Angel(天使)の由来と守護天使

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Angel(天使)の由来と守護天使 天使と悪魔
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天使とは?

ヘブライ語の聖書をギリシャ語訳した“αγγελοσ(Angelos)”=“使者、伝令”という言葉が、“Angel”=“天使”の語源である。この使者、伝令というのが語源であることから分かるように、天使とは神の意志を伝える使者として創造された。しかし、十一世紀頃から神学者たちが天使に興味を持ち始めると、聖書の正典に限らずあらゆる偽典・外典からも天使が拾い上げられ、その機能や生体、仕事や階級などが定められるようになり、天使の役割も単なる伝言人にとどまらず、人間の霊魂の管理や癒し、天体の運行など、この世の森羅万象あらゆる事象が天使に引き受けられるようになった。

天使の生体

創世記にもある神の七日間にわたる天地創造、この前にすでに天使は創造されていたという。人間(アダム)は土塊から創られたが、天使は炎から創られた。普段天界にいる天使たちの体はエーテルという原質によって構成され、実体を持たない霊体であるが、神の命を受け地上に出現する際には物質化し、実体を持つようになる。
中世においては天使の体の概念は二通りあった。トマス・アクィナスとドゥンス・スコトゥスの二グループに分かれ、前者は完全な非物質の存在、後者は体を持っているのだがより繊細で希薄なため人間の眼には見えないという意見であった。

 

天使の登場する書物

旧約・新約聖書に実際に名前を伴って現れる天使はミカエルとガブリエルだけである。それにカトリックの正典『トビト書』を加えてもラファエルが加わり三人になるだけである。しかし、ウリエル、アザゼル、ラハブ…など、このほか無数とも言える数の天使が実際には存在している。天使の多くは、旧約・新約聖書の正典には収められなかったアポクリファ(Apocypha)と呼ばれる聖書の偽典・外典や、オカルトなどの伝承の中に存在している。

旧訳・新約聖書の正典は二世紀頃の教会によって認知されたが、それから外された文書も多数あり、それらが偽典・外典と呼ばれるに至っている。天使の出てくる文書の代表格が旧約外典の『エノク書』で、多くの天使の名前が記されている。

 

守護天使 Guardian Angel

その守護範囲は広くは国家、地域を守護し、さらには人が生まれるときに必ず一人守護天使がつくという。

国の守護天使

ペルシャ:ドビエル Dobiel(熊の神)

ローマ:サマエル Samael(サタンクラスの魔王であり闇の支配者)

エジプト:ラハブ Rahab(原初の海の支配者)

イスラエル:ミカエル Michael(大天使長)

イスラエルを守るミカエルはともかく、その他の国の守護天使たちは当時、イスラエルと敵対していたことから堕天使となってしまっている。

 

ドビエル Dubbiel

ペルシャの守護天使

国を守る守護天使はその国の命運を担い、神に認められるために守護天使の間で競争や戦いが行われていた。守護天使が勝利すれば、その天使が守る国も勝利できたと信じられていた。ユダヤの伝説ではドビエルはペルシャの守護天使であり、紀元前500年から紀元前300年にかけてペルシャが強盛を誇った理由も天界でドビエルが勝利をおさめ続けたからとされる。
その頃、イスラエル側のガブリエルが一時役目を追放されるということがおきていた。イスラエルに怒りを覚えた神がイスラエル全土に燃える石炭をまき散らそうとした。だがその計画はガブリエルによって妨げられてしまい、そのためガブリエルは追放され、それまでガブリエルのいた神の玉座の次という高位に、ペルシャの守護天使であったドビエルがつくことになった。そして地上でも同様にペルシャの勢力が拡大されることになった。
しかし、イスラエルと敵対する国を守護する天使はみな堕天使にされてしまっていることから、ドビエルもまた堕天使に落とされてしまっている。

 

サマエル Samael

死の堕天使

「Sam」とは「毒」を意味する。『エノク書』では「デーモンどもの首領」と呼ばれている。このサマエルがイヴを誘惑した蛇であるともされている。
『ユダヤ人の伝説』では、モーゼを死にいたらしめなければならなかった時、サマエルがその役目に遣わされている。だが、彼は剣を手にモーゼの所に向かうも、逆に打ちのめされ失敗してしまう。結局神自身が出向き、それでやっとモーゼも従った。
エレミヤの弟子、バルクによる記録とされる『バルク黙示録』では、サマエルはエデンの園に葡萄の木を植えたという。アダムはその実を発酵させて葡萄酒をつくり、禁断の味を覚えてしまう。そのことが神の怒りを買い、エデンを追放される。殺人、姦通、姦淫、偽誓、盗みといったことはすべて飲酒から生じると言っている。『ヨハネの黙示録』でも葡萄酒には姦淫や神の怒りが意味されている。この葡萄酒がキリスト自身の血であるといわれるように、キリスト教の儀式に欠かせないものになったのは以下の理由によるらしい。
大洪水の後、地上に植物を植え始めたノアは、葡萄の木を植えてよいものかどうか悩んだ。そこへサラサエルという天使が神の伝言を持って現れた。「この木の苦さは甘さに変えられ、その呪いは祝福となり、そこから生ずるものは神の血となるであろう」。

ラハブ Rahab

混沌と海の支配者

ラハブとは「混沌」を意味する怪物で、神が天地の創造を行う前からすでに存在していたという。神はこの怪物を裂いて天の水と地の水をつくり、ラハブは海を支配するようになったという。
キリスト教下でのラハブは天使の一人で、天地創造の際に神が地球を置く乾いた場所をつくるため彼に世界中の水を飲み込むよう命じたが、拒否したため怒りをかって殺されてしまったという。しかしそれから復活したらしく、その後の伝承にも何度かラハブは姿を現している。
その後のラハブは海の支配者として登場し、海に投げ込まれたラジエルの秘密の書を探し出すよう神に命じられ、素直に回収を行った。次には“原初の海の支配者”として、エジプトの守護者となり、エジプトを脱出し紅海を渡ろうとするモーゼとヘブライ人の一行の邪魔をしようとして現れ、再び神に滅ぼされている。

大天使ミカエル Michael

イスラエルの守護聖人

『ダニエル書』で、ダニエルはイスラエルの民に襲いかかる大きな困難、終末について知らされる。しかし、『その時、大天使長ミカエルが立つ。彼はお前の民の子らを守護する』そうだ。さらに、『我を助けて彼らにあたる者は汝らのミカエルのみ』と語られている。ミカエルはイスラエルの守護天使であるが、いざというときに御座を支持するのもミカエル一人しかいないらしい。

カトリックでのミカエル

カトリックではミカエルは「天使の王子」と呼ばれ、彼以上の位の天使は存在しない。煉獄の門番でもあり、煉獄の魂のためにミカエルへつくられた祈りがあるという。
カトリックの伝説には、カイロトパの泉を沸き出させたのがミカエルで、この泉は病を癒す効果があるという。この水を浴びて、三位一体とミカエルに加護を祈る。

ヘブライ伝承のミカエル

伝説によると、太古の怪物、ビヒモスとレヴィアタンは最後にはお互いに殺し合うことになっているが、ミカエルとガブリエルが神より使わされてこの二頭の怪物を退治するとも言われ、それができなかったときは神自らの手が下されるという。
ヤルクトの創世記とラビ・エリゼルによれば、ペヌエルでヤコブと格闘した天使はミカエルであったという。「お前は私の最初に生まれた息子に何をしたのか」と問う神にミカエルは、「あなたに敬意を表して筋を縮ませたのです」と答え、神はミカエルに「よろしい。これからお前は永遠に、イスラエルとその子孫を受け持ちなさい!なぜなら、天使の王子は人間の王子を守るべきであるからだ。火が火を守り、頭が頭を守るように!」と言った。

 

人ひとりひとりにつく守護天使

人ひとりについて守護する守護天使は天使の階級の最下位の九番目に位置し、ミカエル、ガブリエル、ラファエル、ウリエルを君主にいだく。その数に正式な決まりはないが、キリスト教会ではキリスト教徒ひとりに二人ついて、ひとりは右手にあって善を導き、ひとりは左手にあって悪に導くという。ユダヤの法律と伝承の書『タルムード』では、ユダヤ人ひとりに一万一千の守護天使がついているという。

現代でも守護天使の存在を感じる人はいる。それは自身のうちに潜むスピリチュアルな高位の存在であったり、死んだ人の魂が見守っているという守護霊のような存在である。

 

生まれた曜日で守護天使が決まるとも言われているようです。

月曜日 ガブリエル Gabriel
火曜日 ザマエル Zamael
水曜日 ラファエル Raphael
木曜日 サチエル Sachiel
金曜日 アナエル Anael
土曜日 カシエル Cassiel
日曜日 ミカエル Michael

各天使の役割についてはこちらをご覧ください。

天使の役割一覧|20天使の役割を解説

 

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