《長編名作》超まとめ『少し昔話をしたくなった』【社会人編】4/5

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《名作》超まとめ『少し昔話をしたくなった』【社会人編】 まとめ
《名作》超まとめ『少し昔話をしたくなった』【社会人編】
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少し昔話をしたくなった 【中学生編】
少し昔話をしたくなった 【高校編】
少し昔話をしたくなった 【大学編】
少し昔話をしたくなった 【社会人編】
少し昔話をしたくなった 【完結編】


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社会人編

 

 

大学を卒業して俺も半人前ながら社会人になった。

俺が入った会社は業界の中でも中堅所のメンテナンス会社だった。
ただ、死ぬほど忙しい。
まあ、そこそこの給料が貰えるから文句は言わんけど離職率たけえ。
土日関係無しに呼び出しを喰らうが、暇な時は暇なんです。

てか、拘束時間の割りには、やる事が少ない。
俺は営業管理なので、作業してる立ち会いが多い。

夜中に立ち会ってボーッと作業を見てるだけとかね。

 

で、翌朝そのまま出勤してデスクワークをして
客先行って家に帰って、
翌日普通に出勤してグタグダ会社で2ちゃんしたりとかwwまあ、立ち会いとか無い時は早く帰れるんだけど作業の人間が休んだりしたら俺が作業する時もある。お陰でビルの上からぶら下がって窓を拭いたり、ゴキブリだらけの店舗の厨房清掃とか平気。でも家でゴキブリを発見したら泣き叫ぶ。
まあ、こんな仕事をしてるんだよ。

 

 

話を少し戻す。

あの日サトミと離れてから、俺は板倉と森君に散々馬鹿にされた。

「一緒に過ごした方が落とせる確率たけえわ!」とね。

実際に俺もサトミのアドレスを消した事を後悔した。

なんとか消したアドレスを復活させようと、携帯をいじくり回したが、ダメだった。

そりゃ携帯電話も消す前に「消去して良いですか?」って何回も聞くわ。

 

 

俺は二回位、用も無くサトミの家の駅の近くをウロつく。

だが、会えなかった。
てかさ、俺マジ馬鹿。
なんでこんな意味が分からん事をするんだよ・・・

俺は再び毎日サトミとの再会妄想を繰り広げる。
けど全く会えない。
俺は神に祈った。

一回創価の勧誘が来た時にマジで入会しようかと思った。

大学での生活はサークルを辞めた事で一人ぼっちに成ってしまう

 

 

たまにカズミとすれ違うが、無視される。
そりゃそうだよね。俺はね、本当に色んな物を無くしてしまったよ。ただ一つ救いは、板倉と森君がいた事だった。二人は散々口では馬鹿にするが、だけど友達を辞める事は無かった。
それが俺の全てで構わない、そう考えていたんだ。

 

 

社会人になり、俺は真面目に働いた。

てか、他の人が土日の仕事を嫌がる中、俺は恋人もいないから、どうせ暇なので引き受ける事が増える。

客先にも家に帰ってやる事も無いので、夜に顔を出して顔繋ぎをする。
いつの間にか俺は売上を伸ばし三年目に成った時に主任にしてもらった。

 

 

皆は俺を真面目だ、真面目だと誉めるが、俺は皆と違い休んでまでやる事が無いだけなんだけどね。

しかも地元から離れたもんだから板倉や森君にも会えない。
俺は完全に仕事マシーンww家に帰るのも面倒で職場で寝泊まりする事も多々あったねー。

それがまた評価を上げるんだけどさ・・・違うんだけどねマジで。

これだけ仕事が忙しくても俺はサトミを思った。

マジ俺キモい。

地元から新幹線でニ時間位の距離が離れてるのに俺はサトミと街で偶然会う事を期待する。
この病気は治らなかったね

 

 

そんな毎日を繰り返していたんだよ。

主任になった時新人が入社して来た。
男女一名づつ。

そして・・・

俺はその、新人の女の子の方を初めて見た時に・・・

俺は心臓が破裂する程の衝撃を味わった・・・

松平健そっくりだった・・・

 

 

そのキリッとした瞳、意思が強そうな唇・・・

正に松平健。
暴れん坊社員の誕生だった。

しかもこの業界で女が営業で入るのも珍しい。

松平は「よろしくお願いします」キリッとした声で言う。
男だったら良かったのに・・・

男の新入社員はイケメンだった。藤原竜也みたいな感じ。松平と竜也は俺の部下になり、俺が新人指導にあたる。

 

 

松平は物覚えが早い。
キリッとした顔で、ドンドン吸収していく。逆に竜也はダメな子だった。頭は悪くないんだけど、なんていうか天然だった。男の天然はイランよ。
でも素直な子だった。俺は客先に二人を連れて行ったり、新規の飛び込み営業の仕方を教えた。

松平は基本物怖じせずに、最初の飛び込み営業からハキハキと挨拶出来た。

 

 

竜也は凄いなビビりだった。
まあ、最初は誰でもビビるんだけどさ竜也は緊張しまくって資料を入れてるファイルと地図を入れてるファイルを間違えて出して群馬県の辺りを指差しながら「清掃コストの見直し」の説明を始めた時は、俺も客も茶を吹いた。

 

 

だが、松平も松平で面倒臭い奴だった。
俺が「明日悪いんだけどさ、○○さんの所に集金に行って来てくれない?」っ言うと松平「明日は土曜日ですけど休日手当は付くんですか?」ねーよ。そんなの。俺「無いけどさ、あそこは土曜日しか開いてないし」
松平「それっておかしいと思います」

うん。でもね仕事ってそんなもんなんだよ。

俺はコンコンと説教をしたかったが、如何せん俺は弱かった。

 

 

かと言って俺も別の仕事があり行けない。

俺が困っていると竜也が俺に言って来た。

竜也「あ、僕行きましょうか?」

俺は物凄く不安だったが、竜也に任せてみた。

案の定領収書に収入印紙を貼り忘れて二度手間で再度俺が行く羽目に成ってしまった。

この様に面倒臭い部下に囲まれての俺の社会人としての生活を送っていたんだ。

 

新人との日々が慣れ始めた初夏の日の事だった。
俺が深夜の現場の立ち会いを終えて会社へ到着。ヒゲも剃らないまま、パソコンで報告書と見積もりを作っていると、一本の電話が会社に入る。事務員が電話に出て「はい、はい・・・」と焦った表情で呟いている。うわ・・・完全にクレームの電話だった。
朝からキツイ。

事務員がチラチラと俺を見る。
ハイハイ。俺が変われば良いんでしょ。

 

事務員は電話を保留にすると俺を見た。
「松平さんのお客さんの○○さんです・・・」
なんですと。松平はまだ来てない。と言うかアイツは直行だった。
うん?待てよ、そもそも、その客は昨晩、掃除に入っているはず・・・俺は怪訝に思いながら電話を代わる。俺「お待たせしました。松平の上司の福田と申します」
客「どうなってんだよ!!!来てないじゃないか!!!!」

いきなり言われたが何が来てないかはすぐにピンと来て、俺は顔面から一気に血の気が引いた。

 

 

が、冷静に対応すべく落ち着いた声で言う。

俺「来てない・・・」
客「掃除だよ!!!ウチは今日オープンなんだよ!!!どうすんの!!!!」

やっぱり・・・俺はその間に今からすぐに動ける作業員や下請のデータを検索。

俺「申し訳ございません!!」
客「どうすんの???え??今日の10時開店だよ???」

時計を見ると8時だった。絶対に間に合わない。

 

 

この客は店を改装して今日オープンだった。
で、店をそんなに休め無いので突貫工事。そして俺達掃除屋は最後の最後で作業。
昨晩12時から作業員三名で入る予定だった。俺「申し訳ございません・・・確認や謝罪に関しましては後ほどさせて頂くとしまして、今からすぐに作業員を向かわせます・・・」俺は喋りながら、事務員にピックアップした作業員に「今すぐ来い」の連絡をさせる。
注釈で五人呼べと書く。

 

 

客「今から?何言ってんの?間に合うの?」
俺「はい、そこでご提案なのですが、まずはお客様が入られるフロアだけを特急でさせて頂きます!とりあえずはお客様が入れる状態にして、残りは夜にさせて頂く、と言う事でお願いします」これしか無い。
通常三人で充分だが、五人入れてやればギリギリ10時に間に合うか間に合わないか・・・客「もうしらねーよ!なんでも良いから早くしろよ!!」そう言って電話を切った。

 

 

俺は事務員に聞く「集まりました?」

事務員「四人は・・・今から行く・・・と」
俺「あ、良いです俺行きます」

俺はそう言って作業服に着替える。

俺「あ、あとすみません、松平に連絡して朝の用事が終わり次第俺に連絡させて下さい!」

俺は準備をしながら今日のしなければ成らない事を事務員に押し付けて行く。
こういう時に仕事を頼むと事務員は快く引き受けるんだよな。
普段は嫌がるけどね。

 

 

竜也「おはようございます!」

何も知らない竜也が来た。
コイツも連れていくか・・・俺は竜也を車に有無を言わせずに乗せた。

竜也「え?え?どこ行くんスか???」
俺「今回の責任はお前に全部被ってもらう」
竜也「なーんすかー????なんの件ですか???俺クビっすか???車買おうと思ってたのに・・・」

面白過ぎる奴だなコイツ。

俺「冗談だよ、そもそもお前が責任取ってもなんの解決にも成らんし」
竜也「え???マジっすか???ありがとうございます!!!」

何故かお礼を言われた。

 

 

とりあえず10時までに見れる状態にはした。
そこで俺達は一旦会社に帰る。帰り道に松平から俺に連絡が入った。松平「お疲れ様です。昨日、誰も行ってない事を聞きまして・・・行ってない業者になんと言いましょうか?」コイツ、なんで謝らないの?
俺は部下にキレた事は無い。

と言うか、基本、板倉と森君以外にはキレた事が無かった・・・

 

 

トラブったときの機転が利くかどうかが有能無能の分かれ道ww
ふくちゃん、立派になったねぇwwwwww>>638
違うww俺は別に凄く無いよww単純にトラブルを早く終わらせたいだけww

 

 

が、俺はキレた。

俺「最初は『すみません』だろうが!!!!!!!」
松平「え?業者に対してですか?」

違う違う・・・もう、俺の馬鹿・・・
俺は疲れた。昨日も寝て無いし・・・

俺「お前今どこ?」
松平「・・・もうすぐ会社です」
俺「うん、じゃあ待っとけ俺も会社に着くから・・・」

そう言って電話を切った。
竜也がオロオロと少し焦りながら運転している。

 

 

俺「竜也、お疲れさん、悪かったな急に現場に入ってもらって」
竜也「あ、大丈夫っす・・・福田さん、昨日も立ち合いでしょ?」
俺「うんwwかれこれ30時間起きてるわ、てか、今週睡眠時間みじけーww」何自慢だよ。
会社に着くと課長に松平が言い訳をしている最中だった。
自分はちゃんとFAXを業者に送ったとの事。どうやら業者は今日の晩に作業に入ると勘違いしていたらしい。

 

 

しかし、この女は謝らん。
課長も少しイライラして机の上でストローの袋を捏ねくり回してる。俺は埓があかんので課長の前に立つ。俺「すみません、とりあえず今日の晩に作業に入りまして僕と松平が二人で謝罪後に作業に立ち合います。そして、恐らく向こうが営業保障の話をして来る可能性が有りますけど、そこは飲まずに最悪は今回の施工費用無料で落ち着かせます。で、業者に対してペナルティとして、今回の施工費用は無料、次回、その次位まで値段を下げさせたらどうでしょうか?」俺が一気にまくし立てると課長は「それで頼む」と一言だけ言った。

 

 

俺は次に松平を見る。

俺「とりあえず一言だけ、みんなに謝っとけ」
松平「え・・・?しかし業者が・・・」

俺はピキッと血管が切れる音がした。

俺「あのさ、お前なんで昨日立ち合い行ってないの?」
松平「え・・・??」
俺「俺言ったよね?下請業者に頼むから、立ち会っておけと」

松平は下を向いて黙った。今だ・・・!

俺「自分のしなければ成らない事をせずに、業者ばかり責めてんじゃねーぞ!!!!お前が立ち会っておけば昨晩の段階で何とか出来ただろうが!!!!」

俺は初めて上司らしく怒ってみた

 

 

が・・・慣れない事をするもんじゃ無いね。

松平が泣き出した・・・
男前な表情が崩れる。

課長は何事も無かった様に電話を掛け出した。
他の人達も黙って仕事に入る。
俺は慌てた。
松平はまだ泣く。

すると竜也が俺の肩をポンと叩いた。

竜也「あ、俺が・・・」

そう言って松平を連れて部屋を出た。竜也が初めて頼りに成った。

俺は焦って竜也に「うんうん」と頷くだけ。全く女慣れしてない俺・・・

俺は課長を睨む。
課長は俺に背を向けて電話をしていた。
その電話本当に繋がってんのか?

 

 

俺は疲れて自分のデスクで仕事を始めた。

その晩に俺と松平で客先に謝罪に行く。
行きしな松平は一言も口をきかなかった。
だだ神妙な表情で助手席で下を向いていた。
俺も何も言わずに運転する。

てか、眠い。
マジで今から俺はちゃんと客と交渉出来るのか?

客先に到着後、案の定営業保障の話をチラつかされる。
俺はひたすら頭を下げた。客が痺れを切らすのを待ったんだ。

押し問答の末、今回は施工費用無料で話がついた。

 

 

俺と松平はそのまま立ち合いに着く。
もう俺は眠気が限界だった。朝の4時に作業が終わり俺らは家路に着いた。
翌日俺は商談があるので、一旦家に帰って着替えたい、そう思っていた。松平の家に着き松平が降りる。
降り際に松平が頭を下げた。松平「申し訳有りませんでした・・・」

そう言う。

俺「まあ、こんな事もあるよ、だから立ち合いは大事だからさ、特にウチの作業員以外を使う時は必ず立ち合いした方が良いよ」
松平「はい」
俺「じゃあ明日、て言うか今日は重要な用事が無ければ休め」
松平「はい」
俺「お疲れ」

俺はそう言って家に帰る。

 

 

家に到着後、風呂に入り目覚まし時計を四個設定後に眠りに付く。

三時間後、四個の目覚まし時計がけたたましい音を立てて俺を起こす。
ハイハイ。もう分かったから・・・

俺は起きて一旦会社に行く。

松平が来ていた。
俺は驚いた。まさか来てるとは思わなかったからだ。

俺「どうしたの?」
松平「いえ、やる事が有りましたので・・・福田さん、今日の商談に同行させて貰って良いですか?勉強させて欲しいんです」

俺は嬉しくなった。
松平が前向きに仕事をしてくれるからだ。

 

 

すると竜也が立ち上がって言った。

竜也「あ、俺も行きたいです!」
俺「いや、多過ぎるだろww」

俺は部下が少しづつモチベーション上げてくれるのが嬉しかった。
昔の俺なら、人の事はどうでも良かったんだが・・・

俺は単純だったよ。まだこの時は

 

 

最終章の序章が終わりました。今からが本編です。
いつもながら長々書いてすみません。とにかく俺の指が朽ち果てるまで書きます。てか、絶対に今日終わらない・・・また後で

 

 

ある日会社で飲み会があり、俺はそれに参加した。
ウチの飲み会は非常に大人しい。皆黙々と食べる事に集中する。
酒弱い人が多いんだよ。
竜也はその中でかなり酒が強く・・・面倒臭かった。一人でビールの瓶を空けた。皆が一応拍手する。竜也が嬉しそうに俺の隣に座った。竜也「結構やるっしょww」
俺「仕事もそんだけ勢い出せよ」

竜也は凹み一人で日本酒を飲み出した。

 

 

松平が俺の隣にビールを持って来た。

松平「お疲れ様です」
そう言って注ぐ。

俺「ありがとう、松平もそんな気を使わないで良いよ。適当で」
松平「はいww」

最近松平が笑顔を見せる様に成ってきた。
あれ以来、土日も嫌がらず仕事をする。
少し責任感が出てきて良かった。

竜也「福田さーん、俺なんで営業出来ないんスかねー」
俺「馬鹿だからじゃないか?」

竜也が再び凹み一人で焼酎を飲み始めた。

 

 

松平「福田さん、二次会行きます?」

松平も少し酔い、キリッとした表情も少し崩れ始めた。

俺「うん、一応部長が行くなら行かないとな・・・」
松平「福田さんが行くなら私も・・行こうっと・・・」

うん?あれ?この感じ昔もあったぞ?

俺「あ、別に無理に行かないで良いよ、しかも多分スナックかキャバクラだよ」
松平「良いんです、行きたいから行くんですよ」

そう言って俺を横から見上げる様に言う。

 

 

これは・・・!!!

俺の病気が再発した。
コイツ・・・俺に気があるんじゃねーの・・・?
うん。久しぶりに再発した。

竜也「僕も行きますぅ~」
俺「良いけど多分課長に説教されるぞ」

竜也は凹んでテキーラを飲み始めた。

その日から俺は少し松平を意識し始めた。
別に好きに成った訳では無い。
ただ、気に成ってしまう。
営業とかに一緒に行く時も少し明るく喋る様になった。

 

 

松平は確かに冷静に見れば顔は綺麗だと思う。

でもマツケンなのよね・・・

マツケンで携帯の文字を打つと予測で松平健が出て来る不思議・・・

目がキリッとし過ぎだし、俺の第一印象がマツケンなので、もうそれ以外に見えない。
せめて大地真央が良かったよ。

まあ、俺はそれでも好かれる事に悪い気はしなかった。

 

 

ある日俺が早めに仕事を終えると竜也と松平二人が俺に話し掛けて来た。

三人で飲みに行こうと誘われる。
こんなんどう考えても俺の奢りじゃねーか。
俺はそう思いながらも、上司として仕方ないと思い飲みに行く。

竜也と松平はすっかり同期として仲良く成っていた。
なんか俺の中で嫉妬が生まれた。

うん?嫉妬?マジで?俺は松平を意識してんの???
俺の心がざわついた。

マジで俺はそうなのか・・・

 

 

三人でカラオケに行き、俺は松平をチラ見する。

うーむ・・・マツケン以外に見えない。
どうしたんだ俺は・・・
どうしたいんだ?その気持ちが強く成っていた。

帰り道、松平は別の方向なので駅で別れる。
俺と竜也が電車に乗った。

竜也「松平なんですけどね・・・」
突然竜也が話し出した。

俺「うん」
竜也「福田さんの事好きっすよ」
俺は少し動揺する

俺「ねーだろうww」
やっぱりそう思うかい?竜也君。

竜也「松平って、結構尽くすタイプだと思いますよww」
俺「サンバとか上手いのかな?」
竜也「え?」
俺「いや別に」
竜也「どうします?ねえ?どうしますか?ww」

竜也ノリノリ過ぎ。ウゼエ。

俺「ハハ・・・」

俺は笑ってごまかした。

 

 

俺はその晩、眠る前に久しぶりに妄想をする。
最近は寝る時は速効で寝てたので妄想をしなかったが・・・まあ、御想像通り・・・松平が出てきました。ああ言う子も良いかもね・・・俺は思った。
俺は人恋しかったのかも知れない・・・板倉も森君もいない。
前に付き合ったのは五年前・・・
出会いも無い・・・そして・・・サトミにも・・・出会えない・・・

 

 

夏も本番になり、営業に出掛ける際のスーツがウザくなる。
クールビズとか言ってもさあ、営業マンはスーツ着ないとダメなんだよね。まあ、それは良いとして。
ある日俺が現場に立ち会いに行くと、作業員が来ない。
ウチが直接雇っている作業員なんだが来ない。
マジかよ。俺は困った。とりあえず作業員に電話。出ない。
まあね、実際に一人で出来る現場だから俺一人で出来ない事は無い。

 

 

俺も一通りの技術はある。
が・・・スーツだ。まあ、それは良い。
道具が全く無い。ポリッシャーと言う洗浄する機械とかワックスも無い。て言うか何もかも無い。俺はもう一度作業員に電話。
出ない。奴はクビだなこれは。てか、非常にマズイ。客に言えば日にちを変えれる事はないが、信用を失う。俺は竜也に電話。出ない。
まあ、日曜日の深夜だしね。
課長とかに電話するも、酒飲んでるから道具を積んだ車を運転出来ないとの事。

俺は迷った末に・・・松平に電話した・・・

 

 

松平はすぐに電話に出てくれた。

俺「あ、松平・・・スマン助けてくれ」

俺は松平に説明。松平はすぐに会社に行って車を乗って来てくれる事になった。

なんかその時俺はドキドキしていた。
なんじゃい、この感情は・・・
一時間後に松平は現れた。
松平は自分も作業着を着ている。

松平「私も手伝います」

そう言ってくれた。
俺は松平に感謝して作業を始めた。
二人で会話しながら笑いながら作業をする。

なんか、その時・・・
凄く松平が可愛く見えたんだ・・・

 

 

翌日から俺は一人に成ると松平の事を考える。
テレビでマツケンが映るとドキッとしてしまう。多分俺は何も無かったら松平とすぐに付き合ってたと思う。
だが俺は上司だし、もし別れたら最悪だ・・・
そう思っていた。もう別れの辛さを味わうのは嫌だった。
そして、何故別れの事を考えるかと言うと・・・
俺は信じてたんだよ・・・サトミと再び出会える事を・・・

でも、そんな奇跡は起きなかったし、これからも起きそうも無い。

俺は殆ど決断しかけていた。松平と付き合う事を・・・

 

 

盆前の事だった。
俺は竜也と二人で飲みに行った。
竜也はいつも通り俺に凹まされて焼酎を浴びる様に飲んでいた。
そして再び愚痴って俺に凹まされて飲む。こんな奴だが確実に成長してたし、俺も何故か好きだった。その日は竜也は激しく飲み、一人でベロベロに。
明日から盆休みに入るので、俺は構わないかな?
と思い竜也を家に送っていくべくタクシーに乗った。

 

 

竜也は俺に
「俺はねー、福田さんの事を尊敬してるんスよ・・・マジっスよ!!」
と言っていた。確かに竜也は俺に懐いてくれている。
俺は「ハイハイ、じゃあお前が社長に成ったら俺を専務にしてね」と言ってた。てか酔っ払いはウザい。竜也の家に着くと竜也は既に寝ていた。
俺は竜也を起こす・・・が起きない。
部屋は何号室だよ・・・
俺は竜也に叫んだ「何号室だよ!おい!」竜也「・・・301・・・」
うめき声みたいな声で答えた。

 

 

俺はタクシーの運転手に金を払い、竜也を背負ってエレベーターに乗る。

一応飲んだ後なので、俺も付き添って竜也の家に泊まろうとタクシーを返したのだった。

が、ふと思い出した・・・

確かコイツ姉ちゃんと住んでるはず・・・

アッチャー・・・ダメじゃん。
なんか姉ちゃんが先に上京して、竜也もその後に上京したので一緒に住んでると言っていた。

てか、コイツの実家どこだっけ?
聞いた事が有ったっけ?覚えて無かった

 

 

基本コイツの私生活は興味が無かったんだ。
ただ、なんでコイツの姉ちゃんの事は覚えてたんだろう・・・?あ、そうか・・・コイツの名字が・・・・『石原』だったからだ・・・
どこにでも有る名字だけど、ふとコイツの姉ちゃんが・・・
もしかして・・・みたいな馬鹿な話を考えたからだ・・・

まあ、そんな奇跡みたいな話は無いけどね。
俺もそこまで痛い奴じゃ無い。

 

 

俺は念のためインターフォンを押す。
姉ちゃんがいたらマズイからだ。
すると、インターフォンから声が聞こえた。「はい」
俺「あ、夜分に申し訳ありません、私、竜也君の同じ会社の福田・・・と申します・・・竜也君が酔い潰れたものですから・・・」
姉「あ、お世話になっています・・・どうもすみません!すぐに開けます、ちょっと待って貰えますか??」姉ちゃんは慌てて服を着替えている様だ。

 

 

俺はその間に、一応妄想してみた。

ここで・・・サトミが出て来る・・・!

なーんて・・・そう思った時にドアが開いた

そして

俺達は三回目の再会をした・・・!

そう・・・運命の出会いを・・・!

 

 

ドアを開けたまま俺は動きを止めていた。
目の前にサトミがいた。俺は何がなんだか分からない、この状況に全ての事を把握出来ていなかった。サトミも同じだったんだろう、大きな瞳をさらに開けて俺を見つめている。えっと・・・俺の部下である、石原竜也の姉ちゃんが石原サトミ・・・

ねーよww
全然ねーよ。

こんな展開・・・

が、今目の前で起きている事は実際の現実だった。

 

 

俺はとにかく、何か言わないと・・・
そう思い出た言葉が・・・「なんか髪・・・伸びた・・・?」
だった・・・なんだそりゃ・・・
そしてサトミが言った言葉が・・・「髪型・・・変えたんだね・・・」そして、数秒経った後に二人とも笑い出した。

俺「なんだよwwwwww」
サトミ「いきなりwwwwww」

五年振りの再会のシーンが台無しだった。

とにかく俺ら二人で竜也を寝室に運ぶ。そして、サトミにリビングに通された。

 

 

サトミ「・・・福田君だったんだ・・・」
俺「え?」
サトミ「竜也がね、いつも福田君の話をしてたの、でもそれが福田君とは思わなかった・・・同姓の人かと思ってた・・・ww」俺「俺もまさか竜也が石原の弟だったとは思わなかったよ・・・言われてみれば・・・」
サトミ「え?」
俺「確かに天然だわww」
サトミ「なにぃwwwwww」俺らは笑いあった。なんかね、もうこれは本当に運命って呼んで良いと思った・・・

だって俺らは全く別の場所で巡り会ったんだからね。

 

 

俺はサトミと番号を交換した。

サトミ「なんか・・・すごいねww」
俺「実は俺は石原の弟が入りそうな会社を先回りして入社してたんだww」
サトミ「預言者かww」

二人で今までの近況を報告しあう、サトミは大学を卒業して今の会社に入り上京した。
そして・・・もちろん独身。

俺「でさ・・・」
サトミ「うん?」
俺「突然ですが、明日か明後日か明々後日か明明後日・・・てかいつでも良いんだけどさ・・・暇ある?」
サトミ「本当に突然ww」
俺「でも・・・俺の中ではずっと・・・待ったよ」

俺がそう言うとサトミは・・・「・・・うん」と呟いた。

俺「じゃあさ、明日電話して良い?」
サトミ「・・・うんww」
俺「OK、とりあえずはそれで良いわww」

俺は立ち上がり荷物を持つ。

俺「じゃあwwまた明日ww」
サトミ「うん・・・また明日ww」

俺は部屋を出た・・・
が、タクシーが捕まらん・・・俺はタクシーを見つける為に一時間サトミの家の近辺を回っていた・・・

とにかく俺らは再会した。

 

 

翌日目を覚ました時に俺はすぐに携帯電話を見た。
そしてサトミのアドレスを検索・・・
有った。
俺は夢かと思ったんだ。俺はカーテンを開けて夏の日差しを浴びた。
時刻はすっかり昼だった。
寝すぎと酒で頭がボーっとしていた。
俺は携帯電話を手に取る。・・・もう電話しても良い・・・かな?
俺は緊張してきた。
少し躊躇をした・・・が、自分で自分に笑えた。
何年待ったんだww行けよww

そして・・・俺はゆっくり発信を押した・・・

 

 

呼び出し音が響く・・・
いつも、いつもこの時は俺は緊張する・・・出てくれるだろうか?そして嫌がられないだろうか?そう考えたが・・・サトミは電話に出た。サトミ「もしもーしww」
俺「出てくれて良かったww」
サトミ「そりゃ出るでしょww 」
俺「少し不安だったんだよ、ひょっとして隣の家から火の手が上がり、消火中だったら困るなって思ってww」
サトミ「もう消すのに大変だったわww」

サトミが乗ってくれて良かった。

 

 

俺「ところでさ」
サトミ「うん?」
俺「サメとキリンどっちが好き?」
サトミ「え???う~ん・・・サメ・・・?」
俺「あ、奇遇だね、石原もサメ研究会員か」
サトミ「そうそうww」
俺「んじゃ明日、水族館でサメの生態を見ようと思うんだけど・・・どう?」俺はおどけているが、心臓バクバクだった。サトミ「明日・・・?」
俺「いや・・・いつでも良い」
サトミ「じゃあ・・・30年後ww」
俺「待つよww」
サトミ「うそよww・・・うん、良いよww」いよっしゃあああああああああ!!!!!!!!!!

 

 

俺「じゃあ、明日、タキシード着て待ってるよ!!」
サトミ「頑張り過ぎww」そして俺らは電話を切った。
なんか凄く興奮しだした。
なんだよwwwwwwなんだよwwwwww・・・と思った矢先だった。
俺の仕事用の携帯電話が鳴った・・・
俺はいや~な予感がする。
でも、出ない訳には行かない・・・着信を見ると松平だった。?

 

 

俺「・・・もしもし・・・」
松平「あ、お疲れ様です・・・」
俺「あ、お疲れ」
松平「今、大丈夫ですか・・・?」
俺「微妙・・・」
松平「え?」
俺「いや・・・どうした?」
松平「実は・・・明日の現場なんですが・・・」聞きたくない。
もうそんなの聞きたくない・・・どうやら、現場の人間の数が足りないらしい。俺「なんで・・・?」
松平「いや、急遽○○さんが休むらしいんです・・・」
俺「へえ・・・」

 

 

確か明日は新規の客。
松平が営業で行った客だった。
どうやら客も立ち会うらしい。
それなら松平が作業をする訳にはいかない・・・かと言って・・・何故に俺・・・が、前に松平に助けて貰った事を思い出した・・・俺「わかった・・・じゃあ・・・明日・・・」
松平「すみません、本当・・・」

俺は休んだ作業員の家に行って、ボコボコにしたい気分だった。

 

 

俺はサトミに電話する。

俺「かくかくしかじかなので・・・」
サトミ「大変だね~・・・竜也も夜中に出て行ったりするからね・・・」
俺「本当にごめん・・・誘っといて・・・」
サトミ「良いよwwだって仕方ないじゃないww」
俺「ちなみにさ・・・明後日は・・・?」
サトミ「ごめん、明後日から実家に帰るの・・・同窓会があるの・・・」

俺「・・・そっ か・・・」
サトミ「休みはいつまで?」
俺「16日」
サトミ「多分・・・16日には帰って来てるかも・・・」

俺「マジ???」
サトミ「うんwwでもわからないから、連絡するww」
俺「おう!!!待ってます!!!」

そう言って電話を切った。

 

 

だが、俺はかなり凹んだ。
嫌がらせかよ・・・翌日、俺は現場に到着すると不機嫌モード全開だった。作業員A「あれ?福田さん?」
俺「あん?」
作業員A「あ、いや・・・」少し可哀相な事をした。松平が俺の所に来る。

松平「お疲れ様です・・・すみません」
俺「お疲れ・・・いや・・・お前のせいじゃないし」

俺はプリプリしながら作業をする。
作業員が少しでもミスると「チッ!」と舌打ち。

もう俺は最悪だ。
が、それで全員に気合が入ったのか作業は丁寧且つ早く終わった。

 

 

松平「お疲れ様でした・・・福田さんが居たから現場が締まりました」

そう言って俺にコーヒーを渡して来た。
いや、単純にイライラしてただけだから。

俺「まあ・・・そうだね・・・」
松平「福田さん。この後ご予定は・・・?」
俺「16日まで暇」
松平「え?」
俺「いや・・・別に、特に無いよ」
松平「じゃあ、晩御飯出させてください」

俺はどうでも良かったので断る。

 

 

松平「いや、出させて下さい!」

松平はしつこい。俺は折れた。

俺「でも、俺作業着なんだけど・・・」
松平「じゃあ・・・私の家に来ません・・・?作りますよww」
俺「いや・・・それは・・・」
松平「良いからww車に乗ってくださいww」

俺は強引に連れて行かれた。
てか、このまま行ったら松平√じゃね?
そう思い俺は車を止めてもらう。

松平「どうしたんですか?」
俺「急に・・・本当に急に・・・ラーメンが食いたくなった・・・しかも俺の家の近所の・・・」

俺はそう言って松平の家から遠ざけさせた。

 

 

そして二人でラーメンを食べる。
食べ終わると松平が急に
「・・・福田さんの家に行ってみたいな・・・」
そう言い出した。俺「う~ん・・・それはマズイな・・・」俺はそう言って曖昧な返事をする・・・
が、松平が俺をジッと見つめる。
松平ってさ、そこそこ綺麗なのかね・・・
俺は最初にマツケンのイメージがついたけどさ、竜也はモデルのなんとかに似てるって言うし・・・けど、俺はそれよりサトミだった。

俺「・・・ごめん、俺の家、マジで汚いから・・・」

そう言って目を逸らして「あ、ここで良いよ・・・俺漫画喫茶 行くから・・・」そう言って車を強引に降りた。

松平はなんか言いたそうだったが俺は家に帰る。
松平に申し訳ない事をしたな・・・
そう思ったが仕方なかった・・・

俺はもう運命の人に会ってしまったから・・・

 

 

翌日から俺はサトミの帰りを待った。
俺もよっぽど実家に帰ろうかと思ったが・・・辞めた。電車は混んでるし、そこまで行くのもどうかと・・・
そう思い毎日、毎日、家でネット三昧だったよ。15日までサトミからの連絡はなかった。
俺はずっと携帯を見つめてた気がする。
俺から電話しようか?でもそれじゃあ催促してる気がして・・・う~~~~と思っていると・・・夜の八時頃だった。

家のインターフォンが鳴った。

 

 

俺は思わずドキっとした・・・
まさか・・・サトミ・・・?
いや、サトミは家を知らない・・・
じゃあ・・・松平・・・?まさか・・・俺はそう思い・・・除き穴を・・・見た・・・だが、そこには・・・もっと恐ろしい人物がいた・・・
ドアの鍵を開けた瞬間に・・・「いやあああああっほお おおおおおおお!!!!!!!ひさしぶりぃいいいいいい!!!!」

と大音響を響かせて馬鹿が入ってきた。

「ほれ!!!!お土産!!!!」

そう言ってもう一人の馬鹿が俺に紙を渡す。
吉野家の割引券だった。

板倉と森君は完全に出来上がっていた。

 

 

超酒臭い。

俺「・・・帰ってくれない?」
板倉「おおおおいいいい!!!!」
森君「冷たいです!!!冷たい人を発見しました隊長!!!」
俺「あ・・・いや・・・本当に帰ってくれないか・・・」

板倉と森君は俺の言葉を無視して部屋に入り込み酒を置いた。

板倉「今日はお前に説教をするために、俺と森君はわざわざ、高速バスに乗ってお前の家に来た!!!」

森君がうなずく。

俺「なに・・・?」

板倉「うっそおおおおおお!!!!嘘で~~~す!!!!」
森君 「本当は高速バスじゃなくて、新幹線だもんねえええwwwwwwww」
俺「そっちかよ」

彼ら二人は騒ぎまくった。マジでうざい・・・

 

 

俺もかなり飲まされた・・・
気がつけば俺は部屋で寝ていた。
起きると昼の二時だった。俺は何故か玄関で裸で寝ている。
板倉はベッドから上半身をずり落ちながら寝ている。
森君の姿が見えなかったが、トイレで一升瓶を抱えて寝ている所を発見した。俺は思い出した様に携帯電話を見に行く・・・すると・・・昨晩の10時にサトミから着信一回と・・・メール・・・

「明日の朝には戻ってます。どうしましょう?」

うああああああああああああ!!!!!!!!

 

 

俺はあせった。そしてサトミに電話する・・・

出ない・・・

俺はすぐにメールをした。
「ごめん!!!今、何故か板倉と森 君がいるんだよ!!飲まされて記憶がない!!」
とメールした。

そしたら、サトミから返信が来た。
「そうなんだ。私は今電車だから電話出来ないです、ごめんね。そしたらまた、次の機会に」・・・

うああああああああああ!!!!!!!

俺は板倉と森君を叩き起こした。
そして、起き抜けの二人に説教を始めた。
二人は何がなんだかわかってない。
俺はコンコンと説教をする。
もう凄いしつこいかったと思う・・・

 

 

盆明けに出勤すると、竜也が俺の所に来た。

竜也「福田さんて、姉ちゃんの同級生だったんですねww」
俺「ああ・・・うん」
竜也「マジっすかwwwwww凄い偶然ですねwwwwww」
俺「いや・・・三回続けば・・・」
竜也「え?」
俺「うん・・・まあ、よろしくな・・・竜也君・・・!」

俺は竜也に握手する。
竜也が少し不審な感じで俺を見ていた。

それから俺はいつもの様に忙しい毎日を送る。

 

 

松平があまり俺に話しかけて来なくなった。
もちろん通常の仕事の話はするが、それ以外の話はしない・・・
まあね、良いでしょ。もうカズミのときの様な気持ちにはなりたくない。そして俺はサトミと会える日を探す・・・が、なんて俺のスケジュールは忙しいんだ・・・
俺は売れっ子のスターかよ・・・

それからの日々はサトミとはメールのやり取りをする。
そして仕事に行き客先で怒られたり、竜也と飲みに行ったり、段々松平とも普通に成って来た・・・
板倉達とも連絡を取り合った。
いつもの、毎日を過ごした・・・

が、サトミと会える日がない・・・

そして俺は入社以来初めて・・・有給をとった。

 

 

課長が少し驚いていた。

課長「・・・なんかあったのか?」
俺「はい」
課長「どうした?」
俺「私用です」

課長は少し困っていたが、俺は今まで我儘ひとつ言わずに働いて来たんだ。
これ位は良いだろう・・・

俺はサトミに電話をした。

俺「お願いがあります」
サトミ「はいww」
俺「明後日、俺は完全に休みです・・・」
サトミ「はいwwww」
俺「サメ・・・見て頂けますでしょうか・・・」

サトミ「・・・はいwwww」

俺は心底ホットした・・・

ようやく・・・本当にようやく俺は五年越しのデートが実る時が来た・・・

 

 

俺は待ち合わせ場所に向かう。
そして、いつも通りに待ち合わせ30分前に到着ww全然変わってない。もうドキドキで待っていましたよ。
そしたらサトミが向こうからやって来た。
俺は気がついているのに・・・
タバコをくわえて気がつかない振りをする・・・が、目が合ってしまったのに逸らした。サトミ「今、目があったよねww」
俺「そう・・・?」
サトミ「もう・・・ww」

うん。俺は全く変わってないね。

 

 

二人で水族館に行く。

女の子と二人でデートって本当に久しぶりだった。
どこをどうするのかを忘れてしまってたよ。

サトミは無邪気に魚を見て楽しんでいる。
俺はサトミのそんな姿を見て喜んでた。

暗い水族館の中でブルーに光った水槽から照らされるサトミの横顔を見つめていた・・・

だが、サメを見た時の俺の興奮はすさまじかったんだぜい。

 

 

イルカショーを見た。
サトミが興奮する。サトミ「昔さあ!船で見たね!」
俺「懐かしいなwwww」
サトミ「あの時すごーい・・・感動したwwwwww」
俺「あれ仕込むの大変だったよww」
サトミ「夢を壊すなぁwwww」俺は楽しかった・・・
そして、水族館の海が見える公園に行く。もちろんね・・・買いました・・・かき氷・・・

サトミ「きゃあwwwwカキ氷wwww」
俺「さて、舌を見る会を始めるかww」

俺らは舌を見せ合った・・・

 

 

海から涼しい風が吹いてくる。

その風がサトミの髪をなびかせる。

さて・・・この後どうする・・・?
今は4時だ・・・中途半端だ~~・・・
時間配分間違えたよ・・・
俺がグダグダ迷っているとき・・・

サトミを見た。

サトミは凄く穏やかな顔で海を見ていた・・・

なんかね俺はさ・・・
この後どうするかってね・・・どうでも良いわ!

俺はサトミと一緒に居られる幸せを噛み締めていた・・・

 

 

本当にまったりした時間だった。

俺とサトミは何も喋らない。

けど、別に苦じゃなかった。

サトミ「・・・なんか良いね・・・」
俺「え?」
サトミ「何も喋らなくても・・・落ち着くよww」
俺「俺、マイナスイオン出てるからww」

サトミはクスクス笑う。

 

 

風が少し和らいだ・・・

サトミ「三回・・・再会・・・しましたね・・・」

サトミは俺の方を見て微笑む。

俺「・・・しちゃいましたね・・・」

サトミ「・・・うん・・・」

俺「三回の偶然が続くとさ・・・」

サトミ「うん・・・」

俺は隣で座るサトミの手に・・・軽く触れた・・・サトミは何も言わない。

 

 

俺の鼓動は不思議と落ち着いていた。

俺「・・・運 命って言うんだ・・・」

サトミは俺を見た。

俺もサトミを見る。

二人で少し笑った。

 

 

サトミ「・・・運命・・・なのかな・・・?」

俺「間違いない・・・」

サトミ「私も・・・」

俺「うん・・・」

サトミ「そう思う・・・」

俺らは・・・手を握り合った・・・

俺らはずっと・・・

本当にずっと手を握り合っていた・・・

今までの

11年間を取り戻すかのように・・・

 

 

俺らはその日に付き合いました。
あまりドラマチックじゃなくてすまん。そして、その日は去年の9月18日だったよ。
そう・・・今日だったんだ。
実はこの前俺はサトミと喧嘩したんだ。
俺が忙しい事が原因でね。
多分サトミもイライラしてたと思う。
それが9月5日だったんだ。

 

758 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2009/09/19(土) 00:11:15.35 ID:5yZ5TNQo
超ドラマチックじゃねぇか何言ってやがるwwwwww

759 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/09/19(土) 00:11:41.78 ID:INAaRUM0
十分ドラマチックな件についてwwwwwwww
762 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/09/19(土) 00:12:38.75 ID:VsN5voAO
ドラマチックすぎるwwww
764 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/09/19(土) 00:13:05.39 ID:Q1c5g8Io
そして、ここから福田はどうするのか聞こうじゃないか
まさか、昔話で終了じゃないんだろ?

 

 

そして俺はその日にね、押入れから見つけてしまいました。
色褪せたラブレターを。まだ渡して無かったんだww俺はその日に決断したんだよ。サトミにプロポーズしようとね。そして、今日プロポーズの予定でした。
が、俺の仕事とサトミの仕事も忙しく会えなかったよ。

明日俺は強引に仕事を休みます・・・
てか、連休中は強引に休む。
そして絶対にサトミにプロポーズをする。
誰かに聞いてほしかったんだよ。
そして昔を思い出して俺自身に勇気を貰おうと思った。

だからスレをたてた。

本当はもっと簡単に終わらせるつもりだったけどね

これで俺の昔話を終わります!

そして、次回最終回です。

俺とサトミの”今”を書きます。
実際に結果がどうなるかは分からないけど・・・

どんな結果になろうと書きます

 

 

777 名前:福田 ◆vZuPaMM3aQ[] 投稿日:2009/09/19(土) 00:17:57.05?ID:vhbiWwSO
いや、俺の中では充分ドラマだったよ
でも他人が見たらどうかとwwまあ、頑張るよサトミとは喧嘩してからロクに話してない。これからの事も話したいしね

778 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/09/19(土) 00:18:19.86 ID:VsN5voAO
応援してる!

780 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2009/09/19(土) 00:18:37.01 ID:wd.Kofso
式に参加してやんよ
祝儀も5万包んでやる

781 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/09/19(土) 00:18:59.04 ID:I4ve9IAO
がんばって!
応援してる

 

782 名前:福田 ◆vZuPaMM3aQ[] 投稿日:2009/09/19(土) 00:20:16.55?ID:vhbiWwSO
みんなありがとう。
マジで嬉しかったよ、みんなが俺の話を聞いてくれてさww最初の頃に誰かが言ってたけどさ、オチが読めたって俺はまだ読めないwwマジで不安wwけど本当に勇気は湧いた
ありがとうみんな

783 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/09/19(土) 00:21:20.20 ID:K2apaSYo
友人代表のスピーチは森君、1曲歌わせるのは板倉ってとこだなwwww

784 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/09/19(土) 00:22:01.96 ID:Q1c5g8Io
色あせたラブレターきっと笑われるだろうけど、いい報告待ってるからな

785 名前:福田 ◆vZuPaMM3aQ[] 投稿日:2009/09/19(土) 00:22:22.02?ID:vhbiWwSO
次に来るのは・・・多分連休最後・・・かな?

サトミにOK貰ったら一緒に過ごすし、もしダメなら、その足で実家に行って板倉と森君とで残念会するww

787 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/09/19(土) 00:22:53.97 ID:h7OaPkAO
ガンガレよ!応援してる!
どんな結果だろうが最後まで見届けるからな!!!

 

790 名前:福田 ◆vZuPaMM3aQ[] 投稿日:2009/09/19(土) 00:25:47.52?ID:vhbiWwSO
ありがとう。
みんな遅くまでありがとうww俺は今から家に到着後に明日からの休みの為に、見積書と企画表を作成するww多分朝までかかるww俺はこれで・・・じゃあ・・・またね!

793 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/09/19(土) 00:26:42.69 ID:Fm506sEo
ガンガレエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ

800 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/09/19(土) 00:37:36.84 ID:6yEfsfwo
こんな、、、こんなパッピーな秒速5センチメートルがあっていいのか
いやあっていいんだろうな
頑張れよ!

 

 

コメント

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