【時空の歪み】『旧校舎の庭園』など短編10話【17】 – 異次元に行った不思議な体験

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【時空の歪み】『旧校舎の庭園』など短編10話 - 異次元に行った不思議な体験 不思議な話
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時空にまつわる不思議な体験 短編10話

 

近道

 

俺は、現在二十歳です。家は生まれた時から東京で、
ばあちゃんちが宮崎にあります。
そんで俺が小学生時代のある日、通学路の途中にある細い横道をなんか通りたくなったので
通ってみると、三段くらいの石段があって、そこを上ると山道にでました。
乗用車が目の前を二台通り過ぎるのを見送ってから、そこを横断したのですが、
すると、今度は崖があります。
その崖を降りるとそこは宮崎のおばあちゃんちだったのです。
俺はおばあちゃんと少し話してから来た道を戻り家に帰ったのですが、
その間は実際の時間も体感時間も30分程でした。
翌日も同じことをしたのを覚えています。
当時俺は、東京と宮崎との距離をしらなかったので何も不思議に思わなかったのですが
去年、宮崎に行った時におばあちゃんに聞いてみたら、
やっぱり俺は一人で宮崎に来ていたと言います。
でも、今はその宮崎への抜け道はありません。不思議だ。

 

回廊

 

俺が小学校低学年くらいの頃の話。
オヤジと二人でデパートに行った記憶がある。
大阪の高島屋か、大丸か、覚えていないがとにかく御堂筋線に乗ったことは覚えている。
当時オヤジは単身赴任をしていて、たまに実家に戻って来ると家族で出かけるため、
俺とオヤジと「二人だけ」で出かけるのは珍しいことだった。
何の目的だったかは全く覚えていないし、よく考えたら何故二人だったのかも覚えていない、
というか二人だけで出かける必然性が無かった。
俺はオヤジに手を引かれて人気の少ない紳士服売り場を歩いた。
久々にオヤジと一緒に居られるので最初は嬉しかったが、やはり子供だけにすぐ飽きてしまう。
あまり不満を表に出さない子供だった(と俺は思っている)が、オヤジはそれを悟ったのか、
俺の顔を覗き込んで少し微笑むと、売り場の奥の通路に俺を連れて歩いていった。

 

その通路は白い壁で小奇麗だった。空中通路(回廊)とでもいうのだろうか、そして奥にガラスのドアがあった。
ドアを開けて外に出ると一気に視界が広がり、石の床の大きな広場のようになっていた。大きな建物もいくつかあった。空は真っ青だった。
とにかくだだっ広く、正面には茶色の石で出来た、段の幅が広い大きな階段があり、泉のようなものもあった。
異次元のような空間だったが、俺たちのほかにも2.3人の男が何をするでもなく佇んでいた。
子供心に、「なんでデパートの奥にこんな空間があるんだ」と思ったが俺は何も言わず、オヤジも何も言わなかった。
そして、この記憶の中では俺も、オヤジも、他の誰も喋っている姿を覚えていない。
オヤジは俺の手を引き、また元来た回廊を通ってデパートの中に戻った。
俺はこの思い出の話をすることなくオヤジと別れた。
今まで他の誰にも話していない。今こうして文にしても途方も無い夢の話のようだが、
あまりに映像が鮮明すぎて夢だとは思えない。

 

名札

 

俺が小学生(4年生くらいかな)だった頃の話。
朝、妹の名札をとりあげて遊んでいた。
で、捕まりそうになったから名札を部屋に投げ入れた。
取りに行った妹が数秒後、「無い」と騒ぎだした。
入口から軽く中に投げ入れただけなので部屋の中央に
転がっているはずなのに、確かにどこにも見当たらない。
登校時間が迫っていたので妹は予備の名札をつけて登校した。
下校時。
俺が一人で歩いていたら後ろに何かが落ちる音がした。
振り返ると数メートル後ろに妹の名札が落ちていた。
親は俺の背中のランドセルから落ちたんだろうと解釈したが
登校時や学校ではくっついてなんかいなかったし
そもそも名札を投げ入れた部屋にはランドセルを置いていなかった。

俺の解釈は…言わなくても分かるよね?w

 

階段とおっさん

 

旅行に行ったとき、とある旅館に泊まった。
料理もうまくサービスも結構良かったのでここは当たりだな、と思った。
いい気持ちで部屋のテレビを見ていたが、ふとビールが飲みたくなってフロントの横の自販機まで買いに行くことに。
しかし部屋から出ると横に急な階段があり、階段の下に自販機が見えた。
「あれ?こんなとこに階段あったっけ?まあフロントまで行かなくてすんでラッキー」
そう思い、階段を下りて自販機でビールを買った。そこには座敷があり、障子の向こうから話し声がした。
部屋の前で隣のおっさんが、そのビールはどこで買ったのか、と尋ねてきたので答えると、彼も階段を下りた。
しかし部屋にはいるやいなや「うわっ」ガラガラドシャーン。
落ちた!と思いドアを開ける。しかし、
階段なんてどこにもなかった。
その辺を探してみたが勿論無い。隣の部屋をノックしたがおっさんはいない。
従業員に聞いても階段なんて無かったという。

無論さっきのことを話しても信じてもらえなさそう・・・
気持ち悪かったが予定通り宿泊して帰った。隣のおっさんは戻ってこなかった。
数年後、そんなことも忘れてその辺りに引っ越したときに
○○という旅館で改築中に壁の中から中年男性の白骨死体が発見された、
何故建てられてから20年以上も経つ建物の中から死後数年の骨が発見されたのか?
壁に掘ったような跡は無かったのに・・・
というような記事を地元の新聞で読んだ。
あの時の旅館の名前は忘れてしまったが、確かめる勇気が私には無かった。

 

山の中の公園

 

小学校低学年ごろのこと。近くの山の上にある牧場に遠足に行った。
山を登る道路を進んでいくと、先頭の先生は舗装されていない、旧道みたいな
わき道に入っていった。ときどきダンプとかも通る道だったので、小さな子が
ゾロゾロと歩くのは危険だからだと思う。まあ、数百メートル先で元の道に戻るんだが。
旧道に入って少し行くと、古い公園に出た。小さな公衆便所があり、シーソーや
なんか地球儀みたいにぐるぐる回るやつとか、数種類の錆びた遊具が置かれていた。
このとき、遠足コースの下見に行ったのであろう先生たちが、「こんな所に広場なんてあった?」
なんて話をしていたような気がするが、ここで休憩を取ろうということになった。
先生は、危ないから遊具で遊ばないようになんて言ってたが、みんなはかまわず遊んでいた。

 

そんでその後出発して無事目的地の牧場に着いたのだが、もう一度あの公園に行ってみたいと
思っていた。しかし、当時の俺は一人でそんな遠出(といっても家から数キロ程度だが)
することができず、それから何年もたった。
あるとき、ふとそのことを思い出して疑問に思った。
あんなところに公園を作って誰が利用するというんだろう。新しい道ができる前に作られた
ものだとしても、周りに民家のほとんどない山の中に…
もう一度行ってみようと思った。
自転車でわき道に入り進んでいく。しかしそのまま元の道に戻ってしまった。
あのときの公園はなかった。広場そのものもなかった。ずっと木に囲まれただけの道だった。

 

旧校舎の庭園

 

俺が小学校低学年の頃の話。
俺が通ってた小学校は四国の山村にある小学校で、数十年前に建てられた旧校舎と、当時出来たばかりの新校舎の二棟があった。
俺らのクラスは旧校舎の方に教室があったんだけど、2~3年生位の時、旧校舎が取り壊される事になり、教師や同級生、上級生達と
一緒に旧校舎の荷物を新校舎に移す引越し作業をすることになった。
引越し作業といっても、重い荷物や教材なんかは教師や上級生が運んでくれて、俺ら下級生は自分の持ち物や軽い荷物を運ぶだけの
作業だったので、すぐに暇になり、教師や上級生が作業してるのを尻目に同級生同士で遊んでた。
そのうち一緒に遊んでた友達の誰かが「俺らで旧校舎探検せんか?」と言い出し、遊んでた友達数人と一緒に旧校舎を探検することになった。
普段、俺らは旧校舎の一階にあった自分らの教室より上の階に上がる事はなかったので、二階や三階に上って各教室を走り回ったり、
理科室やら音楽室やらで備品に悪戯したりと、普段は出来ない冒険を堪能した。

しばらく遊びまわった後、俺は旧校舎裏にある「謎の裏庭」に行こうと思い立った。
何で「謎の裏庭」と呼ばれていたかというと、旧校舎の裏庭に出るには少し複雑な順路を通らなくてはいけない上「下級生は裏庭で遊んではいけない」
と教師からきつく言われていたので、同級生連中で裏庭がどんな所か知ってる者は居なかった。そこで同級生の間でいつの間にか
旧校舎の裏庭が「謎の裏庭」と呼ばれるようになった。
友達らと一緒にその謎の裏庭に行こうとも思ったが、友達の誰かが裏庭に行ったことを同級生に自慢でもして、教師にばれたら大目玉を食らうと思い
適当な理由をつけて友達と別れ、俺一人で行く事にした。

 

 

期待と不安に胸を膨らませつつ裏庭に出ると、そこはまるで中世ヨーロッパの庭園のような場所だった。
風変わりな彫像と噴水、手入れの行き届いた生垣、ガラス作りの温室、柵に囲まれたバラ園。そして大きな檻があった。
檻の中にはニスを塗った大きな止まり木があり、その枝には鷹か鷲のような大きな鳥が止まっていた。
その庭園の美しさに時間を忘れたように俺は見とれていたが、不思議なことにその後俺がその庭園から
どうやって帰ったかはどうしても思い出せない。次に記憶にあるのは、終わりのホームルーム。
それまでの記憶がすっぽり抜けてる。
それはともかく、その旧校舎は引越しの後すぐ取り壊され、旧校舎があった場所は運動場となった。
あの庭園も旧校舎と一緒に消えていた。
あれだけ素晴らしい庭園なら、少なくとも施設の一部は残すはずなのに、跡形も無く消えていた。
幼心に、大切なものを壊されたような気がして残念だった。
でも・・・後でよく考えると、どう考えてもおかしい事に気がついた。
俺が通ってた小学校はそんな庭園を作るほど格式のある学校ではないし、だいたい山深い学校の裏庭に
中世ヨーロッパ風の庭園があること自体がおかしい。
そもそも、その旧校舎の裏側はすぐ裏山になっており、そこに俺が見た庭園の広さが入るだけのスペースは無いはずだった。
あれは結局なんだったんだろう。

 

箪笥でテレポート

昔俺ん家には瞬間移動できる箪笥(クローゼット?)があった。
2階の箪笥から1階客間の仏壇とか入れる押し入れのとこに移動できた。
プール教室に行くのが嫌で2階の箪笥に隠れてて親が俺を探しに2階に上がってくると俺は1階に逃げた。
何故か1階から2階には移動した記憶は無い(出来なかったらしい)。
今でもその箪笥あるけど移動できない…
昔は箪笥の奥に観音開きの扉があってそこから出ると1階客間に移動出来たのに扉すら無くなってる。

 

水芭蕉

子供の頃、近所の野良犬と遊んでいた。
ある日その犬を追いかけて神社の裏山に行ったら
小さな水溜りのような池がありそれを取り囲むように水芭蕉が植えられていた。
池は小さいのに底が見えないエメラルドグリーンでまるで大きな湖か沼をそのまま縮小したようだった。
家に帰って親に話すと「あんな所に水芭蕉なんてあるわけない」と言われ
次の日見に行って見ると跡形もなく消えていた。

6つの建物

 

小学生の頃なんだけど。オレの家の斜め後ろの山が古くからある墓地なんだけど、
日当たりがよくって、公園みたいな感覚でたまに行って遊んでたんだけど、
そこに社っていうのか祠っていうのかわからないけど神社みたいな様式の小さな
建物があるんだよ。そこは墓地の外れで、木が茂っていてそこは山の中って感じの
所だったんだけど、ある日初めてそこから奥へ続く獣道みたいな道を通ってみたんだ。
倒れた木とかをまたいで10Mぐらい上ったら、また同じような建物があった。
おお、2つあったんだ!なんて思いながらその建物を一周して、また奥へ続く道を進むと、
今度は木とかも倒れてなくて進みやすい道で、また同じような建物があった。
おおお!3つだったのか!!なんてのを繰り返し続け、それぞれ、古びていたり、新し目だったり
日当たりよかったり悪かったりって建物が計6つもあった。
すごく満足したオレは6つめの建物の裏から隣の町内の友達の家が見えたので山を降り、
自慢しようと思って(今思えば何のじまんだったのか?)友達を呼びつけ同じ道を
最初に進んだ墓地側から進んだ。しかし建物は1つしかなくて、木の倒れた奥へ進む道を
進むと6つめのはずの友達の家の見える場所だった。
久しぶりに実家に帰って、昔の絵日記みてたら思い出した。丁度20数年前の今日の
出来事だったのにもびっくりした。

 

時間を戻せる男

 

今まで話しても誰にも信じてもらえない。
一切証拠が出すことができないからだ。
俺も人にそんな話されても信用できないし、むしろ鼻であざ笑うだろうな。
だから、信じられない方が正常であって、批判も中傷も甘んじて受けるよ。
その上で書く。

俺は「時間を戻せる」。

何もせずに勝手に時間が戻るとかじゃなくて、
自分が時間を戻そうと、ものすごく集中した時、強く願った時だけだ。
ただ戻るだけ。何分、何時間、何秒、そういった制御はできない。
体調によるものか、気分的なものなのかはわからないけど時間はマチマチ。
でも、とにかく時間を戻すことができる。
時間を戻すと一言でいっても、戻せた時間の中では何もできない。
融通の利かない夢の中にいるような感じで
自分の意志で自分を動かすことができないんだ。
その「時間を戻した」中では何をしようとしても何もできない。

 

例えるならば、
物静かなレストランでいきなり服を脱いで奇声を発しながら暴れ出す。
という行動は、「やろうとしたら出来なくはない。」
でもそれは本能的に回避して、普通「実際に行動には移せない」だろ?
周囲の目、自分へのプライド、やればどうなるか、などなど
そういう条件が重なって、「それ自体をやるのは簡単」だけど
「心のどこかでそれを拒絶して行動に出せない」みたいな感じにある。
俺がどんなに「時間を戻した」場所で動こうとしても動けないんだ。
戻した時間の中で、俺は、俺が戻した時間から
戻そうと願った時間まで、俺の目線で全てがオートで動く。
わかりにくいがこんな状態なんだ。
電波とか思われても仕方はない。でも俺にはそれが現実であるし事実だ。
決して記憶を探りだして、それを脳内リフレインしてるわけではない。

 

普段自分に起こった出来事を思い出したりすることは勿論ある。
でもそれとは違うんだ。
時間が戻ってる時の目線は「俺がその時に見ていたもの」しか映らないが
目を目の前の光景ではなく、その周りに集中すると目玉の位置はずらさなくても
少しだけ回りの風景を映すことはできるだろ?
それくらいの事はできるんだ。
つまりこれはその時見た「記憶外」のことであり
記憶とはちょっと違う風景を見ることができる。

 

グラスを落として割ったことがある。
その時にも時間を戻してみた。
当時は、無理矢理体を動かそうとすれば動かせるかも、という思いがあったから。
人からのプレゼントで大事なグラスだったし。
結局は動かせなかったけど、グラスが割れる時がわかるので
破片がどうなるか、とかその場にいたネコの身を翻す動作などは
戻した時間の中で見ることはできた。ちょっと面白かった。
ただ、その程度のモノでしかない。
役にも立たないし、証拠も出せない。でも
「時間を戻せる」っていうのは俺の中では事実なんだ。
俺自身、わからない事がまだまだ多くて不明な点も多いから
これだけ見ても説明不足だと思う。
朝っぱらから混乱させて申しわけないが
少しでも共感を持ってくれる人、わかってくれる人がいれば幸いだ。

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