医神は、医療や医術を司る神のことです。
ここでは、日本と世界の神話に登場する『医療・医術を司る神』を一覧で紹介します。
日本の医療の神・仏
- 少名毘古那神(すくなびこなのかみ)
国造りの協力神、常世の神、医薬・温泉・禁厭(まじない)・穀物・知識・酒造・石の神など多様な性質を持つ。 - 薬上菩薩(やくじょうぼさつ)
仏教で信仰される菩薩の一尊。
薬王菩薩と共に釈迦如来の脇侍として付き従う。
薬王菩薩とは兄弟であったとされる。
病気平癒・身体健全・除病延寿の御神徳がある。 - 薬王菩薩(やくおうぼさつ)
仏教で信仰される菩薩の一尊。人々に薬を与えた功徳により双方が菩薩になる事が出来たという。
薬壷と薬草を手に持つ姿で現される。 - 薬師如来(やくしにょらい)
大乗仏教における如来の一尊。大医王、医王善逝(いおうぜんぜい)とも称する。
無明の病を直す法薬を与える医薬の仏として信仰を集める。 - 薬祖神(やくそじん)
日本に医薬を広めたとされる二柱の神。
・大己貴神(おおなむちのかみ)
・少彦名神(すくなびこなのかみ)
別名:「医薬祖神(いやくそじん)・医祖神(いそしん)」 - 医王権現(いおうごんげん)
医王山の山岳信仰と修験道が融合した神仏習合の神。
薬師如来を本地仏とする。神仏分離・廃仏毀釈が行われる以前は、医王山から勧請されて全国の医王権現社で祀られた。
現在、全国の医王権現社の多くは、少彦名命を祭神とする神道の医王神社、医王山神社となっている。 - 足手荒神(あしてこうじん)
手足の神。
手足の病気や怪我に悩む者がその快癒を祈願する。
世界の医療の男神
- 華佗(かだ)
中国後漢末期の薬学・鍼灸に非凡な才能を持つ医師。 - 黄帝(こうてい)
中国を統治した「五帝」の最初の帝。神話・伝説上の皇帝。
中国人の先祖神とされる。
『黄帝内経素問』、『黄帝内経霊枢』の著作と信じられ、これは東洋医学の始まりとなった。 - 神農(しんのう)
は、古代中国の伝承に登場する三皇五帝の一人。
人々に医療と農耕の術を教えたという。
神農大帝と尊称され医薬と農業を司る神とされている。薬王大帝(やくおうたいてい)、五穀仙帝(ごこくせんてい)、炎帝神農(えんていしんのう)とも称される。
- 孫 思邈(そん しばく)
中国唐代の医者で、中国だけでなく世界史上有名な医学者・薬物学者。
薬王とも称される。
医神として薬王廟に祀られる。
- アシュヴィン双神
インド神話における医術の神で、美しい、うりふたつの双子の神とされる。奇跡的な治療を行い、結婚、人間や家畜の生殖を司るとされる。 - アスクレーピオス
ギリシア神話に登場する名医。
優れた医術の技で死者すら蘇らせ、後に神の座についたとされることから、医神として現在も医学の象徴的存在となっている。 - アポロン
ギリシア神話に登場する神。オリュンポス十二神の一柱であり、ゼウスの息子。
疫病の矢を放ち男を頓死させる神であるとともに病を払う治療神でもある。 - イムホテプ
古代エジプトの高級神官。史上初のピラミッドといわれる、ジェセル王のピラミッドを設計したことでも知られる。
内科医としても優れ、死後には「知恵、医術と魔法の神」として神格化された。 - ゴヴニュ
ケルト神話に登場する神。
工芸の神の一柱で、鍛冶を司る。
医神としての性質も持っている。 - ディアン・ケヒト
ケルト神話に登場する生命と医療、技術の神。 - ノドンス
ケルト神話の医療の神。 - ルドラ
インド神話に登場する暴風神。
荒ぶる神であるが、人々の健康・安寧を保障する存在でもあり、医薬を司るともされた。
世界の医療の女神
- エイル
北欧神話に登場するアース神族の女神。
全ての治療に精通しているが、特に薬草に詳しく、死者を復活させることもできたという。
肉体的な治療だけではなく、精神、感情、霊的な治療も行っていたとされる。
「最良の医者」とされている。 - パナケイア
ギリシア神話に登場する癒しを司る女神。
名前には「全てを癒す」の意味がある。
今日でも「万能薬」(英語: panacea)の意味で使われる。 - ヒュギエイア
ギリシア神話に登場する女神で、健康の維持や衛生を司る。
女性の健康を守る神、特に婦人病に関して大きな権能を持つとされた。
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