山にまつわる怖い話『祟り山』|洒落怖・山の怪談

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山にまつわる怖い話『祟り山』|洒落怖・山の怪談 山にまつわる怖い話
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祟り山

【祟り山】― 東京都奧多摩町氷川より小河内ダム周囲 ―

 

御霊の尾根(ミタマノオネ)

海澤の東側の山続き、大岳山から北へ抜けた大楢峠から城山の間にある。
山の形がイハイに似てるので、位牌山とか御霊山とか呼び、非常に悪い処だという。

この山に自害沢(ジガイサワ)と呼ぶ沢があり、
その昔、日本武尊が従者を十人連れてここまで来たが、何かの理由で従者たちが自害してしまった。
又は、自害したのは、旅の六部とも平家の落人ともいう。

その祟りでか、この自害沢に入って作業(山仕事)をした者は、山の中で必ず死ぬ。
それで、ここに入って死んだ者が出た家から位牌が出るから、位牌指(イハイザス)とも呼ぶ。
以前ここに、従者十人の位牌が飾ってあったという。
所有者が指(タカザス)と名を変えたが、誰も買い手がないので、
都に売却し、今では奥多摩記念林の一部になっている。

 

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天蓋山(テンガイヤマ)

海沢の北にある600余米の高さの山で、山頂近くは誰も入らないので雑木が茂っている。
昔の、野辺送りに棺の上にかざす『天蓋』そっくりの形をしている。タツガイトとも呼ぶ人もいる。

この山は、買う者、売る者、木を切る者に、悪い事があるという。
上坂の人が買う算段をしていた時、三つになる子供が囲炉裏で火傷し、経過が悪くて亡くなってしまった。
天蓋山には庚申が祀られているが、この庚申様が火傷させたのだという。

 

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病ヶ沢(ヤマイガサワ)

日原、川苔谷の支流、逆川の奥にある。
周囲はかなり広い手付かずの山林で、
昔、ここに宿っていた法師が命を捨てた所だとも、落人が逃げてきて首を斬られた所だともいう。
ここで一山買ってのべつに仕事をすると、必ず病気に罹ったり死人を出すという。
眼患に罹り、「銭ばかり掛かる」と言う人もいた。

町が買い上げ町有林になり、名前も(病まぬヶ沢)にしたが、誰も山仕事に行かぬという。

 

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骨窯(コツガマ)

病ヶ沢(ヤマイガサワ)の川向こうにある所で、「そこで炭を焼くと死ぬ」というので、誰も木を切りに行かない。
太い楢がツクツクと生えていて、陰気な所だという。

他にもカワナの屋敷地、または屋敷谷戸(ヤシキド)ともいう、皿の割れた物が出る場所もあり、
理由は分からないが悪いところなので、小屋掛けをしたり、作場をきる事はしないという。
カワナの屋敷地に小屋を掛けたら、天狗に小屋ぐるみ揺すられたので、以後は行かないという人もいる。

 

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食わない作り(クワナイヅクリ)

日原川沿いの大澤部落の山の上にあり、ここでいくら耕作しても食えずに死ぬという。
以前、ここに金剛寺という寺があったという。
個人持ちの山だが、短期間に何人もの持ち主が変わっている。

 

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位牌山(イハイヤマ)

大澤地区と同じ日原川沿いの寺地地区にある。
裏手の峰畑では塔婆山(トウバヤマ)とも呼ばれ、位牌の形だ、塔婆の形だと言ったりしている。

昔、炭焼き小屋に法印様が泊ったが、貧困に喘ぐ炭焼きが、金欲しさに殺してしまった。
あるいは、栗拾いが法印をヨキ(斧)で殺したともいうが、兎に角それ以来祟る山になったという。

大体買主に祟るが、入る者にも良くない事があり、
九人でそれぞれ炭を焼いたら、どの窯もみな火が消えたという。

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