インターネット発祥・現代型の海外都市伝説
掲示板やSNS、動画サイトから生まれ、拡散と改変を繰り返す怪異。 「誰かが体験したらしい」という距離感が、現実との境界を曖昧にします。
- Slender Man — スレンダーマン|ネット怪談
異様に背が高く、顔のない人影として語られる存在。
2009年にネット掲示板の創作企画から生まれたキャラクターですが、のちに現実の事件と結びついて語られたことで、不気味な現実感を帯びました。
ネット怪談が現実世界へ影響を与えた例として知られています。 - The Backrooms — バックルーム|ネット発祥
ふとした拍子に現実から外れ、無限に続く空間へ迷い込むという設定の怪談。
明確な怪物よりも、「終わらない場所」に閉じ込められる感覚そのものが恐怖を生みます。
余白の多い世界観が、多数の派生作品を生みました。 - Jeff the Killer — ジェフ・ザ・キラー|ネット怪談
異様な笑顔を持つ殺人者として語られるキャラクター。
文章と画像がセットで拡散し、視覚的な不快感が強調されました。
創作と分かっていても、顔の印象だけが強く記憶に残ります。 - Candle Cove — キャンドル・コーヴ|ネット掲示板怪談
子どもの頃に見たはずの番組を、誰も正確に覚えていないという話。
掲示板形式の語りによって、記憶の食い違いが少しずつ明らかになります。
「思い出そのものが信用できなくなる」怖さが残ります。 - Smile Dog — スマイルドッグ|ネット怪談
見た者に不幸をもたらすとされる画像の噂。
拡散するほど被害が増える、という構造が特徴です。
画像そのものが呪いになるという発想が、現代的な恐怖を感じさせます。 - Normal Porn for Normal People — 異常映像サイト|ネット怪談
一見すると普通の映像が、次第に歪んでいくという噂。
日常と異常の境界が崩れていく構成が不安を呼びます。
「見てはいけないものを見た感覚」が後味として残ります。 - Lavender Town Syndrome — ラベンダータウン症候群|ゲーム都市伝説
ゲーム音楽が子どもに悪影響を与えたという噂。
実際のプレイ体験と結びついて広く信じられましたが、根拠は確認されていません。
ノスタルジーが恐怖へ転じる典型的な例です。 - Ayuwoki — アユウォキ|ミーム怪談
不気味な顔のキャラクターから生まれたネットミーム。
冗談として拡散される一方で、徐々に怪談的な扱いを受けました。
笑いと恐怖の境界が曖昧な点が特徴です。 - This Man — 夢に出る男|国際的ネット怪談
世界中の人が同じ男を夢で見た、という噂。
共通体験を装った設定が、多くの想像を呼びました。
のちに仕掛けとして作られたことが知られています。 - Deep Web Red Rooms — 赤い部屋|ネット陰謀怪談
闇サイトで残虐な行為が行われているという噂。
実在性は確認されておらず、恐怖だけが独り歩きしています。
見えない場所への想像が、話を大きく膨らませました。 - BEN Drowned — ベン・ドロウンド|ゲーム怪談
呪われたゲームデータにまつわる物語。
バグや演出が、実体験のように語られます。
懐かしさと恐怖が混ざり合います。
- Momo Challenge hoax — モモ・チャレンジ|拡散型ホラー・デマ
子どもを脅して危険行為をさせる“チャレンジ”が広がっている、という噂。
実在の被害が確認しづらいまま恐怖だけが先行し、世界的な注意喚起へつながりました。
「子どもに迫るネットの怪異」として語られやすいタイプです。 - Sad Satan — サッド・サタン|深層ネット怪談(ホラーゲーム)
“ダークウェブで見つかった”とされる不穏なホラーゲームの噂。
出どころが曖昧なまま映像が拡散し、真偽不明の気味悪さが物語を支えました。
「見つけてはいけないものを覗いた」感覚が残ります。 - Polybius — ポリビウス|架空アーケードゲームの噂
存在しないはずのゲームが人の精神に影響した、という都市伝説。
実物が見つからない空白が、想像を増幅させます。
ゲーム怪談の“原型”のひとつとして語られます。 - The Hat Man — ハットマン|影の男(バズ発・現代怪談)
影のような男が現れる、という体験談型の怪談。
近年はSNSで語り直され、映像・体験談の形で広がりました。
「見た」と言われるほど、現実感が増していきます。 - Alexandria’s Genesis — アレクサンドリアの遺伝子|体質“設定”が独り歩きした噂
あり得ないほど都合の良い体質が“遺伝的特性”として語られるネット発の話。
それっぽい説明が付くほど、本当らしく見えてしまいます。
ホラーではなくても、ネット由来の不気味さとして残ります。 - Snuff films — スナッフ・フィルム|実在すると噂される残虐映像
“金や娯楽のために本物の殺害を撮った映像がある”という噂。
真偽が掴めないまま、闇のイメージだけが独り歩きします。
見えない場所への想像が、恐怖を膨らませます。
日本で特に有名になった海外都市伝説
映画・書籍・テレビ・ネットを通じて、日本でも広く知られるようになった話。 異文化の怪異でありながら、日本の想像力とも自然に結びついて定着しました。
- Amityville Horror — アミティヴィルの怪事件|アメリカ
殺人事件後の家で起きた怪異をめぐる話。
実話を名乗ることで注目を集め、映画化により一気に拡散しました。
「住む場所」が恐怖に変わる代表例です。 - Poltergeist House — 呪われた家|アメリカ
家族の周囲で物理現象が続発したという話。
映像作品を通じ、日本でも“引っ越してはいけない家”のイメージが定着しました。
家庭の安全神話が崩れる怖さがあります。 - The Exorcism of Emily Rose — 悪魔憑き裁判|欧米
悪魔憑きを理由に裁かれた事件をもとにした物語。
宗教・医学・法律が衝突する構図が、日本でも強い印象を残しました。
どこまでが病で、どこからが怪異かが問われます。 - The Omen curse — 『オーメン』の呪い|イギリス
映画制作中に不幸が続いたという噂。
作品そのものが呪われているという語られ方をします。
フィクションと現実の境界が曖昧になります。 - Annabelle doll — アナベル人形|アメリカ
呪われた人形として紹介された存在。
映画シリーズにより、日本でも広く知られるようになりました。
無害そうな外見との落差が恐怖を強めます。 - The Dyatlov Pass Incident — ディアトロフ峠事件|ロシア
登山隊が不可解な状況で全滅した事件。
超常説から陰謀論まで、多様な解釈が語られています。
事実の空白が想像を加速させます。 - Crop Circles — ミステリーサークル|イギリス
畑に現れる幾何学模様の正体をめぐる噂。
宇宙人説が日本でも広まりました。
一夜で現れる点が、不気味さを支えます。 - The Mothman Prophecies — 災厄の予兆|アメリカ
災害前に現れる存在として描かれた怪物。
映画化により、日本でも「予兆の怪異」として定着しました。
未来を知ってしまう怖さがあります。 - The Blair Witch — ブレア・ウィッチ|アメリカ
実話風の演出で広まった森の魔女伝説。
映像表現のリアルさが、日本でも話題になりました。
見せない恐怖の強さを印象づけます。 - Skinwalker Ranch — スキンウォーカー牧場|アメリカ
UFOや怪異が多発するとされる土地。
番組や書籍を通じ、日本でも知られるようになりました。
一つの場所に怪異が集まる構図が特徴です。 - Vanishing Hitchhiker — 消えるヒッチハイカー|英語圏
車に乗せたはずの同乗者が、途中で忽然と消えるという定番の怪談。
「助けたはずの人が、この世の存在ではなかった」という後味が残り、日本でも怪談系の入口として語られやすい話です。 - Sewer Alligators — 下水道のワニ|アメリカ
都市の地下に巨大なワニが棲みつく、という怪談めいた噂。
あり得そうであり得ない“街の裏側”が想像を刺激し、日本でもテレビや読み物で繰り返し紹介されました。 - Walt Disney’s Cryo Chamber — ディズニー冷凍保存説|アメリカ
ウォルト・ディズニーの遺体(または頭部)が冷凍保存された、という有名な噂。
実在の大人物に結びつくことで説得力が生まれ、都市伝説として長く流通しています。 - Paul is Dead — ポール死亡説|イギリス
ビートルズのポール・マッカートニーがすでに亡くなり、替え玉がいるという噂。
ジャケットや歌詞の“暗号”探しとセットで広まり、日本でも音楽都市伝説の代表格になりました。 - The Well to Hell — 地獄の井戸|ロシア(とされる)
シベリアで超深度の掘削が地獄に到達し、異様な音が記録されたという話。
科学と怪談が混ざり合う構図が強く、日本でも「録音が怖い」系の定番として語られます。 - Hands Resist Him — 『Hands Resist Him』の絵|アメリカ
絵の中の人物が動く、見ると良くないことが起きる、といった噂で知られる作品。
画像一枚から広がる恐怖として、ネット怪談の文脈で日本にも入り込みました。 - The Seven Gates of Hell — 地獄の七つの門|アメリカ
森の奥に“門”があり、すべてを通ると戻れない、と語られる現代伝承。
現地の場所と結びついた“行ってはいけない系”として、日本でも相性のいい型です。 - The 2016 Clown Sightings — 2016年のピエロ目撃騒動|アメリカ発(各国拡散)
不気味なピエロが各地に現れるという噂・目撃談が連鎖した出来事。
“集団パニック”としての怖さがあり、日本でもニュースやSNS経由で知られました。
世界の都市伝説が語り続けられる理由
人は、説明できない出来事に出会ったとき、物語という形で意味を与えようとします。 海外の都市伝説もまた、恐怖や不安、好奇心が重なり合いながら、時代や場所を越えて受け継がれてきました。真実かどうかよりも、「語られてきた」という事実そのものが、これらの話を生き残らせています。
すべてを信じる必要はありません。 けれど、どこか引っかかる話があったなら、それは想像力が動いた証です。気になった都市伝説をきっかけに、その土地の文化や背景に目を向けてみると、また違った面白さが見えてくるかもしれません。
FAQ よくある質問
海外の都市伝説にはどんなものがありますか?
海外の都市伝説には、幽霊や怪物の話だけでなく、実際の事件や事故をもとに語られた噂、政府や軍事に関する疑念、インターネットから広まった現代的な怪異まで含まれます。土地や時代が違っても、人の不安や想像力が共通している点が特徴です。
都市伝説と怪談の違いは何ですか?
怪談は幽霊や超自然的存在に焦点を当てることが多い一方、都市伝説は「本当に起きたかもしれない」という現実との距離感を保ったまま語られます。証拠や目撃談、実在の場所が絡むことで、信じきれないのに否定もしきれない状態が生まれます。

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