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アイヌ神謡・民話に登場する神・英雄一覧

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アイヌ神謡・民話に登場する神・人物一覧 一覧
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神謡登場人物紹介

参考にする際の注意
・カムイは地域やコタン、または個人によって扱い方や信仰対象が違います。
・ここで紹介されているものは数多ある説の一部に過ぎません。

 

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英雄7人

はアイヌたちの生活や文化を拓いたり、伝説や物語の主人公として活躍した英雄たちの中でも以下の7人が神謡によく登場する

 

アイヌラックル

【aynu-rak-kur】 → 人間くさい神

アイヌ【人間】 ラク【におい、味】 クル【人、男、神】
人間のにおいがする神なのではなくて、人間のような神という意味。

彼の容姿に関しては特徴的で、彼の着る着物の裾は焦げており、刀の鞘尻からは火を吹いているそう。

彼の母親はチキサニ姫といい、ハルニレの木の女神で炎を司っている。父親は伝承によって違い、雷神であったり太陽神であったり疱瘡神であったりする。俺が知る限りでは、父親は雷神である伝承が多い。

また、ポイヤウンペ(わがサイト内ではポイヤンペ)の腹違いの兄であるという伝承やオキクルミ、サマイクルとの三人兄弟であるという伝承もある。

彼は伝承によって呼び名が異なるらしい。
その呼び名は、オキクルミ、アエオイナカムイ、サマイクル、ワリウネクル、オアイヌオルシクルなど。オキクルミやアエオイナカムイがアイヌラックルと同一視されているのは有名な話。

 

ポイヤンペ
【pon-ya-un-pe】 → 陸の若大将

ポイ(ポン)【小さい、若い】 ヤ【陸】 ウン【~に居る】 ペ【人】
伝承によって「ポイヤウンペ」「ポンヤウンベ」とも。

アイヌ英雄叙事詩の主人公。
彼は孤児で、叔父や姉によって育てられる。
また常勝不敗の剣豪で女の子によくもてる。彼の戦いぶりは鬼神そのもの。ひとたび戦闘が始まると敵であればおかまいなしに切り刻み、敵の里をぶち壊して滅ぼす。しかも彼はケガをもろともせず、死んでも生き返って戦におもむく始末。彼の物語は波乱万丈。出生も物語によって違うし、彼自身が何もしなくても戦が起きる。何戦も戦をこなして最後は美女と結ばれてハッピーエンドとなる場合が多い。彼はアイヌラックルの弟とも言われ、もう一人のアイヌラックルとも言われているようです。
多分これはアイヌラックルもポイヤンペのように戦物語が多いせいかな~と。でもアイヌラックルとポイヤンペは互いの物語に登場することはまず無いようです。登場することがあれば、それは伝承者による創作なのだとか。

 

オキクルミ
【o-kiki-ur-mi】 → 裾がきらきらする皮衣を着る

オ【裾、尻、端】 キキ【きらきらする】 ウル【皮衣】 ミ【着る】
伝承によって「オキキリマ」「オキキリムィ」とも。

様々な神が自分の体験談を謡う物語「カムイユカラ」に登場する人物。
また、沙流川流域を中心に活躍した人文神(人間の文化を拓いた神)だと言われています。アイヌの英雄のなかで彼が一番有名なのかもしれない。彼はカムイモシリ【神の国】から降りてきた人の姿をしたカムイ【神】で、巫術(アイヌでは占いや魔法のような力を指す)や弓術に長けており、戦もおてのもの。悪いことをした神をこらしめる際の彼は、とてもイタズラっこでおちゃめさん。彼はアイヌラックルと同一人物扱いされているけれど、オキクルミにはサマイクルという兄貴がいます。そのサマイクルが兄かどうかは伝承によって変わってくるけれど仲は悪くなさそう。

 

サマイクル

【sama(n)-ye-kur】 → 神託を言う神
サマ(サマン)【神託、巫術】 イェ【言う】 クル【男、神、人】

 

伝承によって「サマイェクル」「サマユンクル」とも。

様々な神が自分の体験談を謡う物語「カムイユカラ」に登場する人物。
彼はコタンカラカムイ【村おこしの神】の別名を持つ、巫術(アイヌでは占いや魔法のような力を指す)の達人。道北道東を中心に活躍した人文神(人間の文化を拓いた神)だと言われ、彼の活躍地は北海道に留まらず樺太や千島にも及ぶと言われています。彼にはオキクルミという弟がいます。
不思議なことに道南道央の伝承と違って、道北道東の伝承でオキクルミはサマイクルの弟として登場するか、その仲あいは不明である場合が多いみたい。サマイクルとオキクルミの立場が西と東で違うというのは有名な話なのだそうな。

 

アエオイナ神
【a-e-oyna-kamuy】 → 自ら巫術を使う神、我々が伝承する神

ア【自分、私】 エ【~が】 オイナ【巫術、伝承】 カムイ【神】

彼は生物起源の説話によく登場する神です。
彼が捨てた道具は、他の神が惜しがって生き物に変えていきます。また、彼自身も色々な生き物を創りだします。アエオイナカムイは【我々が伝承する神】とも訳されます。この場合はアイヌラックルやオキクルミの「飾ったあだ名」として使われている場合がほとんどです。生物起源の説話に登場するアエオイナカムイとは別もの、と考えたほうがよいでしょう。

 

オタスツンクル
【ota-sutu-un-kur】 → 砂原の神、オタスツ(オタスツという地名)の人

オタ【砂】 スツ【原】 ウン【~に居る】 クル【男、神、人】
伝承によって「オタシトンクル」「オタシュトゥンクル」とも。

彼は英雄と呼ばれる反面コメディアンな一面を持っているのも事実。オタスツンクルが【砂原の神】と訳されるか【オタスツの人】と訳されるかは物語次第。物語によってはハッピーエンドを迎えることもあれば、バッドエンドもあるわけで…。

 

ポンオキクルミ
【pon-okikurmi】 → 小さいオキクルミ

ポン【小さい】 オキクルミ【オキクルミを参照】

カムイユカラ(カムイが自ら物語る話)の登場人物。

オキクルミ自身の幼少期、または息子。息子を指す場合が多め。オキクルミ同様弓術や巫術に長けており、戦もお手のもの。神謡ではポンサマイクル(小さいサマイクル)と連れ立って登場し、サマイクルとオキクルミ系の話を息子に置き換えた感じの話もあれば、親子で登場する話もあります。
また『此の砂赤い赤い(アイヌ神謡集/著者知里幸惠)』などポンオキクルミ自身が物語る話(オイナ)もあります。

 

 

神や人物

ワリウネクル
【o-uware-iw-ne-kur】 → そこから人間が繁殖した者である神

「ワリウネクル」はアイヌラックルの別名とも、オキクルミの息子とも言われています。彼もまた人文神(文化英雄)であり、人々に生活の智恵を与えて最後は樺太で散るらしい。

彼の物語の特徴は自叙形式であり、戦物語が全然無いこと、カムイと関わるよりも人間と関わる話が多い。

 

オアイヌオルシクル
【o-aynu-orsi-kur】

北見地方の人文神(文化英雄)。
「オアイヌオルシクル」とは「ワリウネクル」と同類語のようであり、かつ樺太かオホーツク圏の方言だと思われます。彼の物語は自叙形式ではなく第三者に語られるもので、戦物語は全然無いようです。また人ともカムイとも関わりを持つ神人であり、サマイクルや生物起源の説話に登場するアエオイナカムイのような存在です。

 

ヤイレスポ
【yay-i-resu-p(o)】 → ひとりで育った子

ヤイ【自分、自ら、我】 イ【それ】 レス【育てる、養う、飼う】 ポ【子ども、息子】
東海岸ではヤイレスポ、西海岸ではヤイレスプと呼ばれます。

樺太(サハリン)アイヌの神謡登場人物で樺太地域における文化英雄。
戦も知恵くらべも狩り技術普及も恋もお手のもの。なんでもやってのける万能少年。ひとりで育った子というのは人間の始祖(人間の親がいない)と言われるため。また、樺太におけるサマイクルや北海道のポイヤンペと同一視されている部分もあります。彼にはバーリオンナという相棒がいて、ふたりセットになって神謡に登場することもしばしば。北海道のサマイクルとオキクルミのような物語もあり、常にバーリオンナが損な役目をおっています。ヤイレスポとバーリオンナの関係については兄弟などの親類であることを伝える話は見当たらなく、親しい友人、相棒同士といった関係である様子。

 

バーリオンナ
樺太(サハリン)アイヌの神謡登場人物で、ヤイレスポ(樺太におけるサマイクル)の相棒。

 

カムイオトプシ
【kamuy-otop-us】 → 神の毛髪をもつ者

カムイ【神】 オトプ【毛髪】 ウシ【ついている、生えている】

ユカラ(ポイヤンペの英雄叙事詩)に登場する人物。

ポイヤンペの養育の兄、年上の親族、味方になる男などといった役でポイヤンペと縁のある年上の男性。美形らしい。

神の毛髪というのは、ちぢれた髪のことで天然パーマの

 

シヌタプカウンマッ/オタスツウンマッ
【si-nutap-ka-un-mat】 → シヌタプカの女

シヌタプカ【大平原の上方(地名)】 ウン【~に居る】 マッ【女、妻】
————————————————————-
【ota-sut-un-mat】 → オタスツの女

オタスツ【砂原(地名)】 ウン【~に居る】 マッ【女、妻】

メノコユカラ【女のユカラ】の主人公。主人公が住んでいたところ(伝承地域)によって名前が違います。

自分を育ててくれた人に「許婚(いいなずけ)がいるからその人と結婚なさい」とうながされ、許婚に会いに行く途中で困難に遭い、散々な目にあいながらも最後は男性と結ばれてハッピーエンドとなる場合がほとんど。

戦の描写はほとんどなく、濃厚な恋愛模様が描写されています。

 

 

コタンカラカムイ【天地創造神】

【kotan-kar-kamuy】 → 国造りの神、地上創造神

コタン【村、集落、国】 カラ【作る、こしらえる、直す】 カムイ【神】

地上を創造した男神。
人間を造ったのも彼だと言われています。伝承によって地上創造の内容やコタンカラカムイ自体の姿が異なります。一つはその体はかなりの巨体で、海に膝まで浸かり顔は雲の向こう。クワで海底を盛り上げて陸地を作り、その陸地を足で掻いて川筋を作る。一つは天上のカムイたちと共同で陸の地形や生態系を作り上げ、天上のカムイの何人かを地上に遣わせて守人とさせる。一つは地上創造後に自分が持っていた道具や、たとえ灰であっても使ったものが生物に変わる(アエオイナ神と同一視されることも)。

また、彼には兄弟がいるという伝承もあり、その兄弟に弟カンナカムイ(雷神)や、妹(名称不明)が数名いるようです。妹はコタンカラカムイに連れられて地上に来ていたらしく、地上から去るときはあまりにも名残惜しくて泣いてしまい、その涙や鼻水は千島列島になったとか。

 

パナンペとペナンペ
【pana-un-pe】 → 下の者(川下に居るやつ)

パナ【川下、下のほう】 ウン【~に居る】 ペ【人】
————————————————————-
【pena-un-pe】 → 上の者(川上に居るやつ)

ペナ【川上、上のほう】 ウン【~に居る】 ペ【人】

パナンペペナンペ譚はサマイクルとオキクルミ以上に日本昔話で言う『隣の爺型』の話が多い。中にはアイヌの始祖であるという話も存在する。

子どもたちがお年寄りに昔話をねだると、だいたいパナンペペナンペ譚だったとか。

 

イクレシュイ

 

動物神

キムンカムイ【ヒグマ】
【kim-un-kamuy】 → 山の神、熊神

キム【山】 ウン【住む、居る】 カムイ【神】

ヌプリコロカムイ(nupur-kor-kamuy)【山を司る神】とも呼ばれ、クマ(ヒグマ)に顕現される山の中では最高位のカムイ。
神謡によると真っ黒な着物を着ている男性だそうです。クマのなかでも人を殺してしまったクマはウェンカムイ【悪い神】とみなされ、イヨマンテ【カムイを送る儀式】のように丁寧に扱われることなく、人の手によって酷い扱いを受けたあとポクナモシリ【下の国】へ蹴落とされます。

キムンカムイは山奥に住み、山という領域を守るカムイであり、山そのもののカムイ(ポロシリ岳の神や雄阿寒岳など)とは別の存在。

 

ホロケウカムイ/ウォセカムイ【オオカミ】

【horkew-kamuy】 → 狼神
ホロケウ【狼】 カムイ【神】

(別称)ウォセカムイ 【wo-se-kamuy】 → 遠吠えする神
ウォセ【ウォーと吠える、遠吠え(する)】 カムイ【神】

(別称)オンルプシカムイ 【onru-pus-kamuy】(アイヌ語表記不明) → 狩猟が上手な神(訳不明)
オンル【?】 プシ【?】 カムイ【神】
※道東方言? アイヌ語・訳共に不明につき情報求ム。

現在では絶滅してしまったとされるエゾオオカミに顕現される、狩猟を司る男性神。

物語ではクジラの肉を独り占めしようとして懲らしめられる話、虎杖丸の彫刻に宿った神として活躍する話などがあります。地上に住むのを熱望して熊神と一緒に天上からやってきたという伝説も。

生活の中ではオオカミが食事をしているときに咳払いをすると、獲物を分けてもらえるということもあったようです。

 

 

ケマコシネカムイ【キツネ】

【kema-kosne-kamuy】 → 狐神

ケマ【足】 コシネ【軽い】 カムイ【神】

キツネをカムイとしてあがめるときの呼び方。キツネは普段「スマリ(シュマリ)」や「チロンヌプ」などと呼ばれます。

キツネの中でも真っ白なキツネや真っ黒なキツネは特別位が高いらしく、その姿を見ただけで幸せになれるといい、その頭蓋骨を持つ者は更に幸せになれるといいます。
天候を司り、その力を悪用するキツネ様や人のために役立てるキツネ様もいます。

自ら歌った話(カムイユカラ)も多く、神謡の中でもなじみ深い存在。男性の場合が多め。

“足が軽い”というのは伝達する早さのことを指し、それはカムイノミ(祭事)があることをケマコシネカムイがほかのカムイたちに伝達する役割を負っているため。重要な役割を負っているがゆえに、アイヌから丁寧にお願いされることもあれば厳しいことを言われることもある。

道東のほうではあまり良い存在ではないらしい。
阿寒の古老によるとイオマンテの際にキツネとタヌキが主霊(クマやフクロウなど)の荷物持ち兼道案内役をするが、キツネのすぐ後ろにはタヌキが付いて、キツネが土産を持ち逃げしないように見張っているのだとか。

 

 

イセポカムイ【ウサギ】
【isepo-kamuy】 → 兎神
イセポ【ウサギ】 カムイ【神】

昔は巨体だったが普段のいたずらが過ぎてオキクルミに罰せられ今のような小さい姿になった、自分の角をシカの足と交換したなどウサギが物語った話は多数。
神謡の中でもなじみ深い存在。

海に出たときにウサギの話をすると不漁になるらしく、海でウサギの話をするときはイセポではなく「カイクマ」と呼んだそうです。

 

 

トゥスニケカムイ【エゾリス】

レプンカムイ【シャチ】

【rep-un-kamuy】 → 沖の神、鯱神
レプ【沖】 ウン【住む、居る】 カムイ【神】

シャチに顕現される、海の中では最高位のカムイ。アトゥイコロカムイ【海を領有する神】とも(地域によってはクジラを指す場合もある)。

海の王者はクジラをイメージするかもしれませんが、シャチはクジラを岸に追い込んで打ち上げ、人々に貴重な食糧をもたらす存在であったためクジラよりも優位であるようです。

神謡で登場するのは男性が多め。陸地の女性に恋をしたり、兄弟と漁をしたりとシャチならではの話がたくさん。

 

キナシュッウンカムイ【ヘビ】

 

コタンコロカムイ【シマフクロウ】
【kotan-kor-kamuy】 → 村を領有する神

コタン【村、集落、国】 コロ【持つ、司る】 カムイ【神】

その姿をシマフクロウに顕現される、村護りの神とも言われる動物神。
老男性である場合がほとんど。コタンカラカムイ【国造神】による天地創造時、動物神の中で最初に地上へ降ろされた神であると言われ、高い木の上から国を見守る役割を負っているとされています。
独特の低い鳴き声で村から魔を払いのけ、目を開いたときは眼力で魔を払っているといわれています。神謡においてコタンコロカムイはほとんどミスを犯さない、カムイの中でも特別な存在であるようです。
コタンコロカムイに対する信仰の度合いは道東方面が強く、道南に向かうにつれて少しずつ薄くなり、そのかわりにキムンカムイ【山の神/熊神】に対する信仰度が強くなるそうです。コタンコロカムイが登場する物語は『銀のしずく降る降るまわりに』をはじめ、不敬をはらったカワウソを懲らす話、海の水をひしゃくで干上がらせる話など多数あります。

 

クンネレクカムイ/イソサンケカムイ【エゾフクロウ】
【kunne-rek-kamuy】 → 夜啼く神
クンネ【夜、黒、暗い】 レク【鳴く、さえずる】 カムイ【神】

【iso-sanke-kamuy】 → 獲物を出す神
イソ【豊猟】 サンケ【出す】 カムイ【神】

エゾフクロウに顕現されるカムイで性別は男性である場合が多いようです。

道東方面でコタンコロカムイと同じ杯を受け取る神、コタンコロカムイのかたわらに居る神とされています。

夜にエゾフクロウの鳴き声のした方角を憶えておき、翌朝にその方角へ行くと熊がいるといわれています。このことを伝える伝承もあり、イソサンケカムイと言われる由来であるようです。

フクロウに対する信仰の度合いは道東方面が強いとされ、南にいくにつれて薄くなっているようです。

 

サロルンカムイ【ツル】
【sar-or-un-kamuy】 → 湿地に住む神

サラ【湿地】 オロ【所】 ウン【住む】 カムイ【神】

タンチョウヅルに顕現される、湿地に住む神。
地域によってサルルンカムイとも。サロルンチカップリムセ【鶴の舞】はアイヌ古式舞踊の中でも有名な踊り。物語の中での性別はまちまち。ツルはアイヌの嫌う湿地に住み、生活においてもさほど重要視されない鳥だったようですが、和人(本州からやってきた日本人)が見て喜ぶので、和人とアイヌの交流が盛んになってからカムイになり、踊りや歌が生まれたと思われます。

 

レタラチカップカムイ【ハクチョウ】
【retar-cikap-kamuy】 → 白鳥神

レタラ【白、白い、真っ白】 チカプ(チカップ)【鳥】 カムイ【神】

白鳥のカムイ。
口頭で言うときは、レタラチカップが縮まってレタッチリカムイとも。アイヌラックルの神謡に登場し、真っ白で美しい着物を着ているとされる女神。

 

ハシナウウクカムイ【カケス】


カパッチリカムイ【ワシ】


ヤトッタカムイ【トビ】


パシクルカムイ/カララクカムイ【ハシボソガラス】


チプタチカプカムイ【クマゲラ】

 

自然神

アペカムイ/アペフチカムイ【火】
【ape-kamuy】 → 火の神 / 【ape-fuci-kamuy】 → 火の媼(おうな)神

アペ【火】 フチ【老女、おばあさん(敬称)】 カムイ【神】

炎を司る神。
神謡でも生活においても女性の神であるとされています。いろりに鎮座しているアペカムイは老女でイレスフチ【育てのばあさま】とも呼ばれ、道東ではチセコロカムイ(家を司る神)と夫婦であるというところもあります。
イオマンテ(神送りの祭り)などの祭事においてアペカムイは祭られたカムイの魂をカムイモシリへ道案内する役割を担うところもあります。またパケトゥナシカムイ【口の早い神】とも呼ばれおしゃべりな性格とされているため、狩りの相談を炎の前ですると獲物がアペカムイを通じて逃げてしまうので狩りの相談を炎の前で話す場合は暗号を使って話すそうです。神謡においてアペカムイは老女の場合もあれば若い女性で登場することもあります。
老女の場合は美しい着物を幾重にもまとい、手に杖を持った姿で登場し、若い女性の場合は荒々しい炎が描かれた扇を持っているとされています。

アペカムイが登場する物語は水の神と巫術くらべをする話、オキクルミの手助けをした話などがあります。アペカムイにはトポチカムイ(訳不明、炉回りで使われる道具のカムイの総称)という部下的存在がいるようです。

アイヌの生活において、炉はアペフチが座るところであり眠るところでもあるため、家の女性は炉の灰を丁寧にならしてきれいに保つのが常とされており、女性の大切な仕事でもありました。

 

 

ワッカウシカムイ【水】
【wakka-us-kamuy】 → 水の神

ワッカ【水】 ウシ【ついている、生えている】 カムイ【神】

水を司る女神。
生活に欠かせないカムイの中でもアペカムイ【火の神】同様、最高位のカムイ。ペッオルンカムイ【川にいる神】と同一視されることも。水はワッカウシカムイの乳であるといわれ、大切に使われてきました。神謡ではアペカムイとの巫術比べのほか、魚授けの神と鹿授けの神の怒りをしずめて飢饉を救う話などがあります。

 

シリコロカムイ【大樹】
【sir-kor-kamuy】 → 大地を司る神

シリ【地、大地、島】 コロ【持つ、司る】 カムイ【神】

シニコロカムイ(si-ni-kor-kamuy)【真の樹を司る神】とも。

樹齢を重ねた大樹に宿るとされる、大地を司る女神。祈りを捧げる対象としては結構重要な位置づけをされている、重い神とされているようです。

 

チュプカムイ【太陽】
【cup-kamuy】 → 日の神

チュプ【太陽、月】 カムイ【神】

アイヌラックルやオキクルミの神謡にイレスサポ【育ての姉】として必ずと言っていいほど登場する神。

太陽神の性別は神謡によって違い、アイヌラックル出生の話では男性でありアイヌラックルの父であるという話もあれば、コタンカラカムイ【国造神】の妹であるという話もあります。
実生活においては女性の神である場合が多いようです。

太陽神が登場する神謡は地上創造神話のほか、アイヌラックルに救出される話などがあります。

 

クンネチュプカムイ【月】

 

カントコロカムイ【天】

 

チェプサンケカムイ【魚授けの神】
【c=e-p-sanke-kamuy】 → 魚を出す神、魚を授ける神
チェプ【魚】(チ【我ら】、エプ【食べ物】) サンケ【出す】 カムイ【神】

(別称)チェプコロカムイ 【c=e-p-kor-kamuy】 → 魚を司る神
チェプ【魚】 コロ【持つ、司る】 カムイ【神】

(別称)チェパッテカムイ 【c=e-p atte kamuy】 → 魚を増やす神
チェプ【魚】 アッテ【多い、増える】 カムイ【神】

魚、主に鮭を出す男性神。
地域によってはチェバッテカムイとも。大きな袋を持っているとされており、このカムイが川や海に魚を放していると言われています。ゆえに鮭などの魚はカムイではなく、カムイの魚、カムイの持ち物という位置づけがされているようです。物語では鹿授けの神とセットで登場。

 

ユクサンケカムイ【獲物授けの神】
【yuk-sanke-kamuy】 → 鹿を出す神、鹿を授ける神
ユク【鹿、獲物】 サンケ【出す】 カムイ【神】

(別称)ユクコロカムイ 【yuk-kor-kamuy】 → 鹿を司る神
ユク【鹿、獲物】 コロ【持つ、司る】 カムイ【神】

(別称)ユカッテカムイ 【yuk-atte-kamuy】 → 鹿を増やす神
ユク【鹿、獲物】 アッテ【多い、増える】 カムイ【神】

鹿を出す男性神。

大きな袋を持っているとされており、このカムイが山に鹿を放していると言われています。ゆえに鹿はカムイではなく、カムイの持ち物という位置づけがされているようです。

 

パコロカムイ【疱瘡神】
【pa-kor-kamuy】 → 病を司る神

パ【病、流行病】 コロ【持つ、司る】 カムイ【神】

流行病(疱瘡病など)を司る神。このカムイが歩きまわって病気をまいていると考えられていたため、パヨカカムイ【歩く神】とも。
ほかのカムイたちと違って、あられ模様の着物を着ていると言われています。物語によってカムイの性格が異なり、ある物語では戦に向かうポイヤンペに危険を知らせる存在であったり、ある物語では自分が歩いたあとに人々が病に倒れるのを面白がるものがいたりします。パコロカムイは南の海からやってくると言われ、舟に乗って集団で渡ってくるのを知ったオキクルミが、ヨモギで人形を作ってそれを撃退する物語もあります。
パコロカムイは「年を支配する神」と訳される場合もあります。

ウタラコロカムイ(utar-kor-kamuy)【眷属(けんぞく)をもつ神】とも呼ばれ、シカトロケクル・シカトロケマッ【男女一対の咳の神】、トピシキクル・トピシキマッ【男女一対の瘧(おこり)の神】、ムニンペシクル・ムニンペシマッ【男女一対の腐り病の神】などを連れているらしい。

 

ハルコロカムイ【穀物神】

 

レラカムイ【風】
【rera-kamuy】 → 風の神

レラ【風】 カムイ【神】

風の神。
物語によって性別はまちまち。男性が多め。いたずら好きのカムイであるらしく、懲らしめられる話が多い。普段の生活でも風が強いときは、鎌を地面に刺しておくと風がやむというおまじないがあります。

 

カンナカムイ【雷】
【kanna-kamuy】 → 天の神、龍、雷神

カンナ【上】 カムイ【神】

雷の神。雷が龍に見えたことから龍であるとも。
龍に関しては大陸から入ってきた説、アイヌのオリジナル説などがあるようです。物語によって性別はまちまち。
アイヌラックルやポイヤンペの父と言われる話や、シンタ(物語の中では天上から縄で吊るされたゆりかご)に乗って地上の村を見て回る話、いたずらが過ぎてフキノトウに変えられた雷神の妹の話、剥げ頭なのをコンプレックスに人間の娘から髪の毛を盗む話などがあります。カンナカムイがアイヌラックルの父とされる物語だとカンナカムイは強靭な戦士であり、彼がチキサニ姫(ハルニレの女神)のところへ行ったことがもとで戦が起こり、最後は戦に勝利してチキサニ姫と結ばれることが多いです。

 

シラムパカムイ【大地】

 

地神

ソコロカムイ【滝】
【so-kor-kamuy】 → 滝を司る神

ソ(ソー)【滝】 コロ【持つ、司る】 カムイ【神】

滝を司る男性神。

槍を持って悪い神を倒し、物語の主人公を助けたという昔話があります。
また、アイヌラックルのオイナにソコロカムイの妹が登場するものもあります。

 

トーコロカムイ【沼、湖】

ペッオルンカムイ【河川】

ヌプリコロカムイ【山岳】

ヌサコロカムイ【幣所】

アトゥイコロカムイ【海】

チワシカムイ【河口】

ソコロカムイ【滝】

トーコロカムイ【沼、湖】

ペッオルンカムイ【河川】

ヌプリコロカムイ【山岳】

ヌサコロカムイ【幣所】

アトゥイコロカムイ【海】

チワシカムイ【河口】

 

物神

チセコロカムイ【家】
【cise-kor-kamuy】 → 家を司る神

チセ【家、巣】 コロ【持つ、司る】 カムイ【神】

チセ(アイヌ伝統家屋)の全体を司るカムイ。
主に男性とされ、地域によってチセコロカムイとアペカムイは夫婦であるとするところもあります。またチセには、チセパンノキアンパカムイ【西側の軒を支える神】やチセペンノキアンパカムイ【東側の軒を支える神】など多数のカムイが軒や柱を支えており、アパサムンカムイ【戸口の神】など家屋の場所々々を司るカムイが居るとされています。
そのため、チセのいたるところにイナウル(幣所に祀られるイナウより小型のもの)が掛けられています。

▼関連するカムイ
アパサムンカムイ【戸口の神/タヌキ】
チセパンノキアンパカムイ【西側の軒を支える神】
チセペンノキアンパカムイ【東側の軒を支える神】
ルコロカムイ【便所の神】ほか

 

トミカムイ【太刀】
【tomi-kamuy】 → 太刀神

トミ(トゥミ)【戦、太刀、カブトの前たて、宝物】 カムイ【神】

太刀に宿るとされる男性神。

日常的に使われるアイヌ語でトミは【戦】や【カブトの前たて】を意味し、ユカラなどの物語内で使われるアイヌ語で【太刀】と訳されます。

“トミ”は日常、ユカラ問わず【宝物】と訳され、【宝物】の中に【太刀】の意味も含まれているらしく、“トミ”は【宝物】という意味合いのほうが強いようです。

 

トポチカムイ【炉まわりの道具の神】

 

植物神

トゥンニカムイ【カシワ】

スルクカムイ【トリカブト】

トゥレプカムイ【オオウバユリ】

ウンコトゥクカムイ【松やに】

ララマニカムイ【イチイ】

ヌプカウシマッ【クリ】

イモシュカムイ【ヨモギ】

ランコカムイ【カツラ】

チキサニカムイ【ハルニレ】

アッニカムイ【オヒョウ】

シュシュカムイ【ヤナギ】

ケネカムイ【ハンノキ】

チクペニカムイ【エンジュ】

 

精霊・妖精・魔・鬼

セレマク【集団守護霊】

トゥレンカムイ/トゥレンペ/カシカムイ【個人守護霊】

パウチ【妖魔】

コシンプ/ミントゥチ【妖精】

ニッネカムイ【魔神・鬼】

 

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