- 跂踵(きしょう)
中国語:跂踵(チージョン)
出典:『山海経』ほか
一本足に猪の尾を持つ梟のような妖鳥。現れる土地には疫病が流行するとされ、病をもたらす凶兆の化身とされた。 - 鄔文化(うぶんか)
中国語:鄔文化(ウーウェンホワ)
出典:『封神演義』
大柄で怪力の武将として登場する人間側の怪人物。二十四万人を殺したという誇張された逸話を持ち、その暴虐さから半ば妖魔的な存在として描かれる。 - 酒甕(さけがめ)
中国語:酒甕(ジウウェン)
出典:中国妖怪譚・日本の説話系統
古い酒甕に魂が宿り、人間の姿をとった大酒飲みの男となった妖怪。人々の酒席に現れて酒を飲み干し、酔いと混乱をもたらすとされる。 - 酒虫(しゅちゅう)
中国語:酒虫(ジウチョン)
出典:中国民間伝承
酒の中に棲むとされた小さな虫の精。人が酒を好みすぎるのは、この酒虫が腹に住みついて酒を求めるからだと俗説で説明された。 - 野狗子(やくし)
中国語:野狗子(イェゴウズ)
出典:
戦場に現れ、死体の脳みそを食らうとされる妖獣。戦の惨禍や無残な死を象徴する存在として、兵士たちに恐れられた。 - 金烏(きんう)
中国語:金乌(ジンウー)
出典:『淮南子』『山海経』ほか
太陽の中に棲む三本足の烏。十個あった太陽の一つともされ、日輪そのもの、あるいは日輪を運ぶ神鳥として崇拝された。 - 金華猫(きんかびょう)
中国語:金华猫(ジンホワマオ)
出典:都市伝説
金色の斑を持つ猫が長年生きて妖怪となったもの。人の心を惑わせたり、家に取り憑いて吉凶さまざまな出来事を引き起こすとされる。 - 金角・銀角(きんかく・ぎんかく)
出典:『西遊記』
太上老君の持つ宝具を盗んだ兄弟の魔王。多くの妖術を使い、孫悟空一行を苦しめた。 - 鑿歯(さくし)
出典:『山海経』
鋭い歯を持つとされる伝説上の怪物。山奥に棲み、人を襲う獰猛さで知られる。 - 長人(ちょうじん)
出典:『山海経』
背の非常に高い人々の種族。異民族・異人種が誇張されて生まれた伝承と考えられる。 - 長股人(ちょうこじん)
出典:『山海経』
異常に長い足を持つ人の種族。長い歩幅で素早く移動できると記されている。 - 長臂人(ちょうひじん)
出典:『山海経』
長い腕を持つ人々の伝説上の種族。木の実を取るのに適した身体とされる。 - 開明獣(かいめいじゅう)
出典:『山海経』
虎に似た巨獣で、九つの人面の首を持つ怪物。異形と不気味さの象徴とされる。 - 雍和(ようわ)
出典:中国の怪異伝承
形状が一定せず、変幻自在に姿を変える怪物。山間や湿地に出るとされる。 - 雷公(らいこう)
出典:中国神話
雷を司る神。鳥のような翼と太鼓を持ち、雷鳴を轟かせて悪鬼を討つとされる。 - 霊亀(れいき)
出典:四霊(四瑞)
亀の霊獣で長寿・知恵・安定の象徴。聖なる四霊の一つ。 - 青蛙神(せいあしん)
出典:中国南方伝承
蛙の姿をした水の神。雨水・農耕・豊穣を司り、祭祀の対象とされた。 - 顒(ぎょう)
出典:『山海経』
フクロウに似て人の顔を持ち、四つ目・長い耳を持つ怪鳥。夜に不吉を告げる鳥とされた。 - 風狸(ふうり)
出典:中国・日本の妖怪譚
風を操る狸のような妖怪。疾風を起こし人を惑わせるとされる。 - 飛頭蛮(ひとうばん)
出典:中国南方の民間伝承
夜になると頭部だけが胴体から離れて飛び回る妖怪。東南アジアの「ペナンガラン」「マナナンガル」と類似。 - 饕餮(とうてつ)
出典:四凶・龍生九子
果てしない食欲を象徴する怪物。器物の紋様にも使われ、貪欲さ・暴食の象徴とされる。 - 馬腹(ばふく)
出典:中国古代伝承
水中に棲む怪物で、人を喰うとされる馬のような姿の生き物。 - 鬼市(きし)
出典:中国怪異譚
幽霊たちが夜中に開く市場。人が紛れ込むと帰れなくなるという。 - 鬼打牆(きだしょう)
出典:中国の怪談
夜道で幻の壁を見せて人を迷わせる妖怪。迷路のように閉じ込め、同じ場所を彷徨わせる。 - 鬼車(きしゃ)
出典:『山海経』ほか
九つの頭を持つ赤い鳥。赤色の羽と鋭い嘴を持ち、死者の霊が化したものともされる。 - 魃(ばつ)
出典:中国神話
日照りを司る旱魃の女神。現れると大地が焼け、大飢饉が起きるとされる。 - 魚頭(ぎょとう)
出典:中国妖怪一覧
頭が魚、体が人の姿を持つ妖怪。水辺で人を惑わすとされる。 - 鳧徯(ふけい)
出典:『山海経』
奇妙な鳴き声を上げる怪鳥。現れると天候の変化や災厄の前兆とされた。 - 鴆(ちん)
出典:中国古代毒鳥伝説
羽根から猛毒が滴ると言われる鳥。その毒は一滴で人を殺すとされる。 - 鴸(しゅ)
出典:『山海経・南山経』
梟に似た姿で、人の手を持つ怪鳥。夜に飛び、人に不吉をもたらす。 - 鵬(ほう)
出典:『荘子』
巨大な鳥で、背丈は数千里にも及ぶとされる。小魚の「鯤」が変化した姿。 - 鸞(らん)
出典:中国古代の瑞鳥
鳳凰と並ぶ霊鳥で、高潔さ・吉兆・平和を象徴する。 - (はか)
出典:龍生九子
竜の子の一種で、主に建築装飾に用いられる異形の獣神。詳細は諸説ある。 - 囲(だい)
出典:『山海経』
深い淵を守る神。人面・羊角・虎爪を持ち、水の境界を巡りながら光を放つという。 - 黄風大王(こうふうだいおう)
出典:『西遊記』
砂嵐と黄風を操る妖仙。強烈な風で敵を盲目にする術をもち、三蔵一行を苦しめた。
中国神話の妖怪が広げる物語の世界
中国神話・山海経・西遊記などに登場する妖怪を一覧形式で紹介しました。
ひとつひとつの妖怪には、自然へのまなざしや宗教観、時代の価値観が重なり合い、独自の物語が息づいています。
気になる妖怪がいたら、ぜひその背景を深く探ってみてください。
意味や由来を知ることで、創作・世界観づくりにも新しい発想が生まれ、あなたの知識の世界がさらに広がっていくはずです。
中国神話の豊かな想像力に触れながら、物語を楽しむ時間をゆっくり味わってみてください。
FAQ よくある質問
中国の妖怪にはどんな種類がいますか?
中国の妖怪には、龍・霊獣、怪物、鬼、動物が化けた精、自然現象の象徴などさまざまな種類があります。代表例として、九尾狐・饕餮・相柳・白沢・夔・窮奇・羅刹鳥・白骨夫人などが挙げられます。古典ごとに特徴が異なるのも魅力です。
中国神話の有名な妖怪といえば何ですか?
特に有名なのは、九尾狐(青丘の狐)、饕餮(貪欲の象徴)、相柳(九つの頭を持つ怪物)、白沢(知識の霊獣)、青龍・白虎・朱雀・玄武などの四神です。『山海経』や『西遊記』に多く登場します。
創作やネーミングに使いやすい中国の妖怪はどれですか?
キャラクター性が強く、物語に組み込みやすい妖怪としては、九尾狐・白骨夫人・羅刹鳥・饕餮・相柳・夔・白沢などが人気です。名前の意味が明確で、能力・外見・象徴性がはっきりしているため、作品の世界観づくりに活かしやすいのが特徴です。

コメント