心霊ちょっといい話『お雛様のご利益』など短編全5話

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心霊ちょっといい話『お雛様のご利益』など短編全5話 不思議な話
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夢で大宴会

 

そういえば、私の結納の日の前日の夜に死んだ婆ちゃんをはじめとする親戚一同が夢に出てきた。
両親に連れられてある高級料亭に行くのですが、なぜか両親は
「私たちはまだ入れないからここで帰るね」
と言って帰っていって「???」と思いながら私だけが女将さんに連れられて、部屋に通されるとそこには今までお世話になった今は亡き親戚が全員居るんです。
そして、好きだった爺ちゃんと婆ちゃんの間に挟まれる形で私が座り、ごちそうは振る舞われるわ酒は振る舞われるわ思い出話に花を咲かせてみんな楽しそうな夢。
婆ちゃんが「私はこんなに多く食べられないからおまえ食べてくれ」と
料理を半分くらい私の皿にお裾分けしてくれて、腹いっぱいになったところで目が覚めた。
しかも起きたときに軽い疲労感があり夢も妙にリアルだった。

それから結婚して3年たちますが、今何事もなく幸せなのはその親戚達に守られてるのかなー。

 

 

割れた鉢植え

 

ウチの祖父ちゃんは、恐ろしく頭良いし、野生動物並に運動神経良いし、子供の目から見てもスーパーマンみたいな人だったんだが、ただ凄く子供っぽかった。
食べ物ボロボロこぼすし、服着てもシャツが後ろからはみ出てるし…何か幼児っぽいの。

そんなラブリー祖父ちゃんが、深夜、釣りの帰りに交通事故で亡くなった。
帰宅を待って居間でうたた寝してた祖母ちゃんは、同時刻にベランダ傍からのパーンという物凄い破裂音?で目が覚めた。暫く後に、警察から事故の連絡。
まあその後は病院行って遺体引き取って~…と、大騒ぎだったんだが。

後日、ベランダに出てみると、置いてた植木が不自然な砕け散り方してたらしい。
補足だけど、ベランダのある家の裏手は切り立った川辺で人なんか来れないのね。
で、いまだにウチでは
「きっと祖父さんは事の次第が照れ臭くてコッソリとベランダから帰って来たんだね、その時に、いつもの粗忽者な調子で、鉢植えを割っちゃったんだね、」
という話をして、親戚一同でホッコリします。

 

 

子供のために

 

夢の中に2ヶ月前に亡くなった実家の母が出てきた。
私の家を掃除してくれてて
「お母さん、お母さん」って呼びかけてもこっちを見てくれない。
「ああ~そうだ。お母さん死んじゃったんだ…」って思った。
「私ももうお母さんのところに行っちゃってもいいんだけどな」って言ったら私のほうを振りむいて私の手を握ってきた。
「連れていかれるのかな…」って思ったけど、急に子供たちのこと思い出して「やっぱり行けない。ごめんね。」って言ったら、ニッコリ笑って手をぎゅって強く握ってくれた。
そこで目が覚めたけど手には握られた感覚が残ってた。
号泣した。お母さんに会いたいよ…。

 

 

お雛様のご利益

 

今年の2月末頃、仕事中に車上荒らしにあって営業カバンを盗られた。
鞄の中に金目の物は無かったんだけど、会社の重要書類と領収証が入ってたんだ。
自分の仕事はいわゆる「顧客情報」の扱いに非常に神経質なところで、書類の紛失が公になれば理由を問わず俺がクビになるどころか、代理店契約解除→会社あぼーんの可能性大…
書類の件は伏せたまま車上荒らしにあった事だけを会社に報告(会社の車なのでこっそり直せなかった)、営業に出るフリして現場近くを探して見ても鞄が見つかるはずもなく、マジ自殺の考えが頭をよぎっていた。
途方に暮れたまま家に帰ると、何も知らない嫁と子供が笑顔で出迎えてくれる。

ふと、まだ雛人形を飾っていなかっのを思い出した。もう12時近いし普段なら「明日にしよう」と思いそうな物だが、この日に限って妙な使命感に囚われ天袋から一式を取り出し、飾り付けをした。
飾っているうちに何故か「お雛様が助けてくれる」と感じはじめた。
そこで飾り終わったお雛様に必死で「書類が出てきますように」とお願いした。

今思うと稚拙な考えだけど、その時はもう必死だった。
それから毎晩お雛様の前で正座し、とにかく祈っていた。どちらにせよ寝られなかったので、夜中の2時から3時頃に真っ暗な中、お雛様の前にいた
「何か欲しいものがあれば言ってください、可能な限り用意します」
毎晩そんな感じの祈りが5日程続いたある日、家に帰ってくるとお雛様の前に団子が供えてある。嫁が言うには「娘が朝から「お雛様がおだんご食べたいんだって~」とずっと言ってるので買ってきた」との事。
その夜お雛様の前に行くと、お雛さまが微かに笑っているように見えた。
翌日の夕方警察から連絡があり、それらしい物が見つかったとの事、慌てて交番まで行き、確認すると正に盗られた鞄! 中身も全て無事でした帰ってお雛様に厚く御礼申し上げました。

このお雛様、別に古いものではなく、2年前に娘の初節句にあわせ購入した物です(高くもない) 我が家の家宝に認定します。

 

 

ポン菓子

 

今から10年以上前に体験した不思議な話です。

母が10歳の頃、両親(私の祖父母)は離婚していて母を含む4人の子供達は、父親の元で育ったそうです。
「凄く貧乏だったけど、楽しかった」
「私ら子供達は、みんな父ちゃんが大好きやった」

色んな話をしてくれた最後は、いつもこう言い
私が生まれる10年前に亡くなった祖父をいつも思い出して、涙を流していました。

爺ちゃんの話をして、泣き出す母を見ていると
「お母さんは会いたがってるのに、なんで爺ちゃん来てくれないんやろ?」
そう思うようになり、それから毎晩、寝る前に
「爺ちゃん、お母さんに会いに来て下さい」と
手を合わせてお願いする事が習慣になりました。

それから1ヶ月ぐらい経ち、いつも通り寝る前にお願いをして手を合わせた後、目を閉じて眠ると夢の中に、写真でしか知らない爺ちゃんが現れて私の側に座ると、買い物袋いっぱいに入ったポン菓子を食べながら
「心配せんでも、ワシ、ちゃんと見てるから」
と、笑顔で言い、私にもポン菓子を分けてくれました。

夢から覚めそうになった時、爺ちゃんは私の頭を撫でて
「今度、お母さんにカラメル焼き作って貰い。あの子の作るのはコゲかけてるけど、美味しいから」
そう言って、私は目を覚ましました。

起きてスグ、台所に立つ母親に夢の話をするとそのまま座り込み、子供みたいにワンワン泣き出し
「お父ちゃん、ありがとう・・・ありがとう」
ずーっと繰り返し呟いていました。

その後、ポン菓子は爺ちゃんの好物でカラメル焼きは、一番最初に爺ちゃんが母に作り方を教えたお菓子で何度作ってもコゲるのに、爺ちゃんは「美味しい」と食べてくれてたそうです。

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