『勘違いストーカーの末路』|【狂気】人間の本当にあった怖い話

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『勘違いストーカーの末路』|【狂気】人間の本当にあった怖い話 人間の怖い話
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勘違いストーカーの末路

 

浪人時代に同じ予備校の人につきまとわれた。
全く身に覚えがないのにヤツの頭の中でいつの間にか彼女にされたのだ。
ヤツと高校時代に同級生だったA君がたまたま私の友人となり、同じ予備校にいた。
ある日の授業でたまたま隣に座ったのが全ての始まりだったようだ
(あの時オレ目当てで近寄ってきたんだ、とヤツはA君に話していた)
もちろん、ヤツとは喋ったこともなく、名前も顔も知らなかった。
その数週間後、とある授業で見知らぬ男が私の隣に座ってきた。
それがヤツだった。
「ここ、座るよ」
と妙に無表情で視線が泳いでいたので、顔を憶えてしまった。
授業中、雨が降り出したら
「傘、貸そうか」
と突然話し掛けてきた(当然、聞こえない振りをしたが)。
口調が妙に馴れ馴れしく、
まるで既に知り合いのような「当然」といった態度が無気味で
「浪人中に精神を病んだ人かな」
と印象に残ったのだ。
しかし、その後しばらくは何ごともなく過ごしていた。
もちろん、ヤツとは話すことはおろか、見かけた覚えさえなかった。
そんなある日……
午前の授業が終わり、食堂へ行こうと教室の混み合った出口付近で立っていると、突然、すぐ前に立っていた男が振り返り、私に向かってこう言ったのだ。
「今日は外で食べようか?」
薄笑いを浮かべて、その男の視線は私の顔の真後ろ50cm辺りに向かっていた。
私のすぐ後ろの人に話し掛けているのだ、と思って私も振り返った。
後ろの人は、全く別の人とのおしゃべりに夢中だった。
「一体誰に話し掛けてるんだ?」
と思ったその時、
「ね?XXさん」
その男は私の名前を呼んだのだ。頭がパニックになった。
知らないぞこんな男、でも、今の発言はまるでいつも一緒にお昼を食べているような…とぐるぐると頭の中で考えた。
「あ、アイツだ!」
以前もまるで知り合いみたいな口調で隣に座ってきたヤツだ。
その瞬間、恐怖心から、全身の力が抜けていくのがわかったが気付かない振りをしてその場は去った。
怖くなった私はA君にこの話をした。
するとA君は意外な返事をした。
「え?つき合ってないの?」
何と、A君はヤツと知り合いだと言う。
ヤツはA君に
「彼女から告白された。でも彼女は恥ずかしがりやだから秘密なんだ」
といったという。
かかわり合いになりたくないので無視することにした。
しかし、その後、授業では黙って隣に座ろうとする、
食堂では黙って当然のように傍に座る、
朝電車に乗ろうとしたら到着した電車の目の前のドアにヤツが乗って待っている、
電車の中ではただ黙って傍に寄って立ち、逃げてもついてくる(終止無言)、
帰りに後をつけられる(電車のドアがしまる寸前に降りたり、人込みの中を走ったり、散々だった)
母親の勤務先(私の友人との会話から盗み聞きして店を知ったらしい)に電話して自宅の電話番号を聞き出そうとする、友人に連絡先をきこうとする……ということが続いた。
その間私は無視し、近寄られる度に
「迷惑なので関わらないでほしい」
と事務的に一言だけ言うことは根気強く続けた。
しかし、ヤツの妄想はエスカレートし、
「彼女は恥ずかしがっている。一緒の大学を受けるので受かったらつき合ってくれると返事をしてくれた」
とA君に一方的に自慢していたそうだ。
A君もヤツが怖くなったらしく、反論する勇気が出なかったと言う。
そうしているうちにセンター試験の直前頃からぴたりと付きまとわれることがなくなった。
不思議に思ったが、さすがに正気に戻ったのか、とすこしホッとしていた。
さて、受験当日。
ヤツは国立のA大学志望、私は国立のB大学志望。
当然、同じ試験日にわたしがA大学を受けるはずがない。
たまたまA君はヤツと同じA大学を受験した。
試験当日、慌てふためいた様子のヤツにA君は肩を叩かれたという。
「XXさんは?XXさんは何でいないんだ!?」
と怒鳴ってきたそうだ。
A君は吃驚して
「彼女はB大学を受けているのではないか」
と答えたところ
「あの女!騙しやがったな!!殺してやる!!!」
と座った目つきで試験場を出ていったそうだ。
試験当日の夜、A君から電話があり、この話を聞いた時は恐怖した。
しりすぼみの話ですまないが、
その後、精神病院に入院したらしい
とA君からきかされた。
入院していなかったら、どうなったことか、とぞっとする。
幸い、私とA君は志望校に受かり、ヤツも1年遅れて遠方の大学に入学したらしい。
以来、関わることなくすごせてホッとしている。

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