天使の9階級一覧、七大天使、死を司る天使など

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天使の9階級一覧、七大天使、死を司る天使など 天使と悪魔
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四大天使 Four Archangels

天使の九階級の中で八番目の位にある大天使、しかしながら、彼らはもっとも人間の近くにいると同時に、最も重要な役割と権威を持っている。最高位である熾天使の君主に彼ら大天使がいることもある。だがこうした位の混乱や矛盾などは天使においてはよくあることでもある。

七人の天使

大天使の数はキリスト、ユダヤ教でともに七人と認めている。『黙示録』で神の御前に立つ七人の天使も大天使であると言われている。しかし、誰が大天使であるかについては様々な論があり定まっていない。それでも、ミカエル、ガブリエル、ラファエル、ウリエルは大天使として常に現れる名前である。まずはこの四人の大天使に焦点を当てる。

大天使ミカエル Michael

大天使ミカエル Michael

称号 神に似た者
役職 天使の軍団の最高指揮官
シンボル 鞘から抜かれた剣、秤
エレメント  火
方位
霊力 知性
美徳 慎重

 最強の天使

もっとも人気が高く、常に天使たちのトップに立ってきた彼は、“力天使の指導者”、“大天使の指導者”、“神の御前のプリンス”、“正義の天使”、など、数々の称号を持つ。知力はもとより、彼の優れた能力は鞘から抜かれた剣が示すように、戦うための天使として武勇において語られることが多い。ミルトンの失楽園の中では、サタンとの戦いが始まったとき、『天軍の指揮者ミカエルよ、汝もゆくのだ!武勇においてミカエルに次ぐガブリエルよ!汝も共に…』と神から指令を受けている。

数多いミカエルの武勇伝の中で主なものをここに挙げる。

ドラゴン退治:『わたしはまた、一人の天使が、底なしの淵の鍵と大きな鎖とを手にして、天から下って来るのを見た。この天使は、悪魔でもサタンでもある、年を経たあの蛇、つまりを取り押さえ、千年の間縛っておき、底なしの淵に投げ入れ、鍵をかけ、その上に封印を施して、千年が終わるまで、もうそれ以上諸国の民を惑わさないようにした』(『ヨハネの黙示録』)

サタンとの一騎打ち:両軍の兵の見守る中、ミカエルサタンは自然の調和と秩序が破れるかと思われるほどの激しい攻防を重ね、ついに決定的な一撃が決まる。『その攻撃力においても、瞬時に敵の攻撃を避ける早業においても、どちらにも遜色はなかった。ただ、ミカエルの剣は神の武器庫から賜ったものだけに、さすがに鍛え抜かれており、その刃にはどんなに鋭い剣も硬い剣も刃向かうことはできなかった。一挙に屠り去ろうと、真っ向から激しい気負いで振り下ろされたその剣を、サタンの剣がはっしと受け止めたが、その次の瞬間、真っ二つに切断されてしまった。それどころか、ミカエルは目にも止まらぬ速さで己の剣を後方に弧を描いて振りかぶり、再びサタン目がけて振り下ろすと、今度は彼の右の脇腹を深くえぐった。この時、サタンは初めて苦痛を知り、身をよじって転々と転げ回った』(ミルトン『失楽園』)

死海写本の『光の子と闇の子との戦い』では、ミカエルは光の君主として軍を率いて闇の支配者であるベリアルの軍と対抗する。この時のミカエルの役割は天の副王(堕天前のサタンの称号)であった。

 霊魂を秤にかける

中世において、ミカエルは魂を冥界に導く者だった。メルクリウス神を崇拝するガリアの異教徒たちを教会が引きつけたがったため、冥界の神の属性の多くがミカエルに与えられた。マリアへ死を伝える役割も請け負っている。
またもう一つの重要な役目に、最後の審判の日にラッパを吹き鳴らし、審判の場で人間の魂を秤にかけるとされている。

 イスラエルの守護聖人

『ダニエル書』で、ダニエルはイスラエルの民に襲いかかる大きな困難、終末について知らされる。しかし、『その時、大天使長ミカエルが立つ。彼はお前の民の子らを守護する』そうだ。さらに、『我を助けて彼らにあたる者は汝らのミカエルのみ』と語られている。ミカエルはイスラエルの守護天使であるが、いざというときに御座を支持するのもミカエル一人しかいないらしい。

 カトリックでのミカエル

カトリックではミカエルは「天使の王子」と呼ばれ、彼以上の位の天使は存在しない。煉獄の門番でもあり、煉獄の魂のためにミカエルへつくられた祈りがあるという。
カトリックの伝説には、カイロトパの泉を沸き出させたのがミカエルで、この泉は病を癒す効果があるという。この水を浴びて、三位一体とミカエルに加護を祈る。

 ヘブライ伝承のミカエル

伝説によると、太古の怪物、ガブリエルが神より使わされてこの二頭の怪物を退治するとも言われ、それができなかったときは神自らの手が下されるという。
ヤルクトの創世記とラビ・エリゼルによれば、ペヌエルでヤコブと格闘した天使はミカエルであったという。「お前は私の最初に生まれた息子に何をしたのか」と問う神にミカエルは、「あなたに敬意を表して筋を縮ませたのです」と答え、神はミカエルに「よろしい。これからお前は永遠に、イスラエルとその子孫を受け持ちなさい!なぜなら、天使の王子は人間の王子を守るべきであるからだ。火が火を守り、頭が頭を守るように!」と言った。

大天使ガブリエル Gabriel

大天使ガブリエル Gabriel

称号 神は我が力なり
役職 玉座の左に位置を占める
シンボル 百合の花
エレメント
方位
霊力 想像
美徳 節制

 唯一の女性

ガブリとは、シュメール語で総督、統治者を意味する。天啓、智恵、慈悲、贖罪、約束の天使であり、エデンの園の統治者であり、智天使の支配者である。
天使とは両性具有の存在であるため、男性でも女性でもないが、このガブリエルだけは絵画においても女性の姿で描かれることが多い。ガブリエルが女性と考えられる理由は、『トビト書』でガブリエルが神の玉座の左側に座していたことにある。昔のユダヤの習慣では主人の左に座を占めるのは女性ということになっていたからだ。しかし、この説はユダヤ、キリスト教では認められているものの、敬虔なイスラム信者には否定されている。

 受胎告知

ガブリエルはナザレの町のダヴィデ家ヨゼフの婚約者であるマリアの前に現れ、イエス・キリストの懐妊を伝える。『マリア、恐れることはないあなたは神から恵みをいただいた。あなたは身ごもって男の子を産むが、その子をイエスと名付けなさい』『精霊があなたに降り、いと高き力があなたを包む。だから生まれるものは聖なるもの、神の子と呼ばれる』(『ルカによる福音書』)
また、これに先立ちザカリア司祭の妻エリザベトの前に現れイエスの洗礼者となるヨハネの誕生も告知している。
キリスト生誕の受胎告知の場面を描いた絵画はあまりにも多い。そこに現れるガブリエルは必ずと言っていいほど、百合の花を持っている。百合の花は聖母マリアの象徴であると同時に、ガブリエルの象徴であり、処女の性を表す。
ほかに、ガブリエルは天国から離れ生まれ変わる魂を導き、魂が母親の子宮にいる九ヶ月の間見守るという。

 聖書の中のガブリエル

ガブリエルは聖書正典中では、旧約では『ダニエル書』、新訳では『ルカによる福音書』において計四回名前があがっている。前者では大災害が起きることを知らせる幻視をダニエルに見せ、後者はマリアへの受胎告知である。これらの重要な役割を担ったことが、ガブリエルをカトリックでの天使崇拝で特筆すべき地位に当たらせている。
その他ガブリエルは多数のヘブライ語文献や民話に登場することになっている。『創世記』の記述には特定されていないが、ユダヤ教ではソドムゴモラの街を滅ぼしたのはガブリエルとされている。

 コーランの伝達

ガブリエルはイスラム教では聖霊と同等と考えられている。ムハンマドに『コーラン』を口頭で伝えたのは百四十組の翼を備えたガブリエルだという記述がある。洞窟で瞑想に励むムハンマドのもとに大天使ガブリエルは現れ、神秘的な文字の記された一枚のショールを示した。そして神の言葉を伝え、それをムハンマドに書き取らせた。それが『コーラン』という聖典だという。
イスラム教ではガブリエル(ジブリール)は“真理の天使”と呼ばれている。

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