日本神話に登場する美しい神名の中から、どちらの性にも偏りすぎない、ふんわりと中性的な響きをもつ名前だけを厳選しました。
宇宙や始まり・根源を思わせる名前、月夜や闇をまとった静かな名前、風・空・天候を感じさせる名前、水・海・雨にゆかりのある名前、山・大地・森に根づいた名前──さらに、祓い・守護・言葉・芸能、龍や霊獣にまつわるものまで、12のカテゴリごとにその意味やイメージをやさしく解説していきます。
名前は、音の響きと込められた意味を通して、物語の空気やキャラクターの運命さえも、静かに形づくっていきます。
この中には、あなたの感性に響く神名もきっとあるはずです。
気になるカテゴリから、気軽に読み進めてみてください。
1 宇宙・始まり・根源をイメージさせる神名
世界のはじまりや宇宙の気配を感じさせる神々の名前を取り上げています。スケールが大きく、物語の根源的存在やラスボス級のキャラクターにも違和感なく使える中性的な響きが中心です。
- 天之御中主神(アメノミナカヌシ)
宇宙の中心に座すとされる根源神で、性別を超えた存在。 - 高御産巣日神(タカミムスヒ)
世界創造に関わる神格で、「ムスヒ」の響きは中性的で神秘的。 - 神皇産霊神(カムムスヒ)
生命を生み出す根源力そのものを表す神。清らかで普遍的な響き。 - 天之常立神(アメノトコタチ)
天地開闢の最初に出現した始源神。重厚で威厳ある中性名。 - 国之常立神(クニノトコタチ)
大地創成の根源神。「トコタチ」は響きが中性的で強い。 - 宇摩志阿斯訶備比古遅神(ウマシアシカビヒコジ) → ウマシ
生命力を象徴する神。「ウマシ」は中性的で古代的な響き。 - 角杙神(ツヌグイ)
天地の秩序を支えたとされる神。鋭い音だが性別を感じさせない。 - 活杙神(イクグイ)
世界創造を支えた神。響きが透明でジェンダーレス。 - 天御虚空豊秋津根別(アメノミソラトヨアキツネワケ)
天空そのものを象徴する神格。壮大で中性的な神名。
2 月・夜・闇をまとった中性的な神名
月光の静けさや夜の深さ、闇の静寂を思わせる神名を紹介しています。ミステリアスで儚い雰囲気があり、男女どちらにも合うダークファンタジー寄りの響きが特徴です。
- 月読命(ツクヨミ)
月を司る神で、静かさと神秘性を併せ持つ中性的な神名。 - 天日陰比売神(アメノヒカゲヒメ) → ヒカゲ
「日陰」を象徴する神格。ヒカゲの響きは中性的で影の雰囲気がある。 - 闇御津羽神(クラミツハ)
水の気配を帯びた闇の神。柔らかいのに深淵を感じる響き。 - 闇淤加美神(クラオカミ)
雨や水源、龍神とも結びつく闇の神名。重厚さと透明感が共存する。 - 天之闇戸神(アメノクラド)
名に“闇”を持ち、冥府・深淵と関わる神。響きはクールで中性的。 - 天香語山命/天香具山(アメノグゴヤマ) → カグヤマ
“香語=かぐわしい語”が暗がりの神秘性を帯びる。中性的で独特。 - 天之久比奢母智神(アメノクヒザモチ) → クヒザモチ
暗い沼気や深層に通じる響き。性別の気配が薄い神名。
3 風・空・天候を司るさわやかな神名
風や空、霧や天候とつながるイメージを持つ神名を選んでいます。軽やかで抜け感のある音が多く、精霊や旅人、風使いのキャラクターにもしっくり馴染む中性的な響きを意識しています。
- 天八現津彦命(アメノヤアキツヒコ) → ヤアキツ
空を渡る風を思わせる音。性別の印象が薄く、神秘的。 - 天表春命(アメノウワハル) → ウワハル
「晴れ」を思わせる明るい神名で、軽風のような中性の響き。 - 天之狭手依比売(アメノサデヨリヒメ) → サデヨリ
風・霞の気配をもつ柔らかい音。ジェンダーレスな響き。 - 天鳥船神(アメノトリフネ) → トリフネ
空を渡る舟の神。清涼感ある中性的な響き。 - 天夷鳥命(アメノヒナドリ) → ヒナドリ
鳥を思わせる軽快な音で、男女問わず使える爽やかな神名。 - 天之御影神(アメノミカゲ) → ミカゲ
“影”を含むが光とも関わる、空の気配を持つ中性的な名。 - 天鏡尊(アメノカガミ) → カガミ
空や太陽光の反射を象徴。クリアで中性的な語感。
4 水・海・雨にまつわるしなやかな神名
川・海・雨・渦など、水の世界に関係する神名を中心に取り上げています。透明感や流麗さを感じられる音が多く、人魚、水の魔法使い、龍神系キャラクターにも自然に使える名前が揃っています。
- 天之水分神(アメノミクマリ) → ミクマリ
水を分け与える神。透明感のある中性的な響きが魅力。 - 国之水分神(クニノミクマリ) → ミクマリ(同系)
水の恵みを司る神で、性別を感じさせない優しい名前。 - 綿津見(ワタツミ) → ワタツミ/タツミ
海を象徴する神で、海底の神秘を思わせるユニセックスな名。 - 豊玉毘売(トヨタマビメ) → トヨタマ
海神・龍の系譜に連なる神。響きが中性的で幻想的。 - 宇乃治比古命(ウノジヒコ) → ウノジ
海や水域と関わる神。“ウノジ”部分は性別の無い柔らかい響き。 - 天日鷲神(アメノヒワシ) → ヒワシ
海や漁撈とも関わる神で、風と波を切る鋭さが中性的に響く。 - 沫那芸神(アワナギ) → アワナギ
川の流れや泡立つ水を示し、滑らかでユニセックスな音。 - 沫那美神(アワナミ) → アワナミ
水の粒子を思わせる美しい音。水の神として中性的で優しい響き。

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