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【実話系】かなりやばい話 『とんでもない廃屋』『一家全滅した話』|怖い話

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【実話系】かなりやばい話 『とんでもない廃屋』『一家全滅した話』|怖い話 人間の怖い話
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実話系 かなりやばい話

 

とんでもない廃屋

 

小4の時の話。

たぶんみんな経験があると思うけれど、
小さい頃って『廃屋』があるって聞いただけで、冒険心が疼いて仕方ないと思うんだ。
俺自身もあの日は、家からそう遠くない場所にまだ探検してない「とんでもない廃屋」があるって聞いて、
狂ったように喜んだのを憶えてる。

狂ったようにって書くと大げさだと思われるのは分かってるけど、
その日付が問題で、『夏休み前日』。
ただでさえテンション上がりまくってるときにそんな話題を聞いたから、
普段そんなに親しくない友達まで呼んで、その日のうちに廃屋へ突撃って事になったんだ。

 

まさかあの日の事で、27歳になった今でも廃屋に近づく事もできない『廃屋恐怖症』になるなんて、
当時の自分に言っても絶対に信じて貰えないと思うよ。

あの日は思ったよりも友人たちが集まるのが遅く、
全員(8人くらい)集まったのは空がオレンジ色に染まりだした頃。
廃屋に案内してくれる友達を先頭に、俺、そのほかの友達といった具合に、
お互いのリュックを引っ張り合って、兵隊アリみたいにゾロゾロ並んで目的地に向かったんだ。

 

キャッキャ言いながらそんなに遠くない廃屋へ着いたのは良かったんだけど、思ってたのとはどうも違う。
なんと言えばいいのか、
俺が求めていた廃屋は『一階からから二階まで天井は腐りきり、幽霊は常備しております!』みたいな、
いかにも何か出そうな雰囲気の場所だったんだ。

でも実際は、場所は住宅街にある森の中、家のデザインも四角形(ちょうどスネ夫の家みたいな)、
ぱっと見た感じ小奇麗で、ホントに廃屋?って感じの場所で、
正直、教えてくれた友達には悪いがとても興味をそそられる様な物ではなかった。
でもせっかくここまで来たんだから、結局探検する事になったんだよね。

 

まずは一階からということで勝手口から侵入、中を見渡すとおかしなものが沢山ある。
ビーカー、シャーレ、顕微鏡、どれも理科室で見たようなものばかりで、とてもじゃないが普通の家とは思えない。
でも何故かそれ以上に興味を引かれたのは、沢山の棚に収められた本の数々だったんだ。

家は広く、壁一面に本棚があって、そこにはびっちり本や書類が詰まっていて、
床にも書類が散らばってて、先客がいた事を思わせた。
その事を話すと、犯人はこの廃屋を教えてくれた友達だったんだ。
そこで友達が腕組みしながら、「今日はなんで『とんでもない廃屋』なんて言ったと思う?」と聞いてくるので、
正直分からないと答えると、指を本棚へ向け、その本を開いてみろと言う。

 

言われた通り本を手にとり開いてみた瞬間、そこにいた全員が「っ!?」と声にならない声を上げた。
本の中身は、皮を剥がれた男の死体の写真。
そこにいた全員が息を呑む。本を開けと言った友達さえも。

だが次の瞬間にはある考えが浮かんだんだ。
「この家ってお医者さんの家じゃない?」
そう俺が言うと、みんなまだ完全には立ち直れていないものの、なるほどねと納得していたようで、
友達が写真を眺めている間、俺はほかの部屋を探索することにした。

キッチン、リビング、風呂、トイレ、見て回って分かったことが一つ。
この家に住んでいた人は、とても知的で素敵な人だろうと言う事。

 

この状況で、なぜそんな事が言えるのかといえば、家のセンス。その一言に尽きると思う。
外見は普通だったが、内装、家具が違う。
子供の自分に何が分かると思われるかもしれないけれど、
その短い人生しか歩んできていない子供でさえも理解できるほど、すべてが美しかった。

そうなるとさっきの写真も意味が違う。
部屋いっぱいの本、ファイル、実験器具。
きっと必死に医学を学び人を救う事に尽力していた、そう思わせるものっだったと思う。
友達は何の根拠もなく「頭のおかしい医者が住んでいたんだ!」などと周りの友達に演説していたが、
そんなことはこの家全体を見ていってほしい。素直にそう思っていた。
後から考えれば、家全体をみていってほしいという思いは、この時友達ではなく自分に向けるべきだったと思う。

 

友達も写真やファイルを見ることに飽きてきたらしく、
そろそろ暗くなるし、早めに探索を終わらせて明日また来ようという事に。
だが、みんなと探索をしているとおかしな事に気づいた。
一人の探索では家具や内装などのデザインばかりに気をとられ意識していなかったが、普通は在りえない違和感。
二階への階段が無い。

 

小さな脳みそを働かせ出た結論、きっと外から上がるタイプだ。
外側を見て回った・・・・・・無い。外にも内にも。
いっとき家の中を探すと二階への通路自体は見つかったんだけれど、
それが余計に不安と好奇心を煽ってしまう結果になる。
二階への階段は取り外され、階段が本来通るはずの場所は鉄板で塞がれていた。
それが分かった瞬間、門限という言葉は俺達の頭から消えていたと思う。

 

とにかく二階が見たい!
そう思い始めたら妄想が止まらなくなってしまって、
「絶対やばいって、本物の死体とかあるかも!」
「やっぱ頭のおかしい医者がやばい研究してたんだって!」
みんな口々に自分の妄想を吐き出し始めて、
最終的には、自分たちで作っていた縄梯子で二階に上ろう、という事になった。

 

外側から上がるため、まずは家の周りを偵察。登りやすそうなパイプを見つけた。
一番は木登りが得意な俺が雨樋のパイプを伝い、上へ。
思っていたよりずっと簡単に登れたんだけれど、気になることがあった。
二階の窓から中が一切見えなかったんだ。

窓をよく見ると、新聞や雑誌をマジックで黒塗りにして何重にも貼り付けてあり、
一筋の光さえ通したくない、そんな意思を感じさせる気がして、
みんなが登って来れる様、梯子を架けてあげたが、
全員が登りきるまでの間どうしてもその事が気にかかっていた。

 

屋根に登り切り、いよいよ二階の部屋に乗り込むことになったが、
窓の事を話すとみんな不安になったらしく、多数決を取ることに。
「中に入ってみたい奴」「このまま帰りたい奴」
結果、好奇心が勝る。
俺が先頭に立ち窓に手をかけると、あぁ、開いた。正直言うと嬉しさ半分、後悔半分。もういくしかない。

覚悟を決めて窓を開けると、満面の笑みで微笑む水着の女がいた。ポスターの。
「心臓が止まった・・・」
溜息をつく俺を見て爆笑する友達。
大笑いするみんなに腹は立ったが、それ以上に気持ちが軽くなっていて怒る気はしない。
・・・ただ気になったことが一つ。
何でポスターの口にルージュが引いてあるんだ?

 

疑問はあったが、そのまま窓を跨ぎ二階へ足を踏み入れた。
廊下は暗く湿っている。
当たり前だ。入ってあらためて見渡すと、日の光が射せそうな場所が一切無い。
隙間はすべて黒塗りの新聞や雑誌で覆われていて、どんな晴天でもこの部屋に光を入れることはできない。

さっきまでは、この家に住んでいた人間は知的でセンスのある人だと思っていた。
だが今となっては、友達の言葉が頭の中でこだまのように響く。
『頭のおかしい医者が住んでいたんだ!』
『絶対やばいって、本物の死体とかあるかも!』

 

帰りたい、今すぐに。
それなのに好奇心が俺達の足を進め進めと突っついてくる。
ゆっくりゆっくり前へ進むと、一歩足を進める度にこの部屋の住人の異常性が伝わってきた。
廊下の奥に進むほど壁の黒塗り度合いは減っていき、反比例するように異常性が上がってゆく。

入り口付近の壁には、黒塗りの壁に水着の女や海外のグラビア。まだこれなら良い。
だが奥の壁には、グラビアから顔だけ抉り、
代わりに一階にあった死体の写真から切り取ったであろう顔を貼り付けてある。
ポジティブな考えは全て消え失せた。

 

こんな事をしたのが、この家の主だろうが廃屋に移り住んだホームレスだろうがどうでもいい。
みんなこの光景に言葉を失ってはいるが目を見ればわかる。満場一致で『今すぐ出よう』だ。
きびすを返し元の窓に戻ろうとしたとき、友達が言った。
「・・・人がいる」
その場で全員が、友達が指差す方を見る。

廊下から部屋に続くすりガラスの向こう側、そこに懐中電灯を全員が一斉に当てた。
女がいる、下着姿の。それも一人ではなく大勢。
全員声も出さず、呼吸もぜず、ただ固まったままライトを当てている。

 

どれだけ時間がたっただろう、誰かが言った。
「・・・・マネキン?」
俺も口を開く。
「・・・かな・・・たぶん」
ゆっくりすりガラスを開けると『彼女たち』は確かにいた。
「・・・マネキンかよぉ・・・・・・勘弁してくれよ!」
部屋の中を見渡すと、マネキンが林のように並んでいる。広い部屋に二十体ほど。
「気色わりぃ・・・」
みんな口々に同じような事を言っている。

でも気色悪いのは、マネキンの存在でもその多すぎる数でもなく、マネキンのその姿だ。
下着は下着でも機能的なものじゃない。
小学生の俺達も知っている、
公園で拾う本の後ろ側に載っている、男を誘うためにあるような・・・そんな下着。

 

この家に住んでいた者の中身を垣間見た気がしてゾッとしていると、
「住んでた奴は絶対お前みたいな変態だな!」
そう言って俺の顔を友達が指差す。
みんながその言葉で大笑いし、すこしだけ緊張がほぐれた。
「もう少しだけ見たら帰ろう」
一人がそう言うと皆が頷いた。

部屋に入るとマネキン以外にもいくつかの物があった。
壊れたテレビ、玩具、オーディオ、よくわからないガラクタ、そして本の山。
俺は本の山から一冊を取り出し開いてみると、「・・・やっぱりこれもかぁ」思わず声が出た。
理由はここまで読んでくれた人ならわかると思う。

 

「これも顔や体がすりかえられてる・・・」
そう言いながら友達の方へ顔を向けると、友達が何かをいじっている。よく見ると車のバッテリーだった。
「感電するから止めとけって!」
俺がそう注意すると、一瞬動揺しつつ「大丈夫!」と何の根拠も無さそうな返事で活動再開。
溜息混じりに何となくほかの本を手に取ったとき、俺の心臓は凍りついた。

 

ブツン!
ブラウン管のテレビが点くときに鳴るあの独特の音。
その目の前で、「点いた!俺って天才!」と無邪気に喜ぶ友達。
周りの友達の顔が凍りつき、当たり前の疑問をなげかける。
「何でテレビが点くんだよ・・・」
でも俺の心臓が凍りついた理由はテレビじゃない。
俺は渇ききった口を開いた。
「この雑誌、今月号だ・・・」
俺の言葉でテレビの前ではしゃいでいた友達も状況がわかったらしく、顔が凍りついた。

 

ギシッ・・・・・・
微かに音がする。
壊れかけ、灰色の映像で映しだされる歪んだ顔のニュースキャスター。
ノイズ交じりの声が響き渡り、懐中電灯とテレビの光で照らされた部屋の奥。
マネキンの林の中に、確かにそれはいた。
人以外にはできない最高の喜びの表現、笑顔。

それが人だとわかり、その場にいた全員の喉の奥から悲鳴が上がったときには
そいつはマネキンを掻き分け向かってきた。
他の者には目もくれず、一直線に俺の方へ。
その場にいた全員が声を張り上げ我先に逃げてゆく。
俺はというと、対峙していた。真正面から。

 

俺の前にいるのは人間だ、間違いなく。人間の男だ。
頭で必死に理解しようとする。
幽霊じゃだめだけと、人間なら話し合えるかもしれない。
・・・わかってる、わかってるんだ。逃げるべきだって事は。

早く逃げろよと今ならそう思えるけれど、あの時は恐怖でどうかしてたんだ・・・。
「・・・こんにちは」と俺。
「可愛いねぇぇぇぇ」
・・・褒めてくれた?
「君は好き?こういうやつ好き?」
男が手に持った分厚い本を開いて見せてくる。
下の階にあった人体標本が載った本だった・・・

 

死体の写真の顔が外人の女に差し替えられていた。
「こういうのはあまり好きじゃない・・・」
「好き?ねえ好き?どういうのが好き?いrw里いvmrvbmんr9ぢc炉vmvおvりc、 ぐぃうghbのtgんろgbんをんbを意を得rggrkwvm9wmv95pgとpgkm地fm儀gtgんgjtbmrtkbmrwbm4尾5印brウィ音日btmkgんびgんれおbmkんbvkfんぼrぎおtんrbr3gtvm9v9v9v、jcj4j、@」
駄目だ、人の言葉さえ喋ってくれなくなった。俺もう終わりかも・・・

「おいっ!」
横を見ると友達二人が泣きながら俺を呼んでいて、
次の瞬間には跳ねるように友達の方へ走ってる自分がいたんだ。

 

足がもげるんじゃないかと思うくらい全力で廊下を駆け抜けたよ。
一切後ろを振り返らず窓から転げるように飛び出ると、
ほかの友達がビール瓶やトンカチ、自分たちが持ち寄った武器を手にとって、待っててくれた。

全員揃った所で屋根から飛び降り始めると、
その時うしろから「好き?」。
その言葉を聞いた瞬間、全身に鳥肌が立って思わず振り向いたんだ。
窓から覗く男の顔には、人体標本のページを切り抜いて作ったであろうお面が張り付いていた。
あとはもう屋根から下も見ず飛び降りたよ。

 

友達の家へ駆け込んで今日の出来事を話したら、友達の母親が警察に連絡してくれたよ。
だだ、警察が覗きに行った時には誰もいなかったらしく、
家である程度話を聞いてもらって、後日警察でも同じような感じで話をしたんだ。

でもその後が問題で、中にいた男が見つかる事はなく、
3ヶ月位たって、友達からあの家が取り壊されて空き地になってると聞いた。
一度勇気を出して行ってみたんだけれど、本当になにも無くなってたよ。
いまでも『廃屋』って言葉を聴くだけで震えが来る。
これで話はお仕舞い。

 

最初に自分にトラウマがあることを説明したと思うんですが、この体験談を書いてる最中、小学生の時の友人達に連絡を取ったんです。

あの人が誰だったのか友人に聞く事ができました。
同じ学校に通っていた同級生の叔父さんだったらしいです。
友人もすべては話して貰えなかったらしく曖昧な所も多かったですが、
このスレで体験談を書き始めたことで、自分の中のトラウマが少し消えた気がします。

あの家は、おじさんの家でもなかった様で。
聞いた所、予想は当たってたみたいで、元々は家の近所の病院に勤める先生の物だったそうです。
先生が体を壊され親族の所に移った後、誰も住まなくなった家をあのおじさんが好き放題にやっていたらしいです。

元々その事で過去に逮捕歴があったらしく、捕まったはいいが不法侵入では長い刑は言い渡されなかったらしい。
そのあと家に戻ってきたらしく、「俺をはめたのは誰だ!」と近所の人に食って掛かってきたらしいんですが、
時間が経つにつれて言動、行動が幼児化?してしまい、
危害を加えることもないので見てみぬふりをされていたらしいです。

家の持ち主とそのおじさんは一切関係ありません。
誰もいなくなり廃墟になったあの家におじさんが勝手に住みつき、それが原因で過去に逮捕されたようです。
階段の件ですが、おじさんが勝手に廃墟(というか先生の実家)を荒らし好き放題に改造していたらしいです。
あのおじさんは太陽が嫌いらしく、明るい内は出てこないそう。

ちなみに、おじさんの本当の家(俺の同級生の家)はすぐ近所にあるらしく、
何度か厄介払いの為に遠く(病院?親戚?)へ連れて行かれたらしいんです。
でもどんなに精神的におかしくなっても、なぜか遠くから戻って(逃げて)くるそうです。

 

 

一家全滅した話

俺が小学生の頃、自宅に新興宗教の勧誘が来た。
最初母がやんわり追い返していたんだけど、三日に一度はうちに来て、母にしつこく入信を勧めてたんだ。
母はあまり気が強いタイプじゃなかったから、なんとなく話を聞いて、ごめんなさいまた今度…という感じで帰ってもらってた。

勧誘があんまりにも頻繁になってきたので、ある日父がちょっと強めに追い返した。
すると勧誘のおばさんは
「そんな強く言ってもだめ、あなたたちがこちらにくるのは運命なんだから」
と言って帰っていった。
父は念の為、と警察に相談し、その日から近所の駐在のおまわりさんが巡回してくれることになった。
そして一週間後に母は失踪。

失踪している間に例の勧誘おばさんがまた来た。
「ほらね。言ったとおりでしょ!あなた達が信心してくれればお母さんは帰ってくるのよ」
その時自宅には俺と姉と弟しか居なかったから怖かった。
おばさんは「今度はお父さんが居る時に来るから」と言って帰っていった。

おばさんが帰った後に姉が急いで父に電話した。
父はすぐ帰る、と言って電話を切った。
俺は泣いてる弟をなだめながら(お母さん早く返ってきてほしいな)と思った。しかし結局母は帰って来なかった。
姉は学校の先生に連絡をして、今こういう状態なのでしばらく学校を休ませて欲しいと伝え、それからは駐在のおまわりさん、それから先生が度々自宅に来てくれるようになった。
父は会社でもわりと上の方の役職についていたのだが、決算期と重なってしまって、休むわけにはいかないということだった。
俺は中学生だったので、部活もやっていたのだが、状況が状況なのでホームルームが終わったらすぐ帰ることにしてた。先生も心配してくれてた。
そしてしばらく俺、弟、姉だけの生活が続いた。時々姉の担任の先生も一緒に食事をしてくれてた。
心強かった。

それから暫くは勧誘のおばさんも来ることが無かったので平和だった。
依然母親の足取りはつかめなかった。失踪届もけっこう前に出していたが、進展はなかった。
警察のひともちょくちょくやってきて状況を聞かれたけど、母からの連絡もなかったのでいよいよ手詰まりだった。
俺達は、考えたくも無かったが、チラホラと母はも帰ってこないだろうな、と思ってた。

俺の運動会があった。
弟、姉、父が来てくれて、久しぶりに楽しかった。
家族でレッドロブスターなるファミレスでちょっと豪華なご飯を食べ、帰宅。
玄関の鍵が開けられていた。そして玄関から仏間に向かって足跡がたくさん残されていた。
泥棒!と父が叫んだ。しかし結果的に泥棒じゃなかった。
仏間の仏壇が閉じられていて、青いガムテープで封鎖されていた。

姉がヒイイイイイイイ!と叫んでガクガク震えていた。弟もギャンギャン泣いた。
とても異様だった。父も呆然としていた。
俺達はまだ屋内に誰か居るんじゃないか、ということで一箇所に固まり、父は警察に電話した(携帯が無い時代です)
近所のおまわりさんがまず来て、その後警官が何人か来た。
父が実況見分?に立会い、俺達は貧血でふらふらの姉を自室に運び、そのまま三人でぼろぼろ泣いた。

結局なにも取られなかった。空き巣の犯行ということになったが、例の勧誘おばさんのことは警察も知っているので、近所の聞き取りなど熱心にやってくれた。
そして俺の運動会の日、自宅前に黒いハイエースがしばらく止まっていたらしい、ということがわかった。

その一ヶ月後、自宅から遠く離れた県外で、母が死んでいるのが見つかった。

母が死んでたのは群馬の山中。首吊りだった。しかし手を後ろで縛られていた。なぜかゆるく縛られていて、はずそうと思ったら外せるゆるさだったらしい。
俺はその辺のことをあまり覚えていない。あとから父に聞いた。
警察は自殺ではなく他殺とみて捜査を始めた。しかし手がかりになるものは何一つなかった。
母が失踪してたしか1年近く、どこにいたのか、どのように生活していたのかはまるで謎だった。

捜査になんの進展もないまま、今度は姉が襲われた。
姉が買い物の帰りの最中に強姦された。ぼっこぼこにぶん殴られて、レイプされている最中に通行人に助けてもらった。
犯人は知恵遅れの男性。この男の親が目を離している最中に姉に襲いかかった。
人の目のある場所からトイレに引きずり込み、なぜ誰も止められなかったの、俺は未だにその辺を歩いていた一般人を恨む気持ちはある。
仕方のない事とわかっているけど、どうしても許せない。
姉は気丈にも立ち直ったように生活していた。でもダメだった。
俺が学校から帰ったら自室で睡眠薬を大量に飲んで黄色いアブクを吐いていた。俺はその光景が未だに忘れられない。
姉は即入院し、それから再度自殺した。

姉の葬儀が終わってから父は会社をやめた。会社は父に結構な額の退職金を支払ってくれた。
父は日中ボーゼンとしていた。俺や弟が半仕掛けてもうん…うん…しか言わなかった。
近所のおばさんたちもすごく協力してくれて、夕ごはんをくれたりした。

あるとき俺が学校から帰ると、父が仏壇の前で突っ伏していた。酒を飲んでいるようだった。
俺はすごく悲しくなってしまって、父の背中にしがみついて泣いた。おんおん泣いた。
俺はあまり泣いたりするような子どもではなかったので、すこし父が驚いていた。そしてごめんなあ、ごめんなあ、といって一緒に泣いた。
警察からの捜査の進展に関する話しなどもなかった。

俺は高校に入学した。弟は中学生になった。
父は自分の前職での技能を生かし、在宅で仕事を始めた。仕事は前の会社がたくさんくれた。
家の家事は全部自分がやった。弟には勉強をして欲しかった。部活をして欲しかった。そのへんの中学生と同じような生活をして欲しかった。
しかしそうはいかなかった。

弟は学校帰りに車に轢かれて死んだ。車と壁に挟まれて死んだ。
運転手は若い男で、最初は脇見運転だったと供述していたが、後に大金をつまれて頼まれた、と自白した。

そうしてその男に依頼した女、例の勧誘おばさんにたどり着く。
勧誘おばさんは逮捕された。理由はあたしの言うことを聞かなかった一家が憎い、との事だった。
しかし不審な点がいくつもあった。

まずその勧誘おばさんはすでにある宗教に入っているわけではなかった。
つまり、一人で、自分の作った宗教の勧誘を行なっていた。うちに空き巣を働いたのもこのおばさん。
となると話がこじれてくる。大量の足跡はおばさん以外に誰が。
おばさんは警察の尋問をのらりくらりとかわし、この話の真相を語らなかった。
身分を証明するものを何一つ持っていなかった。背景は何もわからなかった。ただ金を沢山持っているが、その資金の元もわからなかった。

なにもわからなかったんだよ。無念だった。怒りしか無かった。
おばさんは拘留期間中に死んだ。心筋梗塞だったらしい。

父は引越しを提案した。俺もそうしたいと思った。家には楽しい思い出よりも、悲しい思い出のほうが圧倒的に多かったから。事件が事件だから、もし近所の人にも迷惑がかかったら申し訳ない。
俺と父さんは引越しの準備、そもそも家には必要最小限のものしかなかったけど、ちょくちょく進めた。
そして引越しを次の週に控えた木曜日の夜、俺と父さんは近所の銭湯に行った。
暖かかった。そしてすこしだけ嬉しかった。父さんも久しぶりに笑った。
ふたりで一緒に帰っている途中、サイレンの音が自宅方向から聞こえてきた。
自宅が炎上していた。

俺は何も言えなかった。
父さんも放心状態だった。燃える我が家を見つめ、あ…家が…あ…と呟いていた。
父さんの目にごうごうとした炎が写っていたんだよ。

放火だった。燃えカスの中に、建材に灯油かなんかを浸したもの、というのが見つかったらしい。犯人は捕まらなかった。
近所の家にも被害が出た。父さんは土下座をしていた。でも被害が出た家のおばさんは、俺のことをギュッと抱きしめて泣いてくれたんだよ。

俺達は引っ越した。
引っ越した先で父はおかしくなってしまった。
自宅で仕事をしていると、まだ元気だったころの母さんと姉ちゃん、弟がふつうに部屋にいるらしい。
そして昔のように「お父さん、またオナラしたでしょ~」とか「ねえねえ、来週鴨川シーワールド行きたいね」とか、話しかけてくるみたいだった。
俺も実はちょくちょく見ていた。見ていたけど、これは幻覚だ幻覚だ…と思い込むようにし、徹底的に無視していた。

でもある時、俺と父さんと二人で晩飯を食っている時に、台所から
「あ、醤油切れちゃった」
という母さんの声を聞いてしまった。父と目があった。聞いたようだった。

父さんは「はっはっは!はっはっはっは!母さん!今買ってくるわ!」と言って、一瞬真顔になり、俺の首を締めた。
すぐ正気に戻り、「ああ!ああ!俺はなんてことを!」そう言ってベランダに向かい、そのまま飛び降りたんだ。

こうして父も死んだ。俺が残った。
俺は父さんの兄に引き取られて、高校を卒業し、都内に就職して一人暮らしを始めた。
それから結構な年月経ってしまった。

俺は今年32結婚もせずにまだ一人でいる。俺の部屋にはたびたび家族がいる。なつかしい昔の姿で、生活している。
悲しいのは、みんな当時の年齢そのままなんだ。
病院も行った。精神的に不安定と言われた。薬も貰ったが姉の自殺した時の光景が忘れられなくてあまり飲めないでいる。

この話はこれで終わりです。
一家全滅、というのは俺がもう限界だからです。自殺しようとは思っていないけど、あのババアの呪いというか、そういったものがあるようなきがして、いつかサクッと死ぬんじゃないかって。
俺がびっぷらに書いたのは、俺と、俺の家族が昔千葉県に存在していたことをずっと記しておきたいからです。

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