『不可思議なご依頼』|長編【洒落怖 名作】不思議な話・奇妙な体験まとめ

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『不可思議なご依頼』|長編【洒落怖 名作】不思議な話・奇妙な体験まとめ 不思議な話
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その日も何度か、トライしたら昼過ぎのタイミングの電話に反応がありました。

「もしもし、Dさん?○○です、ご無沙汰してます」

「はぁ?あの違いますよ」と女性の声での返答。

「え?Dさんの携帯ではありませんか?」

「いえ、違います」

「大変失礼しました」

掛け間違えたかな?再度掛けてみました。

するとやっぱりさっきの女性・・・ん?何で?

「私2年前からこの番号なんで前の方番号変えたんじゃないですか?」

なるほど・・・そういうことか(笑)

先日の件が影響して何でも不可思議な事に結びつける自分が恥ずかしくなりました。

女性にお詫びを言って、Dさんから以前頂いた名刺を探しました。

そして代表番号に電話をし、

「○○と申しますがDさんをお願いします」

と伝えると、

「Dですか?あの、失礼ですがどちらの○○さまでしょうか?」

と何か不信感を持った声で尋ねられました。

「あの数年前の□□でご一緒にお仕事させて頂いた○○なんですが・・・」

「あぁ、あの時の」と声色が急に普通に戻りました。

「私家内です、ご無沙汰しております」

「あ、奥様でしたか、ご無沙汰しております。で、Dさんをお願いしたいのですが」

「あの・・・申し訳ありません、Dは3年程前に亡くなったんですよ」

「!」

「もしもし?」

「あ、すいません、お亡くなりになられたんですか?
知らずに大変失礼しました申し訳ありません」

「あ、いえ、お知らせ届いてなかったですかね?」

Dさんは3年前に心不全で亡くなっていました。

ぞっとしました。

じゃあTさんはいつ私を推薦されたのか?

何が何だかますます混乱しはじめました。

なので、Tさんに電話し、いつDさんから私を紹介されたのかお聞きしようと思い
すぐに電話しました。
「もしもしTさん、坊主です」

Tさん「あ、先日は本当にありがとうございました。
あれから家の空気がスッカリ変わって本当に助かりました。
あれからおかしなことは一切おきてないです、
それどころか、もう、あれなんですよ、匂いがね、
お坊さんが焚いてくれた白檀の匂いが残ってる感じで、
家の中が元通り明るくなって家内も物凄く感謝してるんですよ」

「あ、それは、良かったですね、お役に立てて幸いです。
でも他の人に私のことは言わないで下さいね。
本当に解決する様な能力とかないので」

Tさん「勿論、あの日もお約束しましたし、
ウチだってそうそうこんなことあったなんて言えませんから
安心して下さい、お約束は守りますし、
お坊さんはウチを助けてくださったかたなんですよ感謝ばかりです」

「あの、ちょっとお聞きしたいことがありまして、宜しいでしょうか?」

Tさん「はい、なんでしょう?」

「あの・・・Dさんからいつ私を紹介されたんでしょうか?」

Tさん「・・・。」

「もしもし」

Tさん「はい」

「あの、Dさんからいつ頃、どういう風に私の事をお聞きになったんでしょうか?」

Tさん「お坊さん・・・」

「はい」

Tさん「もう全部解決したんですから、終わりにしましょうよ」

「え?」

Tさん「お坊さんはウチを助けて下さった。
それで良いじゃないですか、もう終わりにしましょう」

「え?・・・」

Tさん「では、失礼します」

「あの・・・」

電話は切られてしまいました。

 

なんで?これ、なに?

ますます混乱する中、この話を書き始めた6/14に外出から帰宅すると家族から

「昼間、仏事のお尋ねの電話があったわよ、
あなた指名で、Dさんからの紹介なんですって」

と言われ、今日までその混乱が収まっていません。

もう2日経ちましたが、そのお問合せの件に私はまだ電話出来ていません。
家族からも早く連絡しないと失礼だから、と毎日言われていますが、怖くて出来ません。

で、携帯で写した写真3枚、確かに保存されていたのですが、
最後のカラスの屋根の家、以外の2枚は、真っ黒な状態にしかなっていませんでした。

PCに移してフォトショップでコントラストあげてみたりもしましたが、
真っ黒な状態から変化はありません。

証拠がなにもないので、最初に書いた通り僧侶の立場もあり、
身近な人間に話す事が出来ないんです。

ここまで不思議で変な出来事に遭遇したのは初めてです。

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