地球外生命が潜んでいるかもしれない天体10選|宇宙にひそむ“生きた世界”の候補たち
夜空を見上げたとき、ふと浮かぶことがあります。
この広すぎる宇宙で、生きているのは地球だけなのか。
かつては空想として語られがちだったこの問いも、いまでは少しずつ輪郭を持ちはじめています。探査機は氷の下の海を示し、ローバーは有機物の痕跡を拾い、宇宙望遠鏡は遠い惑星の大気をのぞこうとしています。
もちろん、現時点で「地球外生命が見つかった」と断言できる天体はありません。けれど、水、熱、化学成分という“生命の条件”がそろっていそうな世界は、思っているよりも多く存在しています。
ここでは、科学的な観測結果を土台にしながら、ミステリーとして読んでも不気味に惹かれる「地球外生命の有力候補」を10個紹介します。
1. エンケラドゥス|氷の奥で海が息づく小さな衛星

土星の衛星エンケラドゥスは、見た目こそ白く静かな氷の球体ですが、その内部にはまったく別の顔が隠れていると考えられています。
南極付近からは水蒸気や氷粒子が宇宙空間へ噴き上がっており、その噴出物からは水、メタン、二酸化炭素、アンモニア、水素などが検出されています。さらに、海底では熱水活動が起きている可能性も指摘されています。
つまりここには、液体の水、化学物質、熱源という三つの条件がそろっているかもしれません。宇宙生物学の世界では、もっとも現実味のある“生命の候補地”のひとつです。
2. エウロパ|氷の下に広がる、地球以上の海

木星の衛星エウロパは、表面に無数の亀裂が走る冷たい天体です。しかし、その氷の殻の下には、地球の海に匹敵、あるいはそれ以上ともいわれる巨大な塩水の海が広がっている可能性があります。
木星の強烈な重力は、エウロパ内部を絶えず引っ張り、熱を生み出していると考えられています。そのため、海底に熱水噴出孔のような環境があるなら、地球の深海生態系に似た生命圏が存在しても不思議ではありません。
NASAのエウロパ・クリッパーは、まさにこの「住める環境があるのか」を確かめるために向かっています。
3. タイタン|水ではなく“別の液体”が流れる異様な世界

土星最大の衛星タイタンは、太陽系でも特に異様な雰囲気を持つ天体です。厚い大気に包まれ、表面には川や湖、海のような地形まで存在します。
ただし、そこを流れているのは水ではなく、液体メタンや液体エタンです。
極寒の世界でありながら、有機物は非常に豊富で、生命誕生以前の化学反応を探るうえで重要な場所とみなされています。地球型の生命とは違う、まったく別の化学に基づく存在がありうるのではないか――そんな想像を強くかき立てる天体です。
4. 火星|かつて生き物がいた痕跡を隠しているのか

火星は長いあいだ、「もっとも身近な生命候補」として語られてきました。現在の表面は乾燥し、強い放射線にもさらされていますが、はるか昔には川や湖が存在していたことがわかっています。
NASAの探査では、古い岩石の中から有機分子が見つかっており、生命そのものではないにせよ、生命にとって重要な材料が存在したことは確かです。
もし現在も何かが生き延びているなら、地表ではなく地下深くかもしれません。人類が最初に“異星の微生物”と出会う場所が火星である可能性は、いまも消えていません。
5. ガニメデ|太陽系最大の衛星に眠る海

木星の衛星ガニメデは、太陽系で最大の衛星です。表面は冷たく硬い氷に覆われていますが、その下には地下海が存在すると考えられています。
エウロパほど派手に注目されることは少ないものの、巨大な内部構造を持ち、しかも磁場まで備えている特異な天体です。
氷の下の暗い海に、ゆっくりと、しかし長い時間をかけて何かが育っていたとしてもおかしくありません。静かなぶんだけ、かえって不気味な候補です。

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