《長編名作》超まとめ『少し昔話をしたくなった』【高校生編】2/5

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《名作》超まとめ『少し昔話をしたくなった』【高校生編】 まとめ
《名作》超まとめ『少し昔話をしたくなった』【高校生編】
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少し昔話をしたくなった 【中学生編】
少し昔話をしたくなった 【高校編】
少し昔話をしたくなった 【大学編】
少し昔話をしたくなった 【社会人編】
少し昔話をしたくなった 【完結編】


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高校生編

 

 

高二に成った俺。
少しだけ大人になり、ちょっとづつ現実が見えて来た。
だが、やはり妄想はするし、格好を付ける所は変わって無かったと思う。相変わらず板倉とは一緒で、何故か森君も加わり三人でずっと過ごしていた。毎日三人で誰も来ない学校の別棟で弁当を食べて昼寝をしたりして過ごす。誰も来ない事を良い事に俺らは私物を持ち込み、いつの間にかその場所は俺らの別荘の様に成っていた。
板倉が持って来たカセットコンロですき焼きをした事もあった。
流石にその時は先生に見つかり、こっぴどく叱られた。

 

学校の外では、森君の家で漫画を読んだり、近くの山に秘密基地を作ってダラダラ過ごしたりしていた。
だが、この秘密基地が夏の蚊のせいで閉鎖に成ってからは、専ら森君の家で過ごした。森君は俺ら二人が家で寝ていても一人いち早くハマったインターネットについて語っていた。
ちなみに森君は板倉に毒されてエロに物凄い執着を見せる様になっていた。彼はデジカメを駆使して街で女の子の写真を撮る事に何やら尋常じゃ無い程の情熱を見せていたこんな感じの高校生活を送っていたんだ。

 

俺は同じ高校で好きな人がいなかった。

俺は中二の頃から俺の心は止まったままだったんだ・・・(笑)

毎晩の様にする妄想では、ある日偶然に再会する二人と言う妄想をヘビーローテーションで流す。

もう完全にノイローゼですな。

 

夏休みに俺と板倉と森君の三人で婆ちゃんの家に行く事に成った。

俺の婆ちゃんの家は渡船業兼釣り宿をしている。
バイトで一ヶ月雇って貰っう事になったんだ。
朝は3時に起きて船の積み荷を手伝って帰って一旦寝て夕方に釣り人を迎えに行く。
結構な激務だった。

釣り人は正直ウザい。
奴らは釣り情報を聞く為に夜中でも平気で電話して来やがる。

夜中に叔父さんが電話に出ない時に俺が電話に出た。
俺はよく分からんから釣り人が

「どんなのが良いの?」
て言われたら、
「クロダイとか・・・」

しか言わなかった。

正直クロダイがどんな魚かは知らん。

 

初日の夜の事だった。
部屋で布団を敷いて寝ようとした時に板倉が呟いた。板倉「俺・・・死んじゃうな・・・」
俺「疲れたな」森君は既に寝ていた。
彼はのび太ばりに眠りに着くのが早い。板倉「金・・安すぎね?」
俺「日給5000円だし朝と夕方だけじゃん」
板倉「実働時間は6時間だろうが!朝は4時間、夕方は二時間だし!重労働だし!てか、何?あな釣り人の荷物の重さは?奴らは金塊でも掘ってんのか???」

板倉はキレていた。

 

俺「まあまあ、旅行に来て金わ稼げると思ったら良いじゃんww」

俺がそう言うと板倉は起き上がり呟く。

板倉「・・・ストライキ」
俺「は?」
板倉「ストライキをする!我々は労働条件の改善を要求する!」
俺「いや・・・何言ってんの・・・」

板倉は立ち上がり森君を蹴った。

板倉「もりー!!起きろー!!!ストライキじゃー!!!」

迷惑な奴

 

 

蹴られた森君は起き上がると電光石火の速さで板倉のボデイに綺麗なアッパーを入れた。

板倉「う~ん・・・リバーが・・・リバーが・・・」

苦しんでいた。

森君「寝ろ」

彼はそれだけ言うと再び眠りにつく。
俺は森君に「お疲れ様でした」そう言って頭を下げた。

板倉「お腹痛い・・・」俺「うん、大丈夫、寝たら治るから」

そうあやしながら眠りにつかせた。

これが世に言う「森の乱夏の陣」であった。

 

 

でも、そんな過酷な日々でも慣れれば高校生は流石に体力がある。

婆ちゃんの家に行って五日後には俺ら三人は昼間は近くの海水浴場に行って遊び出した。

板倉がナンパしようと毎日言うが、結局毎日モジモジして女の子の前を通るだけ。
森君はデジカメでひたすらギャルを撮っていた。
すっかり変態に成り上がっていた。
俺はと言えば、一人で岩場から海を見て浸っていたりした。

うん、まだサトミを思っている俺カッコイイとか思ってた。
実際にこんな海にサトミと二人で来れたら良いのに・・・とか思ってたんだけどね。

そんな俺を板倉が後ろから蹴って海に落とされたりして喧嘩によくなった。

 

 

ある日俺らがいつもの様に海水浴場で遊んでいた。
俺ら三人は少し沖まで出てシュノーケルで潜って魚を銛で取ったりして遊んでいる。周りは、カップルがゴムボートに乗りイチャイチャしている。
俺ら三人はそれを海の中から覗く。板倉「くそームカつくなー」板倉はそう言いながらもチンチンを触る。

俺も羨ましかった。
サトミと二人でゴムボートでイチャイチャする事を想像しながらチンチンを触る。
完全にヤバイ人です。

森君は「防水カメラにすれば良かった」と呟いていた。

 

 

そのまま覗きをしながら泳いでいると俺の近くでゴムボートに乗ってはしゃいでいる女の子二人がいた。

俺はあれがサトミで偶然会うなんて無いかなー、そう思って顔を確認する

が、勿論サトミじゃ無い。

俺は諦めてゴムボートから離れた。
そしたら、女の子二人の声が聞こえた。

「あー、前に進まないー」

そう言ってグルグル廻ってる。

 

 

へたくそだなー

俺はそう思いどうしようかと板倉を見る

そこには見た事も無い鋭い表情をした板倉がいた。

板倉の全力のクロールを見ながら俺と森君も後に付いていく。

板倉のあの時のスピードは凄かった。

板倉「大丈夫ですか!!!」
板倉の声に女の子二人が
「真っすぐこげなーい」
と言った。

板倉が俺らを振り返り、
「おい!押すぞ!」
と言い出した。

マジですか

 

 

俺ら三人が後ろから押す。

女の子二人は普通の子とピザだった。

普通の女の子が「すみません、ありがとうww」
と言った。

板倉「いえいえ、当然の事です」

そう歯をキラリと光らせて笑顔で言う。

もう一人のピザが「押すの遅い」
と言い出しやがった。
俺「重いんだよ」
そう言うと板倉が水の中で蹴って来る。

なんとか砂浜に到着。

 

 

普通の女の子が「友達みんなの所に来てスイカ食べる?」
と聞いてきた。板倉「よろこんで」
と言ったので女の子の友達の所に。俺は正直どうでも良かったんです。だが、

俺の妄想パワーがここで炸裂。

ま、まさか・・・その女の子の集団の一人が・・・サトミ・・・?

勿論ね。
いないよ。
いなかった
全然いないの。

女の子は全員で四人グループ。
全員高校生だった。

近くの民宿にバイトに来ており
昼間は暇なので交代制で海に来てるとの事。

 

板倉はハシャギまくり、
そして何故か森君モテモテだった。確かに森君は眼鏡を外してるとイケメンと言えなくは無い。
それに最近海に出ているので日焼けして男らしく成っていた。でも変態なんだけどね。
森君「写真撮ろう」
としきりに言っていた。
写真を何に使う気だ。板倉はハシャいでいるが空回りしている。
少し板倉が可哀相になった。
俺はと言えばヤハリ恰好つけて女の子らと喋っていた。

「別にお前らの事興味ねーし」

みたいな感じに。

どうか昔の僕を殺して下さい。

 

 

仕事の時間になり彼女達と別れた
全くモテなかった板倉がショゲてトボトボと自転車をこぐ。森君「なんで元気無いの?」
板倉「うるせー!盗撮野郎が!!!」板倉は切れていた。森君「あの子らと夜に一緒に花火しようて事になったんだけど」
板倉「森・・・さん・・・とお呼びして良いですか?」

板倉の元気が戻った。

俺はあの子らの中にサトミが居れば良かったのに・・・それしか考えて無かったよ。

 

 

花火には昼間見た子以外の女の子が一人加わっていた。

昼間のシフトの子だったらしい。
皆で楽しく花火をする。

その最中に俺はまた厨ニ病の発作を起こし、
注目を浴びたくて一人で波打際にしゃがんで海を見つめる。

早く、誰か早くタイムマシーンで俺を殺して来てくれ。

 

女の子「あの人はなんで一人で海見てんの?」
板倉「軽い病気だから気にしないで良いよ」聞こえてるよ全部。戻るタイミングを失った俺はそのまま海を見ていた。すると、案の定板倉が後ろから俺にジャンピングキック。

俺は海に落ちた。
俺はすぐさま浜に上がり板倉も海に引きずり込み二人で海辺の乱闘。

森君は一人女の子と楽しく花火をしていた。

本当俺らは馬鹿だわ。

 

海で濡れた俺らはチャリンコをこいで着替えに帰る。

チャリンコに乗りながらも俺ら二人は唾の吐き合いをしていた。

だが板倉の一言でその戦いは終止符を打たれた。

板倉「もう一人でイジイジしてんじゃねーよ、俺らに吐き出せ馬鹿」

そう恥ずかしそうに言った。

俺は「ふん!」とだけ言ったが・・・

凄く嬉しかった。

宿に戻り着替えて再び出掛けようとしたが
俺ら二人はなんか馬鹿らしく成っていた。

どうせ森君しかモテてねーし
その思いが全てを面倒臭くしていた

 

 

俺「なんかつまんなくね?」
板倉「だな、どうせ森しかもてねーし」
そう言って俺ら二人は・・・壊れた。婆ちゃんの家にあるデカイ水鉄砲を二丁運び出す。
その中に掛かったら面倒臭いであろうサイダーを入れた。そしてタオルで顔を覆いつくす。板倉「これから突撃する!準備は良いか!」
俺「OKで有ります!少佐!」

板倉「三、ニ、一!ふあああああっきゅうううううう!!!!!!!!!!」

俺らはテロリストと化した

 

 

俺らはチャリンコで全力で砂浜に向かった・・・

そう、全てをぶっつぶす為に・・・!

板倉「良いか!これはテロじゃない!!!俺達の権利の為の・・・闘争だ!!!!」

まあ、今思ったら意味が全く分からん。

だが、俺らは最高にハイな気分で砂浜に向かう。

楽しかったんだよ

だが、

その権利の為の戦いとやらは行われなかった。

何故なら、砂浜に戻るとそこには・・・

サトミがいたからだ。

 

 

砂浜に行くとね、そこにサトミが居たんだよ

俺は余りの事に一瞬何が何だか分からなかった。
俺が分かったのはサトミは綺麗に成ってたってこと。

俺が毎日の様に妄想していたのは中学生のサトミだ。
今目の前に居るサトミとはレベルが違っていた。
板倉が楽しげに話し掛けているのが夢みたいだった。
俺は妄想のし過ぎで自分の頭がおかしく成ったのかとさえ思っていた。

サトミが何かを俺に話し掛けていたが、俺の記憶には残っていない。
多分俺は日本語をまともに話して無かったと思う。

 

俺が・・・覚えているのは・・・

サトミの・・・特上の笑顔だった・・・

カッコイイ台詞だ

サトミ達と別れて宿への帰り道、俺は道端で吐いた。
多分余りの衝撃でだと思う。
森君が背中を摩ってくれていた。
俺の家族は胃腸が弱いんかな?

森君の話では俺と板倉が宿に帰った後にそのまま花火をしているとサトミがやって来たそうだ

 

森君は一瞬誰か分からなかったらしい。
そしたらサトミが
「森君!」
と言って来てサトミだと分かった。
サトミも昼間の女の子達と同じ民宿でバイトに来ており、
昼間はシフトで海に来れなかったそうな

 

 

寝る前にその話を聞き終えて板倉が言った。

板倉「ゲロ福田」
俺「変な名前で呼ぶな」
板倉「お前は今、人生で二度あるチャンスの二回目が目の前にある」
俺「一回目はどこで使った」

森君「ゲロ福田君、チャンスだよ、マジで」
俺「だからその名前はなんだ」

板倉「ゲローー!!!!!!」
俺「もう名字ねーし」
板倉「絶対に行けよ!」

そう言われて俺は緊張して来た。

 

俺はね実はまだ持っていた。

正直気持ち悪いが、
あの昔に書いたラブレターをまだ持っていた。

いつサトミと再会しても良い様に・・・
と言うか、サトミの事を思い出せるツールだったからだ。

なんと見事な伏線回収

まあ、ガチで肌身離さず持っていたから自分でも怖いよ

 


翌朝
睡眠時間三時間だけにも関わらず俺は一番に目を覚ました。勿論まだ太陽は出ていない。
俺は窓を開けて夜明け前の外の空気を吸い込み実感した。出会えたんだ・・・大袈裟かもしれないが板倉が言う様に
俺の人生の中で数少ないチャンスかもしれない。

 


俺は思いっ切りテンションが上がり寝ている板倉と森君をたたき起こす。

その日の仕事は張り切り過ぎて海に落ちた。
落ちた時に板倉に石を投げられた。
それでもキレない俺はよっぽど嬉しかったのだろう。

 

前日に板倉と森君がサトミ達と遊ぶ約束をしてくれていた。

朝の仕事を終えた俺は急いで海パンに履き代えて板倉達が着替えるのを待った。

板倉「お前慌てすぎだろ」
俺「いや慌ててなんかねーよ」

俺キモッ。

 

海に行くとサトミ達のグループは来てない。
サトミが来るまでの時間、俺は不安とワクワクで一杯だった。サトミが来ると言うワクワク感と、
もしもサトミが俺の事をキモいと思ってたらどうしよう?と言う不安感だった。

 

海に浸かってオシッコをしていると、
段々不安感の方が増えて来た。ひょっとしてあの時、
サトミが俺に何も言わずに引っ越したのは、
俺の事をキモいと思ってたからじゃ無いだろうか・・・?そう思うと居ても立ってもいられなく成ってきた。

 

ちょうど俺がオシッコをし終えた所に板倉がやって来た。

板倉「やっぱ海水はしょっぺーな」

うん。そうだね。

俺「板倉」
板倉「なんだ?」
俺「俺、やっぱ帰る」
板倉「はあああああ?????」

俺はそのまま海から出ようとすると、板倉と森君に羽交い締めされた。

 

俺らが揉み合っているちょうどその時、
サトミ達がやって来た。サトミが手を振って俺らを呼んだ。俺はサトミの姿を見た。サトミはワインレッドの色に柄が付いた水着の上からパーカーを羽織っていた。
思わず生唾を飲み込んで見取れてしまった。

 

板倉「帰るか?」
板倉が俺の側で囁く。板倉「あれを見て帰るんか?」
俺は森君を見た。俺「写真・・・」
森君「うん?」俺「石原の水着姿の写真を・・・頼む・・・!」

森君「任せておけ・・・!」

森君は仕事の時の顔に変わった

 

サトミ達と遊び出してからも俺は中々サトミに話し掛けられない。

何故かミユキちゃん(最初にゴムボートに乗っていたピザじゃ無い方の普通の女の子)
にばかり話しかけられる

サトミは皆とワイワイ喋っている。
普通に話せる板倉と森君が羨ましかった。

 

俺はチラチラとサトミを見る
サトミは可愛かったたまに板倉と森君に背中を小突かれる
分かってます
でも、勇気が無いんです勘弁してくださいその日は仕事の時間になり、そのまま俺ら三人は宿に帰った

 

サトミと話すきっかけをくれたのは
板倉だったその日の夕方に釣り人の魚が山ほど入ったクーラーボックスを見せられた
釣り人の自慢話を聞きながら荷物を船から運び出すてか、マジでお前らの釣果は興味ないんだよ仕事が終わった後に板倉が俺に女物の小銭容れを渡してきた

 

俺「何これ?」
板倉「財布」
俺「見りゃ分かる、で、何?」板倉「石原の財布だ」はい?俺「なんでお前が持ってんの?」
板倉「くすねた」

犯罪者がいた

 

俺「はああああああああああああ????????????????」

板倉はドヤ顔で俺を見てきた

板倉「きっかけだ!お前これ返して来い!」
俺「てか盗むなあああああああ!!!!!!!!!!」

俺は慌てて宿からサトミ達がいる民宿に電話をした
ちなみにこの時は俺らの地方では高校生の携帯普及率が低かった

サトミも携帯を持ってなかった「欲しい」とは言ってたけど

 

民宿の人にサトミを呼んでもらう

サトミ「もしもし・・・?」
サトミは少し不審そうな声を出した

俺「あ、福田です、仕事中にごめん」
サトミ「あwwwwww福田君wwwwwwどうしたのwwwwww」

サトミのテンションが高くて良かったww

俺はサトミに板倉が間違えてサトミの財布を持って帰ってしまったと伝えた

 

てか、この嘘は正直無理があった。
そもそも、なんで財布の持ち主がサトミと分かったのか?
で、どうやって女物の小銭容れを板倉が持ち帰ったのか?俺は不安だったサトミ「あwwwwwwそうなんだwwwwww良かったww財布無くしたかと思ったよwwありがとうww」天然で良かったです

 

板倉が後ろから俺に呟く
「今から届けろ」
ドキン・・・
俺の心臓が鳴った俺「あ、石原・・・今夕飯の支度とかで忙しい・・・よな・・・?」
サトミ「ううんww私の仕事は終わって今は暇だよww」ドキドキドキドキドキドキ・・・・俺「あ・・・じゃあ、俺・・・今から持っていくよ・・・」

言った

 

サトミ「え?ホント?別に明日でも良いよ」

ガビーン・・・・

俺の動きは止まった
板倉「良いから行け!」
板倉の囁きで俺は再び言う

俺「いや、俺も暇だし・・・散歩がてら持っていこうかな・・・と」

勇気を振り絞ったよ
大した事じゃ無いんだけど、俺の中では凄く勇気を振り絞りましたよ

 

サトミ「えwwホント?ありがとうwwじゃあ、私もそっちに向かうから、いつもの砂浜の所位かな?落ち合えるのは?」

よっしゃ嗚呼あああああああああああああああああああああああ

俺が親指を板倉達に立てると、板倉と森君はニヤニヤしていた
電話を切った俺に板倉と森君が背中をバチバチ叩く

俺は嬉しかった。倫理的にどうあれ板倉には感謝の気持ちで一杯だった

 

俺はチャリンコに乗り込む
板倉と森君も何故かチャリンコに乗る俺「待て」
板倉、森君「どうした?」俺「どこに行く」
板倉「見に行く」俺は2人に生まれて初めて土下座をした
とりあえず、2人には後で報告と相成った

だが、俺は後ろを警戒しながらチャリンコを漕ぐ
どうやら尾行は無い様だ

 

夕暮れの海辺の町をチャリンコで走らせる

もうすぐサトミに会える・・・俺はそれを考えるとチャリンコを漕ぐのもテンションが上がった

いつも俺らが遊んでる砂浜が見えてきた。
砂浜には人が疎らであった
夕日が海にほぼ沈んではいるが、まだ海を赤く染めていたのを覚えている

遠くの方にサトミが見えた

サトミは俺に気が付くと笑顔になって・・・手を振ってくれた

 

サトミと落ち合えた俺。

サトミ「わざわざゴメンねww」
サトミはそう言って笑った。

俺「いや、どうせ散歩してんだよ、チャリンコで」

そう言って俺は夕日をアゴでしゃくる。

俺「綺麗だろ・・・この夕日を見たくてさ」

うわああああああああああ誰か俺をマジで止めろおおおおお!!!!!

サトミは「ふーん」とだけ言ってた。

死にたい、いや殺したい。

 

俺はサトミに黙って財布を渡した。

サトミ「あ、ありがとうwwあ、ちょっと待って」
サトミはそう言って近くの自販機に行く。

サトミ「喉渇いたでしょ?何飲む?」
俺「あ、良いよ、大丈夫だから」
サトミ「良いからww良いからww」

そう言ってたがサトミが財布を出して止まった。

 

俺はサトミを見る。

サトミはペチッと自分の額を叩いた。
なんだそのオッサンみたいなリアクションは。

サトミは恥ずかしそうに俺を見た。

サトミ「ゴメン・・・そー言えば小銭全部使ったんだった・・・wwだから無くても気がつかなかったのww」

カワユス。

 

俺は笑ってポケットから自分の財布を出して自販機にお金を入れた。

俺「どうぞww」
サトミ「いや、悪いよ・・・持って来て貰った上に・・・」
俺「良いからww元々は板倉が悪いんだしww」

実際にそうだから。

サトミ「じゃあ明日遊ぶ時に喉渇いたら言ってwwその時は私が出すからww」

サトミはボタンを押した。
俺もジュースを買う。
二人で防波堤に座りジュースを飲んだ。

 

俺が妄想をしていたワンシーンが実際に現実と成った。

夕日を浴びた海辺で・・・

サトミと二人切り・・・
俺はジュースを飲みながら舞い上がっていた。

チラチラとサトミの夕日に照らされた横顔を見つめる。

 

サトミ「あのね」

気が付くとサトミが俺に可愛い笑顔を向けていた。

サトミ「福田君・・・怒ってる・・・?」
俺「え?」
サトミ「私が黙って引っ越した事・・・」
俺「怒ってないよww別にびっくりしたけどww」

サトミは少しホッとした表情になった。

 

サトミ「なんだ・・・昨日福田君と会ってから全然喋ってくれなかったから・・・怒ってるのかと思ってた・・・ww」

違います。

俺「大丈夫ww怒ってたけどもう忘れたww」
怒っては無いけど忘れた事は一日足りとも有りません。

サトミ「そっかwwでも福田君喋ってくれなかったじゃんww」

俺「そう?あんま意識して無かったなぁww
すみません意識しまくってました。

 

俺らはそこから久しぶりに、

本当に久しぶりに話した。

サトミが引っ越してから女子高に行った事。
中学時代の文化祭の思い出。
等々。

気が付くとすっかり日が沈み辺りは夜に成っていた。

 

ふと突然サトミが黙る。

俺は不思議に思ってサトミを見ると
サトミが真っすぐ前を見つめていた。

俺「どうしたの?」
サトミ「カニだww」

サトミが指射した方を見るとなんかが動いている。
でも暗くてよく見えない。

 

サトミ「カニwwカニww」

そう言ってサトミがカニらしき物の所に行く。
と、突然サトミが「キャア!!!」と叫んだ。

サトミ「ゴキブリだった!!」

俺は笑った。
再びサトミが言う「あ、あれはカニ?」
俺が見る。てか、どんだけカニww

いや・・・サトミは俺が言う前に近付く。

サトミ「キャア!!!!」

ゴキブリだったww

海水浴場はゴキブリが多い。
それにしてもサトミが可愛い。

 

時計を見ると既に8時をまわっていた。

俺はまだサトミと一緒にいたかった。
ずっとサトミと喋っていたかった

いつの間にか俺らはあの文化祭の頃の様に話す事が出来ていたんだ。

サトミが笑っている。
空には満天の星空が在った。
山からは虫の鳴き声が聞こえていた。
そして海からは波の音が聞こえる。

俺は
この時間が永遠であって欲しかったんだ。

 

サトミを民宿まで送って俺が自分の宿に到着すると
板倉と森君は部屋でテレビを見ていた。

彼らは俺が帰って来るとすぐに俺から話を聞く。
話終えると二人は俺を布団に包み殴る蹴るの暴行を加える。

だが、俺は「おいおいwwwwww辞めろよwwwwww」と笑っていた。
よっぽど御機嫌だったんだね。

 

それからの毎日は本当に幸せだったんだ。

俺の人生の運を全て使い切ったんじゃ無いかと思ったよ。
サトミと普通に話せるし、
冗談も言い合える様になった。

また、俺の妄想厨二病が治った事により他の女の子とも普通に話す。
他の女の子からしたら「なんだコイツ?」って感じだっだろうww

 

板倉の空回りも無くなり元来板倉は面白い奴なので、
徐々に人気が出てきた。
相変わらず森君人気は凄かったけどね。

 

俺はサトミとボートに乗りたかった。勇気を出して・・・

「ボート乗ろうぜ」

と誘えた。

サトミ「怖く無い?」
俺「俺の前世は渡来人だったから大丈夫ww」
サトミ「そうなんだww」

そう言って二人でゴムボートに乗った。

 

真正面にサトミの水着姿を見た俺は
凄く興奮しているが、余り見れない。

少しサトミの股が開いていてその部分が膨らんでいてそれをムニムニしていやそれよりムシャムシャして違うそんな事よりオッパイが気になるのであって水着の上から触ってムニムニして俺はその感触を触りまくりで感じたいうんもうそのまま死んだら良いしおry・・・

まあ、そんな感じで妄想が炸裂していた。

 

沖まで出た時にサトミが少し怖がっていた。

サトミ「この辺深くない?落ちたら怖そう・・・」
俺「だねー、サメとかいるかもねww」
サトミ「辞めてww怖いww」

俺はこのまま流されて無人島にサトミと二人で暮らしていく事を妄想した。

 

サトミ「福田君は彼女出来た?」
サトミがいきなり聞いてきた。

俺はドキンとした。
俺「いない・・・な」
脳内の彼女はお前だけどね!

サトミ「ふーんww福田君モテそうなのにねww」

マジ?マジ?じゃあ彼女に成ってくれい!
俺は叫びたかったよ

 

俺は一番サトミに聞きたい事を聞くチャンスボールが目の前に転がってきた。

俺「あ、い、石原は・・・?」

俺はサトミの顔を見る事が出来ずオールを見つめていたと思う。

サトミ「いないwwいないww」

そう笑って言った。
俺は小さくサトミに見えない様にガッツポーズをした。

 

サトミに彼氏がいない・・・
そのニュースは瞬く間に全国の猛者達に伝達された・・・
大海賊時代の幕開けであった・・・

板倉「まあ、でも彼氏がいなくてもお前が付き合えるとは限らないけどね」

夕方の仕事の時間にその言葉をきっかけに喧嘩が始まった。
釣り人に
「兄ちゃんもっと蹴りを入れろ!」
とけしかけられた。

 

翌日?(この辺の時系列ははっきり覚えてない)は
サトミが昼間に民宿の仕事を入る当番だった。

俺らはサトミ以外の女の子達と遊ぶ。
その日は俺はシュノーケルを付けて
ぼんやり海の中を見ながら、ボーッとしていた。

 

すると後ろから声をかけられた。

振り返るとミユキちゃん(何回も言うが最初にゴムボートに乗っていたピザじゃない普通の子)がいた。

この子は非常に感じが良い子なんです。

ミユキ「福田君なんか水死体みたいだったよww」
俺「ぷかぷかと浮かぶのは気持ち良いんだよww」

みたいな会話をしていた。

 

そのまま岩場まで泳いで二人で魚を見たりした・・・

と、ここまで来るとさ、
人一倍思い込みの激しい俺はふと頭に浮かぶ事がある。

コイツ・・・俺に気が有るんじゃねーの?だった。
俺はもう心の病だよ。

 

しかも、

サトミを一途に思っている俺に惚れるミユキ、
それに気が付いたサトミが嫉妬をして俺の事を段々意識し始める。
俺は悩んだ末にサトミと結ばれry・・・

気持ち悪いです。

 

ある晩にみんなで肝試しをする事になった。
くじ引きでペアを組んで行くというベタなプラン。
コースは海からすぐ裏の山に入りお墓に行く
というこれまたベタなプラン。

 

そして・・・
くじ引きを作ったのは・・・板倉であった・・・!

板倉は俺に軽く頷いている。
なんと言う策士だ!

コイツは将来とんでも無い大物になるんじゃ無いだろうか?
マジで俺は良い友達を持った・・・!!!

ペアの相手はピザだった。
板倉を見ると何故か満足げだった。

 

俺とピザが二人で山道に入る。
ピザが「フウ、フウ」と鼻息が荒い。

ピザ「めっちゃ蚊に刺されるんだけど」

それはお前が二酸化炭素の排出量が多いからだ。
環境に悪い奴め。

だが、こんな奴でも夜道に二人きりというので少し興奮している俺がいる・・・最悪だ。

 

ピザ「なんか面白い話してよ」
俺「え?・・・いや・・・」
ピザ「怖いから、お願い」

そう言って懇願する・・・
あー!!!コイツがサトミだったら!!!!

俺「ある所に一匹の猫がいました」
ピザ「それちゃんと落ちが有るんでしょうね」

うっせー見切り発車だよ。

 

俺はなんか話す気が失せて黙り込んだ。
そしたらピザが話し掛ける。

ピザ「福田君てミユキの事をどう思う?」

ミユキは普通の子の事ね。
俺は聞かれた瞬間にドキンとした。

ま、まさか・・・俺、モテモテ・・・!

ウヒャー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

俺は遠くを見つめる様な眼差しをして言った。

俺「どうって・・・?」

フフフ一度は言ってみたかった台詞ww

ピザ「あ、違うよ」
俺「え?」
ピザ「言い方が悪かったけど福田君の事を好きなんじゃ無いよ勘違いしたらダメだよ」

俺は泣きそうになった。

 

俺「い、いや俺は別に・・・はは・・俺は・・そう・・違うよ・・・」

もう動揺し過ぎで自分自身が可哀相過ぎる

ピザ「福田君てモテなさそうだもんねー彼女とかいないっしょww」

お前が言うなあああああああ!!!!!!!
お前に俺の何が分かるんじゃぼけええええええ!!!!!!!!!

 

俺「ま、そう思うならそうでも良いけどねww」

俺は強がった。

ピザ「無理すんなってww」

ムッキーイイイイイイ!!!!!!!
氏ね!市ね!死ね!!!!!!!!

ちょうど墓場が有るからそこに捨ててやりたかった。

 

俺はそれでも「フッ・・・」

とか余裕ぶってんのよ。
痛い・・・

余りのムカつきになんでミユキの事を俺に尋ねたかを聞かずに終わった。
てか、ピザにコケにされた事がムカついて仕方が無かった。

 

肝試しは大した盛り上がりも無しに終了。
俺らは女の子達を民宿まで送って行く。

俺はサトミに話しながら帰った。
その時だけが幸せでした。

俺は毎朝、朝起きるのが楽しかった。
今日は何をするんだろう?
そんなワクワク感で一杯だったんだ

生まれて初めて青春してる

そんな気がしてたんだよ

 

有る朝、

いつもの様に釣り人を磯に運んだ
客が一組しか居なかった事もあり、叔父さん(俺の母ちゃんの弟)に
「今日は早いし釣りでもするか?」
と言われて船の船尾に釣針だけ付けた糸を垂らす。

 

そしてゆっくり船を動かすと・・・
捕れるわ捕れるわ、なんかメジカ?
とか言うアジみたいな魚が山ほど捕れた。
俺ら三人は興奮しまくりww
朝日を浴びながら俺らは釣りまくった。

 

板倉「師匠!(板倉は何故か俺の叔父さんをこう呼んでた)めっちゃ釣れるじゃ無いですか!!」

板倉は興奮していた
森君も興奮して写真を撮りまくる
あ、そのカメラ女の子専門じゃ無かったんだ

叔父さん「まあ、今日は潮が良いなww」

すると板倉が俺を見てニヤリ

板倉「師匠!明日は客はいないっスよね?お願いがあります!」

 

翌朝俺らの釣り宿にサトミ達が来た。

板倉が「俺らと一緒に魚を釣らない?入れ食いだからww」
と誘ったのだった

叔父さんも俺らがよく働いているので船を出す事を快く引き受けてくれた

 

朝の四時から船に乗り込む
女の子らも船にまずは大興奮

サトミ「私、こんな船に乗ったの初めてww」
俺「そう?俺らはいつも乗ってるけどww」

と何故か自慢気だった。俺マジキモい

 

船が昨日のポイントに到着
が、叔父さんが呟く。

叔父さん「今日は潮がよくないな・・・」

なんなのよ
その潮ってば

そしてその言葉通り・・・全く釣れない
最悪だった

 

ピザ「え~・・・全然つまんな~い・・・」

この瞬間、俺ら三人はコイツを海の神様の生贄にしようと思った

俺「ごめん、石原・・・せっかく誘ったのに・・・」
サトミ「ううんww良いよww朝から船に乗っただけでも楽しかったww」

そう言ってくれた・・・
サトミ達が朝の民宿の仕事があるので陸に戻る事になった

 

その時だった
船の横を何かが跳ねている

俺「あれ・・・?」
サトミ「え?」

俺「イルカだ!!!!!!!!!!!!!!11111」

俺らの乗る船の横に何匹かのイルカが

並走していた

 

 

全員が興奮していた
板倉「イルカーーーーー!!!!!!!!!」

朝日を浴びながらイルカが飛び跳ねながら泳ぐ
女の子らも大興奮

イルカはよく漁船とかに付いてくるらしい
俺も初めて見た

サトミ「すごーーーーーいwwwwwwwwwwwwwwwwww」

サトミもめちゃくちゃ喜んでいた

 

陸に到着してもイルカの話で盛り上がりまくりだった
すっかり魚が釣れなかった事など忘れ去られていた

もうイルカ様々でした

それからも俺らはサトミ達と遊んだ
ミユキは相変わらず俺に話しかけて来る

一体彼女は俺に何を求めてるんだろうか?
まあ、でもそれよりも俺はサトミと一緒に居れる・・・それが嬉しかった

 

でもそんな楽しい日々も終わりが来る
その終わりは唐突に来た

サトミが急に・・・本当に急に帰ることになったのだった

サトミの親戚に不幸があり、そのお葬式に出席しなくてはならなくなったらしい
そして、バイト期間も後僅かと言う事もあり、そのまま地元に帰る事になった

 

ちなみにサトミの家と俺の家は同じ地方ではある
大体、電車で二時間位の距離であった

帰ると言う知らせをわざわざサトミが俺らの宿に連絡をくれた

サトミ「ごめんね、せっかく再会したのにねww」

俺は凄くショックだった
本当にショックだった

 

俺は受話器を板倉と森君にも渡した

すると板倉が言った

板倉「なあ、石原は何で帰るの?電車?あ、そうwwで、駅までどうやって帰るの?」

何やら喋っている

板倉「タクシーなんかもったいねーよwwこっちに良いタクシーが有るから今から出動させるわww」

そう言って板倉は俺を見た

 

板倉「行け!!!!!!!!1福田!!!!!!!!!1」

板倉はそう言って俺を蹴った

俺「え???」
森君「はい」

森君がそう言って座布団を俺に渡す

森君「チャリンコの荷台に座布団敷けば座りやすいぞ」

 

板倉「行けよ、早く、またこれから一生イジイジしないと生きれないぞ」
森君「急げよ」

俺は
俺は

俺はすぐに二階の俺らの部屋に行った

そして・・・・

あのラブレターを・・・かなり色あせたラブレターを・・・手に持った・・・!

そして再び下に行くと、俺のチャリンコの荷台に二人が座布団を巻いていてくれた

板倉「急げ馬鹿」
森君「気をつけて」

俺は頷いて・・・

チャリンコを猛ダッシュで・・・発車させた・・・!

あの時はガチで映画のワンシーンの様だったよww

 

サトミの民宿にチャリンコを走らせる

サトミ達と毎日遊んだ浜辺には沢山の海水浴客がいた
俺は真夏の日差しを浴びながらチャリンコをこぐ

汗がダラダラ流れ始めた

サトミは民宿の前で待っていた
俺を見ると微笑んだ

俺「毎度!福田タクシーです!」
サトミ「待ってましたww高級車ですねww」

そう言ってくれた

 

サトミ「良いの?本当に?送ってもらって」
俺「もちろんwwちゃんと座布団も付いてるしww」

サトミが荷台に腰掛けて俺は前かごにサトミのカバンを入れた
そしてゆっくり走り出す

海とは逆方向の山に向かって走る

サトミ「大丈夫?私降りようか?」
俺「任せろ!!!しっかり捕まっておけ!!!!」

俺は凄い勢いで立ち漕ぎをした
サトミが俺の短パンにしがみついた・・・!

三分後には俺とサトミはチャリンコを二人で押して坂道を登っていた

 

坂道を上がると、後は下り坂と平地であった
下り坂をガンガンスピードをあげて下る

サトミ「きゃあwwwwwwwwww」
俺「うおおおおおおおお!!!!」

怖かった。二人分だからスピードがついて怖かった

平地をゆっくり走り出す
周りには林と田圃しかない

ミンミンとセミが鳴いていたのを覚えている

 

駅に到着
もちろん、田舎の単線の無人駅
だーれも居なかった

そして電車が来るのは一時間後ww

うん
ナイスシチュエーションww

まるでドラマのワンシーンが今から始まる様だった

 

サトミ「あ~電車一時間後だ~」
俺「俺も一緒にいるよ、一人じゃ暇だろ?」
サトミ「ありがとうwwお言葉に甘えますww」

俺らは二人で喋っていた
サトミが笑顔で何かを話している
だが、俺は殆ど聞いてなかった

俺はポケットにあるラブレターを握り締めていた

心臓がバクバクだったんですよ

 

しばらく話した後に、ふとした沈黙

ドキン

俺の心臓がなった

サトミ「ねえ」

沈黙を破り、サトミが話しかけた

俺「うん?」

サトミ「帰っても・・・みんなで・・・また会える・・・かな・・・?」

ドキドキ

 

俺「うん・・・?」

サトミは少し笑った

サトミ「あのね・・・あ、・・・う~ん・・・」
サトミが少し困っていた表情する

俺はもうなんかパニックになりかけていた
何?何?

ひょっとして・・・サトミから・・・来る・・???????

 

サトミはチラリと俺を見る

サトミ「あのさ・・・」
俺「うん・・・(ごくり)」

サトミ「ミユキのこと・・・どう思う・・・?」

なんですと

 

俺「え??」
サトミ「いやwwあのね・・・う~ん・・・ミユキ・・・良い子でしょ・・?」

もうね
俺は脱力したよ
凄くね

なんだよ、やっぱミユキちゃんは俺に気があるのかよ・・・
正直ね、その時ばかりは・・・

全然嬉しくなかったよ・・・マジで

 

サトミがなんか色々ミユキについて話してたけどね
俺は全然聞いてなかった
もう本当に脱力でした

てかさ、サトミも俺の態度見て気づかんのかと
俺がサトミに気が有るのを気づかんのかと・・・

もう本当になんなんでしょう・・・この天然さんは・・・
まあ、そこが好きなんだけどね

 

俺はずっと「うん・・・」「ああ・・・」しか言わなかった
するとサトミが言った

サトミ「え・・・?怒ってる・・・?なんか・・・」
俺「・・・う~ん・・・いや・・・」

俺が曖昧に言うとサトミが首を傾げた

サトミ「どうしたの・・・?」

いやどうしたのってさ・・・

 

俺がそのまま黙っているとサトミも黙った
俺らはそのまましばらく黙った

そして俺が口を開いた

俺「あのさ・・・」

俺はサトミを見た

なんかね凄く、凄く自然に言葉が出た

俺「俺は石原が・・・好きなんだけどね」

 

俺の言葉にサトミがびっくりした

サトミ「え?????」
俺「あ、いや・・・俺は石原が好きなんだwwなんか・・・ごめんww」

思わず笑ってしまったww

だが、サトミは下を向いていた
何も言わない

まあね、なんかタイミング悪いしねww

 

俺「あww別に困らなくて良いよww単純に俺が好きなだけだからww」
サトミは下を向いていた

俺は立ち上がりなんかその場をグルグルと回り始めたww
何してんだ俺はww

サトミ「ごめん・・・なんか・・・びっくりした・・・」

本当に気が付いてなかったんだねww

 

俺らはただ黙っていた
そうこうしている内に電車が来た

俺はサトミのカバンを持ってやる

サトミ「あ・・・ありがとう」
俺「どういたしましてww」
サトミ「えっと・・・」
俺「うんww」
サトミ「返事ってさ・・・今じゃないと・・・だめ・・・?」
俺「いやwwwwww良いよwwwwww別にww」

てかラブレター意味ねえww

 

サトミが電車に乗り込む
俺はサトミを見送る

サトミ「じゃあ・・・」
俺「うん・・・」

ドアが閉まり電車は動き出す・・・

俺はサトミが行った後も電車を見続けた

 

誰もいない駅に俺は一人ベンチに座っていた
なんかまたもや一人の世界に浸っていた

好きだねぇ俺も

セミの鳴き声を聞きながら俺はサトミの事を考えていた
なんか俺はタイミング悪いよな・・・

そう思っていた

 

これで俺の昔話の第二部を終わります

そして、申し訳ないが、まだ昔話は続きます
続いては俺が大学二年の時の話です

 

第三部はまた隙を見て書きます
いつも中途半端ですみません

281 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/09/10(木) 18:29:06.08 ID:tAKICPMo
いいぞwwwwゆっくりやれwwwwww

282 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 18:29:48.47 ID:3y4/F.Uo
楽しみにしてるぞ!

285 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2009/09/10(木) 18:47:43.97 ID:mKmJ0WQ0
2828が止まらないwwwwwwwwwwww

 

コメント

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