闇・祓い・冥界の神|闇の世界や祓いの力を司る神々
闇や冥界に関わる神々をまとめました。穢れや死、そしてそれを清める祓いの力を象徴します。災厄の発生と収束を担い、日本神話における“死と再生”の循環を理解する鍵となる存在です。
- 月読命(つくよみ)
夜と月を司る神。闇の世界を静かに統べる威厳を持ち、光と闇の境界に立つ清浄な神格として描かれる。 - 伊邪那美命(いざなみ)
火の神を産んで死後、黄泉の国の主となった女神。死と穢れ、そして再生の循環に深く関わる冥界の権威。 - 速玉之男神(はやたまのお)
祓戸四神の一柱。穢れを“速やかに断ち切る”浄化の力を象徴し、災厄を払い清める役割を持つ祓いの神。 - 事解之男神(ことさかのお)
祓戸四神の一柱。穢れや災厄が“事として解けて消える”働きを担い、境界での浄化を司る静かな祓いの神。 - 道反之大神(ちがえしのおおかみ)
黄泉比良坂において、悪しきものを押し返す力を示す守護神。生と死の境界を守る強力なバリアのような存在。 - 大国主荒魂(おおくにぬしのあらみたま)
大国主の荒ぶる側面で、畏怖と霊威を帯びた強烈な神格。和魂とは対照的な“荒魂の恐ろしさ”を象徴する。 - 八十禍津日神(やそまがつひ)
禍(まが)から生まれた災厄の神。穢れや不運の根源的存在とされ、祓戸四神により浄化される対象となる。 - 大禍津日神(おおまがつひ)
大いなる禍を象徴する神格。災厄・混乱の元となる存在で、祓いの神々によって鎮められる闇の力を持つ。 - 黄泉大神(よもつおおかみ)
黄泉の国を代表する大いなる神。記紀ではイザナミと結びつけられることもあり、死者の世界を象徴する冥界の権威。
美しさとカリスマ性を持つ女神|魅力と自然美を体現する神々
美や魅力を象徴する女神たちを紹介します。花の命、光の清らかさ、海の優雅さなど、自然の美しさが神格に映し出されています。神話における“美”と“女性性”の象徴を読み解ける神です。
- 木花咲耶姫(このはなさくやひめ)
富士山の花の女神。『古事記』において比類なき美しさとして描かれる代表的な美の象徴。 - 市杵島姫命(いちきしまひめ)
宗像三女神の一柱。後に弁才天と習合し、水と芸能、美を象徴する姿として広く信仰された女神。 - 多紀理毘売命(たぎりびめ)
宗像三女神の長女。海原をつかさどる神で、神秘性や清浄さを帯びた存在として表される。 - 多岐津比売命(たぎつひめ)
宗像三女神の一柱。水の力と清浄を象徴し、澄んだ美しさを感じさせる女神。 - 天宇受売命(あめのうずめ)
舞と芸能の女神。天岩戸での舞によって神々を笑わせた明るい性格の神で、魅力と表現力を備える。 - 玉依姫(たまよりひめ)
水の巫女的な神格を持つ女性神で、神聖さと清らかな雰囲気を帯びる存在として描かれる。 - 豊玉姫(とよたまひめ)
海神の娘で山幸彦の妻。美しい海の姫として語られ、神秘的な血筋と魅力的な女神像を持つ。 - 稚日女尊(わかひるめ)
若い日の太陽神として位置づけられる織物の神。清らかで初々しい光のイメージが重ねられる。 - 阿加流比売(あかるひめ)
光を象徴する女神として伝わる。明るさと輝きの力を持つ神格として扱われる。 - 豊受大神(とようけのおおかみ)
食物・穀物を司る神。豊穣をもたらす寛やかな神性が、穏やかな美として表現されることが多い。 - 伊弉冉命(いざなみ)
国生みの母神。創造期における神聖な女性神の象徴で、初期には清らかな美しい姿として描かれる。 - 高津姫(たかつひめ)
『古事記』に登場する女神。穏やかな性質を持つ神として記録され、落ち着いた気品を備えるとされる。 - 天之都度閇命(あめのつどへ)
資料の多くない神だが、調和や秩序に関わる神として伝わることがあり、静かな神性を宿す女神。 - 天狭霧神(あめのさぎり)
霧に宿る現象の神。淡く漂う霧のような神秘美を象徴する存在として扱われる。 - 天万栲幡千幡姫(あめのよろづたくはたちはたひめ)
織物の神として登場。美しい布を織り出す神性から、優雅で品格ある女神像が結びつけられる。
風・天空・スピードの神|風を操り、空を駆ける神々の力と象徴
風や空を司る神々をまとめました。暴風・疾風・天の高みを象徴する神格は、雷や武力とは違う「機動力のあるかっこよさ」を持ちます。日本神話における風の神・天空の神の役割や意味を知ることで、天候や運命を動かす力のイメージが立ち上がります。
- 志那都比古神(しなつひこのかみ)
古事記に登場する風の神。大気の流れそのものを司る存在で、風の神格として代表的な存在。 - 天津甕星(あまつみかぼし)
天空に輝く星の神で、反逆的な性格を帯びる神格としても語られる。暗い宇宙空間に輝く星の威圧感がかっこいい存在。 - 天鳥船神(あめのとりふねのかみ)
神々を乗せて天と地を行き来する“鳥の船”の神。空と宇宙を駆ける乗り物の神格として、機動力ある神として語られる。
知恵・策略・言霊の神|知識と洞察で世界を動かす神々
知恵・策略・祈り・言霊の力を司る神々をまとめました。力や武力ではなく、洞察や計略、言葉の力で物事を動かす神格は“頭脳派のかっこよさ”を持ちます。天岩戸神話や国造りなど、重要局面で活躍する参謀系の神々の役割がよく見えてくるカテゴリです。
- 思兼神(おもいかねのかみ)
天岩戸神話で計略を立てた知恵の神。神々の参謀役として知られ、熟慮と判断の力を象徴する。 - 天児屋命(あめのこやね)
祝詞・祭祀を司る神。言葉の力で神々に働きかけ、天岩戸で光を取り戻す儀式の中心を担った。 - 太玉命(ふとだまのかみ)
天児屋命と共に神事・祓いを行う祭祀の神。祭具を整え、浄化と調和を導く神格として崇敬される。 - 少彦名命(すくなひこな)
医術・薬・呪術を司る神。繊細な知識と技術に優れ、大国主と共に国造りを支えた知的な神格。 - 天穂日命(あめのほひ)
国譲り神話で大国主のもとに遣わされた神。交渉・調停に関わり、言葉による橋渡しを担う神格。

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