神話には、人々の恐れや不安、罪、暴力といった“心の闇”を象徴する邪悪な女神が数多く登場します。
彼女たちは、誘惑・破壊・死・呪術・戦争など、人間が本能的に避けたい「負の力」を体現する存在として語り継がれてきました。
この記事では、ギリシャ、メソポタミア、北欧、エジプト、ケルトなど世界各地の神話から、20柱の闇の女神を厳選。
それぞれの 特徴・能力・象徴・逸話 を整理し、神話の“影”の側面を紹介します。
邪悪な女神一覧
世界の物語が描いてきた“闇の象徴”を紐解きながら、
あなたの 創作・設定づくり・考察・学び に活かせるヒントとしてお役立てください。
1. カキア(Kakia)|悪徳と誘惑の化身(ギリシャ)
甘い誘惑で人を堕落へ導く「悪徳の女神」。
ヘラクレスに快楽だけの人生を提案した逸話が有名で、努力や徳よりも「楽で安易な道」を選ばせようとする存在として描かれる。
- 能力:誘惑、精神汚染、快楽の提供、心の堕落誘導
- 象徴:怠惰・堕落・虚栄心
2. ラマシュトゥ(Lamashtu)|幼児を襲う死と病の女神(メソポタミア)
疫病・流産・乳児死をもたらす恐怖の存在。
悪魔ではなく“単独で災いを起こせる女神”とされ、母子にとって最大級の脅威として恐れられた。
- 能力:乳児を奪う、病気をばら撒く、悪夢の具現化
- 象徴:死・疫病・母性の暗黒面
3. リリス(Lilith)|夜と誘惑の原初の魔女(ユダヤ/メソポタミア)
エデンを去った“アダムの最初の妻”という伝説で有名な闇の女霊。
夜に赤子を奪い、男女を誘惑する妖女として恐れられ、夢や悪夢に入り込む存在ともされる。
- 能力:夢侵入、誘惑、赤子を襲う夜霊、風のような移動
- 象徴:夜、性、反逆、自由意思
4. ルーヒ(Louhi / Loviatar)|病を生む冥界の女王(フィンランド)
ポホヨラを支配する邪悪な北方の魔女王。
九つの病の母、狼の母として描かれ、呪術と災厄を操る「北方の闇の支配者」として恐れられた。
- 能力:呪術、病の創造、災害発生、天候操術
- 象徴:死、呪い、北方の闇
5. ヘカテ(Hecate)|魔術と冥界を支配する魔女の女神(ギリシャ)
三つの姿を持つ月と魔術の女神。
冥界の鍵を握り、死霊・怪物を操る“魔女の母”として崇拝される一方で、闇・死・呪術と深く結びついた危険な側面も持つ。
- 能力:死霊術、魔術、闇の火、冥界の門の開閉
- 象徴:三相の月、犬、十字路、霊の導き
※完全な邪神ではないが、“闇の側面”が最強クラスの女神。
6. カーリー(Kali)|破壊と死の黒き母神(インド)
舌を突き出し、首の首飾りを纏う戦闘の女神。
悪を滅ぼし、時間さえ飲み込む“破壊の絶対者”として恐れられる一方で、信仰者にとっては守護と解放を与える母なる存在でもある。
- 能力:破壊、輪廻の停止、時間の支配、悪の殲滅
- 象徴:血、剣、死体、黒い肌、舞踏
※破壊神だが、“悪を打ち倒すための破壊”として崇拝される。
7. アナト(Anat)|血に飢えた戦争女神(カナン/ウガリット)
古代中東最凶の戦女神。
敵の死体を山のように積み上げ、血の川で喜ぶ残虐さが有名で、戦場に狂気と破壊をもたらす存在として恐れられた。
- 能力:戦闘力、戦場支配、破壊、激情の力
- 象徴:戦争、血、生贄、戦場の狂気

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