「七つの大罪」とは
七つの大罪(ななつのたいざい)
《ラテン語: septem peccata mortalia、英: seven deadly sins》
英語では、「seven deadly sins=セブン デッドリー シンズ」といいます。
キリスト教の西方教会、おもにカトリック教会における用語で、「傲慢」「憤怒」「嫉妬」「怠惰」「強欲」「暴食」「色欲」の、人間を罪に導くと言われる七つの感情や欲望を表した言葉です。
英語やラテン語の意味では「七つの死に至る罪」となりますが、「罪」そのものというよりは、人間を罪に導く欲望や感情のこと指しています。
ここでは、七つの大罪を司る悪魔と序列を解説していきます。
七つの大罪の悪魔
悪魔 | 日本語 | 英語 | ラテン語 |
---|---|---|---|
ルシファー Lucifer |
傲慢 | pride | superbia |
レビヤタン Leviathan |
嫉妬 | envy | invidia |
サタン Satan |
憤怒 | wrath |
ira |
ベルフェゴール Belfagel |
怠惰 | sloth | pigritia/acedia |
マモン Mammon |
貪欲 | greed | avaritia |
ベルゼブブ Beelzebub |
暴食 | gluttony | gula |
アスモデウス Asmodeus |
姦淫 | lust | luxuria |
七つの大罪を司る悪魔の序列
「七つの大罪」とは、「傲慢」「憤怒」「嫉妬」「怠惰」「強欲」「暴食」「色欲」の、人間を罪に導くと言われる七つの感情や欲望を表した言葉です。
1589年にドイツのピーター・ビンズフェルトが、著作の中で七つの大罪と悪魔を関連付ける内容を記し、グリモワールで引用されるようになりました。グリモワールというのは、フランス語で魔術の書物を意味し、特にヨーロッパで流布した魔術書のことです。
七つの大罪を司る悪魔と序列は、以下のとおりです。
ルシファー
「傲慢」を司るルシファーは、悪魔の王や地獄の王として、悪魔の中でも最強の力を持つ存在です。元々は神につかえる天使の長で、天使の中でも最高の能力と地位を持つ大天使「ルシファー」でしたが、神に反逆して堕天使となり、そして悪魔の長となってサタンと呼ばれるようになりました。
ルシファーは、「大奥義書」においては悪魔の頂点に立つ皇帝として地獄を統治していると言われており、悪魔の3階級では最高位の第1位に君臨しています。
レヴィアタン
「嫉妬」を司るレヴィアタンは、旧約聖書に登場する海中の怪物(怪獣)で、中世以降に悪魔とみなされるようになります。
(英語名では「リヴァイアサン」)
旧約聖書では、神が天地創造の5日目に造りだした存在で、同じく神に造られたベヒモスと二頭一対(ジズも含めれば三頭一対)を成すとされています。
また、ベヒモスが最高の生物と記されるに対し、レヴィアタンは最強の生物と記され、その硬い鱗と巨大さから、いかなる武器も通用しないとされています。
悪魔の3階級においては第3位に座しています。
サタン
「憤怒」を司るサタンは、ヘブライ語で「敵対者」「妨げる者」「誹謗する者」「訴える者」を意味する悪魔です。
罪を犯して堕落する前のサタンは神の御使いでしたが、神に反逆して「敵対者」としての悪魔に変化したとされています。
ベルフェゴール
「怠惰」「好色」を司る悪魔とされるベルフェゴールは、人間に便利な発明品を与えて怠惰の罪に陥れる悪魔と言われています。
人間界の結婚生活などをのぞき見る悪魔とされ、女性の心に性的で不道徳な心を芽生えさせる力を持ち、その為か、女性に対して非常な不信感を持っていたとされています。
占星術では、性愛の星とされる金星の悪魔と言われています。
マモン
「強欲」を司るマモンは、ラテン語の「富」「貪欲」が由来となった悪魔です。
袋を抱えて箱に腰を下ろす男の姿や金貨をばらまく悪魔の姿で表象されることもあります。
ジョン・ミルトンの「失楽園」によると、マモンは堕天使の中で最もさもしい根性の持ち主で、天国にいた頃から神よりも下界の金銀財宝を賛美していたとされる。
ベルゼブブ
「暴食」を司るベルゼブブは、ヘブライ語で「ハエの王」を意味します。
近世ヨーロッパのグリモワールではベルゼビュート (Belzébuth)の名で登場し、大悪魔で魔神の君主、あるいは魔界の君主とされるようになった。
地獄においてサタンに次いで罪深く、強大なもの。権力と邪悪さでサタンに次ぐと言われ、実力ではサタンを凌ぐとも言われる魔王である。
また、ベルゼブブは神託をもたらす悪魔と言われ、作物を荒らすハエの害から人間を救う力も持っている。
かつて、天界では最高位の熾天使で、天界の戦争においては、ルシファーの側近として戦ったという説話があります。
悪魔の3階級ではルシファーに次ぐ第2位に座しています。
アスモデウス
「色欲」を司るアスモデウスは、元は智天使であったといわれています。
ソロモン72柱の魔神の1柱で、アマイモン配下の東方の悪魔の首座であり、72の軍団を率いる序列32番の大いなる王とされる。
容姿は牛・人・羊の頭とガチョウの足、毒蛇の尻尾を持ち、手には軍旗と槍を持って地獄の竜に跨り、口から火を噴くという。
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