【信じようと、信じまいと】『透視の実験』など全50話 – ロア – 噂話集 – 嘘のような本当の話

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【信じようと、信じまいと】『透視の実験』など全50話【1】ロア - 噂話集 - 嘘のような本当の話 信じようと信じまいと
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ある絵描きの少年が通り魔によって殺害される事件が起きた。
少年は怪我の為に視力を失っていたが、死の間際に犯人の似顔絵を描いていた。
結局、その似顔絵が有力な手掛かりとなり、犯人は逮捕された。
犯行の際、犯人はフルマスクを着用していたはずなのだが。

 

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ある医師が奇形膿腫の手術をする事となった。
手術は無事成功したが、摘出したものを医師は信じられないでいた。
摘出したものの中から一匹のトカゲが出てきて、捕まえようとすると尻尾を切り逃げて行ったのだ。
興味を持った医師がトカゲの尻尾と患者のDNAを鑑定したところ、DNAは一致したらしい。トカゲのDNAとして。

 

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1980年代に英国の大学で人類の共通語を作るという試みがなされた。
共通語はある言語を母語とする者が有利にならないよう、あらゆる言語と異なる物でなくてはならない。
そこで、当時の最新式コンピュータが用いられたが、コンピュータのはじき出した一連の結論は
どんな学者も解読できなかった。しかし、何らかの規則性があることは認められるという。

 

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1960年代に中東のある地区で新バビロニア時代(紀元前6世紀)の石碑が見つかった。その一節には
「私は空を飛んで二つの偉大な川の間にある美麗にして完全なる円形都市を、神のごとき目から見た」
と書かれている。しかし、円形の都市バグダードがティグリス川とユーフラテス川の間に建造されたのは
紀元後8世紀のことである。その後、その石碑は紛争により行方不明になったとされている。

 

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とある神社の前で道路改良の工事中、小型のユンボが誤って石造りの鳥居を倒壊させしてしまった。
現場責任者はもちろん工事会社の社長が宮司で平謝りし、早急に新しい鳥居を手配することに。
神社としての体裁以上、新しい鳥居が来るまでは修理した鳥居を立ててくれと、宮司が申し出た。
さっそく組み立てられ、元通りに復元されたのだが───なぜか大きな破片がいくつか余ってしまった。

1975年のアメリカで地下鉄が終点を過ぎても止まらずに駅舎に激突するという事件が起きた。
最初は運転手のミスかと思われたが、奇妙なことに事故現場からは先頭車両が発見されなかった。
さらに大破した車内からは
「先頭車両なんて初めから存在してない、俺達は騙されたんだ!」
そう書き殴られた、乗客の物だと思われるメモ帳だけが見つかった。
その先頭車両とそれに乗っていたはずの乗客達は現在に至るまで見つかっていない。

 

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カナダのバンクーバーの正統教会で、不思議な現象が話題になっている。
なんと教会右上方のステングラスに陽が射す時、イエス像に祈るような形で立体的な少女が出現するのだ。
この教会が建てられたのはAC800年代と伝えられており、ステンドグラスは当時から嵌めてあったがこんな現象は無かったとの事。
どういう経緯で出現するのか科学的に調べようとする動きもあるが、教会はこの調査を拒否しているそうである。

 

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1986年吉野ヶ里遺跡発掘の際、その遺跡から出土した物の99%は重要保存物として丁重に扱われた。
しかし、ある一品は不要物として廃棄されたそうだ。遺跡から出てくるのだから、全て重要で
捨てるものなどないはずであるが、研究者は皆が皆それを「不要物」として捨ててしまったらしい。
捨てた理由は「それはその時代にはまず存在し得ないもの」であったからだそうだ・・

 

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ある近江の商家では代々番頭の手で日記がつけられていた。
商売上の些事や店での人事などが記録されており、近世経済を研究する重要な資料となっている。
のみならず日付の下に必ず天気が書いてあったので、気象研究者にも重宝がられているが
一日だけ「光」と記されており、どんな天気かわからない。この日は商いも営まれなかった様だ。

 

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2005年8月7日、Washington郊外の病院にPaul Tibbets Jrという22歳の男性.が危篤の状態で搬送された。
男性の症状は重く、医師たちは手の施しようもない状態のまま、3時間後、男性の死亡が確認された。
検死の結果、信じられない事に、彼の体からは大量の放射能が測定され、死因は被爆によるものだと特定された。
当然、一般人である彼が被爆するはずがなく、事態を不審に思った警察は、極めて事件性が高いと判断し、彼の周辺を洗いざらい捜査した。
結局、手がかりとなる物は何一つ掴めず、捜査は打ち切りとなったのだが―彼の愛用していたMacintoshのログには、彼が死亡する前日の8月6日、enola44-86292という名の動画ファイルへアクセスした記録が残されていた。

 

明治20年、フランスのルアーブルから日本へ航行中だった新造巡洋艦「畝傍(うねび)」が南シナ海で消息を絶った。
沈没した者とみられるが、漂流物がひとつも発見されなかったため、様々な憶測が庶民の間で囁かれた。
その中でも特に信じられたのが「生きのびた西郷隆盛が乗船して帰国してくる」というものだった。
嵐で遭難した漁船が、謎の軍艦を指揮する「鹿児島弁を喋る大柄な男」に助けられたという事件があったばかりだったからだ。

 

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江戸末期、猿田和彦は死んだ父親から将棋を学び、御守りとして父親が
大切にしていた王将を肌身離さず持って将棋を指していた。ある日初めて見る老人に誘われ一局勝負した。
猿田が接戦で勝利すると老人が「強くなったな」と一言残して消えてしまった。
老人が消えたあとには将棋の駒が落ちていた。その駒は死んだ父親が大切に持っていた「玉」だった。

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