ひとつない。
錆びれた家に、ボロボロに錆びた遊戯の数々。
とても人が住んでるって感じではない。
何か怖くなって、走って家に帰ってきたが、子供の頭で「引っ越したのかな」と思った。
だけど、たった一ヶ月くらいで、あんなに錆びれちゃうのかなーと不思議な感じがした。

しばらくして、近所の叔母が遊びにきた時に聞いてみたら、「あそこは十年以上空家なのよー」と言われて、なにがなんだかわからなくなって、今でも不思議で仕方ない。

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