『叩き屋』|【狂気】人間の本当にあった怖い話

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『叩き屋』|【狂気】人間の本当にあった怖い話 人間の怖い話
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叩き屋

 

子供の頃の話。
結構山奥に住んでいた時代があった。
まだ小学校の三、四年あたりの遊びまっさかりのガキで、本当の田舎で山しかなく、その好奇心を山へ持ってって発散させてた。
そういうふうに田舎暮らしを満喫させてた俺は、その年の夏休みだったか、「叩き屋」の話を聞いた。
友達は具体的にはそれが何かを教えず、昼に行ってみることにした。
そこは墓地とかが作られるような平地になってた。
現にボツボツと墓が見られたが、別に気味悪いとかそういうものはなかった。
すでに同年代のガキがわんさか集まっていて、小銭を渡していた。
俺も少ないおこづかいから十円を年配の男に渡した。
俺はまだ何をするのか分からなかったから、友達やほかのガキが何をしているのか知らなかった。
ギャン!ギャギャン!ギャン!
電動ノコギリのような鋭い音がこだましていた。
友達やほかのガキは一心にその音が鳴るものを踏みつけていた。
俺は、しばらく見ていた。
しばらくしてさっきの男が木のハンマー一式を置き、使うよう促していた。
友達たちはそれを使い、袋を叩く。
グビャン!ギャンギャンギャン!ビョェ!ギャン!
声に水音が混じるにつれ袋が赤く染まっていく。
だが、友達はなおも叩き続ける。
けり続ける。
踏み続ける。
その目に悪意はなく、「遊び」の目だった。
やがてハンマーが地面を叩くようになり、空が赤く染まる頃にようやく「叩き屋」が閉まった。
友達やほかの奴らは家へ駆け出し、俺はボーっと袋を見ていた。
叩き屋が袋を箱に詰めた。
ドサドサと箱に詰められて行くのは茶色く固まった血と肉。
最後の一匹がこちらを見ていた。
かろうじて息をしている。
それは内臓も脳髄も糞もはみ出た犬だった。
そのあと俺は頭が真っ白になりどうやって帰宅したかは覚えていないが…
ちゃんと飯を食って、風呂に入って、自分の布団で眠ったらしい。
次の日自分の手には血がついていた。

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