父の声
中3のとき祖父が死んだ。離れて住む寝たきりだった祖父を毎日訪ねて介護していた私は、本当に悲しくて悲しくて毎日泣いて過ごした。
高校生になって最初の夏休みを、私は祖母の住む家で過ごし、毎日仏間で寝ていた。
いつもなら6時に祖母の声で起こされていたのだが、その日はいつもより10分早い時間に男の人の「起きなさい」という声で目がさめた。
不思議に思いながらも起きて部屋を出た。その5分後、仏間で大きな音がしたので戻ってみると、私が寝ている真上に飾ってあった、私より大きな額に入った絵が落下し、ガラスの破片が布団の上に散乱していた。
そばにあった扇風機は大破していた。
祖父が助けてくれたのだと思い、私は仏壇に手を合わせた。
数年後の成人式の日、祖父が楽しみにしていた振袖姿を仏壇に眠る祖父に見せに行ったら、「きれいになったなあ」という声が聞こえた気がして、涙が出た。
いつものように
うち、犬飼ってたんですが去年死にました。16歳でぽっくり。
本当に本当に手間のかからない犬だった。
泣き暮らして三日目。
我が家は玄関に新聞と布敷いて、夜だけ玄関で過ごさせてたんです。
その夜、いつもは犬を家に入れる時間に玄関で敷いてない筈の新聞紙の音がガサガサ聞こえました。
母親も気がついたようで私と顔を見合わせました。
何故かそのときは「ああ、来たんだ」ぐらいにしか思わず。
(あんなに「会いたいと思ってたのに)。
そして眠りについた頃、夢ウツツに犬の爪の音が廊下に響いてました。
「挨拶に来たんだなー」って思いました。
枕元まで来たのを覚えているんですが、私は安心してまた眠りにつきました。
その件以来、なんか悲しいのだけど吹っ切れた感じがして。
最後まで犬に世話してもらった気分です。
駄目飼い主ですんませんでした。
迎えに来た?
私が小5の頃の七夕の日の話です。
その日の午後、母と近所の人が道端で立ち話をしていました。
そこへ我が家で飼っていた猫が数匹集まりつつあったのですが、1匹が車に轢かれてしまったのです。
その子は死んでしまったのですが、道路が血で汚れてしまったので急いでたわしとバケツを持って来て掃除をしました。
死んでしまった猫の兄弟猫2匹が寄り添って眺めていたのが印象的です。
その日の夜暗くなってから、天の川を見る為に近所の公園に子供が集まりました。
私も行ったのですが、天気が悪く、天の川は見えずじまいですぐに解散。
帰り道、自分以外誰も歩いていません。
ふと顔を上げると、目の前1mのところに男の子が歩いていました。
当時の自分より、1~2歳くらい年上のような感じです。
さっきまでいなかった…と不思議に思って見ていると、忍者っぽく、ブロック塀にピョンと飛び乗ったのです。(大人でも絶対無理!)
男の子はぐらつきもせず、スタスタスタ~っと歩いて曲がり角で消えました。
その男の子があらわれた場所は猫が轢かれた場所で、消えた場所は、我が家でした。
私が心配で、迎えに来てくれたのかなぁ…と今でも思います。
向かいのおじいちゃん
小6の時の話です。その時は雨が降っておりました。僕はその時に留守番をしておりました。
暇だったのでゲームをしていたら、「ピンポーン」ドアホーンが鳴りました。
そこで窓から見てみると、お向かいのボケた爺さんでした。僕は居留守を使うことにしました。
そしたら、ドアに鍵がかかってなかったらしく、勝手にその爺さんが入ってきました
そして、『洗濯物取り込むの手伝っておくれー』
仕方なく僕は手伝ってやりました。やっとことでおわりました。
しかし、その爺さんはなんのお礼もせずにさっさと家に入っていきました。
それから、数ヶ月後・・・その事などまったく忘れた頃に僕はまた留守番でした
そして、また『ピンポーン』なりました。僕はドアホーンにつながって電話でだれかと聞いてみると、
『この前はありがとうなー』とまたあの爺さんの声でした。
そして、窓を見てみると・・・その爺さんのお葬式でした。
同級生
今から2年前、女とドライブした帰り道でのこと。
山道を走っている途中で、女が急に「あっ!」と声を上げた。
女は見える性質だというのは前々から分かっていたので、また見えたんだなという事は分かった。
そうしたら女がいきなり「中学のときの友達だ!」まさか知り合いの霊が出るとは思いもよらなかったので、ちょいビビッた。
俺がどこで見えたのか聞いてみたら、なんと車に乗っているらしい。
マジッすか!しかもずっと俺の顔を覗き込んでニコニコしてると。
女曰く、俺のことを気に入ったらしくベッタリらしい。
そのまま家に着くまでの約30分間、ずっとそばで見られてました。
家に着いて、とりあえず話を聞く事に。
その彼女(霊)曰くその山道で彼氏とのドライブ中、スピードの出しすぎでガードレールを飛び出してしまいそのまま崖下に転落。
彼氏の方は一命を取り留めたが、彼女の方は助からなかったらしい。
しかもお腹には赤ちゃんがいたという。
そして赤ちゃんを見失ったらしく、探している最中で知っている顔を見たから乗り込んだと。
話しが一段落してからは、しばらくは昔話に花を咲かせていたのだが、
女が「友達に分かるかもしれない人がいるからそっち行ってみて。」
うちらでは手に負えない事がわかり、その道のプロを紹介する事にした。
ちょこちょこと話をした後で、
「また、遊びに来るから。」
そういって彼女は旅立ちました。
彼女がどこかで、子供と一緒に幸せでいる事を願います。
昔話をしている間中、俺が遊ばれていた事を後になって知らされました。
目の前二センチ位の距離でずっとニコニコしてたと…
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