『鳴りやまない音』|【狂気】人間の本当にあった怖い話

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『鳴りやまない音』|【狂気】人間の本当にあった怖い話 人間の怖い話
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鳴りやまない音

 

この話は私がまだ幼稚園の年長組くらいの時の体験です。
季節は忘れましたが、多分秋頃だと思います。
私は、父と母と二つ下の妹と一緒に晩御飯を食べていました。
いつもと変わらず楽しく食卓を囲み、私はテレビを背に、ドアに一番近い場所に座っていました。
父がテレビを見て笑ったので、私もテレビを見ようと体を捻った時、ドアの向こうから小さな音が聞こえました。
『キュッ』
って。
例えるならば、掌をフローリングの床等に擦り付けた時に出るような音です。
私の家のドアは表面が少しツルツルした素材で出来ているために、掌で擦るとそんな音がでます。
私は何だろうと思ったのですが、皆聞こえていないようだったので気のせいだと割り切ってテレビを見ていました。
するとまたさっきの音がしました。
今度は立て続けに。
今回は父も母も気付いた様子で、ドアの方を見つめていました。
何度も
『キュッキュッ』
と聞こえるので、気味が悪くなった私は母の後ろに逃げてしがみつきました。
妹も怖がって母の後ろに隠れました。
父は、
『ひいおばあちゃんが家の掃除をしているんじゃないか』
という結論を出しました。
確かにひいおばあちゃんは元気な上にお節介焼きなので、考えられないことはないのですが……。
でも私達がいた部屋は二階にあります。
ひいおばあちゃんは元気な上にお節介やきでしたから考えられないことはないのですが、私はひいおばあちゃんが滅多に二階に上がってこないことは知っていました。
あまりに怯える私を見かねて、母が
「ドアを開けて確かめる」
と言い出しました。
まだ音は鳴り続けていました。
一定の間隔で。
本当にひいおばあちゃんが掃除していれば、まだ音がしているから、ドアの向こうにはひいおばあちゃんがいる筈なので安心できるだろうというのです。
母がドアに近付き、そっとドアを開けました。
その瞬間、急に鳴り続けていた音が止みました。
私は母が、
「ほら、おばあちゃんがおるよ」
と言ってくれるのを期待していました。
しかし、母の口から出た言葉は
「誰もおらん……」
というものでした。
話はこれだけです。
ひいおばあちゃんはその時、一階の自室で寝ていました。
母がドアを開けるまでの数秒で音も無しに階段を降りて自室に戻り、熟睡するだなんて、当時もう70を越えて足腰が悪くなりつつある年寄りに出来る芸当とは思えませんでした。
今でもあの時の音は耳に残っています。
でも、あれからもう音を聞いたりはしてないです。

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