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心霊ちょっといい話『もっと遊びたかった』など短編全5話

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心霊ちょっといい話『もっと遊びたかった』など短編全5話 不思議な話
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最初で最後の小遣い

 

祖父が軽い事故にあってから言語障害と左手足麻痺になってしまった。
久々に遊びに行くと前の様にしゃきっとした祖父ではなく元気のないどこか申し訳なさそうな祖父が「わしゃもう長くない」ともらしたので「孫の結婚式見るまでは死なんぞって言ってたでしょ?」と言うと笑っていた。
帰る日にもう一度寄ってみると祖父しかいなかったので、祖母にもよろしくねと伝え帰ろうとすると震えた手で財布からお小遣いをくれた 断るといいから持って行けと懸命に押し付けられた 今までは妹をすごく可愛がっていた祖父だったので私にお小遣いをくれたのは初めてだった。
御礼を言い、玄関に手をかけると「次はいつ帰ってくるんだ?盆か?」といつもなら言わないことを言っていたのでちょっとビックリしたが「そうだね お盆になっちゃうね」と言うと「そうか 気をつけてな」と言って家を後にした。

祖父とはそれが最後だった。
その年の夏 妙に実家へ帰りたくなったしかし仕事を休むわけにもいかずお盆には休みが取れるのでちょっとしたホームシック?と思っていたがなんだか無償に実家へ帰りたい気分だった。
そんな気持ちが一週間ほど続いたある日職場に祖父が自殺したと電話がはいった。
無償に帰りたくなったのは祖父が呼んでいたのだろうか?なにか助けを求めていたのだろうか?と考えるとあの時帰っていればという思いが込み上げてくる。

結婚式見るまで死なんぞって言ったのにとなんだか悔しい気持ちでいっぱいだった。
たまにふとそんなことを考えているとこの前お風呂に入っていたら「◯◯(私の名前)」と玄関の方から呼声がした 私は一人暮らしなので他には誰もいないのだがあの独特なイントネーションの呼び方は祖父しかいない 私にそんなことは考えるなと言いに来たのだろうか?(笑)

向こうで父と祖父が見守っていてくれることを信じて。

 

 

もっと遊びたかった

 

小学2年の夏に じいちゃんが死んだ。
あんまじいちゃんの事覚えてないけど。
昔バスの添乗員してて色々お土産買ってきてくれた。
休みの日は農作業してるから日に焼けて真っ黒で 土と機械油の臭いがしてた。

そんなじいちゃんが癌になった。
病院に見舞いに行った時みたじいちゃんは 日に焼けたじいちゃんじゃなくて、黄疸で肌は黄色くなって 手足も細くなって 点滴に繋がれてて、土の臭いでも 油の臭いでもない 消毒みたいな臭いがして、私は直ぐに病室をでてしまった。

それが じいちゃんと会った最後の日で、数日後にじいちゃんは死んだ。

家にじいちゃんが帰ってきた時 当日5歳だった妹が まだ何が起ったのか分かってないのか。
やたら騒いでいて 私は妹に相当イライラしてた。
その夜 夢を見た。
夢の中で 妹がまた笑っている声がして、いい加減にしろよ!と思って 家のなかを探したら、いつもじいちゃんが寝てた部屋から妹の声がした。
勢いよく戸を開けると そこには妹と遊ぶじいちゃんがいた。
じいちゃんは私を見ると笑って 遊ぶか?みたいに笑った。

そこで夢は終わったんだけど、じいちゃんは妹にあまり怒るなよって言いたかったのかな?
私もっと じいちゃんと遊びたかったよ。

 

 

猫屋敷

 

近所に「猫屋敷」と呼ばれる場所がある。
家はないが、その藪全体が猫の住処になっている感じ。
みんなから餌をもらうので、そこの猫は並みの飼い猫よりぷくぷく太って毛並みも良い。そういう事が災いして、猫を捨てに来る人も絶えない。

ある日、その近くに2匹の子猫がいる事に気付いた。
1匹は虎猫、1匹は白い猫。
白猫は寝そべったままで、撫でたらにゃ~と泣いた。

翌日、気になってそこに行ったら、白猫は昨日と同じ状態で寝そべっていた。
怪我をしたのか病気なのか判らないが、どうやら自分で動けない状態らしい。
飼ってやりたいが、私は猫アレルギーなので飼えない。
あまりに苦しそうなので、いっそ安楽死させた方がいいかも、と知っている獣医さんのところに連れて行こうとしたが、途中で
事切れた。
猫屋敷に戻り、猫を埋めてやった。掘るものがないので、あまり深く掘れなかったのが悔しかった。

今、猫を埋めた場所は、遺跡発掘の残土の捨て場になっている。
白猫は土の下で静かに眠っている。私が望んだとおりに。

 

 

杞憂

 

ばーちゃんが亡くなって三ヵ月後に今度は親父が倒れた。
救急車で運ばれ、検査の結果を聞いたら
ばーちゃんが亡くなった時と同じパターンだった。
脳に出血があり、麻痺が起こっている。
入院してそのまま帰ってこなかったばーちゃんの事を思い出した。
今度は親父が死ぬかもしれない。
そう思うと無性に悲しくなって泣いた。
その夜、夢を見たんだ。

居間で、ばーちゃんと話す俺。
何を話していたか覚えていないが、何だかとても懐かしい気持ちだった。
今まで座っていたばーちゃんが立ち上がって俺に言った。
「もう大丈夫だから」
ばーちゃん、そう言って笑ってた。

親父は二ヶ月もすると退院した。
今は後遺症もなく、元気にやっている。

あの夢が何だったのかは分からない。
誰にも話していないし話す気もない。
ただ、どうしても書いておきたかったから此処に書かせてもらった。
ばーちゃんありがとう。

 

 

絶対消さないメール

 

今年3月に定年を迎えた父に兄と私で携帯電話をプレゼント。
退職前は携帯などいらんと言っていたがうれしそうだった。
使い方に悪戦苦闘の父に一通り教えてまずメールを送ったが返事はこなかった。
その4月に電車事故で孫の顔も見ずに突然の死。
40年働き続けてホッとしたのはたったの2ヶ月。
葬式後父の携帯に未送信のこのメールを発見した。
最初で最期の私宛のメール。私は泣きながら送信ボタンを押した。
私の一生の保護メールです。

「お前からのメールがやっと見られた。
返事に何日もかかっている。
お父さんは4月からは毎日が日曜日だ。
孫が生まれたら毎日子守してやる。」

萌えないかもしれないけれど、このページに集まってくれている人に
読んでほしかった。

父さん、おつかれさま。そして、ありがとう。

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